終戦75年、きょう戦没者追悼式 コロナ禍で規模大幅縮小
終戦から75年を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で行われる。新型コロナウイルス感染症の影響で規模が大幅に縮小されたが、遺族らは戦没者を悼み、不戦の誓いを新たにする。安倍晋三首相が意欲を示す敵基地攻撃能力保有が議論されており、遠のく惨禍の記憶の継承が問われている。
戦後75年の「終戦の日」 政府が全国戦没者追悼式(2020年8月15日)
75回目の「終戦の日」を迎える8月15日、政府主催の「全国戦没者追悼式」が日本武道館(東京都千代田区)で行われる。
天皇皇后両陛下や安倍晋三首相、遺族らが参列し、戦没者に黙とうを捧げる。
例年は約6000人が出席するが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、600人程度の規模となる。 ■式次第(式典開始は午前11時51分。所要時間は約1時間を予定)
開式
天皇皇后両陛下ご臨席
国歌斉唱
式辞(内閣総理大臣)
黙とう
天皇陛下のお言葉
追悼の辞(衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官、遺族代表)
天皇皇后両陛下ご退席
献花
閉式
戦後75年「終戦の日」 全国戦没者追悼式
終戦75年、不戦の誓い=陛下「深い反省」、コロナ言及も―追悼式、初の縮小
東京2020年08月15日 12時28分 時事通信

全国戦没者追悼式で行われた黙とう=15日正午、東京都千代田区の日本武道館
75回目の「終戦の日」となった15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館(東京都千代田区)で開かれた。天皇、皇后両陛下や安倍晋三首相、遺族らが参列し、先の大戦の戦没者約310万人を悼んだ。天皇陛下はお言葉で昨年と同じ「深い反省」との表現で平和を祈念する一方、新型コロナウイルス感染症にも言及された。
今年は新型コロナの影響で初の規模縮小となった。参列は過去最少の約530人で、20府県の遺族代表が欠席した。
追悼式は午前11時50分すぎに始まり、正午に参列者全員で1分間の黙とうをささげた。続いて、天皇陛下が「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬこと」を切に願う、とのお言葉を読み上げた。新型コロナについても「新たな苦難に直面していますが、私たち皆が手を共に携えて、困難な状況を乗り越え、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」とした。
これに先立ち、安倍首相は式辞で「戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。この決然たる誓いをこれからも貫いてまいります」と述べた。歴代首相が言及したアジア諸国に対する損害などには今年も触れなかった。
父がフィリピンで戦死した静岡市駿河区の杉山英夫さん(82)は遺族を代表し、「平穏な生活が享受できることは戦没者諸霊の尊い犠牲の礎の上に築かれたものであることを忘れず、心に深く銘記する」と追悼の辞を読み上げた。
厚生労働省によると、参列予定遺族は12~93歳の224人。戦没者の父母は10年連続でゼロで、妻は過去最少の1人。6日時点での集計では、80代以上が約3割で、70代以上が8割を超えた。戦後生まれは全体の約3割だった。
高齢者が多いことも考慮し、会場は参列者の座席を1メートル間隔とし、検温や手指消毒などを徹底した。また、飛沫(ひまつ)感染防止のため国歌斉唱を取りやめ、演奏だけにした。
【時事通信社】
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