お馴染み、吉田拓郎のイメージの詩(うた) の一節だ。
✳何故なら古い船もまた新しい海へ出る……✳ と続く……。
人は自分に未体験のレベルを目指し手に入れる……。
当然関わる人達も、分野も進化したレベルで交わるからこその達成である。
僕は全く唐突に業界に闖入した新しい水夫だった。
✳古い水夫は知っているのさ 新しい海の怖さを……✳
その業界でヒトカドの仕事をこなして、力を持っていた『古い水夫達』は僕の言い分に耳を傾け、古い船がこれからの新しい海へ出る為の企画を任せて後押ししてくれた。
驚いたのは、その古い船(古くからの業界人)の乗組員の若い水夫達の行動哲学だった。
彼等は、頑なに『今まで』を手放そうとしなかったのである。
肉体は老化し衰えても、メンタルは新しい海の彼方を見据えてる人達がいた一方、瑞々しい肉体を誇りながら……どんなに新しい提案をしても『今までのセオリー』を当てはめて処理しようとする『若い肉体を持った老人達』が数多く居たのだった。
自分に対して夢を捨ててない人間は……昨日までの自分に飽きる能力があるんだな?と思った。
幾ら新しい水夫でも、昨日までの自分に対する満足に支配されている人間のメンタルは……恐ろしく、老廃物を溜め込み老化が進んでいたのだった。
多くの新しい水夫達は……新しい海の怖さを知ろうとはしなかった。
今……その傾向が完成の域に達したのかも知れない。留学希望者は激減し、公務員人気は凄まじいものがある。
女達は『婚カツ』とやらで、取り敢えず食い扶持を確保する。
そんな食い扶持は、メンタルを刺激はしてはくれない。お定まりの発情ゲーム……をしながら、母性愛豊かな賢母を演じては見せる。
しかしその貧相な志のニュアンスは誤魔化し様もなく、アカラサマに漂うのである……。
そして子供という新しい水夫に期待を丸投げしてしまう。
妙に中学受験事情に詳しい、いい歳したオッサンオバサン達が、興奮し、熱を帯びた私立中学の情報交換をしているの図は……ゾンビの様でとても不気味でおぞましい。
✳ 戦い続ける人の心を誰もが分かってるなら 戦い続ける人の心はあんなには燃えないだろう……✳
日より見主義者のいい加減さが、戦う人の心に本気の炎を焚き付けるという不思議……。
✳空を翔ぶのは鳥に羽があるから ただそれだけの事 足があるのに歩かない俺には羽も生えやしない……✳
何時の時代も……自分の愛とか力とかの出し惜しみしてる奴って醜悪で寂しい笑いを浮かべている……。
人間ってそうやって、何時の間にか自分は本当は哀しいのにテレ笑いを浮かべる様になるもんなんだね?……。
✳~✳吉田拓郎『イメージの詩(うた)』
一体……彼等は誰に向かって何を笑っているのだろう?