何人かの友人には話したことのある話ですが、一年前に見た夢があまりにもインパクトあったので、文章にまとめました。
「木の手」
ある日、子供たちが森で遊んでいた。
その森には、決して人が触れてはならないとされている一本の木があった。
何も知らない子供たちは遊びに夢中になるうちに、その木に登ってしまった。
子供たちの中の一人の少女が、不吉な予感を感じた。
舞い落ちる木の葉たちが一斉にこちらを睨んだような気がした。
少女は怖くなり、一人で木を降りた。
「みんな、帰ろうよ」
少女の声は、無邪気に遊ぶ友人達たちの耳には届かなかった。
次の瞬間、木が怒りを露わにした。
枝が一斉に伸び、刃物のように子供たちの体を貫き、切り裂いた。
地面に落ちた彼らの死体には鳥たちが群がり、虫たちがその残骸を運んでいった。
少女は一人、一目散にその場から立ち去った。
しかし木の怒りは、彼女を決して許した訳ではなかった。
彼女の左手の指が、少しずつ固く、動かなくなっていった。
触れてみるとそれは、まるで木の枝のようだった。
恐ろしくなった彼女は、枝のようになった指を切断した。
痛みは無かった。
しかし、切断された指は、驚くべき速さでも元通りに生え揃った。
そればかりか、彼女の指だけではなく、左手全体が、まるで木の枝のようになってしまっていた。
彼女は悟った。
このまま木になって森に永遠に立ち続けること、それが彼女に与えられた罰だった。
彼女は自分の目の前で死に絶えていった友人たちを想った。
彼らとの楽しかった日々は戻らず、このまま何もかも忘れて木になってしまう自分の運命を呪った。
左腕は、もう完全に一本の枝になっていた。
彼女にはもう時間が残されていなかった。
せめて最期に誰かに何かを言い残してから死にたいと思い、走り出そうとした。
しかし、彼女の両足からは地に根が生え、一歩も動くことは出来なかった。
絶望に打ちのめされかけた彼女が、まだ辛うじて動かす事の出来た右手で、ポケットの中を探った。
そこには、一本のナイフが入っていた。
彼女は思った、「これが私に残された最後の望みだ」と。
彼女は右手でナイフをつかむと、枝になってしまった左腕に友人たちの似顔絵を刻んだ。
痛みは無かった。
ただ、涙があふれるだけだった。
その右手も、徐々に感覚が無くなっていった。
最後の似顔絵を刻んだ直後、彼女は完全に一本の木になってしまった。
その木の枝には、彼女が最期に遊んだ友人たちの似顔絵が刻まれていた。
その光景を遠くから見ると、まるで子供たちが無邪気に木に登って遊んでいるように見えた。
と言う夢を、一年前に見ました。
どっかで聞いたことある話だと思うのですが、無意識に何か元ネタがあるのかもしれません。
知ってる方がいましたら、教えてください。
「木の手」
ある日、子供たちが森で遊んでいた。
その森には、決して人が触れてはならないとされている一本の木があった。
何も知らない子供たちは遊びに夢中になるうちに、その木に登ってしまった。
子供たちの中の一人の少女が、不吉な予感を感じた。
舞い落ちる木の葉たちが一斉にこちらを睨んだような気がした。
少女は怖くなり、一人で木を降りた。
「みんな、帰ろうよ」
少女の声は、無邪気に遊ぶ友人達たちの耳には届かなかった。
次の瞬間、木が怒りを露わにした。
枝が一斉に伸び、刃物のように子供たちの体を貫き、切り裂いた。
地面に落ちた彼らの死体には鳥たちが群がり、虫たちがその残骸を運んでいった。
少女は一人、一目散にその場から立ち去った。
しかし木の怒りは、彼女を決して許した訳ではなかった。
彼女の左手の指が、少しずつ固く、動かなくなっていった。
触れてみるとそれは、まるで木の枝のようだった。
恐ろしくなった彼女は、枝のようになった指を切断した。
痛みは無かった。
しかし、切断された指は、驚くべき速さでも元通りに生え揃った。
そればかりか、彼女の指だけではなく、左手全体が、まるで木の枝のようになってしまっていた。
彼女は悟った。
このまま木になって森に永遠に立ち続けること、それが彼女に与えられた罰だった。
彼女は自分の目の前で死に絶えていった友人たちを想った。
彼らとの楽しかった日々は戻らず、このまま何もかも忘れて木になってしまう自分の運命を呪った。
左腕は、もう完全に一本の枝になっていた。
彼女にはもう時間が残されていなかった。
せめて最期に誰かに何かを言い残してから死にたいと思い、走り出そうとした。
しかし、彼女の両足からは地に根が生え、一歩も動くことは出来なかった。
絶望に打ちのめされかけた彼女が、まだ辛うじて動かす事の出来た右手で、ポケットの中を探った。
そこには、一本のナイフが入っていた。
彼女は思った、「これが私に残された最後の望みだ」と。
彼女は右手でナイフをつかむと、枝になってしまった左腕に友人たちの似顔絵を刻んだ。
痛みは無かった。
ただ、涙があふれるだけだった。
その右手も、徐々に感覚が無くなっていった。
最後の似顔絵を刻んだ直後、彼女は完全に一本の木になってしまった。
その木の枝には、彼女が最期に遊んだ友人たちの似顔絵が刻まれていた。
その光景を遠くから見ると、まるで子供たちが無邪気に木に登って遊んでいるように見えた。
と言う夢を、一年前に見ました。
どっかで聞いたことある話だと思うのですが、無意識に何か元ネタがあるのかもしれません。
知ってる方がいましたら、教えてください。
体に似顔絵を刻むのは、何故か「人面疽」が連想されたんですが……
おかしいよ!出来過ぎてる。
ストーリーが良すぎる。
こんなの俺の知ってるちひろじゃない!
ほら、見つけた。
元ネタがあるじゃん。
これだよ。
という夢を今夜頑張って見てみます。
Xファイルの「分裂」とかかな。
地獄先生ぬ~べ~でもそんな話あったと思う。
そういえば木の幹に聴診器当てると拍動が聞こえる、というのも聞いたことがあるし、人間は植物にも人性を感じてるのかも知れん。
すんごいいい話じゃないすかw
感動っていうかなんていうか、、、
こうゆう絵本とかありそうですね!
人面疽って昔の怪談だっけ?
ブラックジャックにも人面疽って出てくるよね。
ブラックジャックと言えば、人間が植物になる話もあるよなあ。
>はりけんさん
是非とも、今度その夢を教えて下さい。
>ウホッ、いい樹木さん
無理矢理ダイスケの話に繋げなくていいから!
>虚無僧さん
「峠の茶屋」も人間が木になる話で、あれは木霊とか出てくるよね。
この夢も木霊って感じがしなくもないな。
>乙さん
夢から覚めて少し泣いてました。
正確には、この物語が書かれた絵本か漫画を読んでいる、という夢でした。
タイトルは、「木の手」