江戸川教育文化センター

「教育」を中心に社会・政治・文化等の問題を研究実践するとともに、センター内外の人々と広く自由に交流するひろば

言葉であそぼう 詩であそぼう  ~「きりなしうた」その2~

2014-04-08 | 随想
あまりにも有名な、谷川俊太郎さんの「きりなしうた」。
ご存知とは思いますが、まず本編の「宿題編」です。                                                                                                    

「きりなしうた」

宿題早くやりなさい      お腹がすいてできないよ
ホットケーキをやけばいい   粉がないから焼けません
粉は粉やで売ってます     粉やはぐうぐう昼寝だよ
みずぶっかけておこしたら   バケツに穴があいている
ふうせんガムでふさぐのよ   虫歯があるからかめません
はやく歯医者へいきなさい   歯医者はハワイへいってます
電報うってよびもどせ     お金がないから打てません
銀行行って借りといで     はんこがないから借りられぬ
自分でほって作ったら     まだ宿題がすんでない 
 
この親と子のかけ合いがエンドレスに続きます。

低学年では、親のパートと子のパートに分かれて、かけ合いの音読に取り組みます。
子どもたちは、身振り手振りの動作も加えて、役割になりきって、思いっきり楽しみます。
パートごとの集団で、一斉音読に取り組んでも、教室中が盛り上がります。

中学年では、自分版の「きりなしうた」の創作できるようになると聞いたので実践してみました。
まず、「宿題編」、「お風呂編」に習熟します。
次に「きりなしうた」の構成や特徴について子どもたちと発見していきます。
言葉遣いが7・5・7・5になっている、かけ合いが屁理屈になっていて面白い、最初にもどる……など。
「きりなしうた」の<できかた>の理解が深まると俄然自分たちで作ってみたくなるのですね。
あちらこちらで、詩作に夢中になる姿が現れました。
羽目を外して、ちょっと危ない言語表現(他の人を傷つける、不快にさせる)になりそうなときには、その場でアドバイスするようにしました。

子どもたちはさまざまなシチェーションの「きりなしうた」を編み出しました。

「学校編」 「ゲーム編」 「鍋編」 「おつかい編」
「ごはん編」 「着替え編」 「学習塾編」 「病院編」
「ならいごと編」 「親孝行編」   ……………。

自由な発想で、のびのび書かれた一人一人の「きりなしうた」。
日頃の生活の中で、お家の人に「はやく、早く!」とせかされているのが目に浮かぶようで、微笑ましくなってしまいます。

いっしょに作った「ゲーム編」の一部を紹介します。
 
「きりなしうた」(ゲーム編)

はやくゲーム止めなさい     おもしろすぎてやめられない
電気のコンセントぬいちゃうよ  電池があるからだいじょうぶ
ゲームの電池は電池切れ     充電器があるからだいじょうぶ
充電器犬がかじってる      はやく犬を止めに行く
~後略~ 

このほかにも「アクロスティック」「回文あそび」「言葉の階段」なども「言葉であそぼう 詩であそぼう」で取り上げてきました。
学習予定が2,3分早くおわったときには、全員で「しりとり」をするのも定番でした。
「しりとり」は語彙の豊かさが、結構試されたりするものです……。 

(つづく)


<K>

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