春雨じゃ

短歌を少しだけ。

驟雨のやうに突然詠んだり。

集中豪雨のやうにまとめて詠んだり。

印象批評 0013:クリーム

2006-03-18 | Weblog
ホイップクリームを泡立てながら考えているのは嫌いな誰か..NOTHING WORKS

(力を込め集中すれば立派なクリームになるだろう)

壮大な シュークリームをほおばった 中味は逃げて 皮だけ食べた・・改行やたら好きな人

(改行すれば意味が途切れるが作者はそれが好きらしい。控え目もしくはせっかちはいつでもこのようになる)

印象批評 012:噛

2006-03-17 | Weblog
噛み終えたガムがあなたの靴底で歩みを鈍らすこともあるはず・・五十嵐きよみ

( なにやら情念のような気配)

噛み砕き貪り喰えば恋だって痩せてしまうぜ 落ち着こう 俺 ・・DEATH IS A LONELY BUSINESS

(がつがつするなよ)

印象批評 010:桜

2006-03-17 | Weblog
桜咲く季節(とき)来りせば動き得ぬ脚をさすりてわが嘆き居り ・・船坂圭之助

(咲いたとて見にさえ行けない不自由や)

桜など関係なくて薬局でバンドエイドを20枚買う・・ハナ

(この時期がイチバン多忙なのよ、何枚あっても足りないほどに)


桜咲く隣家の下駄が飛んできて晴れだと子どもが前歯見せをり ・・紫女

(下駄を飛ばして天気占い、勢い余って私の庭まで。元気な子供の声、下駄が当たって桜が散るかも)


印象批評 009:椅子

2006-03-17 | Weblog
人生の椅子取りゲームに勝ってきた彼は老後もすわりつづける ・・aruka

(譲る、育てるを知らぬ傲慢は多い)

髪の毛を引きちぎっては泣く婆が椅子から落ちて月夜が途切れる ・・紫女

(婆よ、月夜を返せ)

放課後にお前の椅子を蹴り倒す鉄の匂いに沈む復讐・・ぱぴこ

(復讐心は蹴りで納まったようだ)

印象批評 008:親

2006-03-17 | Weblog
父親になんてなりたくなかったと思ってる春 雲が流れる・・新井蜜

(はてさてなんのせいやら親となり)

「親日」をふた言目にはひけらかす医者の後妻が切りわける菓子・・謎彦

(後妻の厚かましさであろうか)

親子丼のグリンピースの青き実の「みなと食堂」廃業となる ・・みの虫

(良心的な店から潰れるという経済政策は、なんとかならないものだろうか)

印象批評 006:自転車

2006-03-16 | Weblog
自転車とミニスカートの作戦がいけると思った馬鹿は私だ・・みにごん

(次はどのような作戦にする?)

自転車に乗れたらきっと一番に君の家まで走っていくよ・・夢見堂

(思わず返事をしたくなる)

山坂の多き在所に暮らしたれば自転車などは扱いかねたり・・湯山昌樹

(そうかもしれぬ)

もう君が乗ることのない自転車に如月の雪静かに積もる・・Ja

(訳を知りたい気もするが)

印象批評 005:並

2006-03-16 | Weblog
向き合ってたった二人で七並べやってるような会話じゃないか ・・おとくにすぎな

(これこそ並みの幸せである)

「並である我こそ憎し」マゼンタの筆で裸体に書く罵声など・・紫女

(非凡は生涯自分に罵声を浴び続ける。裸体画に紫色で書きましたか)

たこ焼きとビールを買って帰ろうか君と並んで歩く日曜・・ ぱぴこ

(ほっこりとした日曜です)

本棚に並んだ本の背表紙でわかった気がするあなたの本音 ・・村上はじめ

(部屋をみれば性格が判る、まして本棚をみれば語らなくても本音が聴こえる)

印象批評 003:手紙

2006-03-16 | Weblog
この手紙 返事はいらない捨てていい ただ一度だけ読んでくれれば・・草野つゆ

(読んでくれれば出した甲斐もある)

見つかった世界最古の手紙から検出された指紋と涙・・野良ゆうき

(指紋と涙の結びが雄弁である)

冷たい貴方は冷たいまま出せなかった手紙を燃やして暖をとる・・ NOTHING WORKS

(出して奴に捨てられるより自分で燃やしてしまえば暖かな心に戻れる)

書けなかった手紙のような鳥が来てわれの骸をついばむだろう・・そばえ

(仏教では鳥葬が最高の弔いゆえに私もそのよう願ってます。遺言は残さずに)

印象批評 002:指

2006-03-16 | Weblog
外れない指輪のやうな気だるさがグラスワインを傾けてゐる ・・みずき

(飲まなきゃ・・やってられない日もある)

指切りをした瞬間に間違えて赤い糸まで切っちゃったみたい・・御厨しょうこ

(赤い糸は大事に扱いませう)


印象批評 001:風

2006-03-16 | Weblog
題詠100首blogに確認したところ著作権は全て投稿した作者にあるというので無断掲載、しかも真に身勝手ながら主観批評(印象批評)を始めました。
これにより不快な思いをされた作者はご一報くだされば削除致します。
選考の基準は、生活感溢れる歌、社会観のある歌、苦悩、楽観、謳歌している歌、です。
順位は題詠への投稿順です。


オジロワシがぶつかり死すとふ羽根まわし地球にやさしき風力発電・・空色ぴりか

(なにかにやさしいとなにかに厳しいというこの矛盾)

風向きが変わるその日を待ちあぐねもうどれくらいあとどれくらい・・スガユウコ

(そうやって段々と夢を追いかけなくなる)

仕返しに課長のコーヒー砂糖抜きどこ吹く風という顔をして ・・夢見堂

(砂糖抜きですか、おやさしい。私なんぞ目薬、タバコの灰です。九時から五時までという映画では猫いらずでしたよ)

さぶちゃんが沁みる女になりました風雪ながれ旅リフレイン ・・ ハナ

(風説、いや、風雪流れ歌は大好きなもので、いい女になってくだされ)

恋猫の鳴き声風は運び来て老い猫たちに春を知らせり ・・まゆねこ

(確かに、老人は時間に疎い)