寝苦しい夜が明けて、窓の外はガスが流れている。このような旅行は初めての経験だ。
朝食はバイキング・スタイルで和食中心に選ぶ。
食後は暑苦しい部屋にはいたたまれず、早々とホテルの外へ出て、付近を散歩する。
ルピナスの花を眺めていると、イカルの鳴声が耳に入り、久し振りにその姿を見る。
その先の小さな流れの中に,パイプを伝わって源泉が流れている。これが各ホテルに引き込まれているようだ。
*
*
今日の最初の観光地は野付半島のトドワラ見物だ。
旅館を出発する頃にはガスも切れて青空が広がってくる。天候には恵まれた3日間になりそうだ。
現地ガイドも昨夜は寝苦しくて熟睡できなかったとコボしている。やはり今年の天候は異常のようだ。
温泉街を経て硫黄山が近くなると、硫黄の臭いがきつくなる。その硫黄山は山頂付近がガスのため隠されている。
*
摩周岳などの景観を楽しみながら、中標津や標津を経由して野付半島に入る。
半島に入ると間もなく左手に国後島が見えてくる筈とガイド氏の案内があったが,海上のガスが濃く見ることができない。
ここも探鳥ツアーで何回か来ている場所なので、海沿いの堤防を注意深く眺めていると、案の定オジロワシが飛んでいるのを見つける。
さらにバスが進むと、ガイド氏が前方に飛翔するオジロワシを見つける。ゆっくりと飛んでいるのでバスが追いつき、しばし車と並行してその雄
姿を見せてくれる。黄色く太い嘴、鋭い眼光、大きな身体と白い尾をじっくりと見せてくれたので、車内は大喜びだ。
*
両側の草原にはエゾカンゾウやハマナス、ヒオウギアヤメなどが目を楽しませてくれ、尾岱沼に居るはずのタンチョウを見逃すまいと目を凝らす
*
野付半島
北海道の知床半島と根室半島のあいだに位置する、全長約 26kmの日本最大の砂の半島、砂嘴(さ
し)です。複数の国有林を持ち、国指定特別鳥獣保護区があります。
海に突き出たかぎ針状で、独特の形をしています。
中には砂浜、干潟、草原、高層湿原、森林、があり立ち枯れの風景『トドワラ』や『ナラワラ』と
いった景勝地があります。
5月から10月までは次々と花が咲きかわり半島を賑わせます。その花の多さから、半島を通る道路
は通称『フラワーロード』と呼ばれ、初夏には海に浮いたお花畑の中を一本道が続いてく感覚が味
わえます。
平成17年、ラムサール条約湿地に指定されています。
*
やがて『野付半島ネイチャーセンター』に到着、ここからトドワラへ往復することになります。
*
*
トドワラへは馬車を利用することもできる、とのことでしたが、生憎と出発したばかりなので原生花園の花々を愛でながら歩くことになりました
原生花園にはセンダイハギ・エゾカンゾウ・ハマナス・ノハナショウブ、それにエゾフウロやオオカサモチなど色鮮やかな花々が咲き乱れており
中々前へ進むことができないほどでした。
その花園にエゾシカの親子も目にすることが出来ました。
*
*
やがて木道になると、荒涼とした立ち枯れた風景が広がってくる。これがトドワラなのだ。
何回となくバードウォッチングで野付半島に来ていたが、ここまで来ることは無かったので、初めて見る長い年月による自然の変化に驚かされる
今後も地盤沈下や風化が続いて行くとのことですが、一体どのように変化していくことになるのでしょうか ?
*
トドワラ
野付半島内には江戸時代の中頃まで、トドマツ・エ
ゾマツ・ハンノキ・カシワなどの樹種から成る原生
林がありました。
しかし年々半島周辺が地盤沈下し、それに伴い海水
が浸入、立ち枯れの森となりました。
その枯れ木群も更に進む地盤沈下や風化によって少
なくなっています。
トドワラとはトドマツの原っぱからきた地名で、荒
涼とした景観になっています。
*
*
上の右の画像は秋になると紅葉する『サンゴソウ』です。ここも多く見られるので、秋には楽しめるようです。
トドワラからの帰りは往路と同じ道を戻ります。
下左の画像はハマナス、右はセンダイハギが多く見られます。
*
*
ここからはオオカサモチが目立っています。下右の画像では『野付ネイチャーセンター』が左奥に見えています。
*
*
今日も気温が高く、トドワラまでの往復にすっかり汗をかかされ、ネイチャーセンターの名物『ハマナスソフト』で渇いた喉を潤しました。
トドワラ見物を終え、バスはフラワーロードを戻り次の目的地『知床峠』を目指しました。
途中、野付湾では親子のタンチョウの姿を見ることができました。
*
尾岱沼
北海道東部、根室海峡に突き出た分岐砂嘴の野付崎によって囲まれた湾入で、野付湾ともいう。
湾内には当幌川、飛雁川が東流して注いでいる。湾内の浅瀬にはアマモが繁殖し、名産のシマエビが生息する。西岸に漁村の別海町尾岱沼集落が
あり、エビ打瀬網、カレイ刺網、コマイ・チカの定置網漁などが行われる。ハクチョウの飛来地としても知られている。
[ 日本大百科全書(小学館) ]
*
昼食は標津の料理店でお弁当を積み込み、時間の関係もあって車中で食べることになりました。
我々は『鮭節むすび』なるものを注文。具はイクラとタラコの2種類で回りを鮭節で包んであり、
それなりの味を楽しむことができました。
*
右手のオホーツク海には相変わらずガスが濃く、国後島は全く見ることができません。
知床半島に入ってもガスが濃くなったり薄くなったりして、羅臼の街並もすっきりとは見えませ
ん。
ただし左手の知床連山の頂上付近は良く見えていますので、知床峠での展望は期待できそうです。
*
羅臼の町から知床横断道路に入り、次第に高度を上げると国後島の一部が見えてきました。海上
からのガスのため島の下部分は見えませんが、ガスの上に乗っているように山々の部分だけが……。
一方、羅臼岳は良く見えています。今年は例年より雪が多く、所々に雪が残っており、横断道路も開通が遅れたとのことです。
*
知床峠に着くと、羅臼岳が一段と大きく目の前にその姿を見せてくれています。
この頂上にヒグマ避けのカウベルを鳴らしながら登ったのは、もう25年も前の平成元年9月15日のことでした。山頂からは国後島が手に取るよう
に見えたことが印象に残っています。
現在では当時と比較にならないほど多くの登山者や観光客が来ているようで、この峠にも大勢の観光客が見られました。
見晴台の右手には望遠レンズを構えている数人のカメラマンがいましたので、様子を伺うと『ギンザンマシコ』と『ノゴマ』が撮れたとのこと
でした。ここまで野鳥を求めて来ているとは驚きでした。
また、ここでも『アマツバメ』が飛び交っているのが見られました。
*
知床峠
斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路の頂上、
知床連山の尾根筋にあたる標高 738mの峠です。
ドライブコースとしても人気が高く、7月下旬でも
見ることができる残雪の白が印象的。
さらにここから見る羅臼岳の紅葉がまた見事で、
天候が良ければ遠く北方領土国後島も望むことが
できます。
開通期間は4月下旬から11月上旬までですが、そ
の年の気象状況によって変わることがあります。
*
僅か15分ほどでは満足な展望観察ができませんでしたが、次の予定があるので後ろ髪を引かれる思いでバスに乗り込みました。
バスは峠を下りウトロ側の知床五湖へと向かいました。
知床五湖の駐車場には多くの観光バスが止まっており、ここは北海道観光の目玉になつていることが分かります。
*
知床五湖
知床八景の白眉はやはり知床五湖でしょう。知床連山の麓に点在する五つの湖はそれぞれ違った
個性と美しさを持ち、さらに季節ごとに違う表情を見せてくれます。(冬期は閉鎖されます)
尚、知床半島はヒグマの高密度生息地ですのでヒグマの出没状況により閉鎖されたり立ち入りが二
湖までに制限されることがあります。
*
我々は高架木道を利用して知床一湖の見物となります。
高架木道を歩き始めると、上空に少し雲が多くなってきましたが、知床五山(右端が羅臼岳
:1600m、左端が硫黄岳 : 1567m)がはっきりと見えてきます。
*
高架木道
高架木道脇には電線が張られていて、ヒグマがあが
ってこられないようになっていますので、安心して
楽しむことができます。
また、バリアフリー対応ですので、車いすでの利用
も可能です。
高架木道の全長は 800m(往復約40分)で、展望台
が3つあり、最終地点の湖畔展望台までいくと1湖
の湖畔に出られます。ここからは湖に映る知床連山
の雄大な景色を楽しめます。
*
歩き始めると気温が高めなので汗ばんできます。行き交う観光客が多いせいか、動物たちの姿は何も見ることができません。
一湖の展望台から改めて知床五山をじっくりと眺める。ヒグマの心配も無く安心していられるのは良いが、この人工的なものがあるために、何と
なくこの景観が自然ではないような気持にさせられるのは身勝手な考えなのだろうか ?
一湖の水面に動くものがいるので 良く見ると、カイツブリの親が雛に餌を与えているところでした。
*
知床一湖
一湖は他の四つの湖が周囲を原生林に囲まれている
のとは異なり、歩道の対岸が開け笹原になっていて
開放的な感じがします。
これは大正・昭和にかけて二度の開拓が試みられ放
牧が行われた跡地です。
また一湖にはこの開拓時に放流されたフナが生息し
ています。
*
一湖の展望台の画像と、小さな池に生えていた『エゾコウホネ』の画像を載せてみました。
*
*
一湖往復 45分ではゆっくり見物することもできず、木道を早足で歩いたので汗が流れ、水分補給が欠かせない。
次いで向かった『オシンコシンの滝』は、かって羅臼岳を登頂した際に見物しましたが、その時は滝の上部にある道路から見た記憶がありますが
今回は海岸沿いに大きな駐車場ができており、階段を利用して滝の中央部にある展望台に行くことができます。
ここも観光客が多い。滝は水量が多く,展望台への階段の途中から滝の冷たい飛沫が飛んで来て心地よい。しばしその飛沫を浴びて汗の収まるの
を待つ。
*
オシンコシンの滝 落差 : 80m、滝幅 : 30m
途中から流れが2つに分かれていることから「双美
の滝」とも呼ばれています。
滝の上にある展望台からはオホーツク海や知床連山
を遠望することができ、特に流氷の季節は絶好、見
渡す限りの白い海原が感動的です。
「日本の滝100選」にも選ばれています。
名前の由来はアイヌ語で「川下にエゾマツが群生す
るところ」を意味する「オ・シュンク・ウシ」から
転じた。
*
ここのお土産店にガイド氏から紹介されていた、網走ビールの発泡酒[流氷ドラフト](青い発泡酒)が置いてあったので、試しに購入する。
ラベルには[オホーツク海の流氷を使用]とある。
ガイド氏からコップをもらい、早速注ぐとなるほど青い色をしている。
一口飲んでみると、まったりとした少し甘い味が喉を通って行く。発泡酒には違いないがこの色がユニークだ。
帰宅後、ネットで『網走ビール』を調べてみると、‘ 流氷 ’の他‘ はまなす ’ ‘ じゃが ’ ‘知床’(新緑)などの発泡酒を造っていることが分かりま
した。
*
流氷DRAFT
シベリア、アムール川より遥々1,000kmの旅をし夢
とロマンを運んでくれる流氷を仕込み水に使用し、
コクがあり爽やかな軽い飲み口に仕上がりました。
オホーツクの空・海・流氷をイメージした「オホー
ツクブルー」をコンセプトに天然色素クチナシを使
用する事で今までにない澄んだ鮮やかなブルーに仕
上がり、きめの細かい泡は、ほんのりブルーで、ま
るで海に浮かぶ流氷をイメージさせます。
グラスに注ぐとそこには、ロマンあふれる冬のオホ
ーツクが海が広がります。
地元の素材にこだわる当社の工場長の思いが作り上げた自慢の一品です。 【網走ビール】
*
バスは斜里の町を通り、再び釧路湿原を目指して移動しました。
途中、清里の広大なじゃがいもやビート畑などの奥に、斜里岳・1545m の姿が見えてきました。原野の中の独立峰なので堂々たる山容が目立ち
ます。ここは羅臼岳登頂の翌日、平成元年9月16日に登りました。天候に恵まれ山頂から360度の眺望を恣にしたことなどが思い出されました。
*
*
ツアー最後の目的地は、釧路湿原にある『温根内木道』の湿原散策です。
途中道の駅『パパスランドさっつる』で休憩の後、16時過ぎに到着しました。
ところが、この湿原は葦が伸びて草花が隠されており、それらを殆ど見ることができませんでした。
汗を流しながらの木道の歩きは、何とも空しいもので終わりました。
*
温根内木道
温根内ビジターセンターを起点とする木道です。
約1時間で1周できる温根内木道には、湿原の動
植物などを紹介する解説板が設置され、ヨシ・ス
ゲ湿原やミズゴケ湿原、ハンノキ林など様々な表
情を持つ湿原を見ることができます。
季節ごとにミツガシワ、ワタスゲ、ヒメシャクナ
ゲ、トキソウなど多くの花々を見ることができる
ほか、1年を通して様々な野鳥が訪れ、木道入り
口の林ではアカゲラなどの森林性の野鳥を、湿原
ではタンチョウなども見られます。7月~8月には、ヘイケボタルを見ることができます。
*
これで予定の観光を終わり、釧路空港へ向かうことになりましたが、若干時間の余裕があるとのこ
とで『鶴見台』に寄ることになりました。
勿論この時期にタンチョウは見られませんが、ガイド氏の話では稀に見られることもあるとのこと
でしたが、それは万が一のことでした。
*
ところが皮肉なもので、バスが走り出して直ぐの牧草地に 6羽のタンチョウのファミリーがいるの
が見られました。我々の旅の終りに挨拶に現われたのでしょうか、良いお土産になってくれました
*
釧路空港に着き、お世話になった現地ガイドと運転手に感謝の言葉を伝え、フライトの出発まで我々の世話をしてくれた添乗員にもお礼をして別
れました。
それにしても暑い道東の旅になりました。
*
7.30. きたふくろう(バス)→ 9.15. 野付半島・トドワラ 10.25. → 12.00. 知床峠 12.15. → 12.40. 知床一湖 13.25. → 14.00.
オシンコシンの滝 14.15. → 15.10. パパスランドさっつる 15.20. → 16.10. 釧路湿原・温根内木道 17.00. → 17.45. 鶴見台 18.00. →
18.25. 釧路空港(夕食)20.15.(JL1148便)→ 21.45.羽田空港
*
【観察した野鳥】 37種類
1.カイツブリ 2.ウミウ 3.アオサギ 4.スズガモ 5.ト ビ 6.オジロワシ 7.チュウヒ
8.タンチョウ 9.イソシギ 10.セグロカモメ 11.オオセグロカモメ 12.ウミネコ 13.キジバト 14.カッコウ V
15.ツツドリ 16.アマツバメ 17.アカゲラ 18.コゲラ 19.ヒバリ 20.ツバメ 21.イワツバメ
22.ハクセキレイ 23.ヒヨドリ 24.ノビタキ 25.アカハラ V 26.ウグイス V 27.シマセンニュウ 28.コヨシキリ
29.センダイムシクイ V 30.エゾムシクイ V 31.アオジ v 32.オオジュリン 33.カワラヒワ 34.イカル 35.スズメ
36.ハシボソガラス 37.ハシブトガラス
*
【その他】
1.エゾシカ 2.タヌキ 3.キタキツネ 4.イタチ
朝食はバイキング・スタイルで和食中心に選ぶ。
食後は暑苦しい部屋にはいたたまれず、早々とホテルの外へ出て、付近を散歩する。
ルピナスの花を眺めていると、イカルの鳴声が耳に入り、久し振りにその姿を見る。
その先の小さな流れの中に,パイプを伝わって源泉が流れている。これが各ホテルに引き込まれているようだ。
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*
今日の最初の観光地は野付半島のトドワラ見物だ。
旅館を出発する頃にはガスも切れて青空が広がってくる。天候には恵まれた3日間になりそうだ。
現地ガイドも昨夜は寝苦しくて熟睡できなかったとコボしている。やはり今年の天候は異常のようだ。
温泉街を経て硫黄山が近くなると、硫黄の臭いがきつくなる。その硫黄山は山頂付近がガスのため隠されている。
*
摩周岳などの景観を楽しみながら、中標津や標津を経由して野付半島に入る。
半島に入ると間もなく左手に国後島が見えてくる筈とガイド氏の案内があったが,海上のガスが濃く見ることができない。
ここも探鳥ツアーで何回か来ている場所なので、海沿いの堤防を注意深く眺めていると、案の定オジロワシが飛んでいるのを見つける。
さらにバスが進むと、ガイド氏が前方に飛翔するオジロワシを見つける。ゆっくりと飛んでいるのでバスが追いつき、しばし車と並行してその雄
姿を見せてくれる。黄色く太い嘴、鋭い眼光、大きな身体と白い尾をじっくりと見せてくれたので、車内は大喜びだ。
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両側の草原にはエゾカンゾウやハマナス、ヒオウギアヤメなどが目を楽しませてくれ、尾岱沼に居るはずのタンチョウを見逃すまいと目を凝らす
*
野付半島
北海道の知床半島と根室半島のあいだに位置する、全長約 26kmの日本最大の砂の半島、砂嘴(さ
し)です。複数の国有林を持ち、国指定特別鳥獣保護区があります。
海に突き出たかぎ針状で、独特の形をしています。
中には砂浜、干潟、草原、高層湿原、森林、があり立ち枯れの風景『トドワラ』や『ナラワラ』と
いった景勝地があります。
5月から10月までは次々と花が咲きかわり半島を賑わせます。その花の多さから、半島を通る道路
は通称『フラワーロード』と呼ばれ、初夏には海に浮いたお花畑の中を一本道が続いてく感覚が味
わえます。
平成17年、ラムサール条約湿地に指定されています。
*
やがて『野付半島ネイチャーセンター』に到着、ここからトドワラへ往復することになります。
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トドワラへは馬車を利用することもできる、とのことでしたが、生憎と出発したばかりなので原生花園の花々を愛でながら歩くことになりました
原生花園にはセンダイハギ・エゾカンゾウ・ハマナス・ノハナショウブ、それにエゾフウロやオオカサモチなど色鮮やかな花々が咲き乱れており
中々前へ進むことができないほどでした。
その花園にエゾシカの親子も目にすることが出来ました。
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やがて木道になると、荒涼とした立ち枯れた風景が広がってくる。これがトドワラなのだ。
何回となくバードウォッチングで野付半島に来ていたが、ここまで来ることは無かったので、初めて見る長い年月による自然の変化に驚かされる
今後も地盤沈下や風化が続いて行くとのことですが、一体どのように変化していくことになるのでしょうか ?
*
トドワラ
野付半島内には江戸時代の中頃まで、トドマツ・エ
ゾマツ・ハンノキ・カシワなどの樹種から成る原生
林がありました。
しかし年々半島周辺が地盤沈下し、それに伴い海水
が浸入、立ち枯れの森となりました。
その枯れ木群も更に進む地盤沈下や風化によって少
なくなっています。
トドワラとはトドマツの原っぱからきた地名で、荒
涼とした景観になっています。
*
*
上の右の画像は秋になると紅葉する『サンゴソウ』です。ここも多く見られるので、秋には楽しめるようです。
トドワラからの帰りは往路と同じ道を戻ります。
下左の画像はハマナス、右はセンダイハギが多く見られます。
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ここからはオオカサモチが目立っています。下右の画像では『野付ネイチャーセンター』が左奥に見えています。
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今日も気温が高く、トドワラまでの往復にすっかり汗をかかされ、ネイチャーセンターの名物『ハマナスソフト』で渇いた喉を潤しました。
トドワラ見物を終え、バスはフラワーロードを戻り次の目的地『知床峠』を目指しました。
途中、野付湾では親子のタンチョウの姿を見ることができました。
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尾岱沼
北海道東部、根室海峡に突き出た分岐砂嘴の野付崎によって囲まれた湾入で、野付湾ともいう。
湾内には当幌川、飛雁川が東流して注いでいる。湾内の浅瀬にはアマモが繁殖し、名産のシマエビが生息する。西岸に漁村の別海町尾岱沼集落が
あり、エビ打瀬網、カレイ刺網、コマイ・チカの定置網漁などが行われる。ハクチョウの飛来地としても知られている。
[ 日本大百科全書(小学館) ]
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昼食は標津の料理店でお弁当を積み込み、時間の関係もあって車中で食べることになりました。
我々は『鮭節むすび』なるものを注文。具はイクラとタラコの2種類で回りを鮭節で包んであり、
それなりの味を楽しむことができました。
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右手のオホーツク海には相変わらずガスが濃く、国後島は全く見ることができません。
知床半島に入ってもガスが濃くなったり薄くなったりして、羅臼の街並もすっきりとは見えませ
ん。
ただし左手の知床連山の頂上付近は良く見えていますので、知床峠での展望は期待できそうです。
*
羅臼の町から知床横断道路に入り、次第に高度を上げると国後島の一部が見えてきました。海上
からのガスのため島の下部分は見えませんが、ガスの上に乗っているように山々の部分だけが……。
一方、羅臼岳は良く見えています。今年は例年より雪が多く、所々に雪が残っており、横断道路も開通が遅れたとのことです。
*
知床峠に着くと、羅臼岳が一段と大きく目の前にその姿を見せてくれています。
この頂上にヒグマ避けのカウベルを鳴らしながら登ったのは、もう25年も前の平成元年9月15日のことでした。山頂からは国後島が手に取るよう
に見えたことが印象に残っています。
現在では当時と比較にならないほど多くの登山者や観光客が来ているようで、この峠にも大勢の観光客が見られました。
見晴台の右手には望遠レンズを構えている数人のカメラマンがいましたので、様子を伺うと『ギンザンマシコ』と『ノゴマ』が撮れたとのこと
でした。ここまで野鳥を求めて来ているとは驚きでした。
また、ここでも『アマツバメ』が飛び交っているのが見られました。
*
知床峠
斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路の頂上、
知床連山の尾根筋にあたる標高 738mの峠です。
ドライブコースとしても人気が高く、7月下旬でも
見ることができる残雪の白が印象的。
さらにここから見る羅臼岳の紅葉がまた見事で、
天候が良ければ遠く北方領土国後島も望むことが
できます。
開通期間は4月下旬から11月上旬までですが、そ
の年の気象状況によって変わることがあります。
*
僅か15分ほどでは満足な展望観察ができませんでしたが、次の予定があるので後ろ髪を引かれる思いでバスに乗り込みました。
バスは峠を下りウトロ側の知床五湖へと向かいました。
知床五湖の駐車場には多くの観光バスが止まっており、ここは北海道観光の目玉になつていることが分かります。
*
知床五湖
知床八景の白眉はやはり知床五湖でしょう。知床連山の麓に点在する五つの湖はそれぞれ違った
個性と美しさを持ち、さらに季節ごとに違う表情を見せてくれます。(冬期は閉鎖されます)
尚、知床半島はヒグマの高密度生息地ですのでヒグマの出没状況により閉鎖されたり立ち入りが二
湖までに制限されることがあります。
*
我々は高架木道を利用して知床一湖の見物となります。
高架木道を歩き始めると、上空に少し雲が多くなってきましたが、知床五山(右端が羅臼岳
:1600m、左端が硫黄岳 : 1567m)がはっきりと見えてきます。
*
高架木道
高架木道脇には電線が張られていて、ヒグマがあが
ってこられないようになっていますので、安心して
楽しむことができます。
また、バリアフリー対応ですので、車いすでの利用
も可能です。
高架木道の全長は 800m(往復約40分)で、展望台
が3つあり、最終地点の湖畔展望台までいくと1湖
の湖畔に出られます。ここからは湖に映る知床連山
の雄大な景色を楽しめます。
*
歩き始めると気温が高めなので汗ばんできます。行き交う観光客が多いせいか、動物たちの姿は何も見ることができません。
一湖の展望台から改めて知床五山をじっくりと眺める。ヒグマの心配も無く安心していられるのは良いが、この人工的なものがあるために、何と
なくこの景観が自然ではないような気持にさせられるのは身勝手な考えなのだろうか ?
一湖の水面に動くものがいるので 良く見ると、カイツブリの親が雛に餌を与えているところでした。
*
知床一湖
一湖は他の四つの湖が周囲を原生林に囲まれている
のとは異なり、歩道の対岸が開け笹原になっていて
開放的な感じがします。
これは大正・昭和にかけて二度の開拓が試みられ放
牧が行われた跡地です。
また一湖にはこの開拓時に放流されたフナが生息し
ています。
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一湖の展望台の画像と、小さな池に生えていた『エゾコウホネ』の画像を載せてみました。
*
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一湖往復 45分ではゆっくり見物することもできず、木道を早足で歩いたので汗が流れ、水分補給が欠かせない。
次いで向かった『オシンコシンの滝』は、かって羅臼岳を登頂した際に見物しましたが、その時は滝の上部にある道路から見た記憶がありますが
今回は海岸沿いに大きな駐車場ができており、階段を利用して滝の中央部にある展望台に行くことができます。
ここも観光客が多い。滝は水量が多く,展望台への階段の途中から滝の冷たい飛沫が飛んで来て心地よい。しばしその飛沫を浴びて汗の収まるの
を待つ。
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オシンコシンの滝 落差 : 80m、滝幅 : 30m
途中から流れが2つに分かれていることから「双美
の滝」とも呼ばれています。
滝の上にある展望台からはオホーツク海や知床連山
を遠望することができ、特に流氷の季節は絶好、見
渡す限りの白い海原が感動的です。
「日本の滝100選」にも選ばれています。
名前の由来はアイヌ語で「川下にエゾマツが群生す
るところ」を意味する「オ・シュンク・ウシ」から
転じた。
*
ここのお土産店にガイド氏から紹介されていた、網走ビールの発泡酒[流氷ドラフト](青い発泡酒)が置いてあったので、試しに購入する。
ラベルには[オホーツク海の流氷を使用]とある。
ガイド氏からコップをもらい、早速注ぐとなるほど青い色をしている。
一口飲んでみると、まったりとした少し甘い味が喉を通って行く。発泡酒には違いないがこの色がユニークだ。
帰宅後、ネットで『網走ビール』を調べてみると、‘ 流氷 ’の他‘ はまなす ’ ‘ じゃが ’ ‘知床’(新緑)などの発泡酒を造っていることが分かりま
した。
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流氷DRAFT
シベリア、アムール川より遥々1,000kmの旅をし夢
とロマンを運んでくれる流氷を仕込み水に使用し、
コクがあり爽やかな軽い飲み口に仕上がりました。
オホーツクの空・海・流氷をイメージした「オホー
ツクブルー」をコンセプトに天然色素クチナシを使
用する事で今までにない澄んだ鮮やかなブルーに仕
上がり、きめの細かい泡は、ほんのりブルーで、ま
るで海に浮かぶ流氷をイメージさせます。
グラスに注ぐとそこには、ロマンあふれる冬のオホ
ーツクが海が広がります。
地元の素材にこだわる当社の工場長の思いが作り上げた自慢の一品です。 【網走ビール】
*
バスは斜里の町を通り、再び釧路湿原を目指して移動しました。
途中、清里の広大なじゃがいもやビート畑などの奥に、斜里岳・1545m の姿が見えてきました。原野の中の独立峰なので堂々たる山容が目立ち
ます。ここは羅臼岳登頂の翌日、平成元年9月16日に登りました。天候に恵まれ山頂から360度の眺望を恣にしたことなどが思い出されました。
*
*
ツアー最後の目的地は、釧路湿原にある『温根内木道』の湿原散策です。
途中道の駅『パパスランドさっつる』で休憩の後、16時過ぎに到着しました。
ところが、この湿原は葦が伸びて草花が隠されており、それらを殆ど見ることができませんでした。
汗を流しながらの木道の歩きは、何とも空しいもので終わりました。
*
温根内木道
温根内ビジターセンターを起点とする木道です。
約1時間で1周できる温根内木道には、湿原の動
植物などを紹介する解説板が設置され、ヨシ・ス
ゲ湿原やミズゴケ湿原、ハンノキ林など様々な表
情を持つ湿原を見ることができます。
季節ごとにミツガシワ、ワタスゲ、ヒメシャクナ
ゲ、トキソウなど多くの花々を見ることができる
ほか、1年を通して様々な野鳥が訪れ、木道入り
口の林ではアカゲラなどの森林性の野鳥を、湿原
ではタンチョウなども見られます。7月~8月には、ヘイケボタルを見ることができます。
*
これで予定の観光を終わり、釧路空港へ向かうことになりましたが、若干時間の余裕があるとのこ
とで『鶴見台』に寄ることになりました。
勿論この時期にタンチョウは見られませんが、ガイド氏の話では稀に見られることもあるとのこと
でしたが、それは万が一のことでした。
*
ところが皮肉なもので、バスが走り出して直ぐの牧草地に 6羽のタンチョウのファミリーがいるの
が見られました。我々の旅の終りに挨拶に現われたのでしょうか、良いお土産になってくれました
*
釧路空港に着き、お世話になった現地ガイドと運転手に感謝の言葉を伝え、フライトの出発まで我々の世話をしてくれた添乗員にもお礼をして別
れました。
それにしても暑い道東の旅になりました。
*
7.30. きたふくろう(バス)→ 9.15. 野付半島・トドワラ 10.25. → 12.00. 知床峠 12.15. → 12.40. 知床一湖 13.25. → 14.00.
オシンコシンの滝 14.15. → 15.10. パパスランドさっつる 15.20. → 16.10. 釧路湿原・温根内木道 17.00. → 17.45. 鶴見台 18.00. →
18.25. 釧路空港(夕食)20.15.(JL1148便)→ 21.45.羽田空港
*
【観察した野鳥】 37種類
1.カイツブリ 2.ウミウ 3.アオサギ 4.スズガモ 5.ト ビ 6.オジロワシ 7.チュウヒ
8.タンチョウ 9.イソシギ 10.セグロカモメ 11.オオセグロカモメ 12.ウミネコ 13.キジバト 14.カッコウ V
15.ツツドリ 16.アマツバメ 17.アカゲラ 18.コゲラ 19.ヒバリ 20.ツバメ 21.イワツバメ
22.ハクセキレイ 23.ヒヨドリ 24.ノビタキ 25.アカハラ V 26.ウグイス V 27.シマセンニュウ 28.コヨシキリ
29.センダイムシクイ V 30.エゾムシクイ V 31.アオジ v 32.オオジュリン 33.カワラヒワ 34.イカル 35.スズメ
36.ハシボソガラス 37.ハシブトガラス
*
【その他】
1.エゾシカ 2.タヌキ 3.キタキツネ 4.イタチ
寝不足の身体を無理矢理に起こしカーテンを開けると、これはまた釧路名物の霧が濃い。
この霧のため夏でも気温が低いというが,予報によれば昨日に続き気温が高めという。東京は昨日に続き35度を超える真夏日とのことだ。
17階のレストランでバイキング・スタイルの朝食。和食中心の具沢山の内容に満足。
ホテルを出発する頃には霧が晴れて素晴らしい好天になる。
*
*
今日は今ツアーの目玉の一つ花咲く無人島『嶮暮帰(けんぼっき)島』に上陸することになっている。
バスは昨日と同じ道路を浜中町へと向かう。これはなんとも時間の無駄、ツアー企画者の効率よく観光するための配慮が足りないようだ。
昨日と同じく『あっけし望洋台』で休憩の後、『霧多布湿原センター』に到着。
ここの展望ホールから、日差しを一杯に浴びた湿原を一望する。この湿原にはタンチョウが子育てしているとのことだが、その確認はできない。
予定ではここから『ヤチボウズ』を見学することになっていたが、早々とけんぼっき島の案内役の瓜田氏が来られて、島へ行く前に誰もが感動す
る花々が見られる場所へ案内するといわれる。
その説明を聞いている時、上空をツツドリが飛来して付近の樹に止まり、すぐ独特の鳴声を挙げる。
*
*
霧多布湿原センター
浜中町は漁業と酪農の町。そのため自然環境は、町の産業や生活にとって大切な基盤となって
います。
平成5年5月1日(1993年)、霧多布湿原を見下ろす高台に霧多布湿原センターが建てられまし
た。
これは自然公園などにあるビジターセンターとしての役割をもたせたものです。
霧多布湿原センター建設は、「こどもたちや地域の人々に、霧多布湿原や身近な自然環境を大
切にする気持ちを育てていきたい。それが結局この町の産業や将来の発展につながる」という
当時の渡部和雄町長の強い思いの中で進められました。
2005年4月より霧多布湿原ナショナルトラストが指定管理者として運営しています。
【センターパンフより】
*
瓜田氏が案内されたのは、海岸線の側で霧多布湿原と平行に延びる『仲の浜木道』で、湿原の風景や草花をより身近に楽しめるコースで、霧多布
湿原ナショナルトラストまでの約 700m。
昨日はバスの車中から眺めた場所を改めて花々を楽しむことになる。とにかく見渡す限りの『エゾカンゾウ』の圧倒的な数に、言葉がでないほど
圧倒される。
湿原の中にある背の低い木にノビタキが止まっている。そういえば昨日もノビタキが見られた。
木道の左側、海岸と道路の間にある狭い場所では、ハマナスやヒオウギアヤメ、ノハラショウブ、センダイハギ、それにエゾフウロなどが点々と
咲いている。
昨日はナショナルトラストからの琵琶瀬木道で縦位置で見た霧多布湿原を、今日は横位置で見ていることになる。何とも贅沢な時間を過ごすこと
が出来た。
*
*
霧多布湿原ナショナルトラストの隣、道路に近い所に建つペンション『PORCH』は瓜田氏がオーナー。
これはまた霧多布湿原を見渡せる素晴らしいロケーションにあるペンションだ。
地元浜中町出身の瓜田氏は、元漁師から転身してペンションのオーナーになり,ネイチャーツアーのガイドに
なられたとのこと。
*
嶮暮帰島へ渡るため琵琶瀬漁港に準備されていたのは、昆布採り用の漁船2隻。
これに救命具を着けて12名づつ分乗する。漁港には桟橋が無いので、岸壁から鉄梯子を利用して直接乗り込む
これを操船するのは、勿論瓜田氏と若い漁師さん。
この嶮暮帰島へのツアーは、かっての経験から瓜田氏が発案したもののようだ。
漁港から出ると、波静かな青い海原が広がり、前方に上部が平坦な嶮暮帰島が近づいてくる。
澄んだ空から太陽が照りつけているが、風を切って進む船上は心地よい。
*
*
島が目前に迫るとカモメの大群が一斉に飛び立つ。無人島なので絶好の繁殖場所となっているようだ。
瓜田氏の話では大半がウミネコだが、若干セグロカモメなども混じっているとのこと。
数軒の朽ちかけた家があるが、かってここで昆布漁の漁師が利用していた場所で、右手の砂浜が昆布の干し場所になっていたとのことだ。
*
勿論ここには船着場は無く、船は砂浜に乗り付ける。船と砂浜の間に梯子を渡し、それを利用して上陸する。
カモメは殆どがウミネコで、一斉に鳴き出しその声の凄まじいことといったらない。
上陸すると、このカモメたちの糞を除けるため、銘々にビニール傘が渡される。
*
嶮暮帰島(けんぼっきとう)
嶮暮帰島はアゼチ岬から約1kmの沖合にあり、長さ
約1.5km、幅約 600m、平均標高 45mの台地状の島
でかっては 7世帯約 20人が昆布漁のために生活し
ていました。
また、動物作家のムツゴロウこと畑正憲氏が1971
年から約 1年間定住したことでも知られている。
島名の由来は、アイヌ語で「ハンノキあるいはアカ
ダモ(ハルニレ)の下」を意味するケネ - ポク (kene-pok)から。
1975年までは通年住んでいた人もいましたが、
基本的には昆布漁が行われる夏場だけ滞在し、年間を通じて完全に無人島になったのは 2000年からです。
海岸で人が住み、昆布を干し、台地部では、かっては牛や馬を放牧し、畑も作っていたので無人島といっても原生の自然というものではありませ
ん。
1999年の調査では鳥類 43種、哺乳類 3種、植物は 232種が確認されていますが、固有種がいるわけではありません。エゾカンゾウ、ヒオウギア
ヤメ、スズランなどが咲き乱れ、ハヤブサ、オオジシギなどが営巣し、夏場にもオジロワシが飛来し、ウミウやオオセグロカモメの集団営巣地も
ありますが、この辺では普通の景色です。 【霧多布湿原センター資料より】
*
ビニール傘を差しながら海岸を右手に進むと,一番左手にある廃屋の先にかって収穫した昆布の干場があり、ここ もウミネコの産卵場所になっ
ているようだ。
*
*
その廃屋の左手から獣道のような細い道を登り始める。雑草が腰の上ほどまで伸びており、そこにカモメたちの糞が点々と落ちているので、ズボ
ンが汚れる。
半分ほど登ると、カモメたちが殆どいなくなり、ここでビニール傘を置いて先へ進む。
10分ほどで頂上の平坦な場所に到着する。一面にチシマザザが広がる中、所々にエゾカンゾウやヒオウギアヤメなどの群落が見られる。
振り返ると、正面海上の先に霧多布湿原が広がり、右手にはアゼチの岬から霧多布岬が望める。
* ガイドの瓜田氏
*
かっての牧場の痕跡という木杭があるが、それ以外は人工物は何もない。ここで瓜田氏が持参したお茶を戴き、しばし周囲の景観を楽しむ。
ツアーのタイトル「花咲く無人島」からは、広大なお花畑を想像していたが、台地全体がチシマザサに覆われており、その一部に咲いているのみ
であった。
*
かってここで漁をしていて人たちや、ムツゴロウ氏が居たことなどに思いを馳せた後、台地を下る。
人が住まなくなった屋根が朽ちかけた建物が、カモメたちの天国になっているようで,何とも侘しく感じる景観になっている。
*
*
帰りは潮が満ちて来たので漁船に乗り込むのが容易になった。
海上右手にカラフルな浮き球が目立っていたが、これはウニの養殖場になっているとのことだ。
かくして無人島の探検 ? を終え、琵琶瀬漁港に戻り,昼食のため霧多布岬へと向かいました。
*
*
霧多布岬はかって探鳥会で何回か来ているお馴染みの場所、霧多布の街並を通り過ぎ高台へ上がった先端にある。
この駐車場に何とも無粋な看板が付け加えられている。従前には無かったものだが全く嫌な世の中になったものだ。
その看板から花畑の先にある展望台の日陰で昼食とする。昼食は昨日注文したお弁当、小生は〈たらば寿し〉、妻は〈湿原弁当〉。日陰は大分涼
しい。
*
霧多布岬
霧多布岬は正式には湯沸岬といいます。
また、トッカリ(アザラシ)を見かけることから
トッカリ岬とも呼ばれています。
標高 40 ~ 60m のテーブル型の霧多布半島の東側に
位置し、太平洋の荒波に突き出ており、周辺には展
望台・キャンプ場もあり、いこいの広場としても最
適です。 【浜中町観光協会】
*
気が付くと、上空に多くのアマツバメが飛び交っている。久し振りに見ることができた。
食後、岬の先端からの眺望を楽しむ。左手のすぐ下にある岩礁の頂上部分に『オオセグロカモメ』が抱卵している様子も見える。
*
*
午後はJR根室本線の電車に乗るため落石駅へと向かう。
昨日からの疲れと昼食後とあってか、車中はお休みの方が目立つ。
途中、落石公園で休憩。公園の左側には風力発電機が並び、右手には先程の霧多布岬が望める。
*
*
公園から10分ほどで根室本線・落石駅に到着する。ここは無人駅で1日上下15本の列車が止まるのみだ。
列車が到着すると、我々とは反対に、ここからバスに乗り換えるツアー客が降りる。
本数が少ないせいか、思っていたより乗客が多い。
*
落 石
落石(おちいし)という地名は、アイヌ語の「オク
・チシ 人の首の付け根のくぼみ」に由来し、落石
岬が本土につながる低地、現在の漁港周辺をさして
いる。
落石地区は、サケ・マス・コンブなどを生産する漁
場として、古くから漁業が営まれていた。
江戸時代後期には水産物を求める松前藩の力が及ぶ
ようになり、漁場が管理される。
明治時代以降、旧国道のルートとして驛逓が置かれ
新たな漁業入植者などが住むようになり集落ができ
る。漁法の進歩や北洋への進出と、根室市の水産業の一地区(町)として発展。
自動車が普及する前の国鉄根室本線の開通、落石駅の開業は町並み形成のきっかけとなった。
またそれ以前のチャシ跡や竪穴式住居群跡などの遺跡から、より古い時代から落石の豊かな海が、この地で生きる人びとを支えていたのを知るこ
とができる。海とともに生活する姿は、今でも変わってはいない。
*
電車はワンマンカーで、我々の下車駅・東根室駅まで昆布森、西和田、そして花咲の三つの駅に停
車したが,花咲駅を除いては乗降客はなかった。
東根室駅は、日本最東端のJR駅で、終着駅「根室」の一つ手前にある、プラットホームだけの駅
です。
*
ここで待ち受けていたバスに乗ると,ガイド氏から、
「今日の最後は納沙布岬へご案内することになっていますが、運転手の福原氏が先日利用した野鳥
の会のツアーで、この近くにあるタンネ沼でタンチョウの親子を観たが、宜しければ案内するが
どうか」
との提案があった。車内からの拍手が多く予定を追加して行くことになる。
*
10分ほどで沼に着くと、沼の対岸にタンチョウの親子が見える。カメラマンが一人撮影中で、その他大宮No.の車が止まっている。我々がバスか
ら降りて観察を始めると、車の主が撮影したタンチョウを見せてくれる。こちらに一ヶ月ほど滞在して野鳥の写真を撮っているとのこと。
今朝ほどは沼のこちら側にいたので良く見ることが出来たという。
親鳥2羽と幼鳥が2羽いるとのことでしたが、親鳥2羽のほか幼鳥は草陰に隠れて時折頭を出す1羽しか見ることができなかった。
それでも初めて見る方も多く、皆さんも満足されたようだ。
*
オプションのタンチョウを見て、今日の最後の目的地、納沙布岬ヘ向かう。
根室の街が近づくにつれガスが掛かり出す。それも濃くなったり、薄くなったりしている。
果たして北方四島が見えるのかとガイド氏も気にしている。
*
納沙布岬の駐車場に着くと、先ず目の前にある土産物店に案内され、昆布の味噌汁を振舞われる。
それを戴く間に店主から土産物の説明があったが、我々は岬の見物に出かける。
ガイド氏の心配のとおり、北方四島はガスの中。岬の灯台も霞んでいる。
『四島のかけ橋』や納沙布岬の標柱などをカメラに収めていると、微かに貝殻島の赤い灯台が見えてくる。それも一瞬のこと、直ぐにガスの中
に……。
*
*
納沙布岬
納沙布岬は、北緯43度23分07秒、東経145度49分01秒に位置する、本土最東端の岬で、最も早く朝
日と出会えるところとして有名です。
岬の先端に建つ納沙布岬灯台は、明治5年に点灯された、北海道で最古の灯台で、『納沙布岬』の
シンボルでもあります。
すぐ目の前には歯舞群島の貝殻島や水晶島、そして国後島など北方領土が手に取るように浮かんで
います。
周辺には、北方領土や根室の観光・物産などを紹介している「望郷の家」や「北方館」、「観光物
産センター」のほか、「平和の塔」をはじめとした土産店や食堂が軒を連ねています。
北方領土の早期返還を祈念して建立されたシンボル像「四島(しま)のかけ橋」そして「灯火台」
には、沖縄から運ばれた”祈りの灯”が今日もあかあかと燃え続けています。
【根室市観光協会資料】
*
最後に根室市の北方領土問題対策協会の『北方館』で、領土返還の署名簿にサインすると、『北方領土視察証明書』なるものを交付された。
これで今日の観光を終え、宿泊先の川湯温泉に向かう。
*
*
途中、車窓左手の『温根沼』にいるタンチョウの親子連れを見ながら、その先にある道の駅『スワン44ねむろ』で休憩。
ここは前方に『風蓮湖』が見られるという絶好の場所にある。この風蓮湖の対岸にもタンチョウの姿をみることができました。
*
温根沼
根室の南西 10kmの根室半島の付け根に当たる場
所に位置するのが温根沼だ。風蓮湖と並んで根室
を代表する周囲 15kmの汽水湖だが、周囲をエゾ
マツの森に囲まれているため、それを眺めること
のできる場所は国道 44号線の温根沼大橋からし
か見ることができない。
*
風蓮湖
周囲約 96kmの巨大な汽水湖。周囲には海岸砂丘、草原、湿地、森林と変化に富む自然環境が広がり、ハマナス・エゾスカシユリ・センダイハギ
など多様な植物が生育。
野鳥の宝庫としても知られ、タンチョウ・クマゲラ・シマアオジ・ヒシクイなど、約240種にものぼる鳥類が観察できる国内屈指のバードウォッ
チングエリアとなっている。
湖東側の春国岱は、海岸砂丘上にアカエゾマツの純林が自生する世界的にも稀少な場所。
ともにラムサール条約登録湿地に指定されている。内陸側には遊歩道がある。
*
バスは厚床から別海を経由して広大な原野を進むうち夕暮れが迫り、太陽が沈む瞬間を見ることができた。特に直線道路の先に沈むという、滅多
にお目にかかれないシーンにも……。
*
*
今日も長ーい1日となり、すっかり暗くなった川湯温泉は旅館『きたふくろう』に着いたのは7時半を回っていました。
驚いたことに、この旅館には冷房装置が無く(例年は夏でも気温が低いので)、館内は熱気が籠っているという状態でした。時間も遅いのでその
ままレストランでの夕食となりました。
レストランには扇風機が置かれていましたが、とにかく生ビールで身体を冷やすことにしました。
*
*
夕食後、温泉に入りましたが、とても熱くて入ることが出来ず、露天風呂でどうにか今日の汗を流し、部屋では扇風機を付けっぱなしで寝ました
が,とても熟睡することはできませんでした。
*
川湯温泉 ■泉質 : 酸性硫化水素泉と酸性硫黄泉、■泉温 : 35 ~ 65.5゜
アイヌ人は地名えらびの名人で、ここをセセキペツ(湯ノ川)と呼んでいました。しかし函館に湯の川温泉があるためやむなく川湯と名付けまし
た。
数条の湯の川と、周囲の針葉の樹木が調和した旅情豊かな温泉として人気があります。
リウマチス・糖尿病・神経痛・皮フ病に効くといわれている温泉として有名です。
ここは名横綱大鵬の出身地で、銅像のほか相撲記念館があって人気を呼び、祭りには女相撲の大会まで実施されます。 【弟子屈町資料】
*
8.30. 釧路プリンスホテル(バス)→ 9.20. あつけし望洋台 9.30. → 10.00. 霧多布湿原センター 10.20. → 10.25. 霧多布湿原 10.55. →
11.00. 琵琶瀬漁港(漁船)→ 嶮暮帰島 → 12.40.琵琶瀬漁港(バス)→ 12.50. 霧多布岬(昼食)13.30. → 14.30. 落石公園 14.40. →
14.50. 落石駅15.07(JR根室線)→ 15.30. 東根室駅 (バス)→ 15.35. タンネ沼 15.50. → 16.15. 納沙布岬 16.50. → 17.40. スワン44ねむろ
17.55. → 19.40. 川湯温泉・きたふくろう 泊(522号室)
この霧のため夏でも気温が低いというが,予報によれば昨日に続き気温が高めという。東京は昨日に続き35度を超える真夏日とのことだ。
17階のレストランでバイキング・スタイルの朝食。和食中心の具沢山の内容に満足。
ホテルを出発する頃には霧が晴れて素晴らしい好天になる。
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今日は今ツアーの目玉の一つ花咲く無人島『嶮暮帰(けんぼっき)島』に上陸することになっている。
バスは昨日と同じ道路を浜中町へと向かう。これはなんとも時間の無駄、ツアー企画者の効率よく観光するための配慮が足りないようだ。
昨日と同じく『あっけし望洋台』で休憩の後、『霧多布湿原センター』に到着。
ここの展望ホールから、日差しを一杯に浴びた湿原を一望する。この湿原にはタンチョウが子育てしているとのことだが、その確認はできない。
予定ではここから『ヤチボウズ』を見学することになっていたが、早々とけんぼっき島の案内役の瓜田氏が来られて、島へ行く前に誰もが感動す
る花々が見られる場所へ案内するといわれる。
その説明を聞いている時、上空をツツドリが飛来して付近の樹に止まり、すぐ独特の鳴声を挙げる。
*
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霧多布湿原センター
浜中町は漁業と酪農の町。そのため自然環境は、町の産業や生活にとって大切な基盤となって
います。
平成5年5月1日(1993年)、霧多布湿原を見下ろす高台に霧多布湿原センターが建てられまし
た。
これは自然公園などにあるビジターセンターとしての役割をもたせたものです。
霧多布湿原センター建設は、「こどもたちや地域の人々に、霧多布湿原や身近な自然環境を大
切にする気持ちを育てていきたい。それが結局この町の産業や将来の発展につながる」という
当時の渡部和雄町長の強い思いの中で進められました。
2005年4月より霧多布湿原ナショナルトラストが指定管理者として運営しています。
【センターパンフより】
*
瓜田氏が案内されたのは、海岸線の側で霧多布湿原と平行に延びる『仲の浜木道』で、湿原の風景や草花をより身近に楽しめるコースで、霧多布
湿原ナショナルトラストまでの約 700m。
昨日はバスの車中から眺めた場所を改めて花々を楽しむことになる。とにかく見渡す限りの『エゾカンゾウ』の圧倒的な数に、言葉がでないほど
圧倒される。
湿原の中にある背の低い木にノビタキが止まっている。そういえば昨日もノビタキが見られた。
木道の左側、海岸と道路の間にある狭い場所では、ハマナスやヒオウギアヤメ、ノハラショウブ、センダイハギ、それにエゾフウロなどが点々と
咲いている。
昨日はナショナルトラストからの琵琶瀬木道で縦位置で見た霧多布湿原を、今日は横位置で見ていることになる。何とも贅沢な時間を過ごすこと
が出来た。
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霧多布湿原ナショナルトラストの隣、道路に近い所に建つペンション『PORCH』は瓜田氏がオーナー。
これはまた霧多布湿原を見渡せる素晴らしいロケーションにあるペンションだ。
地元浜中町出身の瓜田氏は、元漁師から転身してペンションのオーナーになり,ネイチャーツアーのガイドに
なられたとのこと。
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嶮暮帰島へ渡るため琵琶瀬漁港に準備されていたのは、昆布採り用の漁船2隻。
これに救命具を着けて12名づつ分乗する。漁港には桟橋が無いので、岸壁から鉄梯子を利用して直接乗り込む
これを操船するのは、勿論瓜田氏と若い漁師さん。
この嶮暮帰島へのツアーは、かっての経験から瓜田氏が発案したもののようだ。
漁港から出ると、波静かな青い海原が広がり、前方に上部が平坦な嶮暮帰島が近づいてくる。
澄んだ空から太陽が照りつけているが、風を切って進む船上は心地よい。
*
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島が目前に迫るとカモメの大群が一斉に飛び立つ。無人島なので絶好の繁殖場所となっているようだ。
瓜田氏の話では大半がウミネコだが、若干セグロカモメなども混じっているとのこと。
数軒の朽ちかけた家があるが、かってここで昆布漁の漁師が利用していた場所で、右手の砂浜が昆布の干し場所になっていたとのことだ。
*
勿論ここには船着場は無く、船は砂浜に乗り付ける。船と砂浜の間に梯子を渡し、それを利用して上陸する。
カモメは殆どがウミネコで、一斉に鳴き出しその声の凄まじいことといったらない。
上陸すると、このカモメたちの糞を除けるため、銘々にビニール傘が渡される。
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嶮暮帰島(けんぼっきとう)
嶮暮帰島はアゼチ岬から約1kmの沖合にあり、長さ
約1.5km、幅約 600m、平均標高 45mの台地状の島
でかっては 7世帯約 20人が昆布漁のために生活し
ていました。
また、動物作家のムツゴロウこと畑正憲氏が1971
年から約 1年間定住したことでも知られている。
島名の由来は、アイヌ語で「ハンノキあるいはアカ
ダモ(ハルニレ)の下」を意味するケネ - ポク (kene-pok)から。
1975年までは通年住んでいた人もいましたが、
基本的には昆布漁が行われる夏場だけ滞在し、年間を通じて完全に無人島になったのは 2000年からです。
海岸で人が住み、昆布を干し、台地部では、かっては牛や馬を放牧し、畑も作っていたので無人島といっても原生の自然というものではありませ
ん。
1999年の調査では鳥類 43種、哺乳類 3種、植物は 232種が確認されていますが、固有種がいるわけではありません。エゾカンゾウ、ヒオウギア
ヤメ、スズランなどが咲き乱れ、ハヤブサ、オオジシギなどが営巣し、夏場にもオジロワシが飛来し、ウミウやオオセグロカモメの集団営巣地も
ありますが、この辺では普通の景色です。 【霧多布湿原センター資料より】
*
ビニール傘を差しながら海岸を右手に進むと,一番左手にある廃屋の先にかって収穫した昆布の干場があり、ここ もウミネコの産卵場所になっ
ているようだ。
*
*
その廃屋の左手から獣道のような細い道を登り始める。雑草が腰の上ほどまで伸びており、そこにカモメたちの糞が点々と落ちているので、ズボ
ンが汚れる。
半分ほど登ると、カモメたちが殆どいなくなり、ここでビニール傘を置いて先へ進む。
10分ほどで頂上の平坦な場所に到着する。一面にチシマザザが広がる中、所々にエゾカンゾウやヒオウギアヤメなどの群落が見られる。
振り返ると、正面海上の先に霧多布湿原が広がり、右手にはアゼチの岬から霧多布岬が望める。
* ガイドの瓜田氏
*
かっての牧場の痕跡という木杭があるが、それ以外は人工物は何もない。ここで瓜田氏が持参したお茶を戴き、しばし周囲の景観を楽しむ。
ツアーのタイトル「花咲く無人島」からは、広大なお花畑を想像していたが、台地全体がチシマザサに覆われており、その一部に咲いているのみ
であった。
*
かってここで漁をしていて人たちや、ムツゴロウ氏が居たことなどに思いを馳せた後、台地を下る。
人が住まなくなった屋根が朽ちかけた建物が、カモメたちの天国になっているようで,何とも侘しく感じる景観になっている。
*
*
帰りは潮が満ちて来たので漁船に乗り込むのが容易になった。
海上右手にカラフルな浮き球が目立っていたが、これはウニの養殖場になっているとのことだ。
かくして無人島の探検 ? を終え、琵琶瀬漁港に戻り,昼食のため霧多布岬へと向かいました。
*
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霧多布岬はかって探鳥会で何回か来ているお馴染みの場所、霧多布の街並を通り過ぎ高台へ上がった先端にある。
この駐車場に何とも無粋な看板が付け加えられている。従前には無かったものだが全く嫌な世の中になったものだ。
その看板から花畑の先にある展望台の日陰で昼食とする。昼食は昨日注文したお弁当、小生は〈たらば寿し〉、妻は〈湿原弁当〉。日陰は大分涼
しい。
*
霧多布岬
霧多布岬は正式には湯沸岬といいます。
また、トッカリ(アザラシ)を見かけることから
トッカリ岬とも呼ばれています。
標高 40 ~ 60m のテーブル型の霧多布半島の東側に
位置し、太平洋の荒波に突き出ており、周辺には展
望台・キャンプ場もあり、いこいの広場としても最
適です。 【浜中町観光協会】
*
気が付くと、上空に多くのアマツバメが飛び交っている。久し振りに見ることができた。
食後、岬の先端からの眺望を楽しむ。左手のすぐ下にある岩礁の頂上部分に『オオセグロカモメ』が抱卵している様子も見える。
*
*
午後はJR根室本線の電車に乗るため落石駅へと向かう。
昨日からの疲れと昼食後とあってか、車中はお休みの方が目立つ。
途中、落石公園で休憩。公園の左側には風力発電機が並び、右手には先程の霧多布岬が望める。
*
*
公園から10分ほどで根室本線・落石駅に到着する。ここは無人駅で1日上下15本の列車が止まるのみだ。
列車が到着すると、我々とは反対に、ここからバスに乗り換えるツアー客が降りる。
本数が少ないせいか、思っていたより乗客が多い。
*
落 石
落石(おちいし)という地名は、アイヌ語の「オク
・チシ 人の首の付け根のくぼみ」に由来し、落石
岬が本土につながる低地、現在の漁港周辺をさして
いる。
落石地区は、サケ・マス・コンブなどを生産する漁
場として、古くから漁業が営まれていた。
江戸時代後期には水産物を求める松前藩の力が及ぶ
ようになり、漁場が管理される。
明治時代以降、旧国道のルートとして驛逓が置かれ
新たな漁業入植者などが住むようになり集落ができ
る。漁法の進歩や北洋への進出と、根室市の水産業の一地区(町)として発展。
自動車が普及する前の国鉄根室本線の開通、落石駅の開業は町並み形成のきっかけとなった。
またそれ以前のチャシ跡や竪穴式住居群跡などの遺跡から、より古い時代から落石の豊かな海が、この地で生きる人びとを支えていたのを知るこ
とができる。海とともに生活する姿は、今でも変わってはいない。
*
電車はワンマンカーで、我々の下車駅・東根室駅まで昆布森、西和田、そして花咲の三つの駅に停
車したが,花咲駅を除いては乗降客はなかった。
東根室駅は、日本最東端のJR駅で、終着駅「根室」の一つ手前にある、プラットホームだけの駅
です。
*
ここで待ち受けていたバスに乗ると,ガイド氏から、
「今日の最後は納沙布岬へご案内することになっていますが、運転手の福原氏が先日利用した野鳥
の会のツアーで、この近くにあるタンネ沼でタンチョウの親子を観たが、宜しければ案内するが
どうか」
との提案があった。車内からの拍手が多く予定を追加して行くことになる。
*
10分ほどで沼に着くと、沼の対岸にタンチョウの親子が見える。カメラマンが一人撮影中で、その他大宮No.の車が止まっている。我々がバスか
ら降りて観察を始めると、車の主が撮影したタンチョウを見せてくれる。こちらに一ヶ月ほど滞在して野鳥の写真を撮っているとのこと。
今朝ほどは沼のこちら側にいたので良く見ることが出来たという。
親鳥2羽と幼鳥が2羽いるとのことでしたが、親鳥2羽のほか幼鳥は草陰に隠れて時折頭を出す1羽しか見ることができなかった。
それでも初めて見る方も多く、皆さんも満足されたようだ。
*
オプションのタンチョウを見て、今日の最後の目的地、納沙布岬ヘ向かう。
根室の街が近づくにつれガスが掛かり出す。それも濃くなったり、薄くなったりしている。
果たして北方四島が見えるのかとガイド氏も気にしている。
*
納沙布岬の駐車場に着くと、先ず目の前にある土産物店に案内され、昆布の味噌汁を振舞われる。
それを戴く間に店主から土産物の説明があったが、我々は岬の見物に出かける。
ガイド氏の心配のとおり、北方四島はガスの中。岬の灯台も霞んでいる。
『四島のかけ橋』や納沙布岬の標柱などをカメラに収めていると、微かに貝殻島の赤い灯台が見えてくる。それも一瞬のこと、直ぐにガスの中
に……。
*
*
納沙布岬
納沙布岬は、北緯43度23分07秒、東経145度49分01秒に位置する、本土最東端の岬で、最も早く朝
日と出会えるところとして有名です。
岬の先端に建つ納沙布岬灯台は、明治5年に点灯された、北海道で最古の灯台で、『納沙布岬』の
シンボルでもあります。
すぐ目の前には歯舞群島の貝殻島や水晶島、そして国後島など北方領土が手に取るように浮かんで
います。
周辺には、北方領土や根室の観光・物産などを紹介している「望郷の家」や「北方館」、「観光物
産センター」のほか、「平和の塔」をはじめとした土産店や食堂が軒を連ねています。
北方領土の早期返還を祈念して建立されたシンボル像「四島(しま)のかけ橋」そして「灯火台」
には、沖縄から運ばれた”祈りの灯”が今日もあかあかと燃え続けています。
【根室市観光協会資料】
*
最後に根室市の北方領土問題対策協会の『北方館』で、領土返還の署名簿にサインすると、『北方領土視察証明書』なるものを交付された。
これで今日の観光を終え、宿泊先の川湯温泉に向かう。
*
*
途中、車窓左手の『温根沼』にいるタンチョウの親子連れを見ながら、その先にある道の駅『スワン44ねむろ』で休憩。
ここは前方に『風蓮湖』が見られるという絶好の場所にある。この風蓮湖の対岸にもタンチョウの姿をみることができました。
*
温根沼
根室の南西 10kmの根室半島の付け根に当たる場
所に位置するのが温根沼だ。風蓮湖と並んで根室
を代表する周囲 15kmの汽水湖だが、周囲をエゾ
マツの森に囲まれているため、それを眺めること
のできる場所は国道 44号線の温根沼大橋からし
か見ることができない。
*
風蓮湖
周囲約 96kmの巨大な汽水湖。周囲には海岸砂丘、草原、湿地、森林と変化に富む自然環境が広がり、ハマナス・エゾスカシユリ・センダイハギ
など多様な植物が生育。
野鳥の宝庫としても知られ、タンチョウ・クマゲラ・シマアオジ・ヒシクイなど、約240種にものぼる鳥類が観察できる国内屈指のバードウォッ
チングエリアとなっている。
湖東側の春国岱は、海岸砂丘上にアカエゾマツの純林が自生する世界的にも稀少な場所。
ともにラムサール条約登録湿地に指定されている。内陸側には遊歩道がある。
*
バスは厚床から別海を経由して広大な原野を進むうち夕暮れが迫り、太陽が沈む瞬間を見ることができた。特に直線道路の先に沈むという、滅多
にお目にかかれないシーンにも……。
*
*
今日も長ーい1日となり、すっかり暗くなった川湯温泉は旅館『きたふくろう』に着いたのは7時半を回っていました。
驚いたことに、この旅館には冷房装置が無く(例年は夏でも気温が低いので)、館内は熱気が籠っているという状態でした。時間も遅いのでその
ままレストランでの夕食となりました。
レストランには扇風機が置かれていましたが、とにかく生ビールで身体を冷やすことにしました。
*
*
夕食後、温泉に入りましたが、とても熱くて入ることが出来ず、露天風呂でどうにか今日の汗を流し、部屋では扇風機を付けっぱなしで寝ました
が,とても熟睡することはできませんでした。
*
川湯温泉 ■泉質 : 酸性硫化水素泉と酸性硫黄泉、■泉温 : 35 ~ 65.5゜
アイヌ人は地名えらびの名人で、ここをセセキペツ(湯ノ川)と呼んでいました。しかし函館に湯の川温泉があるためやむなく川湯と名付けまし
た。
数条の湯の川と、周囲の針葉の樹木が調和した旅情豊かな温泉として人気があります。
リウマチス・糖尿病・神経痛・皮フ病に効くといわれている温泉として有名です。
ここは名横綱大鵬の出身地で、銅像のほか相撲記念館があって人気を呼び、祭りには女相撲の大会まで実施されます。 【弟子屈町資料】
*
8.30. 釧路プリンスホテル(バス)→ 9.20. あつけし望洋台 9.30. → 10.00. 霧多布湿原センター 10.20. → 10.25. 霧多布湿原 10.55. →
11.00. 琵琶瀬漁港(漁船)→ 嶮暮帰島 → 12.40.琵琶瀬漁港(バス)→ 12.50. 霧多布岬(昼食)13.30. → 14.30. 落石公園 14.40. →
14.50. 落石駅15.07(JR根室線)→ 15.30. 東根室駅 (バス)→ 15.35. タンネ沼 15.50. → 16.15. 納沙布岬 16.50. → 17.40. スワン44ねむろ
17.55. → 19.40. 川湯温泉・きたふくろう 泊(522号室)
北海道は道東を中心としたクラブツーリズム社主催の『花いっぱいの霧多布湿原ウォークと花咲く
無人島・嶮暮帰島へ 3日間』というツアーに参加しました。
東京はこの日から真夏日となったようですが、北海道でも気温が高めで、涼しい筈の北海道へ来ら
れたのにと、現地のガイドから慰めの言葉が出るほどでした。
*
羽田空港を離陸して先ず目に入ったのは、東京の市街地から遠く世界文化遺産に登録されたばかり
の富士山でした。山開きが終わったばかり、しかも日曜日とあってさぞかし山頂を目指す人たちで
大混雑しているのではと思われました。
*
帯広空港に着くと待ち受けていたバスで最初の訪問地・浜中町へ向かいました。
本来でしたら釧路空港からの方が遥かに近いのですが、都合の良いフライトが確保できなかったよ
うです。
そのため途中『白糠物産センター』と『厚岸望洋台』で休憩をしながらバスを進めていきました。
*
*
今日の昼食は浜中町で開かれている『浜中うまいもん市』で採ることになっています。
また、この町はモンキー・パンチの出身地で、町の至る所にルパン三世の絵が出ていました。
*
浜中町 面積 : 423.44?、人口 : 6,362(2013.3.31.)
浜中町は、北海道の東南部にあり釧路支庁に属する町です。
町名の由来は、アイヌ語「オタノシケ」(砂浜の真ん中)を意訳したもの。
町の北部は広大な牧場が広がる酪農地帯になっており、南西部はラムサール条約登録湿地の霧多布湿原となってい
ます。
町の中心市街地は浜中駅周辺ではなく、およそ10km離れた霧多布にあります。
南を太平洋に面し厚岸町、別海町および根室市に接しています。 【浜中町資料】より
*
浜中うまいもん市
開催時期:7月6日(土)~ 7日(日)2日間
霧多布湿原の花の魅力を体感していただくととも
に、イベント会場ではその時期の旬の海産物(ト
キシラズ・カキ)や浜中町の食材をテントブース
が連なる屋台村で味わうことができます。
湿原の花の景観と浜中町の食の二つを一度に堪能
できるイベントです。 【浜中町観光協会】
*
ということでしたが、現地に着いたのは13時近くになってしまいました。大きな駐車場は満員の状態で会場は大変な混雑です。幸いにツアー客の
ための席が確保されていましたので、早速会場内の出店に行ってみましたが、何と目玉のカキやトキシラズは早くも売り切れでした。長い待ち行
列は「花咲カニの浜茹で実演販売」ですが、時間の関係もあって諦め、ホッキ貝の殻焼き、イカの丸焼き、それにサンマの塩焼きなどをどうにか
確保できました。その他ご飯と花咲カニの鉄砲汁を戴いて、青空の下浜風に吹かれながらの食事は何とも長閑な楽しい一時でした。
また、恒例となっている浜中町の特産品が当たる参加無料の大抽選会がありましたが、くじ運の良くない我々には無縁のショーでした。
*
その後は会場の反対側にある『霧多布ナショナルトラスト』に集まり、トラストの案内人による琵琶瀬木道(500m)から見られる花々の説明が
ありました。
終点は霧多布湿原の中を流れる川で、広大な湿地に今を盛りと咲いているエゾカンゾウやワタスゲ、それにヒオウギアヤメなどが見られ、充分に
楽しむことができました。
*
*
霧多布湿原 面積 : 3,168ha、東西: 3~4km、南北 :
9kmの弓形の海抜3m以下の低湿地帯。
北海道東部浜中町の太平洋に面して広がる湿原です
長く伸びた砂丘が美しい双弧を描いて海と湿原を隔
て、その 2つのアーチに囲まれた湿原を琵琶瀬川が
ゆったりと蛇行しています。
北半分は旧砂丘列が平行して南走し、30以上の池
沼が帯状に並列し、南半分は5つの川が樹枝状に広
がる。
湿原の大部分は厚さ0.7~2.6mのミズゴケの泥炭地
で、低層湿原から高層湿原までバラエティーに富んだタイプの湿原が見られる。
1993年、ラムサール条約登録湿地に指定(2,504ha)されましたが、これにより、国際的な評価を受けると共にその保全と賢明な利用についての責
任も生まれました。
*
霧多布湿原ナショナルトラスト
霧多布湿原は国内3番目の広さをもち、夏に見せる花の景観は、国内でも最大級といわれています。
その湿原の保全については、霧多布湿原の周辺部が民有地になっているため、その民有地を残せるかどうかが大きな鍵になっています。
そこで私たちは、市民が主体となって、この湿原を愛する多くの人々の輪を広げ、ナショナルトラストを展開することで、湿原民有地の買取保全
を図り、自然と共生する暮らしや町づくりをめざします。
この湿原がもつ豊かさや価値を多くの人々に伝える活動をおこない、この湿原を未来の子どもたちへ残していくことを趣旨として、「霧多布湿原
ナショナルトラスト」を設立しました。 【パンフより】
*
慌ただしい霧多布湿原の散策を終え、次いで釧路湿原へと向かいました。
JR釧網線の塘路駅で休憩の後、シラルトロ湖畔にある釧路川のラフトボートの出発点へ。
*
*
シラルトロ自然情報館でラフトボートのガイドから今日のコースの説明があり,茅沼とスガワラ間の5.5kmをゆっくりと約1時間30分で下るこ
とになる。
外に出ると生憎とこの頃から急に雲が広がり出し、雨も落ちて来たので雨具を着て長靴に履き替え乗船場に集合する。
ここで救命具を着け、ボートのパドル操作の練習をしてから3艘のボートに8人づつ乗り込む。
*
シラルトロ自然情報館
シラルトロ湖のキャンプ場内にある展示施設です。
館内には、動植物の実物を樹脂で封入した立体標本
で、釧路湿原やシラルトロ湖の生態系を紹介してい
ます。
*
ラフトボート
ラフトボートによる川下りは本来はスポーツ的要素
がかなり含まれています。
大勢で力を合わせて川を下る、これはまた違った意
味での楽しさがあります。
ラフトボートの場合、ガイド(ラフトドライバー、シングルパドル)は一人ではラフトボートを完全にコントロールすることが 大変で、お客様の
協力があってはじめてコントロールしやすくなります。
カヌーの場合はガイドだけでもカヌーをコントロールすることは可能です。そのような意味からもラフトボートのほうがカヌーよりもよりスポー
ツ性が強いと言えるでしょう。
*
ボートの縁に左右2人づつ並んで腰を掛け、8人が揃ってパドルを漕ぐと、ラフトボートは滑るように
進んで行く。手を休めても川の流れに任せていればゆっくりと川を下ってゆく。
*
*
降り出した雨も次第に小降りとなり、ルート半ばほどで雲が切れて止んでくる。
静かだ。夕陽が雲間から顔を覗かせ周囲の景観に彩りを添えてくれる。川面に薄く霧が立ちこめる。
夕刻の時間であればこその自然の幻想的な景観に浸り込む。
野鳥の囀りも大きく聞こえてくるようになる。カッコウの声、それに対抗するようにウグイスが鳴き、センダイムシクイが間の手を入れる。アカ
ゲラが対岸へ飛び、ドラミングが響く。
イタチが行く手に見え隠れする。チュウヒが上空に現れる。
バドルがあるので思うように写真が撮れないのが残念だ。
*
先頭左側に居た男性が、水中にある木の枝にパドルを引っかけて落としてしまう。それを取ろうとして危なくボートから落ちそうになる。
ガイドがボートを巧みに操作してパドルに近寄り、拾い上げるというハプニングもあった。
*
*
ガイドの説明によれば、左岸の林相と右岸のそれが異なるという。なるほど左岸では樹々が密生しているが,右岸では疎らに見える。
1時間半ほどの川下りもアッと言う間に終着点へ到着する。
ここで待ち受けていたバスに乗り換え,夕食場所の厚岸へと向かう。
*
釧路川 延長 154km、流域面積 2510?
川上郡弟子屈町の屈斜路湖に源を発し、弟子屈町や標茶町の市街地を南へ流れ、日本最大の湿原である釧路湿原の中に入る。
釧路郡釧路町の岩保木地点からは、人工河川である「新釧路川」となり、釧路市釧路港の東港区と西港区の間から太平洋に注ぐ。
高低差が少ないため一級河川には珍しく釧路川本流にはダムが設置されていない。
夏季には全国からカヌーの愛好者が川下りのために訪れる。カヌーポイントはいくつかあるが、細岡付近の湿原地帯、塘路付近、屈斜路湖側の源
流部分などがある。
*
釧路湿原
釧路湿原は釧路川とその支流を抱く広大な湿原で、湿原の広さは日本最大といわれています。
タンチョウなどの水鳥をはじめ、多くの野生生物の貴重な生息地となっています。
1980年6月に、この湿原の価値が国際的に認められ、釧路湿原は日本で最初のラムサール条約登録湿地となりました。
その7年後の1987年7月31日に、日本で28番目の国立公園として釧路湿原国立公園が指定されました。
国立公園の面積は 26,861haで、そのうちラムサール条約登録湿地は 7,863haです。
釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村の4市町村にまたがります。 【環境庁資料】
*
すっかり暗くなった厚岸の味覚ターミナル『コンキリエ』に到着したのは、8時少し前でした。
コンキリエはイタリア語で貝の形をした食べ物の意味。道の駅 厚岸味覚ターミナル コンキリエ
(厚岸グルメパーク)は厚岸産の牡蠣を中心に食文化を創る新しい施設です。
ここの『炭焼・炙屋』で、カキとイクラ丼の夕食を採りました。
向かい合わせの席の間に長い火鉢があり,そこに炭火が用意され、その上の網に海老や帆立、サンマ、イカ等を各自で焼いて食べるという寸法で
す。
*
この店の説明によれば,厚岸といえば『牡蠣』、昔から『牡蠣のあるところ』というのが厚岸の語源という説があるという。その『牡蠣』をバケ
ツに入れ、日本酒を注いで火にかけると甘味を増すという。
焼き上がる頃、店の方がバケツから牡蠣を取り出し、殻から出してくれたものを口に入れる。なるほどこれはまた甘味が増した牡蠣が口一杯に広
がり、まさに珍味だ。
乾いた喉にサッポロビールが染み渡り、長ーい1日の疲れが飛んで行くような気分にさせられました。
*
厚岸町 人口 : 10,389人、面積 : 739.08?
(2013.5.31.)
北海道の南東部に位置し、東は浜中町、北は標茶町
西は釧路町と接しています。
南には厚岸湾が深く入り込み厚岸湖に通じており、
この水際に市街が広がっています。
春には桜が咲き乱れ、夏には紫色一色のヒオウギア
ヤメが楽しめます。
豊かな自然に恵まれており、牡蠣、アサリ、サンマ
などのたくさんの種類の魚介類が一年を通して新鮮
に水揚げされます。
歴史も古く、文化元年(1804)から2年にかけて江戸幕府により建設されたいわゆる「蝦夷三官寺』の一つである「国泰寺」があります。
町名の由来は、アイヌ語のアッケウシ(オヒョウニレの皮をいつもはぐ所)から。アイヌ語でカキの意とするバチェラーの説は疑わしいとされる
【厚岸町資料】
*
夕食を楽しんだ後、今日の宿泊先『釧路プリンスホテル』に着いたのは、間もなく10時という時間でした。
我々は勿論、地元のガイドもそれにドライバー氏もさぞかしお疲れだった1日でした。
*
7.10. 羽田空港(AIRDO 61便)→ 8.45.とかち帯広空港 9.00.(阿寒バス)→ 10.40.白糠物産センター 10.50. → 12.00.あっけし望洋台 12.10.
→ 12.45.浜中町(浜中うまいもん市・昼食)14.30. 霧多布湿原散策 15.10.→ 16.30.塘路駅 16.40. → 17.20.シラルトロ(ラフトボート)
18.50. → 20.00. 厚岸コンキリエ(炭焼・炙屋)20.45. → 21.50. 釧路プリンスホテル 泊 (717号室)
無人島・嶮暮帰島へ 3日間』というツアーに参加しました。
東京はこの日から真夏日となったようですが、北海道でも気温が高めで、涼しい筈の北海道へ来ら
れたのにと、現地のガイドから慰めの言葉が出るほどでした。
*
羽田空港を離陸して先ず目に入ったのは、東京の市街地から遠く世界文化遺産に登録されたばかり
の富士山でした。山開きが終わったばかり、しかも日曜日とあってさぞかし山頂を目指す人たちで
大混雑しているのではと思われました。
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帯広空港に着くと待ち受けていたバスで最初の訪問地・浜中町へ向かいました。
本来でしたら釧路空港からの方が遥かに近いのですが、都合の良いフライトが確保できなかったよ
うです。
そのため途中『白糠物産センター』と『厚岸望洋台』で休憩をしながらバスを進めていきました。
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今日の昼食は浜中町で開かれている『浜中うまいもん市』で採ることになっています。
また、この町はモンキー・パンチの出身地で、町の至る所にルパン三世の絵が出ていました。
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浜中町 面積 : 423.44?、人口 : 6,362(2013.3.31.)
浜中町は、北海道の東南部にあり釧路支庁に属する町です。
町名の由来は、アイヌ語「オタノシケ」(砂浜の真ん中)を意訳したもの。
町の北部は広大な牧場が広がる酪農地帯になっており、南西部はラムサール条約登録湿地の霧多布湿原となってい
ます。
町の中心市街地は浜中駅周辺ではなく、およそ10km離れた霧多布にあります。
南を太平洋に面し厚岸町、別海町および根室市に接しています。 【浜中町資料】より
*
浜中うまいもん市
開催時期:7月6日(土)~ 7日(日)2日間
霧多布湿原の花の魅力を体感していただくととも
に、イベント会場ではその時期の旬の海産物(ト
キシラズ・カキ)や浜中町の食材をテントブース
が連なる屋台村で味わうことができます。
湿原の花の景観と浜中町の食の二つを一度に堪能
できるイベントです。 【浜中町観光協会】
*
ということでしたが、現地に着いたのは13時近くになってしまいました。大きな駐車場は満員の状態で会場は大変な混雑です。幸いにツアー客の
ための席が確保されていましたので、早速会場内の出店に行ってみましたが、何と目玉のカキやトキシラズは早くも売り切れでした。長い待ち行
列は「花咲カニの浜茹で実演販売」ですが、時間の関係もあって諦め、ホッキ貝の殻焼き、イカの丸焼き、それにサンマの塩焼きなどをどうにか
確保できました。その他ご飯と花咲カニの鉄砲汁を戴いて、青空の下浜風に吹かれながらの食事は何とも長閑な楽しい一時でした。
また、恒例となっている浜中町の特産品が当たる参加無料の大抽選会がありましたが、くじ運の良くない我々には無縁のショーでした。
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その後は会場の反対側にある『霧多布ナショナルトラスト』に集まり、トラストの案内人による琵琶瀬木道(500m)から見られる花々の説明が
ありました。
終点は霧多布湿原の中を流れる川で、広大な湿地に今を盛りと咲いているエゾカンゾウやワタスゲ、それにヒオウギアヤメなどが見られ、充分に
楽しむことができました。
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霧多布湿原 面積 : 3,168ha、東西: 3~4km、南北 :
9kmの弓形の海抜3m以下の低湿地帯。
北海道東部浜中町の太平洋に面して広がる湿原です
長く伸びた砂丘が美しい双弧を描いて海と湿原を隔
て、その 2つのアーチに囲まれた湿原を琵琶瀬川が
ゆったりと蛇行しています。
北半分は旧砂丘列が平行して南走し、30以上の池
沼が帯状に並列し、南半分は5つの川が樹枝状に広
がる。
湿原の大部分は厚さ0.7~2.6mのミズゴケの泥炭地
で、低層湿原から高層湿原までバラエティーに富んだタイプの湿原が見られる。
1993年、ラムサール条約登録湿地に指定(2,504ha)されましたが、これにより、国際的な評価を受けると共にその保全と賢明な利用についての責
任も生まれました。
*
霧多布湿原ナショナルトラスト
霧多布湿原は国内3番目の広さをもち、夏に見せる花の景観は、国内でも最大級といわれています。
その湿原の保全については、霧多布湿原の周辺部が民有地になっているため、その民有地を残せるかどうかが大きな鍵になっています。
そこで私たちは、市民が主体となって、この湿原を愛する多くの人々の輪を広げ、ナショナルトラストを展開することで、湿原民有地の買取保全
を図り、自然と共生する暮らしや町づくりをめざします。
この湿原がもつ豊かさや価値を多くの人々に伝える活動をおこない、この湿原を未来の子どもたちへ残していくことを趣旨として、「霧多布湿原
ナショナルトラスト」を設立しました。 【パンフより】
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慌ただしい霧多布湿原の散策を終え、次いで釧路湿原へと向かいました。
JR釧網線の塘路駅で休憩の後、シラルトロ湖畔にある釧路川のラフトボートの出発点へ。
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シラルトロ自然情報館でラフトボートのガイドから今日のコースの説明があり,茅沼とスガワラ間の5.5kmをゆっくりと約1時間30分で下るこ
とになる。
外に出ると生憎とこの頃から急に雲が広がり出し、雨も落ちて来たので雨具を着て長靴に履き替え乗船場に集合する。
ここで救命具を着け、ボートのパドル操作の練習をしてから3艘のボートに8人づつ乗り込む。
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シラルトロ自然情報館
シラルトロ湖のキャンプ場内にある展示施設です。
館内には、動植物の実物を樹脂で封入した立体標本
で、釧路湿原やシラルトロ湖の生態系を紹介してい
ます。
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ラフトボート
ラフトボートによる川下りは本来はスポーツ的要素
がかなり含まれています。
大勢で力を合わせて川を下る、これはまた違った意
味での楽しさがあります。
ラフトボートの場合、ガイド(ラフトドライバー、シングルパドル)は一人ではラフトボートを完全にコントロールすることが 大変で、お客様の
協力があってはじめてコントロールしやすくなります。
カヌーの場合はガイドだけでもカヌーをコントロールすることは可能です。そのような意味からもラフトボートのほうがカヌーよりもよりスポー
ツ性が強いと言えるでしょう。
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ボートの縁に左右2人づつ並んで腰を掛け、8人が揃ってパドルを漕ぐと、ラフトボートは滑るように
進んで行く。手を休めても川の流れに任せていればゆっくりと川を下ってゆく。
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降り出した雨も次第に小降りとなり、ルート半ばほどで雲が切れて止んでくる。
静かだ。夕陽が雲間から顔を覗かせ周囲の景観に彩りを添えてくれる。川面に薄く霧が立ちこめる。
夕刻の時間であればこその自然の幻想的な景観に浸り込む。
野鳥の囀りも大きく聞こえてくるようになる。カッコウの声、それに対抗するようにウグイスが鳴き、センダイムシクイが間の手を入れる。アカ
ゲラが対岸へ飛び、ドラミングが響く。
イタチが行く手に見え隠れする。チュウヒが上空に現れる。
バドルがあるので思うように写真が撮れないのが残念だ。
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先頭左側に居た男性が、水中にある木の枝にパドルを引っかけて落としてしまう。それを取ろうとして危なくボートから落ちそうになる。
ガイドがボートを巧みに操作してパドルに近寄り、拾い上げるというハプニングもあった。
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ガイドの説明によれば、左岸の林相と右岸のそれが異なるという。なるほど左岸では樹々が密生しているが,右岸では疎らに見える。
1時間半ほどの川下りもアッと言う間に終着点へ到着する。
ここで待ち受けていたバスに乗り換え,夕食場所の厚岸へと向かう。
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釧路川 延長 154km、流域面積 2510?
川上郡弟子屈町の屈斜路湖に源を発し、弟子屈町や標茶町の市街地を南へ流れ、日本最大の湿原である釧路湿原の中に入る。
釧路郡釧路町の岩保木地点からは、人工河川である「新釧路川」となり、釧路市釧路港の東港区と西港区の間から太平洋に注ぐ。
高低差が少ないため一級河川には珍しく釧路川本流にはダムが設置されていない。
夏季には全国からカヌーの愛好者が川下りのために訪れる。カヌーポイントはいくつかあるが、細岡付近の湿原地帯、塘路付近、屈斜路湖側の源
流部分などがある。
*
釧路湿原
釧路湿原は釧路川とその支流を抱く広大な湿原で、湿原の広さは日本最大といわれています。
タンチョウなどの水鳥をはじめ、多くの野生生物の貴重な生息地となっています。
1980年6月に、この湿原の価値が国際的に認められ、釧路湿原は日本で最初のラムサール条約登録湿地となりました。
その7年後の1987年7月31日に、日本で28番目の国立公園として釧路湿原国立公園が指定されました。
国立公園の面積は 26,861haで、そのうちラムサール条約登録湿地は 7,863haです。
釧路市、釧路町、標茶町、鶴居村の4市町村にまたがります。 【環境庁資料】
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すっかり暗くなった厚岸の味覚ターミナル『コンキリエ』に到着したのは、8時少し前でした。
コンキリエはイタリア語で貝の形をした食べ物の意味。道の駅 厚岸味覚ターミナル コンキリエ
(厚岸グルメパーク)は厚岸産の牡蠣を中心に食文化を創る新しい施設です。
ここの『炭焼・炙屋』で、カキとイクラ丼の夕食を採りました。
向かい合わせの席の間に長い火鉢があり,そこに炭火が用意され、その上の網に海老や帆立、サンマ、イカ等を各自で焼いて食べるという寸法で
す。
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この店の説明によれば,厚岸といえば『牡蠣』、昔から『牡蠣のあるところ』というのが厚岸の語源という説があるという。その『牡蠣』をバケ
ツに入れ、日本酒を注いで火にかけると甘味を増すという。
焼き上がる頃、店の方がバケツから牡蠣を取り出し、殻から出してくれたものを口に入れる。なるほどこれはまた甘味が増した牡蠣が口一杯に広
がり、まさに珍味だ。
乾いた喉にサッポロビールが染み渡り、長ーい1日の疲れが飛んで行くような気分にさせられました。
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厚岸町 人口 : 10,389人、面積 : 739.08?
(2013.5.31.)
北海道の南東部に位置し、東は浜中町、北は標茶町
西は釧路町と接しています。
南には厚岸湾が深く入り込み厚岸湖に通じており、
この水際に市街が広がっています。
春には桜が咲き乱れ、夏には紫色一色のヒオウギア
ヤメが楽しめます。
豊かな自然に恵まれており、牡蠣、アサリ、サンマ
などのたくさんの種類の魚介類が一年を通して新鮮
に水揚げされます。
歴史も古く、文化元年(1804)から2年にかけて江戸幕府により建設されたいわゆる「蝦夷三官寺』の一つである「国泰寺」があります。
町名の由来は、アイヌ語のアッケウシ(オヒョウニレの皮をいつもはぐ所)から。アイヌ語でカキの意とするバチェラーの説は疑わしいとされる
【厚岸町資料】
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夕食を楽しんだ後、今日の宿泊先『釧路プリンスホテル』に着いたのは、間もなく10時という時間でした。
我々は勿論、地元のガイドもそれにドライバー氏もさぞかしお疲れだった1日でした。
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7.10. 羽田空港(AIRDO 61便)→ 8.45.とかち帯広空港 9.00.(阿寒バス)→ 10.40.白糠物産センター 10.50. → 12.00.あっけし望洋台 12.10.
→ 12.45.浜中町(浜中うまいもん市・昼食)14.30. 霧多布湿原散策 15.10.→ 16.30.塘路駅 16.40. → 17.20.シラルトロ(ラフトボート)
18.50. → 20.00. 厚岸コンキリエ(炭焼・炙屋)20.45. → 21.50. 釧路プリンスホテル 泊 (717号室)