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conscience

my diary

孤立化、無関心、社会的格差が治安の悪化や様々な問題を産んでいる。

2024年12月18日 | 日記
 北九州市小倉南区のマクドナルドでレジ待ちの列に並んでいた中学生の男女2人が殺傷された事件では未だに犯人の逮捕に至っていない。付近の中学校などでは、この二日間で6千人もの生徒が学校を休んでいるとのこと。この事件は、衝撃的に伝えられ、また、捜査の遅れを訝しむ声もある。ある意味では、防犯カメラや物的証拠に頼る最近の捜査手法の限界とも言えるかもかもしれない。
 このような事件が発生する原因としては、地方を含む日本の大部分が都市化し、地域の絆が薄れ、他人に無関心な社会となり、貧富の格差や教育格差などが社会的格差となっていることが挙げられる。この事件では、未だに犯人の逮捕には至っていないが、捕まってもかまわないというか、自らが凶悪犯行を犯すことへの敷居の低さということもあるかもしれない。商業施設で殺傷事件が起こった例としては、2020年頃にも福岡市の無差別殺人事件があるし、他の地方でも同様の事件は複数の例がある。また、闇バイトに応募して、脅されて強盗事件を起こすような者についても、自分の起こそうとする犯行が、後でどれ程社会的な非難の的になるかなどと考えずに安易に犯罪を起こしてしまっている。
 学歴や社会的な地位に限らず、規範意識の低さも最近の特徴になっている。警察官や教師が性犯罪を犯したり、銀行の幹部職員が貸金庫から何十億もの金品を盗んだりしても、さして驚かないような社会となっている。国会議員ですら裏金を遊興費に充てていても反省すらしようとしない。これは、規範意識や倫理感というものが身についていないとしか思えない。戦後の日本社会では、身長が高かったり、金を持っていたり、学歴が高く社会的な地位が高いことが多くの人に持て囃されてきた。しかし、それだけに価値があるんだろうか。人としての倫理観や人に対する思いやりというような、基本的価値観が多くの人から無くなってしまっているのではなかろうか。学校教育なども、知育だけ教えても、受験には関係の無い道徳教育などは無視されてしまっている。これに、いじめや社会的格差というものが輪を掛けていて、不登校やひきこもりの子も増えている。もう一度、何が、人を人たらしめているのかを社会全体で考える必要があるのではなかろうか。
 
 昔の私のいた職場にも、臨時や非常勤で働いていた就職氷河期世代の人達が複数いた。そのような人達はいくら真面目に仕事に取り組んでいても、採用試験に合格しなければ正規の職員にはなれず、任期が来れば、或いは職場の都合によっては、離職しなければならなかった。そのような人達は、既に40歳とか50歳とかになっていて、当然、親も高齢化していることだろう。バブル崩壊後の失われた30年と言われる時代は、単に、正社員の給与が上がらなかっただけではなく、このような人々も生み、派遣などで働く多くの人々も生み出した。このほとんどの期間に政権の座にあった自民党・公明党の与党は、この間の成長戦略に失敗してきており、むしろ、製造業の多くを海外移転してしまった。現在のようなインバウンド頼りのサービス業中心の産業構造では、決して長続きはしないだろう。103万円の壁問題で明らかになって来たのは、税金や社会保障費を搾り取るだけで、公的支出における無駄を省こうとはせず、戦略的な投資を怠って来た財務省主導の政・官の産業界との癒着構造だと思われる。
 私が、県や市の事業を見ていて驚いたのは、企画はしても、直ぐに民間業者に丸投げしてしまうお役所の体質だった。本当に社会の為に必要な支出は省いてはいけないが、無駄な事業は削減すべきだと考える。例えば、男女共同参画事業などに9兆円とか10兆円もの予算が使われていると言われている。そのうち、本当に必要不可欠なものはどれだけあるのだろうか。働いている現役世代が、経済的な理由から、なかなか結婚も出来ず、子どもも持てないということが、もしあるのなら、そちらにこそ手当をすべきではなかろうか。
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