
くさばよしみ 編/中川学 絵「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」
母がすごくいい絵本だと言って借りてきたので、僕も読んでみました。
そもそも、この絵本のタイトルに登場する「世界でいちばん貧しい大統領」とは、2010年から2015年までウルグアイで大統領を務めた、ホセ・ムヒカ氏のことです。
2012年、リオデジャネイロで開かれた地球環境と経済の未来についての国際会議にて、当時のウルグアイのムヒカ大統領が行った演説が高く評価された、という出来事がありました。
その演説は、その後、様々な言語に翻訳されるほど世界的に評価され、日本ではこうして「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という絵本になったのです。
そんなわけで、ムヒカ大統領が行ったスピーチを和訳したこちらの絵本、ムヒカ大統領の素晴らしいスピーチの言葉が、日本語で分かりやすく伝わってくる素敵な絵本でした。
ちなみに、今年は日本人の監督によってムヒカ大統領を追ったドキュメンタリー映画も作られ、僕はこちらを先に観ていました。
「ウルグアイの元大統領と、彼に感動した日本のテレビディレクターが送る人生のドキュメンタリー。「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」観てきました。」
さて、ムヒカ元大統領は、2012年にリオデジャネイロで開かれた地球環境と経済の未来についての国際会議にて、環境問題も貧困も、私達一人一人の生き方、幸せについての考え方の問題だと話しました。
私達は先進国の富裕層のように欲しいものが好きなだけ手に入ることこそが豊かさ、幸せだと考えがちだが、その結果生まれたのが大量生産大量消費による環境問題や、競争社会による格差や貧困であるということ。
そして、もしも全人類がそういう生き方を望んだら、地球の資源は枯渇するということ。
私達は未来のために、どういう生き方が幸せなのかを考え直す必要があるということ。
私達は発展するためではなく幸せになるために生まれてきたということ。
貧乏とは少ししか持っていないことではなく、限りなく多くを必要とし、もっともっとと欲しがることであるということ。
ムヒカ元大統領の言葉は、自分が今まで世の中について何となく疑問に感じていたことを分かりやすく伝えてくれていて本当に感動したし、何よりこんなに人々の幸せのために何ができるかを考えている政治家が世界にいたのかと驚きました。
ムヒカ元大統領のドキュメンタリーもすごくいい映画でしたが、あらためてその言葉をこうして読めて良かったです。