狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

『腐蝕』/竹本健治

2017年08月31日 11時40分25秒 | 小説・本に関する日記


 昨日の夜は、竹本健治の小説『腐蝕』を読み返していました。


 航宙エンジニアを目指す少女ティナが主人公。
 彼女の周りで異変が起き始める。
 正体不明の影。彼女を呼んでいるかのような声。人々が消えかつての市街地が異空間に入れ替わる。友や恋人が存在した記憶が消える。
 世界の異変と崩壊の速度は徐々に速くなり……。
 SFホラーです。

 前半部と後半部に分かれています。

 前半部は、平和な街に原因不明で不条理な崩壊が迫る様を描いています。
 正気を失うような想いをしながら逃げて逃げて、それでも崩壊と喪失は主人公に迫ってくる。
 前半部のラストは圧倒的なイメージです。悪夢のようなイメージ。

 後半部は軸がぐるっと回転します。
 切なくて寂しくて美しいラストです。


 面白いですよ。
 お勧めです。


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