昨日の夜は、小松左京の短編小説集『闇の中の子供』を読み返していました。
前に読んだことがあるのに、すっかり忘れてた。
鳥頭なのはこんな時は便利です。
小松左京はSF界の大御所として知られていますが、表題作の『闇の中の子供』はジャンルはSFではなくホラーになるのかな。
匕首を咽喉元に突きつけられて、すっと外されたみたいな奇妙な読後感。
「菅原伝授手習鑑」の筋立てに異議を唱えた後、ひっくり返して再解釈を提示していて、面白かったです。
中盤の地獄絵図の描写が凄い……。
圧倒されてしまいました。
あの幻の地獄の世界で泣く子供達は今も確実に増え続けている、のかもしれない。
もしかすると昔と今はそんなに変わらないかもしれない。
どうすることも出来ない苦境に置かれた子供は存在する。
でも、そんな境遇の子供も、どんな手を使ってでも生き延びて欲しい、って思う。
生き延びて大人になれたら、取れる選択肢は格段に増すのだから。
子供は死んだら駄目だ。死なしちゃ駄目だ、って思う。