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オクラホマシティ・サンダーを応援していくNBAブログです。

1973-74 ~レジェンド ビル・ラッセル招聘~

2021年07月01日 | history
【ドラフト】
全体4位でマイク・グリーンという選手を指名するもABAに取られてしまいます。
このシーズンソニックスはドラフトでのルーキーは加入しておりません。


【オフの動き】
創設から1度もプレイオフに進めていないチーム状況を重く受け止めたヒューブレッグスGMはフロントにメスを入れました。
バック・ウォルターHCを解雇し、更に自らもGMの職から手を引いたのです。
そして後任としてやってきたのが、4年前に現役を退いたばかりのレジェンド、ビル・ラッセルでした。
現役時代ボストン・セルティックスを11度の優勝に導きオリンピックでは金メダルを獲得。
キャリア終盤にはHCも兼任しながら選手としてもプレーしていた経歴も持ち合わせています。
あと少しが届かないチーム状況を考えたらまさに適任でかつうってつけの人物となっておりました。

ラッセルGMは早速動きます。
昨シーズン期待外れとなってしまったベアードをゴールデンステイト・ウォリアーズに放出し、見返りとしてやってきたのがウォルト・ハザードでした。
そう、ソニックス創設時最初に所属していた選手の1人です。
当時は25歳でしたが、この時期には31歳とキャリア晩年を迎えており、戦力というよりも経験を買っての獲得でした。

FA契約として最初に動いたのがディック・ギブスでした。

ディック・ギブス
25歳 身長6-5(196cm)、体重95kgのSF。
キャリア3シーズン目の選手です。

そして開幕直前にルーキーにしてFAとなっていたスリック・ワッツと契約。

スリック・ワッツ
22歳 身長6-1(185cm)、体重79kgのPG。
この年のドラフトにエントリーするもどこのチームからも指名されることはありませんでした。
しかし、彼の出身であるXULA(Xavier University of Louisiana)のHCはラッセルの従弟であり、ラッセルがソニックスのHC&GM業に就いたことを知り連絡したところ、今回の契約に至りました。
いわゆる"コネ"での契約です。


若干順番が前後しますが、開幕直後もう1人FA契約します。

ミルト・ウィリアムズ
28歳 身長6-2(188cm)、体重82kgのPG。
過去2シーズンNBAでプレイした経験はあるものの、計15試合の出場に留まっており、昨シーズンはどこのチームとも契約ができずプレイしていませんでした。


ロスター
PG ワッツ/ハザード/ウィリアムズ
SG ブラウン/スナイダー
SF マクアイントッシュ/ギブス/ブリスカー/ストォールウォース
PF ヘイウッド
C フォックス/マクダニエルズ


【シーズン】
開幕戦主力であるヘイウッドが26得点、ブラウンが31得点と気を吐きましたが、接戦の末敗戦してしまいます。
しかし、迎える開幕2試合目新体制での初勝利をもぎとります。
そこから連勝街道に乗ると思われたのですが、なんと大ゴケとなります。
開幕30試合を終えた段階で9勝21敗と大きく負け越していました。
ヘイウッド、スナイダー、ブラウンは主力として安定した活躍をしていましたが、他の選手の伸びがイマイチなのと、そしてフロント職に就いたラッセルとの連携にまだ不安があったのが原因結果でした。

シーズン途中の12月、不振に陥っていたマクダニエルズを解雇し、代わりにベスター・マーシャルと契約します。

ベスター・マーシャル
25歳 身長6-7(201cm)、体重90kgのSF。
契約こそしたものの、すぐ解雇され、またシーズン終盤に再契約するという謎のシーズンとなっております。

また将来の指名権を元に、シカゴ・ブルズからトレードでジョン・ハンマーを獲得しています。

ジョン・ハンマー
25歳 身長6-9(206cm)、体重104kgのPF。
キャリア4シーズン目の選手です。
インサイドが手薄になっていたチームにおいては重宝するビッグマンとなりました。


余談ですが、実はこの年シアトルはオールスターの開催地となっており、例年に比べ開幕前は物凄い盛り上がりを見せていました。
その中でレジェンドであるラッセルのHC招聘もあったので、地域のファンは期待に胸を膨らませていたわけです。
ただ実際に蓋を開けてみると連敗が続き、街の士気は下がっていました。
唯一希望の兆しは昨年に続きオールスターに選出されたヘイウッドでした。
結局前半戦を終えた時点で21勝30敗と負け越しです。

後半戦は徐々にチームとしての連携や若手の成長により勝ちを伸ばしては行きましたが、最終的に36勝46敗と負け越してシーズン終了となりました。
プレイオフ進出もなりませんでした。


【個人成績】
スペンサー・ヘイウッド
平均23.5得点(リーグ8位)13.4リバウンド(リーグ6位)3.2アシストを記録。
オールスターに選出され、オールNBA2ndチームにも選出。
怪我により全試合出場はかないませんでしたが、それでも高水準なプレーを継続しています。
平均出場時間40.5分はリーグ7位にランクインします。


ディック・スナイダー
平均18.1得点4.1リバウンド3.6アシストを記録。
昨年成績を落としてしまったものの、29歳に成績をアップさせています。
若手の台頭がある中でチーム2位の得点力とチーム歴の長さを活かしたフロント陣との連携を円滑にする、内外での活躍が目立ちました。


フレッド・ブラウン
平均16.5得点4.9リバウンド5.0アシストを記録。
ソニックスに入団後着実に成績を伸ばしており、先発に定着。
チームで唯一の全試合出場を果たしました。
スナイダーと同じポジションということもあり、ヘイウッドに続き将来を担う若手の1人です。


ジョン・ブリスカー
平均12.5得点4.2リバウンド1.6アシストを記録。
怪我によりシーズンの大半の欠場を余儀なくされまっした。
しかし、出場した試合ではしっかりと成果を残しチーム内で4番目の得点源です。


ジム・フォックス
平均11.3得点9.2リバウンド2.9アシストを記録。
チーム内数少ないビッグマンとしてインサイドの柱となってくれました。
途中加入のハンマーと出場時間を分かち合う形になってしまいましたが、主力としては十分すぎる成績となっています。


ディック・ギブス
平均10.8得点3.1リバウンド1.1アシストを記録。
キャリア最高のシーズンとなりました。
出場時間では平均20分を超え、平均得点2桁もキャリア初。
この活躍が買われて、残念ながら1年でチームを離れてしまいました。


ジョン・ハンマー
シーズン途中にブルズから移籍
ソニックスで平均8.2得点7.0リバウンド2.7アシストを記録。
ソニックスに加入後出場時間が大幅に上昇。
46分間出場する試合もありながら1試合も欠場することなく、ヘイウッドの良い控えとして、時には先発としてインサイドで活躍。
6度のダブルダブルも記録しています。


スリック・ワッツ
平均8.0得点2.9リバウンド5.7アシスト1.9スティールを記録。
ラッセルの子弟として加入したものの、シーズン途中からは先発に定着。
62試合に出場し、2桁アシストを11度も記録しています。
スキンヘッドにヘッドバンドというポピュラーなスタイルから、ヘッドバンドを斜めにつけるスタイルで人気を博しました。


ケニー・マクアイントッシュ
平均7.4得点5.2リバウンド1.4アシストを記録。
チームの先発SFとして69試合に出場。
昨シーズンに続きFG38.9%と落ち込んでしまうものの、2桁リバウンドを8度、53分間の出場を記録することもあり、献身的で重要なポジションを担っていました。
ケガの為シーズン最後までプレイすることができませんでした。


バッド・ストォールウォース
平均6.3得点2.6リバウンドを記録。
67試合に出場するものの、FGが39.2%と低迷。
シーズン終了後、ニューオーリンズ・ジャズのエクスパンションドラフトの人員としてチームを離れました。


ウォルト・ハザード
平均3.8得点1.2リバウンド2.5アシストを記録。
ソニックス史上初のオールスター選出を果たした選手でありながら、6年ぶりに復帰したハザードは既に31歳。
主にベンチから出場となりましたが、ケガも多く全盛期の活躍からは程遠い成績となっています。
それでもラッセルHCの元、次の世代へしっかりとバトンを渡し、このシーズンを持ってバスケットボールキャリアを閉じたのでした。


ミルト・ウィリアムズ
平均3.1得点1.9アシストを記録。
ワッツの保険、そしてハザードの控えとして獲得されましたが、出場はピンポイントでありまとまった出場時間をもらうことはできませんでした。
1度だけ22得点を記録する試合があったものの、それがピークでした。
シーズン終了後ABAのチームへ移籍しています。


ベスター・マーシャル
平均1.3得点2.8リバウンドを記録。
1973年12月に契約。
1974年1月に解雇。
1974年3月に契約。
目まぐるしい動きではあるものの、出場時間も13.4分、計13試合出場と戦力とは言い難く、シーズン終了後に引退を表明。
結局彼のNBAキャリアはこのシーズンのみとなりました。


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