狐の日記帳

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『告白』/湊かなえ

2019年12月15日 22時31分44秒 | 小説・本に関する日記


 昨日の夜は、湊かなえの小説『告白』を読み返しておりました。

 市立S中学校1年B組。
 3学期の終業式の日。
 担任の森口悠子は生徒達に間もなく自分が教師を辞めることを告げる。

 数カ月前。学校のプールで彼女の一人娘が死んだ。
 事故死と判断されたが、森口はこのクラスの生徒2人に殺されたと告げる。
 彼女は、警察に言うつもりはないが、2人には既に復讐の為の罠を仕掛けたと宣告して去っていった……。

 モノローグ形式のミステリーです。
 映画化されていますね。映画はまだ観ていません。


 精緻に組み上げられた物語。
 でもって物凄く怖い物語です。
 悪意と狂気が淡々とねちっこく描かれています。
 上手く話をひっくり返してくれるのでその部分には爽快感はありますが、どんよりとしてしまう読後感です。
 考えてみるとまともな人間が登場していない。
 常識的な反応をする人物は排除されている。
 まるでまともな人間なんてこの世に一人もいないんだよと言われているかのような……。

 でも上手いのですよ。厭なお話を見事に組み上げています。
 面白かったですよ。
 楽しめました。



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