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コラム・企業に求められる事業継続計画(2)

2008年09月04日 | このごろの新型インフルエンザ関連情報
コラム・企業に求められる事業継続計画
2008年09月04日 13:40更新 前の記事 次の記事  コラム・経営戦略一覧

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出典:みずほ情報総研ホームページ(http://www.mizuho-ir.co.jp/)「コラム/みずほ情報総研(株) コンサルティング部 隆島省吾 2008年9月2日付」より

継続すべき事業が決まったら、次にその事業を継続するためには何が必要かを考える。人材、場所、情報システムやネットワーク、水、電力、ガス、燃料、原材料の供給・・・ その事業は、他の事業や外部の取引先に依存していないだろうか?

必要な資源が明らかになったら、それらを確保する手段あるいはその資源の代替策を考える。他の事業に依存しているのなら、その依存先の事業も同様に事業継続のための方策を考えるか、その事業に依存しない回避方法を考えなければならない。外部取引先に依存しているならば、その取引先の事業継続計画が自社にとって適切であるか確認することも必要だろう。(自社としては取引先からの製品供給の中断は2日しか許容できないのに、取引先の事業継続計画における復旧目標は5日間かもしれない。)

コンピュータの障害に備えてバックアップシステム用意するのも一つの方法であるが、処理能力は劣っても人手による処理を行うための手順書や様式類を備えるという方法もある。顧客への製品供給責任を果たすために、緊急時には同等品を顧客へ提供してもらうという契約をライバル会社と相互に交わしておくのも有効である。

このようにして、事業継続計画は作成される。しかし、作成しただけではいわゆる「絵に描いた餅」にすぎない。事業継続計画は、その有効性や実現性についてよく検討し、実施訓練しておかないと実際は役に立たない。

災害が発生するかどうかわからないのに、事業継続計画を策定・維持するということに貴重な資源を割くことは出来ない!とおっしゃる経営者も多いだろう。もちろん、そういう判断も否定はできない。

災害等が発生したら製品やサービスの供給は諦める。その代わりに通常は低コストでサービスや製品を供給するという戦略である。ただし、もし災害等が発生した場合はサービスや製品の供給は停止し、顧客離れを招き、業績悪化から事業も雇用も継続できなくなるかもしれない。また、事業継続計画のない会社を取引先として選定するのならば、それ相応の覚悟(一蓮托生となる覚悟、あるいは代替策の用意)は必要である。

現代の企業はサプライチェーンで高度にネットワーク化されて相互依存性を高めており、何らかの問題が発生しても適切な水準のサービスを継続することは、企業の社会的責任を果たす上で重要な要素となっている。企業には、事業継続を重要な企業戦略と位置づけ、コストや効果とのバランスをとりながら有効な事業継続計画を策定することが求められている。

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