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nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

白樺峠

2010-09-18 00:00:00 | 探鳥記
9月 18日(土)晴後曇 

 4年前の感動をもう一度、と期待してT氏の誘いで早暁4時に我が家を出発する。
 3連休の初日なので、早めに家を出たため、高速道路は混雑しないと予想してのとおり、途中鳳凰三山や甲斐駒ケ岳などの眺望を楽しみながら順
 調に走り、『八ヶ岳P.A.』で朝食。
 そのP.A.の展望台から見る山々は、山頂付近の雲が邪魔をして、甲斐駒ケ岳も八ヶ岳もすっきりした姿を見せてくれなかった。
       [甲斐駒ケ岳]                                        [八ヶ岳]
Img_1398Img_1400 松本 I .C.で降りて直ぐの所にあるコンビニで、お弁
 当を買うことにしたが、何とお弁当の棚には何も残
 っていない。これには驚かされた。交通の便の良い
 場所にあるため、既に売り切れてしまったのだ。
 仕方なしに暫く走った先にあるコンビニへ。ここで
 も品数が少なかったが、皆さんどうにか買い求めら
 れた。

     *
 昨年は交通事故のため、ノロノロ運転を強いられた『上高地線』は、何事も無くスムースに走り、9時半過ぎに白樺峠に到着。
 ところが、駐車場は満車、はみ出した車が道路端に何台も止まっている。
 昨年を上回る人たちが押し寄せているようだ。車のナンバーは全国区だ。
     *
 展望台への登りに汗を流し、乗鞍眺望広場に到着して振り返ると、いつも見えている乗鞍岳が、上半分ほど雲に覆われている。こんなことは初め
 てだ。
 中央道を走行している時から気になっていたのは、上空は青空が広がっていたが、山々の頂上付近は雲に覆われていたことだ。ここでも同じよう
 な状態だったのだ。
     [タカ見広場への道]                                     [タカ見広場]
Img_1401 Img_1407_2観察場所は既に満員の状態で、今年も右側の木陰に
 腰を落ち着ける。
 そして前方を見ると、大気全体に薄くモヤが掛かっ
 たような状態で、遠くアルプス方面には入道雲が連
 なり、近くの山々にも雲がかかって見通しが良くな
 い。まだまだ今年の夏の異常な高温状態が残ってい
 るようだ。
 今年のこれまでのタカの渡りの数が少ないのは、こ
 の暑さが原因なのではないのだろうか。
 今日は晴れているので、多くの渡りを期待してきた
 のだが、どうもあまり飛んでいないようだ。
     [タカ見広場への道]                                      [タカ見広場]
Img_1403_2 Img_1404本格的に観察を始めると、正面の『一のピーク』付
 近からポツン、ポツンと姿を現すようになる。
 ハチクマが多く、ついでサシバ、時折ノスリとツミ
 が混じる。
 大半は前方右手へと流れて行くので満足な観察がで
 きない。
 空には秋らしく巻雲が流れてくる。
 たまに上空を通過するタカがいると、その下面の状
 態から種別の判定ができる。
  
     *
 今年もS氏が作成した、『タカの渡り探鳥会』の小冊子が大いに参考になる。
 タカ見広場の眺望図からタカの種類別の特徴図まで、飛来したタカの種別判定に役立つ資料だ。
  [S氏作成の小冊子]                                        [広場眺望図]
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 また、ツバメ類が空高く飛び交い、ホシガラス、カケス,キジバトなどが前方を横切り,時折アサギマダラがひらひらと上空を舞い、少ないワ
 シ・タカ類を補ってくれる。
     *
 昼食が終わる頃から、数は10羽程度と少ないが、タカ柱が見られるようになる。
 前方、肩の付近から1羽、叉1羽と飛び出し、輪を描いて次第に上空に上がり、それが右手へと流れて行くのだ。
 午後1時前後には、15羽余りのタカ柱と25羽余りのそれができて、ようやく渡りの観測らしくなり、皆さんの期待度がさらに高まったが、そ
 れ以後は上空に雲が広がりだし、サッパリ飛ばなくなってしまった。
 前山に止まっていたノスリの頭部から胸にかけてが黄色く見え、しばし皆さんの観察対象になったのが、せめてもの退屈しのぎになってくれた。
     *
 皮肉なことに、前方遥かに見える松本市内は、日が当たっている。
 午前中から気になっていたとおり、山々に雲が掛かった状態になってしまった。
 その遥かに見える日の当たる場所で、10羽余りのタカ柱がゴマ粒のように見えたのを最後に、今日の観察を終え、峠を降りる。
     *   [亀遊館]
Img_1432 Img_1431今日の宿は野麦街道と木曾福島への分岐点にある民
 宿の「亀遊館」。
 築百年の古い民家を改装した趣のある建物だ。
 我々のために4つの部屋を用意してくれて、ゆった
 りと過ごすことができた。
 
 
 


    *
 夕食までの時間、宿の前を流れる川でカワガラスとキセキレイを観察。
 熱い風呂で汗を流した後の夕食は,山菜料理が主体で、豚のしゃぶしゃぶがメイン。
 渇いた喉にビールが染み渡り,すっかり良い気分になる。
 食後、締めくくりにS氏お手製のパンフレットを参考に,今日の鳥合わせをして解散、早めに床についた。

 4時00分 自宅 → 6時40分 八ヶ岳P.A.(朝食)7時10分 → 9時30分 白樺峠駐車場 … 白樺峠・探鳥 … 15時30分 
 白樺峠駐車場 → 16時00分 民宿・亀遊館 泊   (電話 0263 -79 -2652・一泊三食 6700円)

【観察した野鳥】 23種類
 1.カワウ          2.ハチクマ       3.ト ビ
 4.オオタカ         5.ツ ミ        6.ハイタカ
 7.ノスリ         8.サシバ        9.キジバト
10.ハリオアマツバメ    11.アマツバメ     12.アカゲラ
13.イワツバメ       14.キセキレイ      15.ヒヨドリ
16.ウグイス V       17.コガラ       18.ヒガラ
19. シジュウカラ     20.メジロ        21.カケス V
22.ホシガラス       23.ハシブトガラス   24.カワガラス

歯舞・色丹沖クルーズ

2010-07-20 00:00:00 | 探鳥記
7月18日(日)曇時々雨

 待望のクルージング初日、霧が濃い。
 予め言われていたように,下着、シャツ、ズボンなど総て冬用のものを着用する。
 根室からの参加者も加わって合計63名となり、改めて乗船の受付を済まして、バスで根室港へ向かう。
 私たちの乗る船は日本船籍の『ロサ ルゴサ(Rosa Rugosa ・ハマナス)号』、478トンで思っていたより大きな船だ。この船は元々水産高校の外 洋練習船として建造されたが,何といっても北方四島の訪問船として使用されていることで有名になった。

Img_1271 Img_1272
     *
 タラップが急なので、スーツケースは船員に任せて船内へ。
 個室は2段ベットで、小さなテーブルとソファ、衣装戸棚が2カ所ある。
 BG から「船に自信のある方も念のために必ず飲んで下さい」と言われていた〈酔い止めの薬〉を飲む。
 全員の乗船が終わると,前方の甲板に集合するようにとのアナウンスがある。
 ここで船長の紹介と挨拶,続いて救命用具の着用方法について説明がある。
 
Img_1274 Img_1333
   【ロサルゴサ号ブリッジ】              【クルーズ航海予定図】          
     *
 続いて小城春雄北大名誉教授、万が一のためのロシア語通訳・安木氏、さらに北大大学院生で海鳥に詳しい倉沢康太氏、最後にBGの山本,宮島
 石田、金原各氏の紹介と挨拶がある。
 この間に船は出港し、早速海鳥の観察が始まる。参加者は思い思いの場所で観察することになる。
 海上の鳥の情報は,船首の左舷側に倉沢氏、右舷側には石田氏が監視して、発見した鳥の情報をブリッジにいる宮島氏に無線で通報し,宮島氏か
 ら船内放送で参加者に知らせるということになる。

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    【船首の倉沢氏と石田氏】               [エトピリカ]
     *
 私は船首付近で観察することにしたが,霧が濃くなったり薄くなったりして、視界が100m前後と悪い状態だ。
 霧のため細かい水滴が眼鏡や双眼鏡に付着するので,時折それを拭き取らなければならない。また、衣類が濡れるのでレインウェアを上下とも着
 用する。気温も低めなので手袋を着用する。
 港を出て暫くは,鳥が出ない。というよりは遠望が効かないので,観察の範囲が狭いのが原因だ。
 最初に現われたのは[ウトウ]、それもアナウンスがあってから探すので,あっという間に通り過ぎてしまう。
 また、[トウゾクカモメ]とか[ウミガラス]とのアナウンスがあっても、たちまち霧の彼方へと消えてしまうので、確認することはできない。
 どうも気象条件が悪すぎる。
 波は穏やかだが、時折雨も混じるようになる。

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    [ウトウ]          [トウゾクカモメ]        [ウミガラス]
     * 
 船首にいるとまともに風が当たるので,次第に寒さを感じるようになり,また立っているのが苦痛になってきたので,部屋に戻り,セーターを着
 て、持参の簡易椅子を持ち出し,船の中程の庇のある場所で観察することにする。
 相変わらず海鳥は少なく、何とも空しい時が過ぎて行く。
 2度ほど[エトピリカ]の情報があったが、何れも後ろ姿を見た程度で、午前中は全く成果なし!
     *
 食事は食堂の場所が狭いので2班に分かれて採ることになる。この間船は止まる。
 今日の昼食はカレーライス、スープが付いて味もまづまづ。
     *
 食後は雨も上がったので、再び船首部分で観察することにしたが,相変わらず霧が濃く,遠望が効かないのが何とも残念だ。もちろん北方四島の
 島影などは見ることができない。
     *
歯舞群島
 北方領土と呼ばれる北方四島(択捉・国後・色丹・歯舞)の一つです。
 たくさんの島の集まりですが、四島の中の一つとして数えています。
 現在は納沙布岬と貝殻島の中間に国境線が敷かれ、ロシアの管理下にあります。日本はロシアに対して返還を求めている地域です。
 ハボマイの語源はアイヌ語の「アブ・オマ・イ」で、意味は「流氷のあるところ」とのことです。
 明治時代は珸瑤瑁(ごようまい)諸島、大正4年(1915年)に珸瑤瑁村が歯舞村と合併し、その後歯舞諸島となり、現在では日本の行政域では根
 室市、ロシアではサハリン州に属しています。
 国土地理院は平成20年3月21日、北海道根室市から地名変更の要望を受け、歯舞諸島の名称を歯舞群島へ変更しました。
 主な島は北から多楽島、志発島(しぼつとう)、勇留島(ゆりとう)、秋勇留島、水晶島などがあります。
     *
 午後3時を過ぎる頃,[エトピリカ]の棲息地を通ることになり、ゆっくり観察するため船のスピードを落とす。
 なるほど2羽づつのエトピリカが何回か出てくれたが,双眼鏡で追いかけるのが精一杯だった。

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     *
 前回までのクルーズでは、エトビリカが出ると、船を止めて観察したとのことだが、とてもそのような状態にはならない。事前のBGの説明で,
 エトビリカをゆっくり観察できた時は,宮島BGの音頭で万歳をすることになっていたが、今回のように初日にできなかったことはなかったとい
 う。
 それにしても念願の鳥にやっと会えたということではあったが、じっくりとは観られなかったので、何とも物足りない気分だった。

[エトピリカ]Lunda cirrhata L39cm 
 大形のウミスズメ。体は黒く、夏羽では額、目の周囲が白く、目の上から黄白色の房状の飾り羽が垂れている。
 嘴は縦に平たくて赤と黄緑色。足は赤い。
 冬羽では顔の白色部は小さくなり、飾り羽はなくなる。
 小刻みな翼動で海上を高く直線的に飛び、白い顔と赤い足が目立つ。    【日本の野鳥】より
 体重750gほどで、ハトよりも大きい。
 エトピリカとはアイヌ語で「くちばし(etu)が美しい(pirka)」という意味で、名のとおり橙色の大きな嘴をもつ。
 頭部が鮮やかに彩られる様から「花魁鳥」(おいらんちょう)という別名もある。
 外見はツノメドリに似るが 腹まで黒いことと夏羽の飾り羽で区別する。
     *
 夕方になると一段と気温が低くなる。
 この頃からやっと[フルマカモメ]を主体とする海鳥が多く見られるようになる。
 アホウドリ科の[コアホウドリ]や[クロアシアホウドリ]、ミズナギドリ科の[ハイイロミズナギドリ][ハシボソミズナギドリ]、それにウ
 ミツバメ科の[ハイイロウミツバメ][コシジロウミツバメ]などなど。 
 
Img_1362 Img_1360
   [コアホウドリ](A氏撮影)          [クロアシアホウドリ](A氏撮影)
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   [フルマカモメ]       [ハシボソミズナギドリ]     [ハイイロミズナギドリ]
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 [ハイイロウミツバメ]        [コシジロウミツバメ]
     *
 その後もそれなりの海鳥が見られたが、全体的に物足りない感じがする1日だった。
 海鳥の種類と数が、霧が濃いためにBGから聞いていたより少なかったことが原因だ。
     *
 18時から夕食、カレイの唐揚げ、アスパラガスと小エビの煮物,大根と挽き肉の煮物、お新香に味噌汁とそれなりの内容だった。免税の缶ビール
 (150円)が評判だった。
 この後、船は色丹島沖で停船、波も穏やかで揺れも少なく、ゆっくりと寝ることができた。
      *
色丹島
 歯舞群島の東にある南北9.5km、東西24kmの島で,高山植物が多く、海岸線も景勝地が多いことから国立公園の候補にも上がった島でした。漁業         
 が盛んな島でしたが、島内では馬の飼育も行われていました。
 明治17年に千島アイヌが強制移住させらせれた歴史があります。
 人口は昭和20年次920人でした。
 地名はアイヌ語の「シャコタン」で、「サク・コタン」(夏の村)により、島の反対側には「マタコタン」(冬の村)もありました。

 7.15.ホテル発(バス) → 7.20.根室港着 … ロサ・ルゴサ号乗船 8.00. → 18.00.色丹島沖で停船
     *
7月19日(月)曇時々雨

 夜明けが早いので,3時過ぎに起床する。部屋の丸窓から外を見ると,雨が降っている。
 今朝も霧が立ちこめて遠望が効かない。
 デッキへ出てみると、船の排水口付近に[フルマカモメ]が20羽余り集まっている。残飯を期待しているようだ。そういえば、食事の度に停船す
 るが、その際にも海鳥たちが集まってくる。
 雨のため,後部甲板の屋根のあるところで観察する。
 船の周囲では[ハイイロウミツバメ]や[コシジロウミツバメ]などが飛翔し,ときには[ハイイロヒレアシシギ]も加わる。何故か[コアホウ
 ドリ]は、船には近寄ってこない。
 [アザラシ]が我々を盗み見するように海上から出たり、潜ったりして遠ざかって行く。
 船首で観察中のBGの情報で,[エトピリカ]の幼鳥かもとのことで、駆けつけてみると,[ウトウ]と判明。
     *
 5時からの朝食は,納豆、焼鮭、フキの煮物、お新香に味噌汁,ご飯という献立。料理長の味付けが良い。
     *
 食事が終わると、色丹島沖から根室港へ向かって動き出す。今朝も波が穏やかなので,酔い止めの薬は飲まないことにする。
 この付近では[フルマカモメ]が圧倒的に多い。船尾で観察していると,船の航跡を辿るようにして、次から次へと飛来する。
 肝心の[エトピリカ]は、1度上空を飛び,その後も2度ほど海上に出たが,確認するまでには至らない。
     *
 雨が小やみになり,霧も大分薄くなって少し遠くまで見えるようになった10時半過ぎ,海流がぶつかる潮目に多数の海鳥たちが集まっている場所
 に来る。      
 [フルマカモメ]に混じって[コアホウドリ]や[クロアシアホウドリ]が多く見られる。

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   [コアホウドリ]       [白色型フルマカモメ]       [エトピリカ]
     *
 船首の監視員からの情報で,その群れの中に[アホウドリ]の成長がいると知らされる。
 なるほど他の鳥たちより一段と大きく、ピンク色の嘴が目立つ。
 続いて[エトピリカ]が2羽いるので船はここで止まります、とアナウンスがあり、やっとじっくりと観察することになったかと思いきや,何と
 続いて若い[アホウドリ]がいるとの情報で、我々はどこを見たら良いのか,船内は大騒ぎになる。
 私はエトビリカの場所を探したが分からず、若いアホウドリを見ることにした。

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       [アホウドリ]               [アホウドリ若鳥]
     *
 その騒ぎも一段落して少し進むと,3羽の[エトピリカ]を発見,船はそれに近づくため急に旋回しながら進む。
「船が傾くので体をしっかり支えて下さい !」とアナウンスされる。
 ようやくあの白い顔と赤い嘴,そして黄色の飾羽をじっくりと確認することができた。
     *
 この間も雨が降ったり止んだりしている。その度に船首に行ったり,船尾に移動したりと落着いて観察ができない
 ただ、霧が薄くなって視界が少しづつ広がってきたことが何よりだ。
 昼食は,牛丼に味噌汁。
     *
 昼食後は昨日も通過した[エトピリカ]の棲息地へ向かう。
 視界が広がったせいもあってか,船の右に左にと次々に[エトピリカ]が現われるようになる。
 船は止まったり、また追いかけたりしてくれる。ようやく満足できる観察ができた。
 昨日は霧のため視界が悪く,遠くまで見えなかったため、思うような観察ができなかったことが分かった。
 ここで宮島BGの発声で、やっと万歳をすることができた。何れにしてもヤレヤレというところだ。

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     *
 その後も[オオトウゾクカモメ]や「トウゾクカモメ」、「ウミスズメ」や「カンムリウミスズメ」、そして「アカアシミズナギドリ」などがア
 ナウンスされたが、その総てを確認することはできなかった。

Img_1351 Img_1353 Img_1354
 [オオトウゾクカモメ]        [ウミツバメ]       [アカアシミズナギドリ]
     *
 それと前後して[シャチ]が右舷側にいると知らされ,これはハッキリと見ることができた。最大で2mはあるという特徴的な雄の背鰭が何より
 の目安だ。
 気がつくと船の近くに4頭もいるではないか。しばし船と並走してくれたのがなによりで、良いお土産となってくれた。

Img_1355 Img_1278
       [シャチ]                [船首付近で観察する人々]
     *
 その他、時折[ミンククジラ]や「オットセイ」、それに「イシイルカ」などが出て我々を喜ばしてくれた。
     *
 次第に視界が効くようになってから、気温が一段と下がってきたので、レインウエアの上着をダウンジャケットに取替える。事前説明にあったの
 で、用意してきて良かったのだ。
 陸地に近くなったせいか[オオセグロカモメ]の飛翔する数がが多くなってきた。
 西方の雲が切れ日の光が見えるようになると、海上全体に[ウトウ]や[アカエリヒレアシシギ]と[ハイイロヒレアシシギ]の群れが多数見ら
 れるようになる。

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  [ウトウやヒレアシシギの群れが…]         [ようやく雲が切れてきた]
     *
 やがて船の前方左手に『納沙布岬』が見え、右手には『貝殻島』が見えてくる。

Img_1300 Img_1303
       [納沙布岬]                  [貝殻島]
     *
 昨日は白濁の世界で何も見えなかったが、今日のように見通しが良ければ、多数の海鳥が見られたに違いない。
 残念ながら、こればかりは自然現象、不徳の致す所と諦めざるを得ない。
 これで今回のクルーズは、どうにか所期の目的を果たして終了。 
    *
 18時に夕食、トンカツに野菜サラダ,ナスの油炒め、味噌汁、ご飯という献立。
 この食事中に根室港に入港。19時に下船して『根室グランドホテル』へ。
 
 4.00.観察開始 → 18.30.根室港着19.00.(バス) → 19.10.根室グランドホテル
     *
7月20日(月)晴

 朝食はバスの中でお弁当。
 皮肉なことに,帰る日になって朝から好天気となる。
 車窓右手は根室湾,左はなだらかな牧草地帯が続き,日の光を浴びた景観が素晴らしい。
 左手の『温根沼』を過ぎ,右手の『春国岱』では[タンチョウ]2羽が見られる。
 往路でも利用した『厚岸道の駅』でトイレ休憩。心地よい風に日差しがちょうど良い。
     * 
 ここで帯広へ向かうAコースの方々と分かれ,我々は釧路空港へと向かう。
 途中、3羽の[タンチョウ]が飛翔する姿を見たり,また湿原にいる2羽を見ることができ、このツアーの有終の美を飾ってくれた。
 
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          【釧路空港ターミナル前にあるシマフクロウの像】
     *
 釧路空港からのフライトも満席。
 羽田空港に着くと,猛暑日とのことで気温が35℃を越えており,目眩がするほどの暑さとなっていた。

 7.30.根室グランドホテル発(バス) → 8.55.厚岸道の駅9.10. → 10.40.釧路空港12.15.(ANA962便)→ 13.55.羽田空港  


霧多布・野付半島

2010-07-17 00:00:00 | 探鳥記
 ワイバード主催の『エトピリカを求めて ! 歯舞・色丹沖クルーズ』のツアーに参加しました。
 私はBコースで、7月16日から20日の日程でしたが、Aコースは14日から大洗発、Cコースは17日から、そして根室発着コースと四つのコースに
 分かれてのクルーズ参加となっていました。

7月16日(金)東京 : 晴、釧路 : 晴後霧

 羽田空港に集まったのは9名、明日からの連休とあってか、フライトは満席。
 釧路空港では大阪からの参加者8名、そして大洗からの参加者19名が一緒になり、宮島、石田、金原各氏のバード・ガイド(BG)とともに、今
 日の宿『釧路プリンスホテル』へ向かう。
 爽やかな空気に包まれた緑の大地の景観が、東京での蒸し暑さを忘れさせてくれます。

Img_1309 Img_1244
      *    
 空港では晴れていましたが、釧路市内に近づくにしたがって霧が濃くなってきました。
 ホテルに落着いた後、夕食までの時間に釧路川畔まで散歩することにしました。
 『幣舞橋』での夕景が有名なので期待しましたが、残念ながら霧が濃く見ることができませんでした。

Img_1238 Img_1242 

 14.20.羽田空港(ANA743便) → 15.55.釧路空港16.25.(バス) → 17.00.釧路プリンスホテル 

7月17日(土)朝晩 : 霧、日中 : 晴

 今日から探鳥が始まり,先ず『霧多布』へ向かいました。
 途中の湿原で[タンチョウ]2羽を車窓から見ることができました。多分子育て中なのですが、雛は草陰にいるようで、見ることができませんで
 した。
 『厚岸道の駅』でトイレ休憩。私は初めての場所でしたが,厚岸湾を見下ろす高台にあり,展望に恵まれた場所にありました。
     
Img_1245_3【厚岸道立自然公園】
 北海道東部の玄関都市である釧路市の東、釧路町東部の太平洋沿岸部から厚岸町、別寒辺牛川河口
 部・厚岸湖を経て浜中町霧多布へかけての、沿岸に沿って発達する海岸段丘、海食崖、湖沼、湿原
 など、変化の多い地形に恵まれた自然公園です。
 本地域の気候は、夏季は海流の影響で海霧が発生しやすい一方、冬季は、雪が少なく晴天の日が多
 くなります。また、年間を通して気温は低めで、日本でも最も冷涼な気象条件となっています。
 高緯度で冷涼な気候の本地域では、本州では山の上でしか見られない高山植物を海岸草原や湿原で
 手軽に見ることができます。
 本公園は、1955年(昭和30年)に当時の制度である道立公園として指定されたのが自然公園としての
 始まりです。公園の区域は、釧路町、厚岸町、浜中町の3町にまたがって東西に長く広がり、総面
 積は約21,000haです。
 森林、海岸草原、湿原、湖沼等変化に富んだ自然に恵まれている本地域では、ダケカンバ、トドマツ等の針広混交林、ヒオウギアヤメ・センダイ
 ハギ等の海岸性の植物、エゾカンゾウ・ツルコケモモ等の湿原性の植物などの様々な植生が見られます。
 また、多彩な環境に、森林性・草原性の鳥、オオハクチョウをはじめとしたガン・カモ類等の水鳥、タンチョウ、オオワシ・オジロワシ・エトピ
 リカ等の希少鳥類等も分布しており、1年を通して実に様々な野鳥を観察することができます。          【北海道庁資料より】
     *
 バスは霧多布の街を抜け,『アゼチ岬』へ行くため、高台へ登り始めましたが,霧が次第に濃くなりつつあり、果たして「エトピリカ」がいると
 される小島が見えるのかと気がかりでした。
 台地に上がったところにある『霧多布温泉』でトイレ休憩の後,岬の駐車場に到着。
     *
 バスを降りると、台地状の草原から野鳥の囀りが聞こえてきます。[オオカサモチ]の花の上で鳴いている[オオジュリン](写真は同行のA氏
 撮影)、[シマセンニュウ]などが見られました。
 その先の小島が見える岬の先端へ行くと,島の上部は霧に隠れています。海上にあるエトピリカのデコイ付近を探しますが,残念ながら今日は見
 当たりません。
 東京で現地の情報を確認したところ、観察したとの記録があったので,期待していたのですが……。
 石田BG が[ケイマフリ]を見つけてくれたのが、せめてもの慰めとなりました。
 そのうちに霧が海上にも立ちこめて,何も見えなくなってしまいました。
     *
Img_1252 Img_1254_2
     *
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  [オオジュリン]       [シマセンニュウ]        [ケイマフリ]

【アゼチの岬・霧多布岬】
 霧多布半島の東の端は「霧多布岬」。そして西の端にはここ「アゼチの岬」があります。
 アゼチの岬はビワセ湾に突き出た岬で、小島・ゴメ島・嶮暮帰島を望め、遥かにビワセ湾、浜中湾の海岸線を見渡すことができ、真夏の落日は素
 晴らしいものです。
 アゼチの岬の先から望む小島には、浜中町の鳥[エトピリカ]が営巣します。
 また、かっては霧多布岬から見るゴメ島にも多くの[エトピリカ]が営巣していました。浜中町にはこのような海鳥の聖地となる小さな島、岩が 多く、そのため多くの海鳥が生息しています。
 またアゼチの岬では、昆布盛漁期の晴天の日に一斉に出漁する様子は壮観で互いに競うように轟音を響かせて舟を走らせる様は、海の男の豪快さ
 を感じさせます。                                        【浜中町観光協会】資料より
     *
 その霧が立ちこめるころに[オジロワシ]が上空を飛翔。やはり風格がありますね。
 [オオセグロカモメ]や[ショウドウツバメ]が多く見られましたが、かってこの場所で見たノビタキやノゴマは確認できませんでした。夏鳥の
 数も種類も少なくなってしまったのでしょうか?

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   [オジロワシ]        [ショウドウツバメ]
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 草花では[エゾカンゾウ]や[ハマフウロ]、それに[オオカサモチ]が目に付きました。

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   [エゾカンゾウ]        [ハマフウロ]        [オオカサモチ] 
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 次いで『霧多布岬』へ。こちらでも海上は霧に閉ざされていました。
 海岸近くの空き地では、今最盛期の昆布干しが各所で見られました。

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 こちらの草原には[ヒバリ]や[カワラヒワ]が観察され,種々な草花が咲き競っていました。

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 岬の真下にある岩礁に[オオセグロカモメ]の雛が何羽か見られました。

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 ここで昼食の時間となり、バスは浜中町の茶内駐車場にある公園に移動して,お弁当となりました。
 この食事中,前方の電線に[ノビタキ]が止まり,ようやく見ることができました。
 さらに上空に[オジロワシ]が飛来、近くの樹に[ハシブトガラ]が動き回っていました。
     
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                          [ノビタキ]     [ハシブトガラ]
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 午後はCコースと合流するため,『野付半島』に向かいました。
 この頃から青空が広がり,眩しいほどの陽光が照りつけてきました。
 バスが『野付半島』に入ると,左手に根室海峡と雲に見え隠れしている国後島,右手に『野付湾』を眺めながら『フラワーロード』を進んで行き
 ます。両側の草原には[ハマナス]や[ヒオウギアヤメ]などが見られます。
     *
【野付湾】 
 総面積4,800haの、野付半島との間に挟まれた非常に浅い湾で、底には[アマモ]が繁茂しており、白い帆を一杯に広げ、湾内に浮かぶ[ホッカイ
 シマエビ]漁の打瀬船は、初夏の風物詩となっています。
 2005年(平成17年)には、『野付半島・野付湾』の地域が、ラムサール条約に登録されました。
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 やがて合流場所である【野付半島ネイチャーセンター】の駐車場に到着。
 ここでCコースの方々の到着を待つことになりました。
 ネイチャーセンターから見る野付湾には、早くも数羽の[キアシシギ]や[メダイチドリ]の姿が見え、秋の渡りが始まっていることを教えられ
 ました。

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【野付半島地区】
 【野付風蓮道立自然公園】のうち、標津町茶志骨から野付崎に至る延長約26kmの日本最大の規模を持つ鉤状の分岐砂嘴で形成された野付半島と  それに抱かれる野付湾からなり、景観の特徴として、海と陸とが一体となって、水平的で広大な景観を創出しています。
 野付湾側のなだらかな斜面や『トドワラ駐車場』より先の砂丘列の上は、北海道の海岸景観を特徴づける原生花園が広がり、春から秋まで色とり
 どりの花が目を楽しませてくれます。
 また、野付湾内側の海と接するあたりは、満潮時には海水が入り込む砂泥質の塩湿地が広がっており、[シバナ][ヒメウオシゲ][アッケシソ
 ウ]などが生育しています。
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 Cコースのバスとともに野付半島の先端近くにある駐車場へ移動し,そこから今来た道を戻りながら原生花園を探鳥することになりました。
 
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 先ず驚かされたのは,[ヒオウギアヤメ]の大群落でした。目の前見渡す限りの紫の花に圧倒されました。
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 ここでも[オオジュリン]と[シマセンニュウ]が目立ちましたが、その他[ベニマシコ]や[ノゴマ]などが我々を喜ばしてくれました。
 野付湾の浅瀬には[トウネン][キョウジョシギ][ハマシギ]などの数が次第に増えてきて、時折それらが集団で飛翔する姿も見ることができ
 ました。秋の渡りが本格化しつつあるようです。
 また、[アカアシシギ]が2羽飛来して近くの杭の上に止まったので、カメラの一斉放射を浴びていました。
 [オオジュリン]の巣立ち雛が、小さな灌木の枝に頼りなさげに止まっている可憐な姿も見ることができました。

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    [ノゴマ]          [アカアシシギ]        [ベニマシコ]
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【トドワラ・ナラワラ】
 野付半島の曲がり目の所、森林が繁茂した「オンニクル」という所があり、トドマツやミズナラの大木が森林をつくっていますが、地盤の沈下に より海水が入り込み、塩湿地と接している所では、すっかり枯れてしまった木々が並んでいます。
 [ナラワラ]はミズナラの、[トドワラ]はトドマツの枯れた木々の立ち並ぶ所です。
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 かくして今日の探鳥を終え,バスは根室へと向かいました。
 途中,車窓左手にかって何度が来たことがある『春国岱』が見えてくると、[タンチョウ]2羽を確認。
 その先の『道の駅・スワン44ねむろ』でトイレ休憩する頃から,再び霧が出てきました。

Img_1270【野付風蓮道立自然公園】
 北海道東端の根室海峡側の根室市と別海町、標津町にまたがって広がる、面積11,692haの自然公園
 で、1962年(昭和37年)に指定されました。
 日本を代表する砂嘴の野付半島、広大な海跡湖である風蓮湖、温根沼、長節湖を中心として,砂丘
 およびそれらを取り巻く森林や湿原など、広大で、水平的な北海道らしい荒涼とした北方型景観が
 特色です。
 本公園は野付半島地区と風蓮地区の2つに分けられます。



     *
 霧で薄暗くなった『根室グランドホテル』に到着。
 夕食の際,明日からのクルージングにアドバイザーとして乗船される、海鳥研究の権威である北海道大学水産学部の小城春雄名誉教授の紹介とご
 挨拶がある。
 食事は名物の[花咲ガニ]が一杯の他、魚中心の料理に満足する。
     *
 夕食後、明日からの船中での軽食を用意するため,ホテルの近くにあるコンビニでパンや果物などを調達。

 8.00.ホテル発(バス)→ 8.55.厚岸道の駅9.10. → 10.00.霧多布温泉10.10. → 10.20.アゼチ岬11.05. → 11.20.霧多布岬11.45. → 12.05.
 茶内駐車場(昼食)12.45. → 14.20.野付半島ネイチャーセンター14.45. → 14.50.野付崎(探鳥) … 16.15. → 17.50.道の駅・スワン44ねむろ
  18.00. → 18.30. 根室グランドホテル 泊



筑波山

2010-03-14 00:00:00 | 探鳥記
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 このところ週末は不順な天候が続き,外歩きができないでいたが、今日はひさしぶりの快晴の日曜日,鳥友だちに誘われて筑波山(標高・女体山
 877m)へと出かけた。
     *
 この筑波山はご存知、深田久弥の『日本百名山』に選ばれているが、標高1000mに満たない山として筑波山を選んだ理由として、その歴史の古さ
 を挙げている。即ち、
 『昔,御祖の神が所々の神の許を廻った際,日が暮れて富士山へ着いた。宿を求めると、富士の神は物忌のゆえをもって断わった。御祖の神は大
  へん怒って、
 「今後お前のいる山は夏冬を問わず雪や霜に閉じ込めてやるぞ」と言い残して東の方へ行くと筑波山があった。
 そこの神はあたたかく迎え、食事の用意をして歓待した。御祖の神の喜びはこの上なく,
 「そなたのいる山は日月と共に幸あれ。今後人が集い登り、飲食の物も豊かに捧げるであろう。それが代々絶ゆることなく、千秋万歳、遊楽の窮
  まることを知らないで  あろう。」』
 と、奈良初期に出た『常陸風土記』を引用して、おそらく常陸の人々の間には、それよりずっと前から語り継がれていた話に違いない,としてい
 る。そしてさらに、
 『……諸国の男女は,春の花が咲く時期,秋の木の葉が色づく時期になると,手をとりあって連れだち、食べ物や飲み物を持って,馬に乗ったり
  して登り,終日楽しく遊び過ごす』
 との記事から、わが国では宗教登山が最初のように言われるが,筑波山のような大衆の遊楽登山も早くから行われていたのだ,としている。
     *
 かって『日本百名山』完登を目指していた私は,昭和61年1月、前日の強い北風が収まった日に登頂した。
 女体山の頂上から遠く富士山が望め,自然研究路からは浅間山から上越の山々、そして日光連山も眺められた。
 ところが、この冬のさなかでも、ロープウエイやケーブルカーを利用した背広姿の人や毛皮のコートを着た人たちが次々と登ってきて,山頂付近
 が混雑してきたが、まさに前述の深田久弥の言葉を思い出させてくれたものだ。
     *
 そして今日、何回目かの筑波山は,北側にあるユースホステルの駐車場からの登山道を登ることになった。
 登るほどに日陰の部分や山頂付近には雪が残っている。一昨日までの雨がここでは雪だったようだ。
 期待していた野鳥は少なく,ホオジロ,ヤマガラ,シジュウカラの他、コガラ,エナガなどが見られた程度で1時間余りで『御幸ヶ原』に到着。
 ここには既に登山客の姿が多く見られる。
 晴れてはいるが,全体に春霞がかかっているようで、遠くの山並みは見られない。
 取りあえず、昨年ハギマシコが見られたという御幸ヶ原左手にあるカタクリの群生地へ行ってみる。
 カタクリはまだ出ていないが,立入り禁止の場所とあって,野鳥が棲息するには絶好の雰囲気がある。
 しかしながら目に入ったのは,餌を漁る数羽のカシラダカのみ。しばし観察を続けていたが,一向に鳥たちの姿が見られないので,再度来ること
 にして『自然研究路』を歩くことにする。
     *
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 所々に雪が残っている探求路,草花もカタクリが片葉を出している程度で、ようやく春の兆しが見えだしたところだ。野鳥も少なく,急な上り下
 りに息を弾ませ、汗を流しながら歩く。
 大分疲労が増してきたころ,ある展望台に到着。12時には少し早いがここで昼食とする。
 ここは時折ハイカーが通るくらいで静かな雰囲気で,風もなく,南側の斜面のため日差しも暖かく快適な場所だった。
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 食後『自然研究路』を一周して『御幸ヶ原』に戻る。食事時とあってこの辺り一帯は大へんな人出だ。
 午前中に観察した『カタクリ原生地』付近でも2,3のグループが食事中だ。
 これらのグループが立ち去るまでと、しばし近くのテーブルでお茶を飲みながら様子を伺っていたが,中々終る気配がない。しかもその中の1グ
 ループでは音楽を流し,乾杯などと言って宴会が始まった。
 これでは野鳥が近寄る訳もなく、ここでの観察を諦めることにした。
 前述の深田久弥の著作の中にもあった‘遊楽登山’がまさしくこれなのだと実感させられた結果となった。
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 これで今日の予定を断念し,ここまで来たのだからと筑波山山頂の女体山へ登ることにする。
 イザナミノ命を祀る筑波山神社に拝礼の後,女体山山頂へ。
 ここでも大変な混雑で,写真を撮るのに苦労するほどだ。
 イザナギノ命を祀る男体山を撮り,山を降りる。
 帰路はキャンプ場への道をとる。北側の斜面には残雪が多く,下りの道に苦労する。
 キャンプ場まで降りると,日差しを一杯に受けた草地に【キクザキイチゲ】の花が咲き始めていた。
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ビクトリアピーク

2009-11-25 16:05:29 | 探鳥記
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 2006年に完成したというピークタワー、レストランや土産物店、蝋人形館などが並び,観光客が多い。
 建物から外へ出ると,風が強く寒い。展望台から香港島と九龍方面の夜景を楽しむ。高層ビルが多いので見栄えがする。ビデオを回し,記念写真
 を撮ってたっぷりと夜景を楽しむ。

 これで2日間の探鳥を終え,ホテルへ戻る。あっという間の旅であった。


 11月17日(火)

 10時45分 香港空港発 ANA 912便      15時00分 成田空港着