この指をぉぉぉっ！！！

　昨日からこうバクダンがやかましい。


　右手中指の先っちょのササクレを引っ張り、血が出て痛い、との事。




　「心臓がドキドキするたびに痛いんだぁっ！！！
　　　ゆうちゃん、そんな事あるっ？？？あるぅぅぅっ？？？！！！」


　「あるかも。」



　「ねぇっ！ママぁっ！！！心臓がドクンドクンするたびにぃぃぃっ！！！」



　「聞こえてるわい。ってか、いつからだ？今まで忘れてたクセに。見せてみ。」




　確かに赤くなってる。



　「ちゃんと手を洗ってないからバイキン入ってるじゃんか！
　　　指先腐って切らなくちゃいけないかもね！」



　ハイドロカットバン装着させた。



　「外れるかもしれない！！！ゆうちゃんテーピングしてぇっ！！！」



　女２人「大げさっ！！！」




　「ママっ！！！オレ、指切るのっ？？？切らなくちゃいけないのぉっ？？？！！！」



　「明日になっても赤かったり腫れてたら病院いくぞ。」


　
　「今から連れてってぇっ！！！」


　「今もう８時だよっ！！！」

　
　「ふぇぇ・・・。」



　朝になって、本人すっかり忘れて、こっちから聞いた。



　「痛いっ！！！病院に連れてってぇぇぇぇっ！！！」



　「アンタ・・・。今まで忘れてただろ・・・？？？」


　「いやっ！！！痛いぃぃぃっ！！！そういうと痛かったぁぁぁっ！！！連れてってぇぇぇっ！！！」



　「・・・。何のため？」



　「オレわぁっ！！！今のこの指のじょうたいを知りたいんだぁぁぁっ！！！」



　「・・・！！！じょうたい・・・？？？」



　「そうだぁっ！！！この指のじょっ、うっ、たっ、いぃぃぃっ！！！」



　「どんな状態だ？？？」



　「この指にはバイキンが入ってるのか入っていないのかぁっ！！！
　　　そんで、切らなくちゃいけないのか、切らなくてもいいのかぁっ！！！
　　　　そのじょうたいぃぃぃっ！！！」



　爆笑しそうだった。



　その時の必死な息子、その指はＦＵＣＫ　ＹＯＵ・・・。


　ママがアメリカ人だったら殺すど。



　笑いをガマンしながら「ってか、バイキンは入ってる。
　　　今日、帰って来てから連れてってやる・・・。」と送り出した。




　帰ってから何にも言わないしもう治ったかと思ってたら、剣道行く車の中で


　「ママぁっ？？？オレ、今日、すんごい膿が出たぁっ！！！」



　「えっ？？？膿っ？？？まだ痛いのかっ？？？」



　「うん！痛いっ！！！保健室行ったら今すぐじゃなくっても病院行けって言われたぁ！」



　「・・・早く言えや・・・。」




　明日、病院に連れて行きますとも・・・。



　ヌケてる・・・。おもろい・・・。やっぱりアホだ・・・。


　誰の子・・・？？？



　あたしの子・・・。