退職してから、毎日同じことの繰り返しのようで、いつの間にか8年近く経ってしまったような感がする。特に、妻以外の親族とは離れて暮らしているので、人間関係のストレスは無いが、ボーっとしている間に時が過ぎて行って、いつか自分自身に残された時間が少なくなっている気がする。
「死神」という落語に、『死神に連れられて地下の部屋に入ると、人の寿命の蝋燭の火が一面に並んでいて、他人の蝋燭の火を自分の蝋燭に移し替えられたら自分の消えかかった寿命を伸ばすことが出来ると言われて他人の蝋燭の火を自分の蝋燭に移し替えていたところ、最後になって、死神によって主人公の蝋燭が吹き消されてしまった』との話があるが、人間という生き物の、生への執着と虚しさを感じたものだった。
夏至に近づいている、この時期、4時過ぎになると仄かに明るくなってきているので、今朝も、ラジオ英会話のテキストを読んで、少し頭を疲れさせてから、日の出前に運動しようと5時前にサイクリングでマリンピア北公園まで行き、周辺をスローランニングしてきた。新しくできた徳島南部道に沿った下道は、人通りも少なく、時折ジョギングをしている人を見かけることもあり、サイクリングやジョギングをするには快適なコースである。昨日は、久しぶりにユニクロに買い物に行き、Tシャツと薄手のパーカーを買ったので、早速、今朝着用して走ってみたが、値段の割にはドライ機能も感じられて着心地が良かった。ユニクロは、昨日は、平日の昼間であったせいか、結構、年寄りめいた買い物客もおり、古稀の私でも、そう違和感を感じることが無く買い物が出来た。セルフレジも、買い物籠を置くだけで商品の値段が表示され、クレジットカードのタッチ決済もスムーズに行えた。
今日は、11時からドジャーズの試合の中継を見て、妻がファンの阪神の試合中継も見て、夕方近くになってからスーパーに買い物に行くことになるだろう。11時までの間は、市立図書館で借りている小説でも読んで過ごそうと思っている。 刺激の無い生活を送ってはいるが、面白い小説を読むと、小説の中の登場人物になったようで何かの刺激を覚えることもある。しかし、最近の若い人が書いた小説には、あまり共感も出来ないし、夢中になって読むことも少ない。まだ、昔の作家の小説とか、欧米の作家の小説の方が面白く感じることが多い。漫画全盛時代で、テレビドラマや映画なども漫画原作の作品が多いが、昔の作品のような面白さが無くなっているのは、戦後の教育制度で、良い子、無難な子を育てようとして、かと言って、いじめなども無くすことが出来ず、ネットリテラシー教育にも失敗し、不登校や引きこもりの子を増やしてしまっただけである教育政策の大きな失敗のせいだろうか。
東京都の知事選では、緑の古狸めいてきたオバサンと、赤いカミツキガメのようなオバサンとの間の戦いになりそうだ。もとより学歴などはどうでも良いことだが、古狸オバサンは、カミツキガメオバサンと比べると、キャスター経験を生かしたメディア戦略では世論操作に長けているかのようにも見えるが、かって、初めて都知事選に立候補した時に批判していた自民党都連の闇に、いつの間にか自分も成り代わっていて、マスコミ操作、都職員に対する人事を利用した威圧、自民党や公明党、国民民主党などとの政治取引などの疑惑もあるようだ。一方、カミツキガメオバサンも、他者への鋭い批判には長けていても、憲法九条問題や原発廃止問題では、原則論者のようで、政治的な妥協というものが出来ず、民進党代表の時も統率力等に問題があったようだ。都民で無いので投票権は無いが、東京都が日本の首都であるだけに無関心ではいられない。東京都も、少子・高齢化や災害対策という、日本の他の地域も抱えている問題を同じくしている。首都移転ということが、昔一部で議論されていたと思うが、どうなってしまったのだろうか。黒船が江戸湾に来て、開国してしまったのも、当時の江戸が、海からの砲撃に弱かったということも大きかったと思う。現在も、首都への一極集中は、防衛的にも大きな弱点であり、国土の均衡ある発展の面からいっても問題が多い。知事選は、単なる二人のオバサン対決よりも、日本という国の将来に関わる大問題のような気がする。