狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

『闇の中の子供』/小松左京

2010年11月26日 21時20分49秒 | 小説・本に関する日記







 昨日の夜は、小松左京の短編小説集『闇の中の子供』を読み返していました。
 前に読んだことがあるのに、すっかり忘れてた。
 鳥頭なのはこんな時は便利です。

 小松左京はSF界の大御所として知られていますが、表題作の『闇の中の子供』はジャンルはSFではなくホラーになるのかな。
 匕首を咽喉元に突きつけられて、すっと外されたみたいな奇妙な読後感。

 「菅原伝授手習鑑」の筋立てに異議を唱えた後、ひっくり返して再解釈を提示していて、面白かったです。

 中盤の地獄絵図の描写が凄い……。
 圧倒されてしまいました。  

 あの幻の地獄の世界で泣く子供達は今も確実に増え続けている、のかもしれない。
 もしかすると昔と今はそんなに変わらないかもしれない。
 どうすることも出来ない苦境に置かれた子供は存在する。
 でも、そんな境遇の子供も、どんな手を使ってでも生き延びて欲しい、って思う。
 生き延びて大人になれたら、取れる選択肢は格段に増すのだから。
 子供は死んだら駄目だ。死なしちゃ駄目だ、って思う。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿