狐の日記帳

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『天国にそっくりな星』/神林長平

2018年02月17日 19時53分41秒 | 小説・本に関する日記




 昨日の夜は、神林長平の小説『天国にそっくりな星』を読み返していました。

 日光を浴びると火傷を負って死んでしまう日陰症が地球で蔓延する。
 主人公で元刑事の坂北天界は日陰症にかかり、恋人の玲美と共に惑星ヴァルボスに移住した。
 ヴァルボスの中は空洞になっていてそこは地球に似ているのだが太陽が無い。日陰症の人間には楽園のような場所。
 天界は元刑事のスキルを生かして探偵をはじめのんびりと暮らしていたのだが、ある日、2件の人探しを引き受けてヴァルボスの秘密に関わることになる……。

 SF小説です。
 能天気モードの神林節が炸裂しています。




 「バーチャルな世界から現実に戻ってこい」というメッセージは多くの作品で見ることができますが、「現実と寸分変わらず現実よりも心地良い世界なら、それはその人にとっては現実なのでは?」というある意味では開き直ったテーマであります。
 物凄く能天気。
 現実を揺さぶるようなお話なんだけど、主人公は揺るがない。
 今いる世界が本物なのか偽物なのかなんてどうでもよい。と能天気に突っ走ります。
 他の神林作品とリンクするような設定があるんだけど気にせずに楽しんでOKです。

 面白いですよ。
 お勧めです。



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