江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

12月8日、「真珠湾攻撃」から81年

2022-12-08 | 随想
1941年12月8日、今から81年前の今日のことでした。
大日本帝国の軍隊は、アメリカのハワイ州オアフ島・真珠湾のアメリカ軍基地を奇襲攻撃しました。
日本時間では12月8日の午前3:19でしたが、現地時間では12月7日の日曜日の朝7:49(7:55という説もある)だったそうです。

この奇襲でアメリカ軍は2488人が死亡し、民間人も46人が犠牲になりました。
また、同日に日本軍はマレー半島の上陸に成功し、10日にはマレー沖海戦でイギリス軍を撃破するという勢いでした。

日本国内では戦勝ムードに酔いしれていたことでしょう。
その後、42年には香港・マニラ・シンガポールと占領地域を拡大していったのでなおさらです。
こうして侵略エリアをアジアから太平洋地域まで拡げることになり、まさに戦争は順風満帆にも見えました。
しかし、戦線拡大は同時に多くの兵力と物資が必要でしたが、それに対応しうるには不十分でした。

それは、当時の日本が石油などを依存していたアメリカが、日本の中国侵略などに対する経済制裁を課していたことにも起因します。
つまり、日本がアメリカに宣戦布告を仕掛けようと画策する以前に、アメリカは日本にいつでも宣戦布告する準備はしていたのでしょう。
たしかに真珠湾攻撃は結果的に日本の宣戦布告前の奇襲でしたが、これを機にアメリカは満を持して日本との戦争に参戦することになるわけです。
イギリスのチャーチルは真珠湾攻撃を機にアメリカが戦線に加わることを確信し、「我々はこの戦争に勝ったのだ」とさえ語ったというから、日本の思惑とは離れて米英はこの時から太平洋戦争の勝利を確信していたとも言えます。

こうして、12月8日は「太平洋戦争」開戦記念日となり、以後3年6ヶ月に及ぶ「大東亜戦争」・対米英戦争(太平洋戦争)に突入していくのでした。

おそらく当時、日本においても、この戦争に間近で関わっていた人間は状況的に余裕を持って勝てる戦争とは考えていなかったのではと想像します。
ある意味、勝つための客観的条件が整わない中で戦争は実に無謀と言うべきでしょう。
スポーツなら戦う精神力がモノを言う場合もありますが、戦争はスポーツではありません。
人が武器を持って人を殺し合う戦いなのです。


あれから81年、今、日本国はまたしても客観状況を見誤り、戦争を準備しています。
「反撃能力」という文言を考えて、それが最大の戦争抑止力になるなどという詭弁を語っています。
敵基地攻撃能力を獲得するためには、かつての敵だったアメリカからトマホークを2027年までに500発も購入するのだそうです。

もちろん、そのためには多額のお金がかかります。
GDP比2%まで軍事費を引き上げようとしています。
22年度の当初予算で5.4兆円でしたが、その2倍に当たる11兆円が必要とされる試算です。
これを税金で賄うとすると、一人当たり4万円が軍事費のために追加増税されます。
こんなバカな話はありません。

お金ばかりではありません。
日本がこんな軍事大国になると、危険極まりません。
専守防衛を国是としていた今までの在り方を大きく転換するということは、諸外国がこれまでにはない不安を抱くということでもあります。
現に日本が仮想敵国としている中国は、この日本の姿勢に危機感を募らせています。
かつて侵略された悪夢が蘇ってきても不思議ではありません。

武器保有のエスカレートは悪循環を繰り返すのみです。
そして、最後は核兵器の保有こそが最大の戦争抑止力だという間違った論理に行き着きます。

少し冷静に考えれば武器保有で争っても勝てないし、ミサイルの撃ち合いになったら原発を保有する日本はひとたまりもありません。
一気に国土は壊滅します。
もちろん、私たちは生きていることはできないでしょう。

「反撃能力」を保持してあの「集団的自衛権」を駆使するとなると、専守防衛なんて完全に吹き飛び、第二次世界大戦を超えた人類滅亡戦争に突入してしまいます。
なんとしてもこうした展開を阻止しなければなりません。

12月8日、船橋市在住の私はこんなことを考えました。


(海軍無線電信所船橋送信所:ニイタカヤマノボレ一二〇八の無電を発信した所)


<戦争につながる動きは許さない>

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