nemo 折々の自然

折に触れて観察した自然などの記録

秋 分

2010-09-23 19:21:12 | 日記・エッセイ・コラム
 今日は秋分、「暑さ寒さも彼岸まで」の諺に合わせたように、昨日の真夏日から一転して涼しい一日となりました。
 秋分は二十四節気の一つで、暦便覧によれば、
 『陰陽の中分となれば也』とあり、この頃をピークに夏の暑さも終りを告げ、秋が深まってくる時期です。
     *
 それにしても今年の夏は、全国的に異常な高温に見舞われ、東京でも真夏日が過去最高の71日となりました。
 昨日はお彼岸の墓参に行ったのですが、あまりの高温で墓石に触れないほどでした。
 どうやらこの暑さも今後は収まるようでほっとしているところです。
     *
 Img_1397写真は、庭の隅に咲いた『ジンジャー』です。
 調べによりますと、
 『ジンジャー』は『生姜(しょうが)』の英名で、
 別名『花縮砂(はなしゅくしゃ)』といい、
 インド原産で、生姜(しょうが)科、
 学名は、Hedychium coronarium(白色ジンジャー)。
     *
 Hedychium シュクシャ属、
 ギリシャ語の hedys(美味)+ chion(雪)が語源で、芳香と白い花の色に由来する。
 coronarium 花輪に使う(適した)。
 夏の暑さに強く、一日花で、夕方に咲き、強い香りを出す。
 花言葉は「豊かな心」とあります。
     *
 Img_1392
 右の写真は、我が家の庭にある『ミナロバータ』(アサガオの一種)にいたスズメガの幼虫です。
 多分『エビガラスズメ』ではないかと思われるのですが?



曾倉・白樺峠

2010-09-19 00:00:00 | 探鳥記
9月 19日(日)晴時々曇 

曾 倉

 早朝探鳥は、昨年雨のため白樺峠行を断念して行った、曾倉の畑へ行くことにする。
 5時に外へ出ると、空には星が瞬いている。久し振りに見る星座の数々、T氏が詳しく説明してくれる。
 宿から坂道を上がり、集落を通り過ぎ、四面林に囲まれた傾斜地の畑地へ出る。
 大半が蕎麦畑で、早くも刈り取られている畑もあり、一面に花が咲いている畑もある。

Img_1424_2 Img_1417_2
     *
 昨年数多く見られた野鳥は、何故か少ない。
 ようやく日が昇り、上空の雲が赤く染まってくる。
 遠くの穂高連峰にも日が差し始めている。
 畑の畦に咲いている雑草の花々が目に止まる。

       [穂高連峰]                  [シラヤマギク]
Img_1423_3 Img_1418_2
    *
 畑の一番奥にある杉林の梢に野鳥が飛来して止まる。
 プロミナーで確認するとエゾビタキだ。何羽かが梢を行ったり来たりしている。
 ホオジロやイカルの鳴声も聞こえてくる。
 帰りがけにはノビタキが2羽、モズが樹に止まり、どうにか我々を楽しませてくれる。
 その他、カケスが、ビンズイが、そしてキジバトなどが飛び回っている。
 時間になり、草花を楽しみながら宿へと戻る。
   [トウガン]         [ナンバンハコベ]         
Img_1415Img_1420Img_1425
     *
   [ソバナ]   *       [ブットレア]
Img_1429Img_1428Img_1430_2

     *
白樺峠

 朝食の後、宿から30分ほどで白樺峠の駐車場に到着。
 昨日より1時間早かったが、それでも駐車場は満杯で、今日も路上駐車となる。
 日曜日とあって、この後多くのマニアが来ることと思われるが、車の駐車場所確保が問題になりそうだ。
 峠への道を登って乗鞍眺望広場に到着。
 振り返ると今日は乗鞍岳がハッキリと見えている。これは幸先が良いと、早速カメラに収める。
 しかしながら、ここで気がついたことは、昨年より空気が澄んでいないことだ。全体に薄くモヤが掛かっているようで、相変わらず今年の高温現
 象が続いているようだ。
     *
Img_1434 Img_1402

    *
 観察広場へ着き、先ず昨日の渡りの情報を掲示板で確認すると、合計、約1100羽と記録されている。
 内訳は、サシバ、約750羽、ハチクマ、約300羽、その他、約50羽となっている。
 我々の見たところでは、ハチクマが圧倒的に多かったが、この数字のような数ではなかった。
 また、サシバが少ないと感じていたが、これほど多いとは思わなかった。
     *
 今日も観察場所は昨日と同じ右手の林の陰とする。
 ここで観察の準備をしていると、突然名前を呼ばれる。何と同じグループのM氏だ。単独で昨日から来ているとのこと。昨日はお互いに気がつか
 なかったのだ。車の中で寝泊まりしているというからお若い!
 今日は朝早く、ある程度の渡りがあったとのことだ。

      [観察広場]                   [ツルリンドウ]

Img_1408_3 Img_1437_3
    *
 腰を落ち着けて前方を眺めると、昨日のような雲も無く、今日は大いに期待が持てそうだ。
 間もなく1のピーク付近からタカが飛び出し、次々に数を増やして20羽ほどがタカ柱を作り、舞い始める。
 それが次第に近づいて来ると、大分上空になり、やがて早いスピードで飛び去って行く。大半がサシバだ。
 その後も10分おきぐらいに10羽前後のタカ柱ができ、次々に飛来する。
 10時過ぎにできたタカ柱は26羽余りとなり、今までのなかでは最大の規模になった。
 やはりサシバが多く、ハチクマが混じり、時折小さなツミも目につく。
     *
 ところが、その後タカ柱がサッパリできなくなってしまった。
 たまに、1羽か2羽が飛来する程度で、気が抜けてしまう。
 宿の握り飯の昼食を採るうちに、上空に雲が広がりだし、昨日と同じような天候になってきたので、この辺りが限度と引き上げることにする。
     *
 駐車場へ戻ると、バスを含めた車が、道路端に延々と駐車している。これでは車のすれ違いもできない。
 年々観察する人が増えてきているが、これ以上になると車の規制が必要になるのでは。または、駐車場を増やさなければと思われるが、ここの自
 然を壊すようなことをしてまでも拡張することであろうかとも考えるが……。
     *
 車が野麦街道から上高地線に出ても意外と道路は空いている。
 1時間20分ほどで松本ICから長野道に入る。
 今日は上信越自動車道経由で帰ることにして、長野方面に向かう。
 左手の北アルプスは、雲が多くほとんどの山は見えないが、常念岳のすっきりした三角形は良く分かる。
 長野自動車道をスムースに走り、更埴JCTから上信越道に入り、最初のP.A.『千曲川さかき』でトイレ休憩。
 ここはトイレだけの簡単な設備しかない。
     *
 八風山トンネルを過ぎ、横川付近から妙義山の奇怪な岩峰を眺めながら進むと、〈富岡~吉井間6K渋滞〉の標識が出ている。ここから渋滞の連続と
 なる。
 『甘楽P.A.』でトイレ休憩、そして藤岡JCTから関越道に入ると、事故の影響もあったようでノロノロ運転の連続となる。
 止むを得ず『高坂S.A.』で夕食を採る。
 ここのレストランは大混雑、我々はセルフサービスを利用する。
     * 
 この後は渋滞も無くなり、スムースに走り、9時半を過ぎて我が家に到着。
 長距離の運転でさぞかしお疲れのことと、T・S両氏に感謝。 
 
 5時00分 … 探鳥(曾倉)… 7時00分 朝食 … 8時00分 亀遊館  → 8時30分 白樺峠駐車場 … 白樺峠・探鳥 … 
 13時40分 白樺峠駐車場 → 15時00分 松本IC → 15時50分 千曲川さかきPA 16時00分 → 17時20分
 甘楽PA 17時30分 → 19時40分 高坂SA(夕食)20時10分 → 21時40分 自宅着
     *
【観察した野鳥】 24種類
 1.ハチクマ         2.オオタカ       3.ツ ミ
 4.ノスリ          5.サシバ        6.キジバト
 7.アマツバメ        8.コゲラ        9.イワツバメ
10.キセキレイ       11.ビンズイ      12.モ ズ
13.ノビタキ        14.ウグイス V      15.エゾビタキ
16.ヤマガラ         17.シジュウカラ    18.メジロ
19. ホオジロ V       20.イカル V 22.カケス
23.ホシガラス       24.ハシブトガラス

白樺峠

2010-09-18 00:00:00 | 探鳥記
9月 18日(土)晴後曇 

 4年前の感動をもう一度、と期待してT氏の誘いで早暁4時に我が家を出発する。
 3連休の初日なので、早めに家を出たため、高速道路は混雑しないと予想してのとおり、途中鳳凰三山や甲斐駒ケ岳などの眺望を楽しみながら順
 調に走り、『八ヶ岳P.A.』で朝食。
 そのP.A.の展望台から見る山々は、山頂付近の雲が邪魔をして、甲斐駒ケ岳も八ヶ岳もすっきりした姿を見せてくれなかった。
       [甲斐駒ケ岳]                                        [八ヶ岳]
Img_1398Img_1400 松本 I .C.で降りて直ぐの所にあるコンビニで、お弁
 当を買うことにしたが、何とお弁当の棚には何も残
 っていない。これには驚かされた。交通の便の良い
 場所にあるため、既に売り切れてしまったのだ。
 仕方なしに暫く走った先にあるコンビニへ。ここで
 も品数が少なかったが、皆さんどうにか買い求めら
 れた。

     *
 昨年は交通事故のため、ノロノロ運転を強いられた『上高地線』は、何事も無くスムースに走り、9時半過ぎに白樺峠に到着。
 ところが、駐車場は満車、はみ出した車が道路端に何台も止まっている。
 昨年を上回る人たちが押し寄せているようだ。車のナンバーは全国区だ。
     *
 展望台への登りに汗を流し、乗鞍眺望広場に到着して振り返ると、いつも見えている乗鞍岳が、上半分ほど雲に覆われている。こんなことは初め
 てだ。
 中央道を走行している時から気になっていたのは、上空は青空が広がっていたが、山々の頂上付近は雲に覆われていたことだ。ここでも同じよう
 な状態だったのだ。
     [タカ見広場への道]                                     [タカ見広場]
Img_1401 Img_1407_2観察場所は既に満員の状態で、今年も右側の木陰に
 腰を落ち着ける。
 そして前方を見ると、大気全体に薄くモヤが掛かっ
 たような状態で、遠くアルプス方面には入道雲が連
 なり、近くの山々にも雲がかかって見通しが良くな
 い。まだまだ今年の夏の異常な高温状態が残ってい
 るようだ。
 今年のこれまでのタカの渡りの数が少ないのは、こ
 の暑さが原因なのではないのだろうか。
 今日は晴れているので、多くの渡りを期待してきた
 のだが、どうもあまり飛んでいないようだ。
     [タカ見広場への道]                                      [タカ見広場]
Img_1403_2 Img_1404本格的に観察を始めると、正面の『一のピーク』付
 近からポツン、ポツンと姿を現すようになる。
 ハチクマが多く、ついでサシバ、時折ノスリとツミ
 が混じる。
 大半は前方右手へと流れて行くので満足な観察がで
 きない。
 空には秋らしく巻雲が流れてくる。
 たまに上空を通過するタカがいると、その下面の状
 態から種別の判定ができる。
  
     *
 今年もS氏が作成した、『タカの渡り探鳥会』の小冊子が大いに参考になる。
 タカ見広場の眺望図からタカの種類別の特徴図まで、飛来したタカの種別判定に役立つ資料だ。
  [S氏作成の小冊子]                                        [広場眺望図]
Img_1439_3 Img_1440
     *
     *
     *    
     *
     *
     *
     *
     *
     *
     *

 また、ツバメ類が空高く飛び交い、ホシガラス、カケス,キジバトなどが前方を横切り,時折アサギマダラがひらひらと上空を舞い、少ないワ
 シ・タカ類を補ってくれる。
     *
 昼食が終わる頃から、数は10羽程度と少ないが、タカ柱が見られるようになる。
 前方、肩の付近から1羽、叉1羽と飛び出し、輪を描いて次第に上空に上がり、それが右手へと流れて行くのだ。
 午後1時前後には、15羽余りのタカ柱と25羽余りのそれができて、ようやく渡りの観測らしくなり、皆さんの期待度がさらに高まったが、そ
 れ以後は上空に雲が広がりだし、サッパリ飛ばなくなってしまった。
 前山に止まっていたノスリの頭部から胸にかけてが黄色く見え、しばし皆さんの観察対象になったのが、せめてもの退屈しのぎになってくれた。
     *
 皮肉なことに、前方遥かに見える松本市内は、日が当たっている。
 午前中から気になっていたとおり、山々に雲が掛かった状態になってしまった。
 その遥かに見える日の当たる場所で、10羽余りのタカ柱がゴマ粒のように見えたのを最後に、今日の観察を終え、峠を降りる。
     *   [亀遊館]
Img_1432 Img_1431今日の宿は野麦街道と木曾福島への分岐点にある民
 宿の「亀遊館」。
 築百年の古い民家を改装した趣のある建物だ。
 我々のために4つの部屋を用意してくれて、ゆった
 りと過ごすことができた。
 
 
 


    *
 夕食までの時間、宿の前を流れる川でカワガラスとキセキレイを観察。
 熱い風呂で汗を流した後の夕食は,山菜料理が主体で、豚のしゃぶしゃぶがメイン。
 渇いた喉にビールが染み渡り,すっかり良い気分になる。
 食後、締めくくりにS氏お手製のパンフレットを参考に,今日の鳥合わせをして解散、早めに床についた。

 4時00分 自宅 → 6時40分 八ヶ岳P.A.(朝食)7時10分 → 9時30分 白樺峠駐車場 … 白樺峠・探鳥 … 15時30分 
 白樺峠駐車場 → 16時00分 民宿・亀遊館 泊   (電話 0263 -79 -2652・一泊三食 6700円)

【観察した野鳥】 23種類
 1.カワウ          2.ハチクマ       3.ト ビ
 4.オオタカ         5.ツ ミ        6.ハイタカ
 7.ノスリ         8.サシバ        9.キジバト
10.ハリオアマツバメ    11.アマツバメ     12.アカゲラ
13.イワツバメ       14.キセキレイ      15.ヒヨドリ
16.ウグイス V       17.コガラ       18.ヒガラ
19. シジュウカラ     20.メジロ        21.カケス V
22.ホシガラス       23.ハシブトガラス   24.カワガラス

白 露

2010-09-08 21:57:16 | 日記・エッセイ・コラム
Img_1387_2 今日は二十四節気の一つ『白露』です。
 大気が冷えてきて、露ができ始めるころ、と物の本にありますが、ちょうど台風9号の影響で、昨
 日までの猛暑も一休みとなったようです。
 『暦便覧』によれば、
 「陰気やうやく重りて、露にごりて白色となれば也」とあります。
 秋の陰気が夏の陽気に交わるときとみた、夏から秋への交替時に白露を目印としたもののようで
 す。
     *
 それにしても、今年の暑さは異常ですね。毎日を過ごすのに、これほど厳しい思いをしたことがな
 かったのでは……。
 また雨も先月の13日以来のことで、ようやく埃っぽい毎日から逃れることができそうです。
  今年は、この台風が去った後も、まだまだ暑さが続くようですので、くれぐれもご自愛のほどを。
     *
 上右の画像は『ヘチマ』です。花は数多く咲いたのですが、実はサッパリ成りません……。
     *
Img_1390_10 ところで、左の画像は先日の猛暑日に、二階のベランダに飛び込んできた『スズメガ』ですが、種類が
 分かりません?
            
      

   何事も 過ぎてゆくもの 白露の日   汀子