昨日の夜は、竹本健治の小説『腐蝕』を読み返していました。
航宙エンジニアを目指す少女ティナが主人公。
彼女の周りで異変が起き始める。
正体不明の影。彼女を呼んでいるかのような声。人々が消えかつての市街地が異空間に入れ替わる。友や恋人が存在した記憶が消える。
世界の異変と崩壊の速度は徐々に速くなり……。
SFホラーです。
前半部と後半部に分かれています。
前半部は、平和な街に原因不明で不条理な崩壊が迫る様を描いています。
正気を失うような想いをしながら逃げて逃げて、それでも崩壊と喪失は主人公に迫ってくる。
前半部のラストは圧倒的なイメージです。悪夢のようなイメージ。
後半部は軸がぐるっと回転します。
切なくて寂しくて美しいラストです。
面白いですよ。
お勧めです。
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