春雨じゃ

短歌を少しだけ。

驟雨のやうに突然詠んだり。

集中豪雨のやうにまとめて詠んだり。

印象批評 006:自転車

2006-03-16 | Weblog
自転車とミニスカートの作戦がいけると思った馬鹿は私だ・・みにごん

(次はどのような作戦にする?)

自転車に乗れたらきっと一番に君の家まで走っていくよ・・夢見堂

(思わず返事をしたくなる)

山坂の多き在所に暮らしたれば自転車などは扱いかねたり・・湯山昌樹

(そうかもしれぬ)

もう君が乗ることのない自転車に如月の雪静かに積もる・・Ja

(訳を知りたい気もするが)

印象批評 005:並

2006-03-16 | Weblog
向き合ってたった二人で七並べやってるような会話じゃないか ・・おとくにすぎな

(これこそ並みの幸せである)

「並である我こそ憎し」マゼンタの筆で裸体に書く罵声など・・紫女

(非凡は生涯自分に罵声を浴び続ける。裸体画に紫色で書きましたか)

たこ焼きとビールを買って帰ろうか君と並んで歩く日曜・・ ぱぴこ

(ほっこりとした日曜です)

本棚に並んだ本の背表紙でわかった気がするあなたの本音 ・・村上はじめ

(部屋をみれば性格が判る、まして本棚をみれば語らなくても本音が聴こえる)

印象批評 003:手紙

2006-03-16 | Weblog
この手紙 返事はいらない捨てていい ただ一度だけ読んでくれれば・・草野つゆ

(読んでくれれば出した甲斐もある)

見つかった世界最古の手紙から検出された指紋と涙・・野良ゆうき

(指紋と涙の結びが雄弁である)

冷たい貴方は冷たいまま出せなかった手紙を燃やして暖をとる・・ NOTHING WORKS

(出して奴に捨てられるより自分で燃やしてしまえば暖かな心に戻れる)

書けなかった手紙のような鳥が来てわれの骸をついばむだろう・・そばえ

(仏教では鳥葬が最高の弔いゆえに私もそのよう願ってます。遺言は残さずに)

印象批評 002:指

2006-03-16 | Weblog
外れない指輪のやうな気だるさがグラスワインを傾けてゐる ・・みずき

(飲まなきゃ・・やってられない日もある)

指切りをした瞬間に間違えて赤い糸まで切っちゃったみたい・・御厨しょうこ

(赤い糸は大事に扱いませう)


印象批評 001:風

2006-03-16 | Weblog
題詠100首blogに確認したところ著作権は全て投稿した作者にあるというので無断掲載、しかも真に身勝手ながら主観批評(印象批評)を始めました。
これにより不快な思いをされた作者はご一報くだされば削除致します。
選考の基準は、生活感溢れる歌、社会観のある歌、苦悩、楽観、謳歌している歌、です。
順位は題詠への投稿順です。


オジロワシがぶつかり死すとふ羽根まわし地球にやさしき風力発電・・空色ぴりか

(なにかにやさしいとなにかに厳しいというこの矛盾)

風向きが変わるその日を待ちあぐねもうどれくらいあとどれくらい・・スガユウコ

(そうやって段々と夢を追いかけなくなる)

仕返しに課長のコーヒー砂糖抜きどこ吹く風という顔をして ・・夢見堂

(砂糖抜きですか、おやさしい。私なんぞ目薬、タバコの灰です。九時から五時までという映画では猫いらずでしたよ)

さぶちゃんが沁みる女になりました風雪ながれ旅リフレイン ・・ ハナ

(風説、いや、風雪流れ歌は大好きなもので、いい女になってくだされ)

恋猫の鳴き声風は運び来て老い猫たちに春を知らせり ・・まゆねこ

(確かに、老人は時間に疎い)