狐の日記帳

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『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』/本谷有希子

2016年12月02日 15時35分42秒 | 小説・本に関する日記



 昨日の夜は、本谷有希子の小説『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』を読んでいました。

 田舎で暮らす高校生の少女・和合清深の両親が交通事故で死亡する。
 清深と清深の兄夫婦は両親の葬式を執り行い悲しみに暮れている。
 その最中に清深の姉・澄伽が東京から実家に帰省してくる。
 澄伽は女優を目指しているが上手くいっていない。
 性格は自意識過剰で自分勝手。
 清深と澄伽は、かつて清深が仕出かしたある出来事が理由で仲が悪い。
 実家に帰ってきた澄伽は、清深と兄夫婦を引っ掻き回すことになる。のだが……。

 本谷有紀子が主宰する「劇団、本谷有希子」の第1回公演作の演劇を本谷有紀子が小説化した作品です。



 自意識過剰。冷酷な観察者。問題を抱え込んでしまう自爆型。お人好しであるが故に自己決定できない人。
 田舎の濃密な人間関係。内側と外側。希望と絶望。

 裏側に隠しているけれども人が誰しも持っている欲望をぐいっと表面に出して、突き付けるかのよう。

 面白かったですよ。
 楽しめました。



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