昨日の夜は、映画『宮城野』のDVDを観ていました。
寛政6年。
女郎の宮城野は写楽殺しの罪で処刑されようとしていた。
宮城野には写楽の弟子である矢太郎という馴染み客がいた。
矢太郎は絵師として鳴かず飛ばずで写楽に拾われて写楽の為に絵を描いていた。
矢太郎が書いた絵は写楽の名前で売られている。
写楽の家にはおかよという娘がいて……。
監督は、山崎達璽。
出演者は、毬谷友子、片岡愛之助、國村隼、樹木希林、佐津川愛美、など。
原作は、矢代静一作の同題の戯曲です。
面白い表現方法をしているのだけれども、この表現方法はおそらく賛否が分かれそう。私は好き。
問題があるとするならば、東洲斎写楽が活躍した時間とこの物語で語られる時間が噛みあわない事。
宮城野と矢太郎がくっついて別れるまでの時間は数年のように感じるのに、東洲斎写楽が活躍した時間は約10カ月。ここが気になってしまう。
この物語の主題からすると東洲斎写楽を別の人物にしてもよかったかもしんない。
写楽にこだわる必要はなかったかも。
自分の絵で勝負したいのならば写楽の家を出て勝負すればよい。
勝負するのは怖いことだけれども、自分の絵で自分の名前で勝負したいのならば勇気を出して勝負するしかない。
でも、そんな勇気を出せなかった男のお話です。
作品にはその人の人柄が出てしまう。東洲斎写楽の名前で書いていたならば東洲斎写楽の芯が入るけれども、それが無くなって素の自分が出たら……。
胆力の無い男を愛してしまった女のお話でもあります。
愛しているのに相手の男の為に如何にして上手く別れるか? そんな哀しいお話なのであります。
面白かったですよ。
楽しめました。
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