日本海に面する北朝鮮北東部の羅先(ラソン)に10月下旬入った。
この数年で中国との共同開発が進み始めた経済特区。
日本メディアへの公開は異例だ。
中国への経済依存を深める北朝鮮の現状を象徴するかのように、町中には中国語があふれ、人々の意識も「友好国」の巨大な市場に向いていた。
北東部の清津(チョンジン)から北に約90キロ、砂ぼこりの舞う未舗装のでこぼこ道を車で約4時間揺られると、前方に白い平屋建てが見えてきた。
中国、ロシアとの国境に近い羅先に入る検問所だ。
「撮影禁止」の指示に緊張する。
パスポートチェックもあり、警備は厳重だ。
検問所を抜けると約10分で、日本の植民地だった1930年代に建設された羅津(ラジン)港に着いた。
人影はまばらで係留中の船と大型クレーン約10台が目につく。
遠くの山腹に「将軍様に従って千万里」の白い文字が見えた。
中国が使用権を持つ1号埠頭には中国船2隻が停泊。
中国向けの石炭を保管するための巨大な倉庫もあった。
羅先市人民委員会の全東哲対外事業局長(34)は「特区開発は本格段階に入った。
今後はどんどん発展していくだろう」と強調した。
■街にあふれる中国語
市内では、中朝企業が共同建設中の貿易センターとみられる建物に中国語と朝鮮語を併記した赤い看板がかかっていた。
擦れ違う車は約10台に1台が中国吉林省ナンバー。
道路は舗装され、太陽光パネルによる街灯や中国語の道路標識もある。
北朝鮮の一般の地方都市とは異なる風景だ。
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