劇団第二黎明期『21時37分、「宝石」は眠る』を観て来た話。

新潟の劇団、劇団第二黎明期さんが、5/19~27にかけて上演した、『21時37分、「宝石」は眠る』。
僕は、5/22(火)に見に行って来ました。
会場は、第二黎明期さんの稽古場兼持ちスタジオ、西堀DOMO。
持ちスタジオがあるあたり、流石は1984年からある劇団。
ここの劇団は、とある古い建物の2階(因みに1階は普通にお店)にあるのですが、手作りの雰囲気があってとても好きです。
長野県の人に分かる感じで言うと、ネオンホールの客席がもう少し広くなった感じ。
去年、今年と観劇して、すごく好きになった劇団なだけに、非常に楽しみでした。
で、今回の『21時37分、「宝石」は眠る』はどんな舞台だったかと言うと……
舞台は、とある劇団の稽古場。
舞台奥には、セットの一部や衣装が置かれているなどディティールもかなり凝っていました。
恐らく割と大きい劇団なんじゃないだろうか?
そして登場人物はそこの若手女優とベテラン女優の二人(名前忘れた)。
日々その稽古場で公演が近い舞台の稽古をする二人。
しかし、ある日、稽古場に遅刻してきた先輩の女優の言葉。
「今日ここに来る途中で、車で人をひき殺しちゃった」
この言葉がきっかけで、物語は一気に不穏な方向へ。
現場に向かう二人。
しかし、そこにあるはずの死体は存在せず。
不安の募らせる先輩女優だが、若手女優の方は対照的に冷静沈着に、証拠隠滅を図る。
これで何も心配はないと思い、稽古場に戻った二人だったが、その翌日、事件の目撃者と思われる人物から謎の封筒が届き…
そんな感じの、サスペンス劇。
しかし、この舞台の面白いところは、確かにストーリーはサスペンスなんだけど、あくまで会話劇として物語が進行するところ。
物語の中心は、サスペンスというよりも稽古場での二人の会話と、稽古風景です。
本番までにこのシーンはどう直すかとか、稽古が間に合うかとか、そんな会話が淡々と続く。
徐々に精神が不安定になっていく先輩女優と、対照的に何があってもギャグを言うほどの余裕を見せる若手女優。
二人のその分かりやすい性格の対比は徐々に際立っていき、サスペンスっていうよりはその二人の人間模様を楽しむ演劇っていう感じ。
しかし、それと並行して"事件"の方も淡々と進行する。
"目撃者"を名乗る人物から届く脅迫めいた封筒や荷物なども、徐々にエスカレート。
さらに、二人の会話から少しずつ浮かび上がる、二人の、この劇団の過去。
やがて"事件"は思わぬ方向へ……
この舞台を観て一番思ったのは、舞台の見せ方の上手さ。
サスペンスをがっつり劇的に描く方法を敢えてとらず、あくまで会話を中心に見せることで、観客の想像力をかきたてる。
恐らく、ただ事実を見せるだけのお芝居だったら、ラストシーンにあそこまでの感動はなかったはず。
想像力を使いながら見ることで楽しめる舞台なんだったと思います。
そこで重要になるのが、観客の想像力を掻き立てるような、女優二人の言葉。
要するに台詞(=脚本)です。
気持ちをそのまま"一人語り"のように分かりやすく見せることも出来たんでしょうが、もちろんそんな無粋な真似はしない。
何気ない会話の中に、物語の鍵となる情報を、断片的にすべりこませる。
また、"劇中劇"を用いることで、それを婉曲的に見せるという手法。
これは前に見た「銀河生活」でも用いられていた方法なので、脚本家シダ・ジュンさんの得意技なのかもしれないですね。
そしてそれを表現する、二人の女優さんの演技も素晴らしかったです。
余計なことをせず、しかし遊びの余地を残すような、絶妙としか言えないものだったと思います。
あと、第二黎明期のお芝居の特徴として、あの独特の演技があると思います。
これぞ演劇!っていうデフォルメーションされたような演技でもなければ、現実をそのまま見せるようなリアリティを追求したものでもない。
言わば、第二黎明期の世界というフィクションの中だけに存在するリアリティ。
個人的な感想としては、人形劇を見ているような感覚です。
しかし、そう思って観ていると、意外と生々しい人間ドラマが垣間見えたりする。
その世界に引き込む演出はやはりすごいと思うし、それこそが観客の"想像力"を刺激するからこそ実現しているものなのだと思います。
いや、本当に何というか、演劇だからこそ描ける世界を追求している、素晴らしい舞台だったと思います。
本当に、第二黎明期のお芝居は観ていただきたいと思います。
新潟の方も県外の方も、是非!
演劇好きでも、演劇を始めて見る人でも楽しめる舞台だと思います。
そして、もう一つ感動したこと。
それは、観劇後に会場を出て、時計を見た時のことだった。
アッーーーー!!
時計がちょうど23時37分じゃないか!!
そうなるように上演時間と開演時刻を計算していたとは…
こういう遊びも素敵です。どこかドヤ顔が垣間見える気がするけど。
そんなことを考えながら、観劇後に会場の外に立っていると、第二黎明期のスタッフをされていた方かた声をかけられたではないか!
なんと、この後会場でちょっとした打ち上げをするから、出て行きませんか?とのこと!
そう、劇団第二黎明期さんは、毎回公演後に見に来てくれた人に声をかけ、ちょっとした打ち上げを行っていたのだ!
まさに、持ち小屋がある劇団の特権!
もちろん参加させていただき、皆さんから色々なお話しを聞くことができました!
そして、ただの観客なのに、第二黎明期さんへの差し入れのお菓子を食べたりお酒を飲んだりしていたのは、この私です。
せっかくなので、その模様を撮影させていただくことに成功!

ぼやけていて、ちょっと分かり難いかもしれないですね。
俺が「ブログに載せる画像なんで、顔出したくないと言う方は隠して下さい!」
と言うと、何人かは顔を隠したりしていました。
そんな中、「顔出していいからガンガン写りこもう!」という強者が!
その人物こそ、この舞台で若手女優を演じていた人物、先川さんだった!
(あ、でもこの画像だとあんまり写ってないですね)
そう、俺のニコ生にも出演してくれた、あの先川さんだ!
やはり、あの人はなんかすごいぞ…
そんな先川さん、7月14、15日にJOKERというお芝居に出るらしいです。
興味おありの方は、是非チェックを!
http://unitjoker.web.fc2.com/

新潟の劇団、劇団第二黎明期さんが、5/19~27にかけて上演した、『21時37分、「宝石」は眠る』。
僕は、5/22(火)に見に行って来ました。
会場は、第二黎明期さんの稽古場兼持ちスタジオ、西堀DOMO。
持ちスタジオがあるあたり、流石は1984年からある劇団。
ここの劇団は、とある古い建物の2階(因みに1階は普通にお店)にあるのですが、手作りの雰囲気があってとても好きです。
長野県の人に分かる感じで言うと、ネオンホールの客席がもう少し広くなった感じ。
去年、今年と観劇して、すごく好きになった劇団なだけに、非常に楽しみでした。
で、今回の『21時37分、「宝石」は眠る』はどんな舞台だったかと言うと……
舞台は、とある劇団の稽古場。
舞台奥には、セットの一部や衣装が置かれているなどディティールもかなり凝っていました。
恐らく割と大きい劇団なんじゃないだろうか?
そして登場人物はそこの若手女優とベテラン女優の二人(名前忘れた)。
日々その稽古場で公演が近い舞台の稽古をする二人。
しかし、ある日、稽古場に遅刻してきた先輩の女優の言葉。
「今日ここに来る途中で、車で人をひき殺しちゃった」
この言葉がきっかけで、物語は一気に不穏な方向へ。
現場に向かう二人。
しかし、そこにあるはずの死体は存在せず。
不安の募らせる先輩女優だが、若手女優の方は対照的に冷静沈着に、証拠隠滅を図る。
これで何も心配はないと思い、稽古場に戻った二人だったが、その翌日、事件の目撃者と思われる人物から謎の封筒が届き…
そんな感じの、サスペンス劇。
しかし、この舞台の面白いところは、確かにストーリーはサスペンスなんだけど、あくまで会話劇として物語が進行するところ。
物語の中心は、サスペンスというよりも稽古場での二人の会話と、稽古風景です。
本番までにこのシーンはどう直すかとか、稽古が間に合うかとか、そんな会話が淡々と続く。
徐々に精神が不安定になっていく先輩女優と、対照的に何があってもギャグを言うほどの余裕を見せる若手女優。
二人のその分かりやすい性格の対比は徐々に際立っていき、サスペンスっていうよりはその二人の人間模様を楽しむ演劇っていう感じ。
しかし、それと並行して"事件"の方も淡々と進行する。
"目撃者"を名乗る人物から届く脅迫めいた封筒や荷物なども、徐々にエスカレート。
さらに、二人の会話から少しずつ浮かび上がる、二人の、この劇団の過去。
やがて"事件"は思わぬ方向へ……
この舞台を観て一番思ったのは、舞台の見せ方の上手さ。
サスペンスをがっつり劇的に描く方法を敢えてとらず、あくまで会話を中心に見せることで、観客の想像力をかきたてる。
恐らく、ただ事実を見せるだけのお芝居だったら、ラストシーンにあそこまでの感動はなかったはず。
想像力を使いながら見ることで楽しめる舞台なんだったと思います。
そこで重要になるのが、観客の想像力を掻き立てるような、女優二人の言葉。
要するに台詞(=脚本)です。
気持ちをそのまま"一人語り"のように分かりやすく見せることも出来たんでしょうが、もちろんそんな無粋な真似はしない。
何気ない会話の中に、物語の鍵となる情報を、断片的にすべりこませる。
また、"劇中劇"を用いることで、それを婉曲的に見せるという手法。
これは前に見た「銀河生活」でも用いられていた方法なので、脚本家シダ・ジュンさんの得意技なのかもしれないですね。
そしてそれを表現する、二人の女優さんの演技も素晴らしかったです。
余計なことをせず、しかし遊びの余地を残すような、絶妙としか言えないものだったと思います。
あと、第二黎明期のお芝居の特徴として、あの独特の演技があると思います。
これぞ演劇!っていうデフォルメーションされたような演技でもなければ、現実をそのまま見せるようなリアリティを追求したものでもない。
言わば、第二黎明期の世界というフィクションの中だけに存在するリアリティ。
個人的な感想としては、人形劇を見ているような感覚です。
しかし、そう思って観ていると、意外と生々しい人間ドラマが垣間見えたりする。
その世界に引き込む演出はやはりすごいと思うし、それこそが観客の"想像力"を刺激するからこそ実現しているものなのだと思います。
いや、本当に何というか、演劇だからこそ描ける世界を追求している、素晴らしい舞台だったと思います。
本当に、第二黎明期のお芝居は観ていただきたいと思います。
新潟の方も県外の方も、是非!
演劇好きでも、演劇を始めて見る人でも楽しめる舞台だと思います。
そして、もう一つ感動したこと。
それは、観劇後に会場を出て、時計を見た時のことだった。
アッーーーー!!
時計がちょうど23時37分じゃないか!!
そうなるように上演時間と開演時刻を計算していたとは…
こういう遊びも素敵です。どこかドヤ顔が垣間見える気がするけど。
そんなことを考えながら、観劇後に会場の外に立っていると、第二黎明期のスタッフをされていた方かた声をかけられたではないか!
なんと、この後会場でちょっとした打ち上げをするから、出て行きませんか?とのこと!
そう、劇団第二黎明期さんは、毎回公演後に見に来てくれた人に声をかけ、ちょっとした打ち上げを行っていたのだ!
まさに、持ち小屋がある劇団の特権!
もちろん参加させていただき、皆さんから色々なお話しを聞くことができました!
そして、ただの観客なのに、第二黎明期さんへの差し入れのお菓子を食べたりお酒を飲んだりしていたのは、この私です。
せっかくなので、その模様を撮影させていただくことに成功!

ぼやけていて、ちょっと分かり難いかもしれないですね。
俺が「ブログに載せる画像なんで、顔出したくないと言う方は隠して下さい!」
と言うと、何人かは顔を隠したりしていました。
そんな中、「顔出していいからガンガン写りこもう!」という強者が!
その人物こそ、この舞台で若手女優を演じていた人物、先川さんだった!
(あ、でもこの画像だとあんまり写ってないですね)
そう、俺のニコ生にも出演してくれた、あの先川さんだ!
やはり、あの人はなんかすごいぞ…
そんな先川さん、7月14、15日にJOKERというお芝居に出るらしいです。
興味おありの方は、是非チェックを!
http://unitjoker.web.fc2.com/

黎明期さんご観劇・ニコ生出演・JOKER宣伝、もろもろ本当にありがとうございます!!
基本的に目立ちたがりの役者なので、ブログでも変顔とかガンガン載せてます(笑)
チヒロさんもかなり「前へ前へ」精神があるとお見受けしました!
今後のご活躍にも期待してます~♪
コメントありがとうございます!
黎明期さんの公演も、公開ニコ生も楽しかったですよ!
JOKERの公演も非常に楽しみです。
目立ちたがりな演劇人同士、刺激し合って行きましょう!
これからもよろしくお願いします!