
2018年、12/24(月)~30(日)に開催した、僕の作品展「ちひろdeアート」。
「【お知らせ】ちひろBLUES作品展「ちひろdeアート2018」開催します!(12/24~30、ちず屋の2階)」
3日目、12/26(水)には、映画制作団体、バンカラロックフィルムス代表の千葉仁さんと、トークイベントを行いました。
「12/26(水)、「ちひろdeアート2018」3日目、終了しました!」
というわけで、トークの書き起こしを公開します。
ちひろBLUES作品展「ちひろdeアート 2018」3日目
(2018.12.26 ゲスト:千葉仁さん)
ちひろ はい、では「ちひろdeアート」のトークライブ、これから始めていこうと思います。本日のゲストは、バンカラロックフィルムスの代表の千葉仁くんに来ていただきました。
(拍手)
ちひろ じゃあまず、千葉くんの自己紹介を軽くしてもらおうと思うんですが。
千葉 はい。宮城県出身、新潟大学に進学をきっかけで新潟に来ました。千葉仁です。普段は映画撮ってます。
ちひろ で、バンカラロックフィルムスというところの代表を今はやってるという。
千葉 はい。
ちひろ 映画製作、会社ではない?
千葉 会社ではないです。
ちひろ 映画製作団体。
千葉 はい。
ちひろ 後ほど話しますけど、「パンクロックベイビー」という、去年、プロデュースってことになるのかな。
千葉 プロデュースです。
ちひろ 千葉くんがプロデュースした「パンクロックベイビー」が、今年、Kisssh-Kissssssh映画祭で、主演女優賞を受賞したという。
千葉 はい。
(拍手)
千葉 実は、まだ2つあって、関西学生映画祭でも一応入選して、あと来年1月にある大府っていう愛知県にある、おおぶ映画祭でも入選させていただいていて。大府では「百円の恋」(2014年)の方(武正晴監督)が審査してくださるということで。
ちひろ マジで。すごいね。今、月刊ウインドの11月号が何でここに置いてあるかと言うと、この中の記事で、ちょうど千葉くんがプロデュースした「パンクロックベイビー」のKisssh-Kissssssh映画祭に参加して、主演女優賞を受賞した時の、監督の吉田麻希さんのレポートが載っているんです。
千葉 吉田が。
ちひろ というわけで、今日は千葉くんに色んなことを聞いていこうじゃないかということで、よろしくお願いします。
千葉 よろしくお願いします。
ちひろ まず、根本的な話なんですけど、千葉くんは大学生から映画を撮り始めたということですけど。
千葉 はい、そうです。
ちひろ そのきっかけみたいなことはあったんですか?
千葉 大学1年生の時に、映画倶楽部という部活に。
ちひろ ああ、新潟大学映画倶楽部。
千葉 はい。入りまして。それがきっかけで、1年生の時から映画に携われる環境にいました。
ちひろ 映画倶楽部に入ろうと思った理由とかはあったの?
千葉 もともと編集をやりたくて。
ちひろ 将来の仕事として?
千葉 と言うよりは、遊びで。
ちひろ なるほど。
千葉 何で編集したいのかと言うと、ニコニコ動画とかがすごく好きで、その影響で編集面白いなって。
ちひろ へえー。
千葉 ニコニコ動画に、MADとかあるじゃないですか。
ちひろ あるね。いわゆる自分でアニメの映像を編集しちゃうみたいな。
千葉 そうそう。そのクオリティの高さに、すごくカッケー!って思って、影響を受けてました。
ちひろ 千葉くんって今、何歳だっけ。
千葉 俺、24です。
ちひろ 24ってことは、大学1年生の時って、わりとニコ動全盛期くらい?
千葉 高2の時が、実況の人達が出始めてきて。
ちひろ 今から10年くらい前か、ニコ動全盛期って。
千葉 ニコニコのクオリティ高い動画を見ていて。
ちひろ そうか、大学入る前から、ニコ動のブームがあって。
千葉 めちゃくちゃハマってましたね。iPodに入れて見てたんで。
ちひろ iPodがすごい流行ってた時代でもあるね、あの頃は。
千葉 そういう影響で。
ちひろ そういう影響があり、映像を撮ってみたいと思って、新潟大学映画倶楽部に入ったと。
千葉 そうですね。それまでは全然映画を観てなくて。
ちひろ あ、そうなんだ。
千葉 まったくと言っていいほど映画を観てなくて、金曜ロードショーを年一で見るか見ないか。
ちひろ そんなだったんですね。
千葉 1年生の時に映画倶楽部に入ったんですけど、そんなに真面目にやってなくて。まあ、気取ってたわけですよね。俺は人と違うぞと。
ちひろ 俺はすげえぜと。ハハハ!
千葉 俺はすげえぜと、気取って1年を過ごした結果…
ちひろ どうなったんですか?
千葉 薄々気付いてたんでしょうね、人と同じであることに。
ちひろ ハハハハハハ!
(笑)
ちひろ 俺、天才じゃねえ!っていう。思春期にあるやつだ。
千葉 薄々気付いてたんですけど、でも、俺はまだ認めてなくて。だから大学2年の時に、あることがきっかけで、ちょっと映画を撮ってみたいと思って、2年生の頃から毎日1本とか映画を観てて。
ちひろ そこで勉強というか。
千葉 初めて、量を見るっていう。
ちひろ なるほど。
千葉 だから、8本とか観てましたよ。
ちひろ 1日8本!?
千葉 夏休みとかは。
ちひろ 24時間中、16時間は映画に費やしたことになるよ。
千葉 ずっと観てました。40分くらいのショートフィルムとかもあるんですけど。
ちひろ ああ、そっか。レンタルしてとか。
千葉 レンタルして。あと、すごく良かったのが、俺の先輩たちが、海外でしか出回ってない映画とかも持ってたりして。
ちひろ あー、そっか。映画オタクのすごい人達がいて。
千葉 だから、今時のメジャーの映画もレンタルで観てたし。
ちひろ いわゆるシネコン系の。
千葉 その人達のお蔭で、誰が観るんだみたいなやつも観てたっていう。
ちひろ ミニシアターでもかからないみたいな。
千葉 そう。
ちひろ 自主制作映画のすごいマニアックなやつとかも。
千葉 そうそう。
ちひろ 幅広く観ていたと。
千葉 で、2年生の6月くらいに、塚本晋也監督の「鉄男」(1989年)という映画を観て。
ちひろ はいはい。
千葉 これ観た時に、今までの自分が見て来た映像とはまったく違う路線が、特撮って言われても特撮じゃないよなっていう。
ちひろ 「鉄男」はすごいですよね。
千葉 「鉄男」の、音楽がやばくて。その組み合わせ方とか。めちゃくちゃ影響を受けたというか、衝撃を受けて。
ちひろ なるほど。
千葉 こんなものって存在するんだって。
ちひろ はいはい。
千葉 それが2年生の6月くらいに来て、映画をよりいっそう、知りたい、知りたいっていう。
ちひろ なるほど。「鉄男」と言えば、今、シネ・ウインドで「斬、」(2018年)という映画やってますけど。この前、たまたま一緒に観たよね。
千葉 観ましたね。
ちひろ 塚本晋也監督の舞台挨拶があって。塚本晋也監督は、すごいですね。すごい穏やかな方なのに。
千葉 そうですね。そんな感じで、さらっと言うと、3年生の時に、ようやく気付いたわけですよね。やべえ、俺このままだと、本当にただの凡人になっちゃう、っていう。
ちひろ 才能もなく。
千葉 いや、自分はまだ天才だと思っていて。
ちひろ ハハハ!
千葉 でも、このままだったら本物の凡人になっちゃうっていう。ハハハハハハ!
ちひろ めっちゃ笑ってるじゃん!
千葉 俺は前提として、自分は天才だっていうのを崩さないんですよ。
ちひろ なるほど。その前提は絶対否定せずに。
千葉 否定せずに、でも、危うさがあると。
ちひろ はいはい。
千葉 だから、本気で映画撮りたいと思って、この時の暴走具合はやっぱり凄くて。それで、手塚眞監督(1999年に新潟で「白痴」を撮影して以来、シネ・ウインドと親交が深い)に。
ちひろ はいはい。手塚治虫さんの息子さんの。
千葉 俺に映画を教えてくれと直談判をし、手塚さんはOKだと。
ちひろ 2年前かな。
千葉 2年前ですね。
ちひろ 千葉くんがまだ、バンカラロックフィルムスを立ち上げる前、新潟大学映画倶楽部として、シネ・ウインドの31周年祭の時に、「手塚監督とオレたち」(2016年)っていう、手塚眞監督の映画と、手塚さんに教えてもらって新潟で撮った映画2本の上映があったじゃないですか。
千葉 はい。
ちひろ 手塚監督にオファーしたあとに撮ったのが、それってことですよね。
千葉 そうなんですよ。で、あの企画、手塚さんの学生時代の映画を流すって言って。
ちひろ 「はまぐり」(1983年)ですね。
千葉 はい。だから最初は3本も学生映画を観られるっていう企画だったんですけど、手塚さんが、僕らが撮影した阿賀町という場所にだんだん心魅かれていって。
ちひろ 2本とも阿賀町でしたよね。
千葉 はい。ハハハ!
ちひろ ちょっと待って!すごい笑ってる!
千葉 今、「ドラゴンボールGT」を…「DAN DAN心魅かれてく」っていう…
ちひろ ハハハ…
千葉 (手塚さんが阿賀町に)DAN DAN心魅かれてった結果、「OKUAGA」っていう作品を撮って。
ちひろ 千葉くんが企画した、「手塚監督とオレたち」のためだけに、「OKUAGA」という新作を。
千葉 はい。手塚さんが新作を撮り、それが大阪とか福岡とかでもガンガン上映されてるとか。
ちひろ あ、そうなんだ。
千葉 そうなんですよ。なかなかすごいですよね。めちゃくちゃやられてるんですよ。
ちひろ 新潟のダンサーの松崎由紀さんが出演されてますよね。
千葉 はい。まあそんな暴走があり、3年生を終えて。そのあと色々あって、映画で食べていきたいなと思って、大学4年の時はずっとそれに終始して。どうやって食べられるか。
ちひろ どうやって、この道で生きていけるか。
千葉 俺、何も情報が入ってこないんで、でも、要するに金を稼ぐことだと思ったから。
ちひろ 要するに、映画で金を稼ぐことが、俺の目標だと。
千葉 要するに、まずは何かしらで金を稼げなければいけないと思って、今はこの4年間で色々やった結果、色んな縁があって、お仕事をもらえるようになって、色々やって何とか今は生きてるって感じですね。
ちひろ そうなんだ。結構色んなところで映像作りの仕事をしてるよね。
千葉 もらってて、実は。
ちひろ 話せるやつとかありますか?これやってます、とか。
千葉 俺、NSGの映像の編集を任せてもらってて。
ちひろ あ、そうなんだ。
千葉 企画自体は別の方がやってるんですけど、その方のご厚意で映像の編集をやらせてもらってて。だから、NSG大運動会の映像とか、やらせてもらったりとか。
ちひろ へえー。そうなんですね。
千葉 NSGカレッジリーグの方ですね。
ちひろ なるほどね。色々やってるよね。別に一個一個そんなに掘り下げなくていいけどさ。例えば、フランスに勉強しに行ったりとか。
千葉 ああ。
ちひろ あと、劇団を立ち上げたこともあるし(劇団バンカラロック、2017年に活動)。あと、去年もやりましたしね、映画の上映会を。その中で「パンクロックベイビー」が流れたっていう。
千葉 そうですね。
ちひろ 「パンクロックベイビー」、僕も気付いたらエキストラ出てたんですよね。
千葉 気付いたらっていうか、来てくれたので。
ちひろ 頼まれて。あれは楽しかったですね。
千葉 ありがとうございます。あれ楽しいっすよね。ハハハ!
ちひろ 「パンクロックベイビー」の思い出で、すごい僕が好きなのが、ライブハウスのシーンの撮影で、ライブハウスの観客だったんですね。
千葉 はい。
ちひろ クライマックスでライブが盛り上がってエンディング、みたいなシーンを撮った時に、監督の吉田麻希さんが横にいて、千葉くんは後ろでカメラを回してて。撮影して、上手くいったか?って時に、千葉くんが出てきて、「皆さん、エモいっす!」っていう。
千葉 フフフフフフ!
ちひろ すごい面白かったです。
千葉 本当にあれの時に、すごい温かさを感じて。俺は県外から来てる人間なんで。
ちひろ ああ、そっか。
千葉 なんか、いいなって。映画楽しいなって。
ちひろ いいですね。映画の未来は明るいですね。
千葉 こういう風に、いい輪みたいなのをちゃんと作って、大きくしていければ、俺の映画活動も。
ちひろ 作品作りとしても、仕事としても。
千葉 一番大事な部分、楽しいって部分を、ちゃんとできるなっていう。それが分かったのが一番良かったですね。
ちひろ なるほど。それは素晴らしいことだと思います。
千葉 あれなんか、遊びですよね、本当に。
ちひろ 映画作りがってこと?
千葉 ライブハウスにエキストラの方に来てもらって、こっちの用意した演出にお客さんとして乗ってもらうってのも。
ちひろ あれはいい遊びでしたね、確かに。覚えてるんだけど、映画の序盤では映画が盛り上がってないけど、映画のストーリーを通して登場人物たちが成長して、最終的にはライブがめっちゃ盛り上がる、みたいな流れがあるじゃないですか。だから、同じお客さんたちで、盛り上がってるライブと、盛り上がってないライブを撮るんですよ。盛り上がってないライブを撮る時は楽しかったですね。
千葉 ハハハ!
ちひろ 監督の吉田麻希さんが、「じゃあ、何々さん、そこで携帯見ましょうか」「何々さんはそこでおしゃべりして」「何々さんは耳をかっぽじって」とか。僕、確か携帯を見る役だったんですけど。それをやったあとで、「じゃあ、次は盛り上がってるところを撮りますよ」「ワー!」みたいな感じでみんながめっちゃノリノリになって。で、千葉くんは「エモイ」と言ったという。
千葉 エモいと。人間ってこんな変わるんだって。気持ちの切り替えっていうのが、僕らも怖かったんですけど、何もしてないのにお客さん方がすごい盛り上がってくれて。
ちひろ あれは、僕も嬉しかったですね。
千葉 だから何て言うか、結局はこっちの態度っていうか、どれだけ誠実に出していくかっていうのが、大事だよな、やっぱりそこに尽きるよな、っていうのが、あの撮影で僕が学んだことというか。
ちひろ 「パンクロックベイビー」を撮った時は、バンカラロックフィルムスってのは立ち上がってたんですか?
千葉 そうですね。っていうか、簡単に言うと、日本バンカラロックっていう劇団をやってて。
ちひろ 去年ですよね。
千葉 そうそう。それで映画を作ってたんで、バンカラロックフィルムスってやったら、カッコいいんじゃないのかなって。それだけです。
ちひろ なるほどね。じゃあ、もともとは劇団だったけど。
千葉 それを芸術団体みたいにすればいいかなと思って、でも芸術団体ってよく分からないし、まあフィルムスって付ければカッコいいなって。そんな感じです、僕の人生の経緯は。
ちひろ なるほど。こうして、バンカラロックフィルムスを立ち上げたと。
千葉 そうです。
ちひろ じゃあ、せっかくなので、バンカラロックフィルムスで撮った「パンクロックベイビー」について。立ち上げて最初の映画ってことになるのかな。
千葉 1本目です。
ちひろ じゃあ、1本目の「パンクロックベイビー」がいきなり、Kisssh-Kissssssh映画祭で選ばれて。
千葉 はい。
ちひろ ここ(月刊ウインド)に書いてあったけど、190本の中から、まず5本に絞られた中の1本が「パンクロックベイビー」であったと。
千葉 はい。
ちひろ さらにその中で、永井樹里さんが主演女優賞に選ばれたと。
千葉 はい。
ちひろ あ、Kisssh-Kissssssh映画祭って、短編5本、長編5本があるんですね。で、長編5本の中の1本に選ばれたと。
千葉 そうです。
ちひろ すごいですね。1本目から。すごい若手が出て来ちゃったなと思ったんだけど。
千葉 いや、俺はよく分からない。ハハハ…何となく、色んな映画祭とか行かせてもらってたんですけど。
ちひろ どうでした?Kisssh-Kissssssh映画祭は。
千葉 Kisssh-Kissssssh映画祭は、俺初めてだったので、どんな人達がいるんだろうって思ってて。全部の紹介してもアレなんですけど。まず、俺の1個下で、23歳の鳴瀬(聖人)くんっていう「温泉しかばね芸者」っていう招待上映の。
ちひろ すごい今、話題ですよね。辻凪子さんが出てるやつですよね。
千葉 はい。辻ちゃんが。
ちひろ あ、辻ちゃんって呼び合う仲なんだ。
千葉 はい。
ちひろ 「ぱん」(MOOSIC LAB 2017)の人ですよね。
千葉 「ぱん」の人です。そんな感じで、1995年生まれが、すごくて。
ちひろ 千葉くんは?
千葉 1994年。俺の1個下が、花の95年生まれなんですよ。
ちひろ 才能がうようよいるぞと、95年生まれに。じゃあ、95年生まれの天才たちが、紀州に集結してたみたいな。
千葉 そう。「あの群青の向こうへ」(2018年)っていう、廣賢一郎監督も、95年生まれで。
ちひろ ああ、そうなんだ。吉田麻希さんは?
千葉 95。
ちひろ おお!
千葉 「温泉しかばね芸者」の鳴瀬くんとか、これが俺と同世代の作品で、海外のプチョンの映画祭で賞をとってる。小林勇貴監督とかもとってる。
ちひろ 「全員死刑」(2017年)の。
千葉 はい。西村映像ってのがあるんですけど。それの流れというか。
ちひろ 「シン・ゴジラ」の造形とかもやってる西村(喜廣)監督ですよね。
千葉 そうです。「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」(2015年)とか。
ちひろ 名作ですね。
千葉 超名作です。
ちひろ 大名作です。
千葉 招待上映はその1作品(「温泉しかばね芸者」)で、もう1つが、「ぼくの壱番舘」っていう、松永祐樹監督の短編なんですけど。これがめちゃくちゃ面白くて。どう面白いかと言うと、壱番舘っていう、水槽屋さんというか、ペットショップがあって、そこに25~26歳の女性がいて、主人公は10歳くらいの男の子なんですけど、その男の子が友達に、あそこの壱番舘って場所に行くとお姉さんとキスできるから行こうって言われて、行くんですよ。それで、行って普通にキスするんですよ。小学生の男の子と、お姉さんが。こう言うといやらしいんですけど、でもそれを、めちゃくちゃその少年の純粋な青春としてを描いてて。だから最後のシーンとかは、本当にきれいなんですよ。
ちひろ へえー。
千葉 観る機会あったら観てほしいんですけど。
ちひろ 観られるのかな。
千葉 結構、観る機会あると思いますよ。
ちひろ 人気だから、もしかしたら今後色んなイベントとかで。
千葉 俺がめちゃくちゃすげえいいなー!って思ったのが、「ぼくの壱番舘」で。もう1つ、特別招待で「赤色彗星倶楽部」っていうのが、すごいこれも面白くて。
ちひろ 田辺・弁慶映画祭でグランプリの。武井佑吏監督。
千葉 同世代とか新人さんとかの映画観て、今、同世代こんな感じなんだー!って。
ちひろ 武井監督は95年生まれ?
千葉 その可能性ありますね…(調べたら1992年生まれでした)
ちひろ 「カメラを止めるな!」(2017年、上田慎一郎監督)で、いわゆる日本のインディーズ映画がすごい注目されたじゃないですか。
千葉 はい。
ちひろ 僕もシネ・ウインドみたいなミニシアターって結構行くんだけど、インディーズの映画でもめちゃくちゃ面白いみたいなのが、ここ何年かで出てきてるじゃないですか。まさにその才能たちと出会ってしまったのが、Kisssh-Kissssssh映画祭だったと。
千葉 はい。実感しますね。鳴瀬(聖人)くんとか。
ちひろ 「温泉しかばね芸者」の。
千葉 日本でスプラッター映画撮る人があんまりいないってのもあるんですけど。彼、スプラッター映画撮るんで。
ちひろ ああ、そうなんだ。
千葉 彼はずっと目立ってくれるんだろうなって思いますね。
ちひろ スプラッター映画って日本では、それこそ西村(喜廣)監督とか。
千葉 やっぱりそんな感じですよね。
ちひろ 井口(昇)監督とか。
千葉 だから結局、ちょっと最近思ってるんですけど、映画の押し出し方っていうのが、インディーズ映画の押し出し方の話なんですけど、どれだけ反抗的かとか、どれだけ反体制的かっていうのを、押し出しすぎてるんじゃないのかなって。
ちひろ 逆にやり過ぎじゃないかと。
千葉 そういう見方でこれ見ていいの?みたいな。もうちょっと別な視点から見れるはずなのに、反体制的に押し出してるっていう。やっぱり僕ら20代には特に、その押し出し方ではインディーズは届かないと思ってるので。
ちひろ なるほど。
千葉 この「赤色彗星倶楽部」の(武井佑吏)監督もそうですけど、この人って、超きれいな青春っていうか、めちゃくちゃエモい青春というか、すごくいい邦画を撮る人なんですよ。
ちひろ 邦画じゃなきゃ表現できない面白さっていうか。
千葉 そうそう。そういうのを撮ってくれる監督なんですよ。
ちひろ はい。
千葉 この人を、どうインディーズで押し出すの、みたいな。で、その押し出し方っていうのは、やっぱり考えますよね。この「赤色彗星倶楽部」はぶっちゃけ言って、そこらへんのシネコンの邦画の何百倍も面白いんで。超面白くて、普通にシネコンで流れていいレベルなんですけど、押し出し方って難しいなって。有名な俳優さんも出てるわけじゃないし、監督の名前もメジャーなわけじゃないし、っていう。それを感じてきましたね。どうせならレベルの高さもそうだし、本当に今後の映画業界のパイっていうのが縮小していく気が僕はすごくするので、どうやったら広げられるんだろうっていう。あんまり僕まだ映画業界と接点があるわけじゃないですけど、考えましたね。そういう映画祭でした。
ちひろ ちなみに、直接話した監督とかはいましたか?
千葉 鳴瀬(聖人)監督と話して、松永(祐樹)監督とも話して、廣(賢一郎)監督とも、グランプリ取った「悪魔の救済」の三重野(広帆)監督とも話しましたね。
ちひろ 何かありましたか、この監督に出会ってすごく面白かったとか。
千葉 結局さっき話したようなことに集約していくんですけど。友達っぽくなったのは松永さんなんですけどね。松永さんとずっとジョーク言い合ってた。
ちひろ いいですね。
千葉 鳴瀬くんは人前でしゃべってて、滑ってて面白かったです。
ちひろ 滑ってたの?どう滑るの?
千葉 関西の方なんで、勢いよくしゃべるんですけど、何かどうも届かない。
ちひろ 空回りしちゃうみたいな。
千葉 面白さが空回りする寸前なんで、空回りもしてないし、ちょっと面白い気もするんだけど、クスっともこないっていう。ハハハ…
ちひろ めっちゃ笑ってる。
千葉 そんな感じですね。
ちひろ でも、「温泉しかばね芸者」めっちゃ話題だからさ、鳴瀬監督のそういう人間性とかが今後もしかしたらどこかで見られる日も近いのかも知れないですね。
千葉 それが紀州の思い出ですね。
ちひろ ありがとうございます。前半はバンカラロックフィルムスをどうやって立ち上げてきたかとか、ここまでの生い立ちとか、Kisssh-Kissssssh映画祭の思い出とか、語ってもらいましたけど。
千葉 千葉の軌跡を。
ちひろ 軌跡と、奇跡のKisssh-Kissssssh映画祭を語ってきましたけど。後半は、これからどういうことをやっていきたいのか、そういうことを聞いていこうと思うわけですけど。そうですね、映画というものがどうなっていってほしいとかありますか?さっきの話とちょっと被るけど。
千葉 映画の今後って、僕も色々考えてて、すごく見えづらいものがあるんですけど。基本的には、映画ってすごく大きいものだったりして、国の補助金も関わってるんで、政治的なものだったりもするんですけど。最近思うのは、シネコンはほとんど9割以上の作品は政治を見ないように作ってるし。
ちひろ 政治を見ない。
千葉 是枝(裕和)監督とかは政治を見るじゃないですか。
ちひろ この世の中で今起きていることに目を向けて、それを作品の中で表現する。
千葉 そう。
ちひろ 是枝監督とかはそういう方だけど。
千葉 少女漫画原作とかは、別に1940年でも作れるし、2018年に作らなくてもいいものだな、みたいな。
ちひろ 今この時代だから観なきゃいけない映画みたいなのが。
千葉 あんまり日本ってないですよね。
ちひろ それはよく言われることかもね。
千葉 もちろん、文化的に、例えばスマホを使ってるとか、そういうものでは時代的なものは出てるんですけど、あんまりないですよね。あと、是枝監督みたいな政治に関わってるものとか。インディーズでも、上の世代の人達はすごく政治ってものと向き合ってるし。僕の世代たちは、それよりももっと人間関係の方で物語を書いてるっていう。基本的に見るか見ないかっていう話なんですけど。まず僕の結論から言うと、起きてることは描きながらも、関与できない現実を書くっていうのが大事なのかなっていうか。反体制的なというか、アメリカンニューシネマに代表されるような、体制と向き合って敗北していくっていう雰囲気は、僕はあんまり違うと思ってて。もし政治を描くとしても、要は「この世界の片隅に」(片淵須直監督)ってことなんですよ。それは、政治に介入できない人達の物語を書くっていう。でも、間違いなく政治とは関わってるっていうことですね。スタンスの話だと思うんですよ。アメリカンニューシネマ的なものというか。まず向き合うか向き合わないかっていう話だと思うんですけど。ちょっともう、スタンスの議論が、あんまりもうしてもしょうがないなっていう。やっぱり見たくない人は見たくないし、見たい人は見たいけど、見てるからって言って、ちょっと色んな見方が存在するっていうか、本当に色んな向き合い方が存在してるんで、すごくスタンスっていうのが。俺はまだうまくまとめてないんですけど。まずはやっぱり自分の能力を高めて、自分の仕事に対する成果っていうものを重視することしかないんじゃないかなっていう。政治と自分は繋がってるんですけど、そこに対して個人ができるレベルがどんどん小さくなってて、お上が強くなればなるほど個人の活動も制限されたりするんですけど。この兼ね合いは、わりと個人はどうしようもできないんですけど、どうしようもないなりに(物語を)書くことなんじゃないかなっていう。
ちひろ さっき「この世界の片隅に」が出ましたけど。要するに是枝監督みたいな世の中の政治的な問題だったり、世の中そのものと向き合ってこの時代の空気とかこの時代の矛盾とかを描いてる作品もあれば、さっき言ってた少女漫画原作みたいな、少女漫画原作映画を全部ディスってるわけじゃないですけど、単純にそういうこと(政治的なこと)は一切忘れて娯楽として楽しめばいいじゃんっていう、プラス、世の中どうこうに目を向けるんじゃなくて、個人の感情とかをね。あと、デジタルで映画を撮れるようになってから、インディーズ系の映画が爆発的に増えたって言うじゃないですか。フィルムに金がすごいかかるのがなくなったし、編集も楽になったから。あと、コンテンツが増えてるってのも、ネットでも映画が観られるNetflixみたいなサイトとかも。だから、コンテンツは増えてるんだけど、映画を観る人は減ってるっていう。
千葉 そうですね。
ちひろ だから、特定の誰かマニアックなファンが観に来てくれればいいみたいな、スタンスの映画が増えてると思ってて。さっきの是枝監督みたいな、政治的な、この世の中全体に何かを訴えかけるとかじゃなくて、すごいマニアックだけど分かる人が観に来れば、この原作漫画のファンが観に来ればいいみたいな、そういう狭い作品が増えてるのかなって思いました。ただ、さっき千葉くんが言った「この世界の片隅に」とかは、一見個人のすごい小さい世界なんだけど、その狭い世界から見たこの広い世界を映しているから、この世の中と向き合ってるんだなとか思うけど。マニアック化が進んでいるとかは、どう思います?
千葉 一つ思うのは、僕の話の結論なんですけど、結局関わったところで、向き合ったところで、向き合わなかったところで、大して何もできないっていう。だから、スタンス自体がもう無意味化してるんですよ。だから仕事の成果を出さなきゃいけないってのは、仕事の成果を出して、より人脈とか金とか能力とか、パワーの話ですよね。パワーがないと、もう耐えられないよなっていう。個人が集まって何かするっていうよりも、パワーがある人が上に立って、その人がしっかり人格者であるとか色々めちゃくちゃ条件がつくんですけど、それを以て色々変えていくっていうものだと思うんですよ。だから僕もマニアック化っていうのも、もし政治的なメッセージを抱えている人だったらば、マニアックであることによって何かしらの地位を手に入れて、パワーを発揮するっていう、そういう上ではやっぱり、大事だと思うし。僕が言ってるのは、政治というものを描くことが、それだけはっきりしなくなってしまったということですよね。要は、本当に結論的に言えば、しょうもない結論ですけど、個人の自由にしか左右されないっていうことになりますよね、監督たちっていうのは特に。政治とかを嫌ってる人も、当然映画には来るだろうし、政治に向き合う人も来るだろうし。
ちひろ なるほど。
(お客さんから質問 東京でのデモや政治運動について。)
千葉 俺がすごい思ってるのは、結局、政治もエンタメと戦うしかないから、やっぱり。Netflixに勝たなきゃいけない時代ですからね、政治は。それは現実だし。(東京のデモとかも)もし本気で訴えたいんだったら、わざわざラップにする必要もないし、リズムを奏でる必要はないし。だからあの人達(デモをする人達)も楽しむということをすごく重要視してる。単純に地方の政治のやり方っていうのは、楽しくないだけだから、楽しければ若者も来ると思うし。だから楽しくないのが一番問題なんだっていう、政治が。
ちひろ (地方は)政治に魅力がないと。
千葉 だから、俺が思ってるのは、上の世代の人達の多くっていうのが、反体制的な、政治の季節ってあったわけじゃないですか。
ちひろ 学生運動とか。
千葉 学生運動とか。その人達っていうのは、政治闘争というものにも楽しさを感じていたと思うし。
ちひろ なるほど。あれがカッコよかった時代。
千葉 でも、それがダサいって言った時代、バブルの時代とか。
ちひろ 無関心な時代があったよね。
ふくおか(「ちひろdeアート」共同企画者) 70年代までの学生闘争があって、その次のバブルの80年代があって、バブル崩壊後の90年代があって。
ちひろ 無関心な時代にだんだん突入していくっていう。
千葉 だからやっぱり、その人達(学生運動の世代)は、政治に関わるってことが、大事でもあるんだろうけど、楽しいのも重要だと思うんですよね。
ちひろ なるほど。
(お客さんから質問 近年の政治の腐敗について。)
千葉 でもまあ、誰の責任っていうか、日本がこうなったから、ある意味、そういう人達(与党)が勝ってきたわけじゃないですか。日本がまだ元気だったら、俺は野党にもチャンスはあったと思うんですよ。日本の経済的なものとかが落ち込んできて、選択肢がなくなってきて、それを政治家たちも分かってるから。そういうことを考えた時に、やっぱり、個人の議論で話すのはもう意味がなくなってくるんじゃないかと。限界じゃないかと。俺はわりとデモも限界だと思ってるんで。やっぱり、とにかく仕事なんだっていう。
ちひろ 経済と関連付けてというか。
千葉 そういうことですよね。俺は声を上げることが無意味だとは思わないですけど、政治の議論は実質の部分が難しいですよね。話題にはすごくできるけど、実質的に解決するっていうことは。
ちひろ 議論はできるけど、それで何かを変えていくってことを個人がやるのは、もう難しいと。
千葉 難しいし、ちゃんと自分が動いた上での議論じゃないと、どんどん狭くなるんですよね、議論自体が。議論自体が狭くなっちゃって、他の人の意見っていうのが混ざりにくくなってくるんですよ。
ちひろ 特定の思想の人達同士で言い合うだけになってしまうと。
千葉 やっぱり中国の人から見たら共産主義は正しいし、日本人から見たら共産主義は正しくないし。だから狭い輪になればなるほど、自分達を正しいって思っちゃうから、自分達の意見も相対的に見たら正しくないっていう相対主義に立った上で、結局自分達は実行するんだけどっていう。そうなった時に、見えない相手、自分が話し合ってない相手の存在を感知して、そもそも政治的な議論をできない人っていうか、しない人達も含めてを想定した上でできるのは、俺はやっぱり仕事なんじゃないかなという。
ちひろ 誰もが関わるもので、政治とも結びつくものだと仕事だと。
千葉 そうですね。相手の人の思想で、例えば相手が共産主義者で俺が資本主義者だったとするじゃないですか。それで俺、レジを断られたこと一度もないんで。やっぱりそういうことなんじゃないですかね。
ちひろ レジ断られたこと?
千葉 あなたは資本主義者だからって。
ちひろ ああ、そういうことね。それで世の中から排除されたことはないって。
千葉 政治も経済も似てるようなものだし、芸術もわりとそれに近いものもあるから、とにかく、わーっと不時着しちゃうけど、あんまり特定の話をしない方がいいと思うし、スタンスの話が無意味だっていうのが、俺の中で。
ちひろ 千葉論。
千葉 自分の中でめちゃくちゃ議論した結果、家の中で議論してても政治って変わらないんだなってのが分かった結果。
ちひろ まさにそれをやってたわけね。あなたがさっき言ってた、狭い世界で議論しても変わらないよってのを、自分一人で部屋の中で体験してしまったと。
千葉 そうそう。でも、それって自分一人じゃなくても、グループでもそうなっちゃうなっていう。それは当然、腐敗っていうのは、いわゆる1割の人達のグループの話じゃないですか。だから俺は、仕事っていう、不規則に思想とか関係なくても、経済的なものを。
ちひろ 世の中にダイレクトに関わっていて、必要不可欠であって、そっちの話をした方がいいんじゃないかと。
千葉 だから、とにかく、金を稼ぐことと、どうやったら人に利益を与えられるんだっていう、それを思いましたね。
ちひろ なるほど。
千葉 スタンスの話から映画の話に戻すと、アメリカンニューシネマが、俺、何か違うなって。「卒業」とか観てても、何か違うなって思う理由が、俺の中ではそういう感じでしたね。
ちひろ 要するに、個人の葛藤を描いても…ってこと?
千葉 個人の葛藤と政治を繋げても、敗北と死しかなくね?というのが、アメリカンニューシネマの、限界だったんじゃないのかなという。腐ったとしても、上に立ち続けることが、実は生きることなんですね。そもそも生きないと、政治って変えられないものなので。人一人の死ではなかなか変えられないというか。政権側の急所を突かないといけないというのが、一人の死では変えられないものなので。アメリカンニューシネマとか、日本でも学生運動とかで起こった映画っていうのが、俺に微妙にヒットしないっていう。
ちひろ はい。というわけで、色んな監督の話から始まって、最終的に映画と政治はどう関わるかという話から、最終的に映画っていうか政治でしたね。
千葉 政治でしたね。
ちひろ 最後に質問をして、そのあとアフタートークって感じにしたいんですけど。
千葉 はい。
最初に、映画がどういうものなのかって話をした時に、映画って政治じゃないですか、って千葉くんが言ったじゃないですか。
千葉 はい。
ちひろ あれはどういう意図だったんですか?そこが分かると、今日の話が分かりやすくなると思うんだけど。
千葉 まあ、映画は、でかい映画になればなるほど、当然関わってくるものがでかいんで。
ちひろ なるほど。企業であったり、テレビ局とかであったり、スポンサーであったり。
千葉 まあ、あれは俺の話というより、傾向の話ですね。で、金が関わってるから、政治的な意図も汲まないといけない、時代性もなきゃいけないっていう。でも、俺は汲んだ方がいいよなって思ってるので。そこから俺の話に切り替わってる。
ちひろ なるほど。
千葉 映画は政治であるっていうよりは、映画は政治と関わってる、ってレベルで。
ちひろ なるほど。まあ、世の中のすべては政治と関わってますからね。
千葉 そうですよね。その上で、そのスタンスの話をした時に、今は、刃向うか刃向わないかのどっちかしかないけど、やっぱり立場のない人達が何かを頑張ろうとしても死しかないから、そこはもう、自分はそういう立場じゃないと思って、ふらついてる現実を描くしかないんじゃないのかという。やっぱり、ほとんどの人はふらついてるじゃないですか。日本人も、関わろうとしても関わり方も分からないし、そもそも関わりたくないしっていう色んな側面を、政治は感じてるから、その感じ取ってる政治を出してあげないといけなくない?っていう。こっちがすべて正しいっていう答えは違うだろっていう。
ちひろ なるほど。ここから延長ですけど。
千葉 ちょっと変えましょうか。政治の話は長いんで。
ちひろ じゃあ話題を変えて、これは話しておきたい、とかありますか?
千葉 何がいいですかね…そうだ、俺話したいこと、1つあったんだ。
ちひろ おっ。
千葉 紀州の流れで話そうと思ったんですけど。
ちひろ じゃあ、紀州の話にちょっと戻しまして。
千葉 新潟の文化の話にもちょっと繋がるんですけど。
ちひろ はい。今までは世界の話でしたけど、新潟の話ということで。
千葉 俺が紀州に行って思ったのは、特に映画っていうもの、多分演劇もそうだと思うんですけど、東京前提が多いっていう。話自体も、色んな物語自体も、東京前提が多くて。まあ、先の話ですけど、少子高齢化の日本とか、地方が一番ヤバいわけじゃないですか。
ちひろ そうですね。
千葉 地方の田舎とかも、とんでもない少子高齢化が起きてるじゃないですか。
ちひろ はい。地獄が待っているっていう。
千葉 はい。そこを、ドキュメンタリーチックに撮る人は、いるかもしれないけど。
ちひろ 最近、(邦画に)ちょっとその流れありますよね。
千葉 ですけど、もっとSFにしてあげて、みんなが楽しめるように撮れるっていうのが、ちょっといいんじゃないかと。
ちひろ 僕の中で、地方が地獄だっていうテーマで撮ってる日本映画って、ちょっとトレンドの流れとして、今あるなと思ってて。入江悠監督の「SRサイタマノラッパー」(2009年)とか、最近だと「ビジランテ」(2018年)だったりとか。あと小林勇貴監督の「全員死刑」「孤高の遠吠え」(2015年)とか。あと、富田克也監督の「サウダーヂ」(2011年)とか、最近「国道20号線」(2007年)って映画も観たんですけど。要するに、地方都市で、もう貧困で、行き先はショッピングモールだったり、不良、ヤンキー文化が強くて、低所得で低学歴な世界で、通う場所はパチンコで、みたいな。そういう文化が結構あって、ヤンキーたちが幅を利かせてる、そういう世界があるぞ、みたいな。腐敗した政治とかも出てきたりとか。そういう映画が最近、結構増えてきてて。
千葉 ちょっと話を戻すと、その中で、地方の問題だけど、貧困は東京でもあるんですよ。俺がすごい思ってるのが、問題となってない問題。
ちひろ まだ誰も問題提起してない問題。
千葉 地方ってめっちゃそれがうようよしてると思うんですよ。少子高齢化もそうだし。
ちひろ 人口減少とかね。
千葉 それこそ、政治と向き合えない人達の問題かも知れないという。その人達が問題人なんじゃなくて、その背後にあるものが問題なんだっていう。
ちひろ うん。
千葉 経済的に、今ってすごい上か下かの。
ちひろ 今日まさに経済的に飯が食えるかっていう状態で、政治のことを考えられるかって言われたら難しいじゃないですか。そこで政治に関心を持てって言っても。
千葉 まあ、そういうことなんですよ。政治が自分のことを救ってくれるなんて思わないし。そういうのもあって、俺が紀州に行って感じたのは、東京前提で色々な物事が進んでるなって。なので、地方が自分達っていうものを確認、客観視する上でも、地方を盛り上げる映画じゃなくて、地方がどう生きるかっていう、アイデンティティ的に、もっと向き合った方がいいっていう。地方の人のためには。
ちひろ 要するに、地方盛り上げ映画ってのもあるじゃないですか。
千葉 そういうのはどうでもいいと思ってます。
ちひろ ご当地タイアップというか。そうじゃなくて、この地方のつらさみたいな。例えば、「ミッドナイト・バス」(2018年、竹下昌男監督)って映画は。
千葉 観ました。
ちひろ 例えば、東京と新潟の絶妙な距離感であったり、どんよりとした新潟の雰囲気であったりを描いていたりして、そういうのが大事なのかとか。こういう新潟の描き方する人が出てきたなと思って。「いつ米」って観てる?
千葉 観てますよ。
ちひろ 「いつも月夜に米の飯」(2017年、加藤綾佳監督)とかも、新潟っていう地方だからこその、若い人が感じるコミュニティの居心地の悪さとかを描いていて。
千葉 俺、あの2つは、そう見てないんですよ。
ちひろ どう見ました?
千葉 俺、あの2つは、わりと個人の叫びじゃね?って。あんまり政治関係ある?みたいな。地域とか。まあ、「いつ米」の方は、かなり個人の叫びだったし。
ちひろ 背景としてそういうものは描くけど、中心ではないというね。
千葉 そう。でもその背景が、入れ替わってもわりと書けないかっていうのは、俺は「ミッドナイト・バス」と「いつ米」には思ってるので。東京でもできね?って。東京でもできることは、俺が思ってるのは、基本、東京前提のっていうか。まあ、地方文化の話をすると、これは空想論ですけど、都市に目を向けないで、自分達のために自分達のことをやるっていうのが大事だし、それに対してかなりビジョンを高くしないといけないというか。もっと文化を作るってことを客観的に学んで、それを体現していくっていう姿勢なんだろうなっていうのを。
ちひろ さっき千葉くんが言ったので、ちょっと面白いなと思ったのが、僕がさっき話した地方の地獄みたいな現状をドキュメンタリータッチで描いた映画っていうのはすごい増えてるじゃないですか。それを敢えてSFみたいなエンタメとして描いてる人がもっといればいいのにっていうのは、面白いなって思ったんですよ。
千葉 仕方ないんですよ。結局、ドキュメンタリーやっても売れなければ、狭い場所、小さい映画館に行くしかないし。
ちひろ マニアの間で話題にはなるけど、俺とかは好きだから観たりはするけど、それが大衆に受け入れられるかっていうと、っていうね。
千葉 だから、大事なのって、全然政治関係ないと思ってるけど、こういうところで政治とすごく結びついてますよっていう。「シン・ゴジラ」(2016年、庵野秀明監督)がそうじゃないですか。
ちひろ 「シン・ゴジラ」は、娯楽と政治のいいバランスの映画で。
千葉 ちゃんと繋がってるんですよっていう。こういう角度で見ないと繋がらないっていった時に、当然やっぱり中東の問題はなかなか俺と結びつきにくいっていう話なんですよ。アフリカの内乱の話とかが、俺の話にやっぱり結びつきにくい。
ちひろ 本来だったら、それを結びつけるのが芸術の力だったり、映画の力だったり。
千葉 そうそう!
ちひろ 自分とは遠い世界にあったことが、これは自分の問題だと思えることが本当は大事。
千葉 そう!内乱してる、可哀想、だから助けに行く、は違うじゃないですか。
ちひろ 助けに行くとしたらそれはそれで立派だけど、そういうことじゃなくて。
千葉 それはやっぱり、娯楽映画的なやり方っていうか、人に関心を向けさせるやり方ではおそらくできないなっていう。
ちひろ 例えば、僕の話をしちゃうんだけど、今、沖縄の辺野古の基地建設の問題があるじゃないですか。そういう問題があった時に、昔の自分だったらあんまり関心を持たなかったかも知れないんですけど、僕は結構関心を持ってて。それは何でかって言うと、三上智恵監督(「標的の村」(2013年)、「戦場ぬ止み」(2015年)、「標的の島 風(かじ)かたか」(2017年、「沖縄スパイ戦史」(2018年)など)っていう、沖縄のドキュメンタリー映画をずっと撮ってる監督がいて、沖縄の基地建設の賛成派と反対派の議論とか、建設の反対運動で座り込みをしている人達と警察のやり取りとか、そういうのをずっと記録し続けてドキュメンタリー映画を撮り続けてる人がいるんですけど。そういうのを観たから、僕は沖縄とか行ったことないですけど、沖縄の問題を自分のことのように考えることができると。それが多分、さっき千葉くんの言った、中東の問題を自分のこととして考えることができる映画の力だと思うんです。
千葉 うん。
ちひろ そういうのが増えればいいですよね。世界もそうだし、日本国内でも。
千葉 本当にその接続が増えればいいですよね。
ちひろ 東京と地方というか。
千葉 そう。で、それをあんまりネガティブに表現しないっていうか。
ちひろ 俺ら、つらい!つらい!っていうアピールじゃなくて。
千葉 つらいものって結構人は見るのしんどかったりするんで。自分自身もつらいんで。結構生きててつらい人も多いと思うんで。どんな人もつらいと思うんですよ。そういう時に、さらにつらいものを見るっていうのは、しんどいことで。やっぱり映画だから楽しくないといけないのは、そういうところですよね。工夫の領域になってくるんですよね。
ちひろ エンタメにすることで、考えられる。難しいですけど。
千葉 うん。映画にすることで、入りをもっと楽にしてあげるっていう。
ちひろ 入口を増やすみたいなね。
千葉 そう。ヤクザがたくさんいる居酒屋に入りたくないじゃないですか。
ちひろ 面白い例え。
千葉 自分にとってはそのヤクザが全員いい人達だとしても、やっぱり見た目で怖かったら入りたくないっていう、そういうことですよ!それをちゃんと、人ごとに合ったものに。
ちひろ ヤクザに大人気でめっちゃ美味い飯だと言われても入りたくないと。そこをちゃんと、街中にある入りやすいレストランで、同じ料理でも出し方によって違うように、映画もっていう。
千葉 はい。ヤクザをターゲットにしてるならそれでいいけど、可愛い姉ちゃんをターゲットにしてるなら違うだろっていう。
ちひろ なるほど。
千葉 それをちゃんとターゲットごとに変えないといけないっていう。
ちひろ その、ターゲットっていうのは特定のターゲットなわけだけど、さっきの政治の話になるけど、もっと広く世の中に届けるんだったら、じゃあそのやり方があるよね、みたいな。
千葉 とにかくその、簡単に世界と繋がれるって言うけど、じゃあ繋がった結果、Netflix、TikTokとか、ライバルが半端ないのが増えてて。
ちひろ Amazonn Primeとか。
千葉 ジャスティン・ビーバーとか。
ちひろ AbemaTVとか。
千葉 とにかく、そいつらと競合しないといけない。
ちひろ 映画は、そいつらと戦っていかないといけないと。
千葉 そう。それが面白さで、「シン・ゴジラ」とか「君の名は。」(2016年、新海誠監督)とかってのは、それと戦って勝ってるっていう。
ちひろ 確かに。そうですね。「カメラを止めるな!」も勝ったんですかね。
千葉 そう。勝ったと思いますね。そういう、もっとシビアですよね。だから本当に届けるってことは、面白くないといけないっていう。
ちひろ 大事なことですよ。
千葉 それは、いわゆるただのメッセージだったら、本1冊にまとめればいいのかもしれない。本1冊にできないことを、1冊の原価を超えられるのが、映像なんじゃないですかっていう。
ちひろ 素晴らしい。
千葉 で、地方文化っていうのは、そんな感じで、もっと自分達の問題を取り上げつつ、楽しく、いなしてくれればいいなって。
ちひろ 色々な要求があるけど、色んな条件があるけど。
千葉 超殺伐としてるんですけど、どうにかしてもっとエンタメにできないかと。
ちひろ そうですね、エンタメ。そう言えば、「シン・ゴジラ」のすごいところってさ、ミリタリーだったり怪獣だったり、庵野監督のマニアックな趣味を突き詰めに突き詰めた結果、超大衆的な娯楽が生まれたっていう。あと、政治っていうものを突き詰めたいったら、超娯楽になってたとか。なかなか画期的だと思うんですよね。だからすごいなって思うんですよね。
千葉 俺もそう思いますね。すごい言葉にしたら楽なんですけど、2つあって。知識を覚えるの好きな人は「シン・ゴジラ」そもそも好きなんですよ。ガンガン新しい知識が入ってくるんで。
ちひろ なるほど。
千葉 もう1つが、ちゃんと庵野さんが、カッコいい明朝体、スタイリッシュな明朝体を使って、ずっと変なことするっていうギャップが。
ちひろ ある種のキュートさというか。
千葉 それってギャグだから、それで面白いって。それすごいなって。オタクから見てもいいし。
ちひろ 市川昆オマージュをエヴァでやったのから延々と続く、庵野さんの明朝体。
千葉 もしかしたら、ミリタリーをたくさん出すっていうのも、アイドル映画と同じかも知れないですね。ミリタリーオタクにとってのアイドルをたくさん出してるっていう。
ちひろ なるほどね。庵野さんなりのアイドルっていう。
千葉 そう。
ちひろ ミリタリーオタクにとっては、兵器をたくさん見せることが、アイドルオタクがアイドルを見る喜びと一緒なんだという。
千葉 俺はギャグとして楽しんでるっていう。そのギャグも、ギャグらしく成立してるから、やっぱりあれはすごいですよね。オタク性っていうのが。だからもしかしたら、政治もそうなればいいのかもしれないですよね。変に語れば語るほど、もう俺らは分かんねえってなるから。
(お客さんから質問 ブライアン・シンガー監督「ボヘミアン・ラプソディ」について。)
千葉 めっちゃ面白いですよね。普通に面白いし、フレディ・マーキュリーのカッコいい部分、すごく流してるし。個人的には、暗い部分、もっと欲しいなと思ったんですけど、でもあれでいいのかなって、映画の尺も含めて。それが僕の率直な感想ですね。問題点はあまりなくて、娯楽映画としてはすごくパーフェクトに近いなという印象です。でも、あまり俺は2回観ようと思わなかったなって。多分、1回観て、ある程度分かったっていうか、見たい部分、もっと知りたい部分はWikipediaに載ってたし。多分、みんなにとって、大多数の人にとって、カッコいい部分がすごく大事だと思うんですよ、「ボヘミアン・ラプソディ」は。でも、とにかく面白かった、本当にずっと楽しんでました。俺も「We Will Rock You」歌ってたんで。
ちひろ 俺、千葉くんに聞きたいことがあって。2回観たい映画と、そうでもない映画があるみたいな話したじゃないですか。2回観るほど好きな映画ってある?
千葉 「鉄男」(1989年、塚本晋也監督)、「セッション」(2014年、デイアミアン・チャゼル監督)、「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」(2001年、原恵一監督)、「ダークナイト」(2008年、クリストファー・ノーラン監督)、「ノーカントリー」(2007年、イーサン・コーエン&ジョエル・コーエン監督)、「斬、」(2018年、塚本晋也監督)、「星くず兄弟の新たな伝説」(2018年、手塚眞監督)って感じですかね。
ちひろ 「夜明け告げるルーのうた」(2017年、湯浅政明監督)は?
千葉 3回観ました。結局、観る理由って、多分、作家性だと思いますね。こだわってるところですよね。「斬、」は斬撃なアクションを見たいだけだし、「ルーのうた」は、水の描写。ルーが出てきて、「歌うたいのバラッド」の音に合わせて水が動く部分とか、あれを見てると、これがアニメーションの今の到達点というか、すごく美しいなって。
ちひろ ちなみに、湯浅(政明)さんもクレヨンしんちゃんの出身ですからね。
千葉 そうですね。「オトナ帝国」は、原恵一監督に関しては、ラストシーンを見たいのもあるし、ラストシーンに行くまでの最後の塔を登っていくシーン。あれはやっぱり、ストーリーを見たいなってのもあるし。
ちひろ あれのすごいところって、ノスタルジーのカッコよさを描いても、それよりもさらに未来を見るっていう。
千葉 そう、俺、この話する時、絶対言うんですけど、ヒロシの回想の時に流れてる音楽があるじゃないですか。
ちひろ ヒロシが幼い頃から、しんのすけとひまわりの父親になるまでのストーリーが回想として流れる。
千葉 そう。あれが、劇中でちょっと変曲されて使われてるんですけど、どこか分かります?しんちゃんが、階段駆け上がるシーンで使われてるんですよ。
ちひろ あ、同じ音楽なんだ。
千葉 だから、ヒロシの想いがしんのすけに、そのままタスキが繋がるように。
ちひろ 世代を超えて、親の人生を子供が受け継いでいって。泣けるシーンとアガるシーンの両方で、二大胸熱ポイントで同じ曲が実は使われてたと。
千葉 そう。そこにめちゃくちゃロマンチズムを感じてるんですよ。しんちゃんは、ノスタルジーってものの必要性だったり、メリット、デメリットって言うんですかね、そういうものを、毒にも薬にもなるって描きながらも、それをぐっと飲み干して生きていかないといけないんだっていう。そういうヒロシの叫びって、聞こえますよね。昔と今っていう、それをどっちも飲み干して生きてるんだっていう。
ちひろ あと、塚本(晋也)監督も好きなんですね。
千葉 大好きです。
ちひろ 「野火」(2015年)も観ました?
千葉 「野火」観てます、2回。
ちひろ あれも2回か。「鉄男」も2回、「野火」も2回、「斬、」も2回。
千葉 はい。
ちひろ 塚本監督って、熱量がヤバいなと思って。ストーリーはすごいシンプルだったりするじゃないですか。「鉄男」だったら男の体が変になって、突然敵が現れてバトルする、ってだけの話を、物凄い熱量で描くから、もうおおー!ってずっと観ちゃうみたいな。
千葉 俺、思ったのが、今気付いたのが、真似したいか真似したくないかで、ほぼ分けてますね、2回観るのは。「鉄男」とか「野火」とか超真似してえ!って。
ちひろ このネタやりてえ!俺もやってやりてえ!って。
千葉 やりてえ!けど観に行くっていう。
ちひろ なるほどね。それは映画作る人ならではって感じですね。
千葉 ちょっとまとめに入りますか。
ちひろ まとめに入ります?残り、千葉くんに質問がある方、ご自由にお願いします。
ふくおか 2018年、映画ベスト3。
ちひろ そんな観てなくない?
千葉 全然観てないです。
ふくおか じゃあ、映画館で観てないのも含めていいです。
千葉 含めていいんだったら、1位「ノーカントリー」。2位が「斬、」だな。3位は覚えてない…
ちひろ 映画のランキングって、3位あたりから争いが始まるよね。
千葉 「ノーカントリー」が面白かったのは、まずエンタメとしてもすごく面白かったし、すごく勉強になった部分があって。完全に俺の勝手な偏見なんですけど。殺し屋と、殺し屋に襲われる男と、保安官の話で、保安官は60くらいで、殺し屋が30くらいで、殺し屋に襲われる男、主人公が28くらいなんですけど。主人公が最初、遺体から金を盗んだ、これヤクザの金なんですよ。遺体からヤクザの金を盗んで、殺し屋に襲われるところから始まるんですけど、これって、生命保険の話じゃね?って。つまり、人の命を使ってビジネスする奴らの、比喩じゃね?って。その2人の争いしてね?って。だから、主人公が殺し屋に襲われるのを可哀想だと一切思えなくて、遺体から金取ってるから、同じ土俵なんだよって。殺し屋だって、人を殺して金を得てるから。どっちが正義とかじゃなくて、単純に金を稼ぎたくて、その手段がどれだけ徹底してるか、徹底してないか、それがアメリカだっていう。それで、旧世代のThis is Americaってことを望む人が、保安官が、何も出来ずっていう。そういう映画なんですよ。俺、これを、そうかなって思った時に、すげえ!って。これを、この政治的な映画をやれるアメリカすげえ!って。このクオリティで。
ちひろ アメリカはすごいよね。「デトロイト」(2018年、キャスリン・ビグロー監督)とか今年観たけど、こんな映画が作られるようになったんだアメリカはって思って。黒人が権力に虐待されるっていう。こういう映画作られる時代なんだな、アメリカはっていう。
千葉 「ボヘミアン・ラプソディ」も、LGBTの問題を取り上げたりしてるんですけど、取り上げて、それを思いっきり楽しくやっちゃってる。
ちひろ さっきの話の、エンタメにちゃんとなってるっていう。
千葉 アメリカのダイナミクスが、とにかくやっぱりすげえ!って。アメリカはダイナミックだ!
ちひろ アメリカはダイナミックだと!日本もダイナミックが必要だと!もっとダイナミックになれと!
千葉 めっちゃ思いますね。ダイナミックは絶対必要だ。
ちひろ というわけで、残り、何か言い残したことはありますか?
千葉 今年はちょっと活動をかなり抑えてたんですけど、来年以降、たくさんいい知らせを、もっと新潟が盛り上がっていけるような知らせをたくさん出来ると思いますので。
ちひろ 楽しみにしてます。
千葉 ありがとうございます。
ちひろ 千葉くん出てくれてありがとうございました!
千葉 ありがとうございました!