ジャンルとしては、手に取ることは無かっただろう、お仕事系小説。
お気に入りの作家のみ、未読だったなら即購入の1人。
他の本同様、全くテンションが下がらないまま、一気に読まてくれる。
社会的情勢により就職率が低迷していた時代、
東京の大卒したものの、沖縄に帰省し派遣社員としてしか就職出来なかった主人公、伊波まじむ。
正社員のいじめにもめげず働くある日、社内ベンチャー募集に応募したことから始まるサクセスストーリー。
おばあと帰宅途中に飲み交わす1杯の酒からヒントを得て、初の沖縄産ラム酒製造を目指すことに。
まじむの明るく元気な性格から、サトウキビの生産地、南大東島の村長、商工会長、生産者を味方につけ、
有名な醸造家や、嫌味だった先輩さえも味方につけていく様がとても面白い。
出世とか、人生の野望とかではなく、単純に沖縄のラム酒を飲みたいが一心で、
最終的には、雑用の派遣社員から、ラム酒製造会社の社長にまで上り詰める。
当然ながら、読んでる最中にいろんな酒が出てくる。
メインのラム酒には2種類あって、サトウキビの絞りカスから作るものと、
サトウキビの汁そのものから作る、アグリコールというのがあるとか。
そもそもラム酒がサトウキビから作ることさえ知らなかったし、飲んだ記憶もない。
思い浮かぶのは、好きなラムレーズンの味だけ。
「飲んでみたい」って思うのは自然の流れ。
ここ数年、やや甘めの赤ワインにハマってる事もあって、やはりやや甘めのアグリコールラムが気になってしょうがなくなって。
色々検索すると外国産がたくさんヒット。
そうこうするうち、物語も終盤に読みさし掛かるの同時に、
沖縄産ラム酒をネット上で見つけ、なんと、読み終える直前に、実話を元にした小説だと知った。
もう、そうなったら買うしかないじゃん。
初心者向けの25度のアグリコールラムをネットで購入してみた。
さて、味は・・・・。
25度でさえ、自分にはオンザロックできつく感じるし、
いかにも蒸留酒って感じ。
焼酎の仲間って味。
前々から意識はあったんだけど、”the貧乏舌”なのだろう、甘みのあるの焼酎としか思えない。
ラムレーズンのイメージとは大違いだった。
グレープフルーツジュースで割ってみたりしたけど、う〜〜〜ん。
甘めの赤ワインで割ってみたら意外といけたんだけど、ストロング系ワインになった感じだけとも。
とにかく小説としてはとっても面白かった。お酒としては・・・もういいかなと。