
1/30(木)、シネ・ウインドで「さらば青春の光」を観てきました。
1979年公開の映画のデジタルリマスター版です。
予告編なこんな感じです。
1960年代のイギリスを舞台に、不良少年たちの刹那的、衝動的、退廃的な青春を描いた映画です。
改造バイク、喧嘩、ドラッグが満載のまさに不良映画で、ストーリーと言うよりは当時の時代の空気や主人公の心境などを切り取った映画って感じがしました。
主人公たちはジャケットとトレンチコートに身を包んだモッズと呼ばれる集団で、革ジャンに身を包んだロッカーズとは敵対関係にあり、最終的には町を巻き込んだ激しい暴動に発展してしまいます。
また、主人公は最初は友人達にも恵まれ、好きな女の子もいるのですが、最後にはすべてを失い、クライマックスでは盗んだバイクで走り出します。
「盗んだバイクで走り出す」と言えば尾崎豊ですけど、尾崎豊がそうだったように、時代が荒んでいるとその影響が若者にダイレクトに及び、その結果「不良」という形で世の中に表出してしまう、ということがあると思うんですよね。
そういう意味で本作は、1960年代という戦後間もない時代に、若者の行き場のない感情の暴走や孤独を表現したまさに不良映画なんだなと思いました。
この映画がなかったら、「AKIRA」や「クローズ ZERO」みたいな不良漫画や不良映画もなかったのかも知れないと思ったくらい、不良青春モノのすべてが詰まったような映画だと思いました。
それだけでもいい映画なんですが、本作の特徴としてThe Whoの音楽が効果的に使われていて、中には歌詞に合わせてストーリーを書いたんじゃないかなと思われるシーンもあるくらいでした。
そんなこんなで面白い映画なんですが、もう40年も前の映画なのでラストシーンもネタバレしてしまうけれど、最後に主人公が崖から飛び降り自殺を図る…かと思いきやバイクを投げ捨てるラストは、子供の自分を殺して大人になる、青春の終わりを表現しているのかなと思いました。
青春ってやっぱり誰もが「あの日の憧れ」みたいなものを抱くわけで、だから青春映画って面白いわけですが、その終わりまでしっかり描いた映画はいい映画だと思うんですよね、映画を観終わると僕らは少しだけ大人になるわけですよ。