1927年のメーデー
参照 「労働年鑑第9集/1928年版」大原社研編
1927年のメーデーは、一道三府29県78ヵ所で開催され、総参加数は約4万2千人に達した。この年のメーデーに参加した女性労働者は東京の300人、全国で約1,500人であったが、労働年鑑第9集はとても目立ったと書いている。メーデー会場スローガンは従来の8時間労働制実施のほかに、この年の日本軍の山東出兵中国侵略反対(対支那干渉反対)や労働運動分裂反対(全国労働組合総聯合の促進)が目を引く。女工虐待反対(女工寄宿舎の徹底的解散、婦人幼年工の深夜業の廃止)も当時の紡績女性労働者のストライキが反映。京都メーデーでは朝鮮人待遇差別撤廃もあがっている。横浜メーデーの軍事教育反対もある。
(一)東京メーデー
主催 関東労働組合会議
参加団体 26
参加数 8,217人
スローガン
対支那非干渉
健康保険法の徹底改正
太平洋労働組合会議支持
国際労働階級の提携
階級的労農総聯合促進
議会解散普選即実行
8時間労働制の確立
治安維持法撤廃
耕作権の確立
失業反対
等
会場の祝辞・演説の多くが「弁士中止」命令を受ける。
この日の示威行動や集会への官憲の弾圧による検束者は300名にのぼっている
(ニ)大阪メーデー
①総同盟系メーデー
参加団体 10
参加者数 2,576人
スローガン
完全なる労働組合法の制定
8時間労働制の実施
社民党支持
女工寄宿舎の徹底的解散
失業保険法の制定
健康保険法の根本的改正
官営共済組合法人化の促進
②反総同盟系メーデー
参加団体 20
参加者数 5,148人
スローガン
8時間労働制
最低賃金制定
団体交渉権
無産階級圧迫法の廃止
対支那非干渉・支那国民政府の即時承認
等
(三)横浜メーデー
参加団体 18
参加数 2,555人
スローガン
8時間労働制の即時実施
軍事教育反対
中間搾取
全国労働組合総聯合の促進
等
(四)京都メーデー
参加団体 13
参加数 800人
スローガン
失業手当法の制定
耕作権居住権の確立
ストライキ権の確立
朝鮮人待遇差別撤廃
言論集会結社の自由
等
(五)神戸メーデー
参加団体 12
参加者数 630人
スローガン
船員法徹底的改正
海員不在投票権の確立
官業労働者政党加入の自由
18歳以上の男女選挙権の獲得
婦人幼年工の深夜業の廃止
(六)川崎メーデー
参加団体 9
参加者数 1,010人
スローガン
治安維持法の撤廃
労働協約権の確認
等
(七)千葉野田メーデー
主催 関東醸造工組合
参加団体 2
参加者数 2,730人
(八)兵庫加左川町メーデー
参加団体 2
参加者数 730人
(九)高砂町メーデー
主催 工友会
参加団体 3
参加者数 645人
(十)小樽メーデー
主催 評議会小樽合同
参加団体 10
参加者数 1,662人