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サンチョパンサの憂鬱

値上げが僕を守った……

僕の店はひたすら値上げを繰り返した。

取引先の商社の支店長が、その間に近隣の居酒屋数十店舗が消えていった……と言った。

価格破壊……嫌になる位に聞いたワードだ。何かがオカシイ?ぞと思った。

居酒屋ニイチャンの店に負けない位安く導入したけれど……様子が解ってから一気に値上げに舵を切った。

ここに女子会仲間連れてきても高いって言うのよ!……なんておブスが言うから翌日にはもっと上げてやった。

改装と値上げに明け暮れた五年だった。まともな食事というスタイルを知らない若いやつらをアウトオブ眼中にした。

ワインは恐ろしく増やしていった。
不思議な事に閑散とした店内を見ても慌てなかった。この空間とメニューのラインアップで店荒らしの連中に負けるか?置き去りにしてやるか?どっちかだ!……と思った。

品質……って奴を考慮に入れない人間達。判断はプライスしかない。
こんなのに場所を長く占有されてボランティアやるのは御免だった。

客?の言うことに右往左往して影響される店は淘汰されていった。数十店舗……数十人の夢が破れた訳だ。
最低限の自分の条件は死守しなきゃ自殺行為なのである。

選挙ってどんな奴の一票も一票。だからトンでもない結果を導く。
言うことをまともに受けちゃイケない人間が十中八九なのである。

何を受け入れ何を拒絶するのか?
それは、運営してる自分の覚悟とコンセプトに掛かっている。

店というのは女選びに似ている。
自分の奥座敷に入れる人間は、自分が選ばなきゃハチャメチャになる。

客は神様なんかじゃない。泥棒みたいな奴から天使まで様々だ……。
美学に照らして選ばないと禍根を残すのである。

嫌な女は付き合わなきゃそれで済む。
客は日々やって来るからそうは行かない。そこで一番有効な手立てが値上げだったのである……。

あなたは……そういうおカネ出せないでしょ?……とプライス達が僕を守ってくれたのである……。
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