
2/20(水)、『メリー・ポピンズ リターンズ』を観て来ました。(一つ前の記事に書いた『ファースト・マン』からハシゴしてきました)
予告編はこんな感じです。
さて、この映画『メリー・ポピンズ リターンズ』は、ディズニーの名作『メリー・ポピンズ』の数年後を描いた物語です。
『メリー・ポピンズ』は1964年ともう50年以上も前の映画なんですが、僕は去年「午前十時の映画祭」で観てすごく面白かったので、本作も非常に楽しみにしていました。
『メリー・ポピンズ』は、一言で言ってしまえば、心の底から「楽しい!」と思える映画でした。
メリー・ポピンズの魔法の数々に劇中の子供達は感動し、そしてその魔法によって出会った人達が幸せになっていく、そんな映画なのですが、この映画の素晴らしいところは、それが観客にまで伝わってくるということだと思うんですよね。
つまり、劇中の子供が感動していると観ている自分も一緒に感動してしまう、劇中で誰かが幸せになると自分も一緒に幸せになってしまう。
これはまさに、映画の魔法と言えるのかも知れませんよね。劇中には魔法が登場しますが、映画そのものが観客を魔法にかける力があるのかなとさえ思ってしまいます。
さて、本作『メリー・ポピンズ リターンズ』も、前作同様にとにかくメリー・ポピンズの繰り出す魔法の数々が本当に楽しくて、映画の中の登場人物も、映画の観客も、大人から子供まで誰もが幸せになれる映画だったと思います。
ただ、魔法で子供たちを幸せにするという物語であることは変わりないのですが、前作では子供だった登場人物が大人になっているという設定があることによって、大人が幼少期の感動を取り戻す物語にもなっていたんじゃないかなと思いました。
本作は、この大人と子供の関係、という要素が結構大事だと思っていて、例えば、親に余裕がなくなると子供が子供らしい気持ちを忘れて悪い意味で大人になってしまう、みたいな描写は、現代のリアルなのかもなって思ったりもしました。
でも、そんな時に登場するのがメリー・ポピンズの魔法であり、彼女と出会うことで子供たちは幼少期の感動を取り戻すだけでなく、大人達さえも文字通り童心に返って楽しい気持ちになれるのです。どんな大人も、昔は子供でしたからね。
で、これだけでも素晴らしいのですが、やっぱりこの映画の凄いところは、その魔法が観客にもかかるんですよね。
つまり、観客も劇中の登場人物たち同様、メリー・ポピンズの魔法に童心に返って感動し、幸せになることができるのです。
これは僕がずっと思っていることなんですけど、子供の頃の体験や、出会った物語で感動って、大人になっても自分の中にすごく大事なものとしてずっと残っている気がしているのです。
これは言い換えれば、どんなに大人になっても、僕の中には子供の頃の僕がずっと住み続けている、と言えるのかも知れません。少なくとも、僕にはそういう感覚があります。
で、時折、そんな僕の子供の頃から変わらない気持ちを刺激するような作品に出会う時、僕の中の子供の自分が感動しているんだな、って思うんですよね。
ジュブナイルとか冒険譚とか青春映画とかに出会うと、今でもそういう気持ちになるんですけど、『メリー・ポピンズ リターンズ』もそういう映画でしたね。