

一昔前の話、日中のけだるい陽射しの中、電車の車両には、オバサンが一人だけでした。
見渡すと、隣の車両も数人がまばらに腰掛けて、居眠り等をして座っています。
”ごろごろ・・”床を何やら転がってきました。
重い瞼を引き上げて、薄目でぼんやり足元を見ると”

”なんでこんなもんが



車両の中を見渡すと、やっぱりオバサン一人きりです。
一体どこからこんなもんが転がってきたのか知らん。
今度はボルトが在りそうな場所を、車両の端から目で探っていきます・・

「あった、あった。」電車の連結部分で蛇腹を止めてある箇所にオバサンの目がロックオン!
「え、本当に・・」一個外れています。

ボルトを拾い上げようとした時、オバサンの心を不安がよぎりました。
「今このボルトを拾い上げて、丁度そこへ誰かがこの車両に入ってきたら、


この車両に 誰か一人いれば、
「あら!こんな物が転がってきたわ!あらやだ、ボルトが外れてる。付けとかないと、いけないわね。」とか、
大きな声で誰かに訴えれば、怪しまれずに出来るけど・・
そうでなく、一人外れたボルトを手にした状態で見つかったら、言い訳をしても更に怪しい・・
車掌さんに言いに行こうか?・・いや、



そのまま電車を降りてしまいました・・・・・・


そんなことしそうに見えないですよ!
私だったらきっと見えます。
風体で大損してます・・・免許証の写真は3人くらい殺してそうな人相です。