昨日の夜は、小川洋子の小説『博士の愛した数式』を読み返していました。
17年前の交通事故の怪我で記憶が80分しか持続出来ない年老いた元数学者。
彼のもとに新たに家政婦が派遣される。
博士と家政婦のコミュニケーションの取り方はぎくしゃくしたものだったが、博士と彼女の10歳の幼い息子との出会いによって変化していく……。
物語の中で物凄い事件が起きるわけではないのです。
(登場人物にとっては物凄い事件なのかもしれないけど)
淡々と物語が流れていきます。
何気ない日常。
でも博士にとっては何気ない日常が驚異に満ちた日常です。
それを静かに切なく描いています。
筆力あるなぁ……。
私達は日々の生活に追われていて気が付いていないけど、世界は美しい物に溢れていている……のかもしれない……。
落ち着いて周囲を見回してみると、もしかしたら驚異に満ちた光り輝く世界が広がっているのかもしんない。
面白かったですよ。
楽しめました。
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