昨日の夜は、近藤史恵の小説『サクリファイス』を読み返していました。
白石誓は、陸上競技から自転車競技へ転向してプロチームに所属している。
彼の仕事は、勝利を目指すのではなくチームのエースを勝たせる為のアシストをすること。
白石と同期で入チームに入った伊庭は鼻っ柱が強く、チーム内で無駄に敵を作っている。
チームのエースは、3年前に頭角を現し始めた新人をエースの座を守るために事故に見せかけて再起不能にしたと噂されている……。
自転車ロードレースの世界の物語。
実力がずば抜けていてもチーム内で孤立していたら自転車ロードレースの世界では勝てない。
チームの支援なしに単独で勝負しようとすると確実に他チームに潰される。
単独では勝負にならない。
それ故にチーム内には明確な役割分担があり、アシスト役は勝利を目指さない。エースを勝たせる為に犠牲になる。
しかし人には欲があり、チームのエースになりたいしレースで自分が勝ちたい……。
でもアシスト役がチームの規律を無視して勝ちに行ったところでその人は勝てないしチームも勝てない……。
ミステリーではあるのですが、それよりも自転車ロードレースの世界のお話ですね。
内容を普遍的な事柄に置き換えることも出来ます。
面白いですよ。
お勧めです。
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