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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

英国支配下のインドの従者と英国女王の身分を超えた出会い!『ヴィクトリア女王 最期の秘密』観て来ました!

2019-02-16 22:18:00 | Weblog


2/14(木)、イオンシネマ新潟西で『ヴィクトリア女王 最期の秘密』を観て来ました。
新潟市内ではイオンシネマ新潟西だけでの上映だったようです。





予告編はこんな感じです。



インドがイギリスの植民地だった時代、インドからイギリスのヴィクトリア女王の従者として式典に出演することになった主人公が、持ち前の明るさと機転で女王と絆を築いていく、という物語です。
女王陛下と言えばイギリスの絶対的な権力者であり、逆らうことなど以ての外、馴れ馴れしく近付くことすら許されないほどの存在な訳で、映画ではそんな女王を巡る宮殿の厳密でストイックなしきたりもこれでもか!と描かれます。

しかし、そんな絶対的な権力者である女王陛下と、まさかの植民地インドの従者というイギリスから見たら非常に身分の低い主人公、その二人が身分も国境も越えて絆を築いていくから、周囲に凄まじいほどの波紋を呼ぶわけです。
でも、それが権力に対する風刺になっているのが痛快で、宮廷という世界の人間ドラマだけど堅苦しくならずに楽しく見ることが出来ました。

身分も国境も超えた絆と一言で言うのは簡単ですが、実際は権力を巡る色々な複雑な人間模様を描いていて、それがこの映画の身分や権力を巡る描写をすごく多面的にしていたと思います。
要するに、主人公と女王陛下が、必ずしも「正しい人間」と描いているわけではないんですよね。

例えば、主人公はいかにもいい奴みたいに見えますが、本当はもともと女王に好かれるように巧妙に振る舞って女王の心に取り入ろうとしていたやり手だなあと思いました。
また、女王の主人公に対する贔屓がいくらなんでも流石にそれはやり過ぎだ!ってくらい度を超えていて、女王のあまりのわがままさに、これには思わず宮殿の人達困るわ…って道場してしまったりしました。

さらに、インドから一緒にやってきたもう一人の従者は女王からはまったく相手にされないまま、それなのに主人公があまりに女王に好かれるからインドに帰れないまま亡くなってしまうという、本当に切ない展開なんかもあったりしました。
彼からしてみたら、主人公と女王は完全に悪者になってしまうわけで、権力の風刺だけではなく、何が正義かは分からないという人間の多面性も描いていた映画だったと思います。

そういうインドのもう一人の従者の死だったり、さらに最終的には女王陛下の死とその後の主人公の顛末まで描かれ、運命の残酷さも感じられて深みのある映画でした。
最後は、インドに建てられたヴィクトリア女王の像の下に主人公がたたずむとうシーンが登場するのですが、インドを植民地にしているイギリスの女王なんて見方によっては悪の権化みたいにもとれるのですが、それでも主人公にとっては大切な存在なんだよなあ…という、本当に何から何まで一言では片付けられない人間というものを描いた映画なんだなあと思いました。

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