レイの話。
先週の水曜日、学生演劇BLUESの稽古がありました。
稽古の後、おもケンとレイと三人でラーメンを食べに行きました。
個別会計を済ませた俺とレイは、おもケンの会計も待たずに先に店を出ました。
店を出ると、満月の数日前の月が、ラーメン屋の駐車場から見えました。
唐突にレイが言いました。
レイ「あ、月だ!僕、絶対月に行くんだ!」
咄嗟にキャラを作る俺。
俺「兼吾、お母さん兼吾に話さなきゃいけないことがあるの」
レイ「どうしたのお母さん?」
俺「兼吾、あなたのお父さんは月にはいないのよ。兼吾が小さい時に…」
レイ「何言ってるんだよお母さん!僕は月に行ってお父さんに会いに行くんだ!」
俺「お父さんは月になんていないの!兼吾が小さい時に死んでるの!」
レイ「嘘だ!お母さん言ったじゃないか!お父さんは月に行ったって!」
俺「それは、兼吾がまだ小さかったから悲しませたくなかったのよ」
レイ「お母さんの嘘つき!お父さんは月にいるんだ!」
俺「兼吾、もう大人なんだから分かるでしょ!現実を受け入れなさい!」
レイ「嫌だ!絶対お父さんに会いに行くんだ!!」
ガラッ。
おもケン「何やってんすか?」
俺「・・・」
レイ「・・・」
おもケン「帰りますよ」
俺「ああ・・・」
レイ「お疲れ・・・」
帰ろう。
僕達の生きる場所に。
先週の水曜日、学生演劇BLUESの稽古がありました。
稽古の後、おもケンとレイと三人でラーメンを食べに行きました。
個別会計を済ませた俺とレイは、おもケンの会計も待たずに先に店を出ました。
店を出ると、満月の数日前の月が、ラーメン屋の駐車場から見えました。
唐突にレイが言いました。
レイ「あ、月だ!僕、絶対月に行くんだ!」
咄嗟にキャラを作る俺。
俺「兼吾、お母さん兼吾に話さなきゃいけないことがあるの」
レイ「どうしたのお母さん?」
俺「兼吾、あなたのお父さんは月にはいないのよ。兼吾が小さい時に…」
レイ「何言ってるんだよお母さん!僕は月に行ってお父さんに会いに行くんだ!」
俺「お父さんは月になんていないの!兼吾が小さい時に死んでるの!」
レイ「嘘だ!お母さん言ったじゃないか!お父さんは月に行ったって!」
俺「それは、兼吾がまだ小さかったから悲しませたくなかったのよ」
レイ「お母さんの嘘つき!お父さんは月にいるんだ!」
俺「兼吾、もう大人なんだから分かるでしょ!現実を受け入れなさい!」
レイ「嫌だ!絶対お父さんに会いに行くんだ!!」
ガラッ。
おもケン「何やってんすか?」
俺「・・・」
レイ「・・・」
おもケン「帰りますよ」
俺「ああ・・・」
レイ「お疲れ・・・」
帰ろう。
僕達の生きる場所に。
俺達が見ているのは常に一歩先の次元です。