
5/3(月)、ユナイテッド・シネマ新潟で「12ブリッジ」を観てきました。
予告編はこちら。
マンハッタンで警察官8人が殺害されるドラッグ強盗事件が発生し、デイビス刑事は犯人逮捕のためにマンハッタンを封鎖。
封鎖されたマンハッタンという限定空間、さらに朝までに逮捕せよというタイムリミットの中、警察側はもちろん犯人側にも様々なドラマがあり、それぞれが交差しながら次々と展開していくサスペンス。
派手な爆発やCGに頼らず、銃撃戦やカーチェイスの緊迫感、警察と犯人の心理戦、次第に浮かび上がる事件の背後にある陰謀など、とにかく一つ一つが丁寧に作られたサスペンスでした。
しかもどんでん返し的な展開もあり、途中であれ?って思った疑問もすべて伏線として回収されるという、本当に見事な脚本でした。
また、主人公のデイビス刑事は、警察だった父親が銃殺されたという過去を持ち、そんな彼にとって正義とは?という重いテーマが全編を通じて描かれていたのも良かったです。
特に「銃」というアメリカ社会の大きなテーマが、かなり前面に押し出されていましたね。
犯人を容赦しないと恐れられているデイビス刑事ですが、決して何でも銃で解決しようとするわけではなく、粘り強く交渉することもあります。
そんな彼が銃を撃つ時は本当に正義を守るためだけであり、だからこそ銃の一発一発に重みがあるんですよね。
逆に警察の安易な発砲によってかえって犠牲者が増えて、事件が解決から遠のくという展開さえも描かれていきます。
昔から、主人公が絶対的に正義で、やたらと何でも銃で解決しがちだったアメリカ映画の歴史ににおいて、ここ数年は「本当の正義とは?」と問い直す映画が増えたけど(マーベルとか)、そういう意欲作の一つだと思います。
正義を語ることの難しい時代に正義のヒーローを見事に描いたマーベルのように、人を殺す兵器である銃の恐ろしさと手に汗握るガンアクションの迫力を同時に描いた、かなりの意欲作なのではないかと思います。
デイビス刑事を演じたチャドウィック・ボーズマンの誠実で実直な演技が本当にカッコよかったです。
チャドウィック・ボーズマン、「ブラックパンサー」でも本当にいい俳優でしたけど、今回の映画では制作にも携わっているんですね。
しかし、昨年亡くなり、劇場公開された映画ではおそらく今回の「12ブリッジ」が遺作なのでは…決して忘れません!