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音楽大好き男の徒然なる日記

横路孝弘氏死去 平和とリベラル貫いた(北海道新聞社説)

2023-04-04 | 日記
(ブログ初出:2023年2月10日付)

北海道新聞 2023年2月8日付社説
「横路孝弘氏死去 平和とリベラル貫いた」
 https://www.hokkaido-np.co.jp/article/798642

元衆院議長で道知事を3期務めた横路孝弘氏が、82歳で死去した。

28歳で衆院に初当選し、論客として鳴らす。
1996年に国政復帰した後は民主党内の旧社会党勢力を率いて、政権交代に貢献した。

憲法擁護の姿勢を貫き、多様性を重んじ弱者に寄り添う政治を旗印とした。
北海道を代表する政治家と言って過言ではない。


掲げた平和と民主リベラルの旗には、いま逆風が吹いている。

訃報は防衛費の大幅増額や、同性婚を巡る差別発言で更迭された前首相秘書官の問題で
国会が揺れるさなかにもたらされた。

自民党政権はおごりと緩みが目に余り、野党勢力は低迷する。
漂流する政治に対し、豊富な経験を基に発言し続けてもらいたかった。
心から哀悼の意を表したい。


大きな転機はやはり1983年の知事選出馬だろう。
若者などの「勝手連」の動きが支持を広げ、
24年間続いた保守道政の壁を破った。

今で言う無党派層の「草の根」の行動が政治を変えた先駆けだった。
そこから、低投票率が続く今日の状況を変える示唆もくみ取れる。

食の祭典の失敗や新長計汚職など負の遺産もあった横路道政12年間の評価は分かれよう。

宗谷管内幌延町に計画された高レベル放射性廃棄物の貯蔵・研究施設に反対する一方、
北海道電力泊原発には容認姿勢を取る。

行政のトップとして現実路線を敷きつつ、「北海道の自立」を掲げ、
「一村一品運動」の推進などで地域の潜在力を引き出す取り組みに力を入れたのが特色と言える。

だが公共事業に頼る北海道の中央依存体質を変えるまでには至らなかった。
積年の旧弊の官官接待をはじめとする不正経理問題で道庁に激震が走るのは、後継の堀達也知事時代のことである。

とはいえ、横路氏の抜群の知名度と知事として築いた基盤は、
そのまま「王国」と呼ばれた北海道の民主党の資産になった。

鳩山由紀夫、小沢一郎、菅直人各氏ら政治的出自の異なる実力者と連携し、政権交代の原動力となったが、
緩やかなつながりは目的達成後、瓦解(がかい)するのも早かった。

横路氏も、自民党に代わる勢力の結集を志し、苦汁をなめた政治家の一人だった。
再び政権を獲得する展望が開けぬ立憲民主党など野党の現状を、
晩年は歯がゆい思いで見ていたことだろう。


リベラルの旗と北海道で得ている立憲の議席は横路氏の遺産と見なすこともできよう。
衣鉢をどう継ぐかが重い宿題として残った。


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横路さんとはたった一度、1990年代後期?に
札幌市内のホテルにてお会いしたことがあります。
保守系の“親の七光り”的政治家に見られる傲慢さや周囲の強張った空気などはみじんも感じられない
謙虚な人柄が印象的でした。



1988年頃、社説にある“食の祭典”は確かに不充分なものがありました。
確か大通公園でブースが出てたのを覚えてます。

当時北海道は国鉄からJR北海道への移行直後で、
この間に道内の20路線も廃止に追い込まれ、
道内の空気そのものまで弱体化していました。

首都圏在住の方、もしも
横浜線・相模線や八高線・両毛線・総武本線とかが廃止されたとしたらどう思います?
それくらい地方の拠点を結ぶ道内の路線が
「旅客数」だけで切り捨てられたのですよ。
だからこそ、今後地方の鉄道を維持・活性化して行くためには
宅急便会社をクライアントに迎え入れて
「貨客混載の速達ライナー列車」の設定運行が必須だと思います。

(はっきり言うと、在来線と貨物業務は切り離してはいけないのです)

そんな中、少しでも活性化の運気を呼び込みたくて「食の祭典」「一村一品運動」が行われたのは
想像に難くありません。

1983年4月から1995年4月の北海道知事在任中で忘れられない事のひとつは
ロシア・サハリン州から大やけどした少年・コンスタンチン君を
札幌市内の病院で診療させるために行われた“命のリレー”です。(1990年8月)
大英断でした。
今のような傲慢な空気はなく、西側からの空気を受け入れる意欲があった
当時のロシアだったから出来たことなのかもしれませんが。
ロシアが悔い改め為政者が替わり、
あの頃のような空気に戻る事を願ってやみません。


北海道がどこか殺伐となったのは高橋はるみが知事になってからでしょうか。
オリンピック招致や整備新幹線一択と道内在来線の“切り棄て”に拍車がかかる等
所詮彼女はこころも退任後も “道外=中央” の人間であり、
札幌以外の道全体の活性化は見ていなかったと言えます。
それはおそらく現職の鈴木直道も同じでしょう。
(あんなのを神輿に担ぎ上げた奴の責任も重い・・・)

横路さんのような道内の “末端” まで見つめられる人こそ
北海道知事に就いていただきたいと心底願います。

最後になりましたが
横路孝弘さんのご冥福をお祈り申し上げます。


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お付き合いいただき、ありがとうございました。

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