
8/16(月)、T・ジョイ新潟万代で「サマーフィルムにのって」を観てきました。
時代劇オタクの女子高生が、自主映画の時代劇で監督に初挑戦する青春映画。
所属する映画部の胸キュン青春キラキラ映画が気に食わずに、個性豊かな仲間達を集めて自分の映画で対抗するのも最高だし、大好きな時代劇のことになると熱くなる主人公のハダシ監督が可愛すぎる!最高!ということで、今年何回目かのベスト候補です。
初心者だけれど映画への愛情と情熱で本気で突っ走る主人公のハダシ監督が「映像研には手を出すな!」の浅草氏の実写版みたいでとにかく可愛いし見ていてスカッとして気持ちいい。
主人公を演じた伊藤万理華さんのいい意味で元乃木坂46のアイドルっぽくないというか、スニーカーを履いていたりリュックを背負っていたり、青春映画のヒロインらしからぬリアルなダサ可愛さも最高すぎます。
ちなみに、ハダシ監督の仲間は、天文部のビート板と、剣道部のブルーハワイという、そもそも何じゃその名前はって感じなのですが、彼女達も本当に、よくある学園青春ドラマに出てくるような分かりやすい可愛さではなくて、とにかく個性とアクが強けれど妙にリアルな人間臭さがあって、そこがとにかく可愛いです。
ついでに、そんな3人に協力することになる、男子高校生達も、とにかく学校で特に浮いているような個性の強すぎる変な奴らの寄せ集めなのですが、そんな奴らで変なチームを作って一致団結する、という青春がとにかく見ていて楽しいし素敵でした。
で、ハダシ監督の所属する映画部達はみんなで胸キュン映画を撮って団結してしまうから、孤立したハダシ監督は「映画はリア充のもんじゃねえ!」と、個性豊かな変な仲間達を集め、さらに町中で一目惚れした青年まで口説き落として役に抜擢してしまう、その強引でハチャメチャな一夏の青春の冒険が最高すぎます。
映画を作ってる君達、誰よりも一番輝いてるよ!と本気で思いました。
と思いきや、最初は対抗していた映画部員達とも途中から思わぬ形で助け合うとことになり、よき友、よきライバルになっていく展開もすごく素敵でした。
映画という表現に青春を賭ける姿、そこで生まれるドラマの数々が本当に眩しくて、自分もこんな青春がしたかった、こんな仲間が欲しかったと本気で思ったし、でも映画を見ている時だけは仲間になれたような嬉しさもありました。
苦悩しては暴走し、暴走しては苦悩する、ハダシ監督の表現欲求や初期衝動の描写も、見ていてとにかく気持ちが分かったし、頑張れ!って思ってしまいました。
そして、時代劇に対する愛と美学と表現欲求、それが自身の青春と重なるクライマックスは、ネタバレは書かないけれど、ずっと作っていた映画という世界から文字通り飛び出してくる、今目の前で「事件」を起こすのが自己表現だ!という熱いものを感じ、それそそのままこの映画で目撃してしまう感動にも繋がるという感じで、とにかく最高の一言でした。
あと、普通の青春映画かと思いきや、途中でまさかのSF設定が登場してびっくりしたのですが、それがちゃんと映画のメッセージに繋がる意味のあるものになっていたと思いました。
個人的に「時をかける少女」へのリスペクトを感じたのですが、脚本家に劇団ロロの三浦直之さんがいて納得しました。
何故なら三浦直之さんは、MOOSIC LAB 2013の「ダンスナンバー 時をかける少女」の監督だった方だからです。
当時あの映画もすごく好きだったのですが、今思い返すと、強い想いが未来に届く!という一貫したテーマがあると思ったし、どちらも全力で生きる少女の可愛さと生命力を表現するのが本当に上手いと思います。