【ランスロット】
アーサー王の円卓の騎士の中で、最高の騎士とされるのがランスロットです。ランスロットは、もともとフランス出身したが、武者修行のために、ブリテン島へ渡ってきました。父親のバン王は、ローマ軍に殺されたとされています。アーサーの宮殿に来たのは、18歳の時です。ランスロットは、赤ん坊の時、超自然的な存在である「泉の貴婦人」にさらわれ、彼女に育てられました。そのため「泉の騎士」などと呼ばれています。ちなみに、アーサー王に、エクスカリバー授けたのもこの泉の貴人です。ランスロットは「アロンダイト」と「エクセンス」という剣を所持しています。「アロンダイト」は、火龍を退治した剣で「エクセンス」は、アーサー王の妃、ギィネヴィアが与えたもので、元々はアーサー王のものでした。
【活躍】
ランスロットは、円卓の騎士で最強とされています。馬上試合で、円卓の騎士の強者「ガウェイン」「ボウホート」「ライオネル」などを落馬させたからです。そのランスロットに、匹敵するのは、トリストラムだけだとされています。ランスロットは、タークィンという騎士に憎まれていました。なぜなら、タークィンの兄を殺したからです。タークィンは、ランスロット以外の円卓の騎士よりも強かったとされています。ランスロットは、タークィンと死闘を繰り広げ、これを倒しました。
マリアガンスという騎士が、ギィネヴィアをさらった時のことです。ランスロットは、追跡しましたが、馬を射殺されたので、荷馬車を使いました。騎士というものは、名誉を重んじるものです。当時、荷馬車というものは、罪人などを乗せるものだったので、そのことをギィネヴィアに咎められました。
【罪と贖罪】
ランスロットは、アーサー王の妃ギィネヴィアと不倫関係にありました。そのため「裏切りの騎士」とも呼ばれています。ランスロットは、正しい戦いも、正しくない戦いも、常に王妃のために戦っていました。キリスト教の騎士なのに、神のために戦ったことはなかったとされています。ある時、ランスロットとギィネヴィアの不倫現場が目撃され、ギィネヴィアが、不義の罪で火刑にされそうになりました。ランスロットが、それを救出しようとした時のことです。無防備だったガウェインの弟、ガヘリスとガレスを殺してしまいました。しかも二人は、ギィネヴィアの処罰には反対だったとされています。そのことで、アーサーやガウェインと戦争することになりました。戦争では、ランスロットに従う者も多かったとされています。ランスロットは、アーサーとは直接戦おうとせず、味方にも、アーサーを殺すなと命じました。この円卓の騎士同士の戦争が、国力が衰える原因になったとされています。その国力を回復させるために必要だったのが聖杯です。聖杯を見つけたのは、ランスロットの息子ガラハドでした。