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舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

映画「酔うと化け物になる父がつらい」観てきました。

2020-04-18 22:50:51 | Weblog


4/16(木)、ユナイテッド・シネマ新潟で「酔うと化け物になる父がつらい」を観てきました。
新潟市内では、ユナイテッド・シネマ新潟のみでの上映だったようです。





予告編はこんな感じです。



アルコール依存症で酔うと豹変する父、新興宗教にハマった末に自殺した母のもとで育った、幼少期の体験をつづった菊池真理子さんの漫画を映画化。
一見コミカルなノリの映画だけに、こんなことが日常に…という出来事が当たり前に登場することにかえって驚かされました。

家に居座る父の酒飲み仲間、母の自殺、一度は断酒するも再び飲酒して暴れてしまう父、豹変して暴力的になる初めての彼氏など、主人公の周りでは、とにかくつらいことばかりが起こります。
でも、最後まで見ると、一番つらかったのは自分の「つらい」という感情に蓋をしていたことだたんだよな…と思いました。

主題歌とかもちょっと感動モノっぽい雰囲気なんだけど、ただの感動モノではなく、主人公は決して父を許せないけど100%嫌いにもなれないという葛藤を最初から最後までずっと抱えているわけで、実は何も解決してない映画なんですよね。
でも、そういう簡単に答えの出ない気持ちを描いたことには大きな意味があると思います。

人間ドラマ、特に家族を描いた作品は、どうしても何か障害を乗り越えて感動のラスト、みたいなものになりがちなんだけど、実際はそんなに簡単に問題は解決しないし気持ちも整理できないことの方がほとんどだと思うんですよ。
だから、吉本が作っている映画なだけあって予告編とかもすごくコミカル&感動みたいな雰囲気だけど、実際はすごく冷静な視点で家族、人間の複雑さを見つめた作品になっていたと思います。

そして、そんな日々の中で主人公にとって生きる希望だったのが漫画を描くことだったのですが、要するに、それがこの原作者である菊池真理子さんが漫画家になっていく現実に繋がっているわけです。
こうして、この映画で描かれたような体験を経て漫画家になった菊池真理子さんが、その体験談を漫画化し、その漫画がこうして映画化されるほど多くの人に愛されると思うと感動的です。

最後に、本作の片桐健滋監督は、昨年「ルームロンダリング」という映画で監督デビューしていて、個人的にこの映画はいまいちだったのですが、二作目となる本作「酔うと化け物になる父がつらい」は良かったので、今後の活躍が楽しみです。
あと、脚本の久馬歩さんは、お笑いグループ、ザ・プラン9のメンバーで漫才やコントの脚本も書いている方なんですが、そんな方がこういう人間の暗部を描いた脚本を書いているのはすごく意外な才能という感じがしました。
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