SOLITARYの・・・

バイク、車、読書と・・・良いことだけ。

あくまでも”日記”なので!

実は不器用

2017年01月28日 | Weblog
 仕事も趣味もけっこう器用な方。
細かい仕事だし、一応リードギター専門だったし?

不器用なのは他人との関係性だからか?
同じ男でありながらも、イマイチ理解不能だったのは、不器用と自負する、この他人との関係性だったからかも。



盛田隆二 著 「ありふれた魔法」

銀行支店のNo.2の役職、”次長”の智之が、部下の茜と恋仲になり、
会社、家庭にバレて退職。茜とは別れ、家庭も不和に陥る・・・と言う、
言ってみれば単純な不倫の話。

単純なんだけれど、それだけで350頁を飽きさせないで読ませるのは凄いと思う。
ただし、代表作の「夜の果てまで」には読了感も含め全く及ばないと思った。残念!



取り立てて、家庭に不満があるでもなく、妻に対しても色んな意味で不満があるわけでもない。
それでも、茜に恋してしまう智之。
もちろん茜が魅力的なのは文章だけでも十分わかる。

仕事での優秀さとプライベートとのギャップ。
クールさと可愛さ。ツンデレではなく硬さと柔らかさ。
年上女房に対し、一回り以上若くスリムな外見。


家庭も極普通であって、反抗期の子供は当たり前。
病気持ちな末子がいるけど何とかやってる。
妻とも、夫として、男としても問題ない。

なのに・・・?
もし自分なら・・・・。


不満がないなら、いくら魅力的であっても手は出さないだろうって思う。
他の物(もし誰か女性に読まれたら怒られそう)に変えて考えたら?
例えば乗り物。
バイク好きなら、何台も持ってる人は珍しくない。
家に2台あるけどNMAXは完全に通勤+αで実用車であるのに対し、14Rはホビー。
スポーティーなスクーターとスポーティーなツアラーと、少しだけ近いけど完全に別物で、被ってはいない。
それぞれ十分自分という人間を考えて決めたから不満は無い。

だから目移りは完璧にしない。
もちろん車のNDも。
ベストだと思ってるから。


二股三股かけてるすごい器用な有名人もいるけど、ある意味尊敬しちゃう!
本当に気に入った物って1つ。2つ以上あったら、ベストとは言えないのでは?


つか、言い換えれば、2人以上とも付き合える人間って”器用”なんだろうなぁ。
したくても出来ないもん、2人の女を同時に好きでいるなんて。もしかして単細胞なのか?
いやいや、不器用なだけなのだ!
まぁ、その前に完全にモテないからこんな状況ありえないんだけどサ・・・



次長と部下という上下関係から、じわりじわりと接近してゆく2人の関係がとても面白い。
次長と言えども月4万というも小遣いというのが妙にリアルで、
しかも社内恋愛の不倫なので、けっこうリスキーで、読者としては飽きさせない展開。
もちろん絶対的関係を結ぶまでの智之の心の葛藤もリアル。


物語的には、関係を持ってからあまりにも急展開で、
秘密漏洩から退職まで一気に進んでしまうのが残念なんだけど、
メッチャ一般的、想像どうりの結末になるから、とくに面白いことはないのが残念かな。
小説なんだから、想像を裏切って欲しい気もしたんだけど、現実的過ぎる結末。


只々、自分には出来ない、僻みも含めた理解不能と言う、不倫の話だった。

同じような不倫の物語でも、東野幸治の「夜明けの街で」とは全然違う、完全な現実的なのが、
リアリズムの名手と言われるゆえんなのかも。









油圧クラッチ 調整

2017年01月21日 | Weblog
 例年1月の中頃に初詣に行くことにしている。
車やバイクじゃないと、とても不便だから、犬山成田山って。
となると、元日から2週間はもう大混雑で渋滞してる。

がしかし、今年は14,15日と雪が。
数センチの積雪でも、名古屋では大雪警報出ちゃう。
秋田生まれから言わせてもらうと「この程度で警報?なめとんのか?」っ思っちゃう。

でもまぁ、バイクにとっては完全にOUT。
なので、今日行ってきた。
当然?初乗りな、おっきなバイクで。


昨年末のメンテで、深いクラッチをド素人の案で調整してから、初の試乗となった。
往復で50km程。もしも不具合が起きても、バイク屋に引き取ってもらいやすい距離と位置なので。



クラッチレリーズとプッシュロッドの接点に、厚さ0.5mm程のワッシャーを
スペーサーとして挟み込んで、実質プッシュロッドを延長した形にすることによって、
プリロードし、半クラの位置を浅くする算段。
 ドライブスプロケットの軸から7時の方向にプッシュロッドが見えてる。

不具合が発生する場合は、クラッチ滑りが起きてしまう。



で、結果は、明らかに半クラの位置が浅くなった。感覚的には12mm位か?
当然、シフトチェンジ時の握りも浅く済んで、遊びをとる+α程度で軽くチェンジ出来る様になった。

問題はクラッチの滑りが発生してないかどうか?

シフトダウンでは、元々スリッパークラッチがついてるから、試しても解らないので、
確認するのは、加速でのみ。
発進やシフトダウンでの、急加速を何度も試してみたんだけど、
滑ってる感覚は取り敢えずは無かった・・・感じられなかったと言うべきか。

ZZR参号機のZZR1400程ではないが、半クラの位置が浅くなって、とても乗りやすくなった。
それでも、社外品のショートレバーでは完全にクラッチを切るには指を挟んじゃう。(3本で握り、小指が挟まる)

もしかしてこのビレットレバーが合わないのかも。
一応ZZR1400用であっても、ZX-14Rでも使えると書いてあったけどなぁ・・・。


まぁとにかくは、油圧クラッチでも微調節は可能と言う結果になった。

自己責任だからやれるものの、メーカーとしても何らかの調節機構、付けて欲しいよね!


タイトルが!

2017年01月20日 | Weblog
 読み終えた時、感想を書こうか書かないか迷う時がある。
単純に自分の記憶としての記録、感想だから。

この本は迷った末に書かないことにした1冊。
しかし・・・。



小川洋子 著 「やさしい訴え」

一応、主人公は瑠璃子と言う女性。
一応と言うのは、語部としてという意味。
なので、実際は女性2人と男性1人の3人。

夫の浮気から、仮面夫婦となって長い、カリグラフィーのアーチスト、瑠璃子。
とうとう夫からのDVを切掛に、実家の別荘へ逃避した。

そこで、近くに住むチェンバロ製作者の新田、その弟子の薫と出会う。
2人はそれぞれ過去に傷を負っており、
過去に傷を負った3人の付き合いが始まる。

新田に惹かれ始める瑠璃子。
ある日、新田と関係を持ち、より接近するかのように感じるものの、
新田と薫の親密度にはどうしてもかなわない。

やがて夫との協議離婚が決まり、また新たな大きな仕事が舞い込んでくる事によって、
瑠璃子は、夫、新田、薫、別荘を失い、孤独なまま、東京へ帰るところで終わる。
(実は続編があるらしいがまだ入手していない)


新田と薫の様子が言葉少なでありながら、仕事同様に息の合った生活に瑠璃子が敵わないと
悩む姿が痛々しく、瑠璃子の気持ちを知りつつ自分の過去から抜け出せない新田。
そんな新田を静かに見守る薫。

季節外れの別荘地そのままに、静かに静かに物語が進んでゆく。
聞こえるのは自然の音のみ。風、鳥、虫、雨、雪。

とても静かなのに、どんどん引込まれて読んでしまう。
チェンバロというピアノの先祖、儚げな音色が聞こえてくるような文章。
大人の恋愛小説そのものって感じが心地良い。


あまりにも静かに物語が終わるので、感想を書くのを一時は止めてしまったんだけど、
何度か劇中で薫によって演奏された曲、二人と別れの時、瑠璃子が最後にリクエストした曲、
タイトルの「やさしい訴え」を聞いて、やはり書きておくべきと思った。


ラモーのチェンバロの曲「やさしい訴え」の旋律、
もう物語そのまんまの、何とも静かでありながら、切ない感じ。
ピアノだと強弱が出てしまうし、音が豊かなので丸く感じてしまう。
チェンバロだからこその儚げなメロディーがとっても良い。


タイトルが文字の意味ではなく、実は曲の旋律のことだったのでは?
もしそうならこれはもう、唸ってしまう程、秀悦なタイトルだと思う。


CD欲しくなってしまった!
そして速く続編を読まねば!

原点?

2017年01月14日 | Weblog
 年が明けて、もう2週間。
もともとインドア派だった自分が、本来に戻ったような2週間だった。

いくらバイクや車が好きでも、インドアではどうにもならない。
そこへきて、今日はここ名古屋でも朝から大きな雪が断続的に降ってるし。

2017年は完全にインドア派に原点復帰してる。
読書をメインに、映画とか動画を見たり、ギター弾いたり。
通勤用のちっちゃなバイクは良いとして、おっきなバイクや車のバッテリーはヤバイかも。




石田衣良 著 「1ポンドの悲しみ」

そんな訳で、ここ6年位?続いてる読書ブームの原点、石田さんの本を読んだ。
解説に記載があったけど、その原点となった「眠れぬ真珠」より前に書かれた本・・・らしい。

10の短編からなる30代前半の恋愛小説集。
充分大人だから、それなりの恋愛経験をこなしてる年齢層だから、当然がむしゃら感は無い。
かと言って熱くならないわけでもなく、現実と経験と考慮しながら、直面した恋愛に挑む内容。

その内容がまたバラエティーに富んでいて、同じ人が書いたと思えない。
完璧に女性目線だったり、官能小説的だったり、少女的純愛だったり、中年の渋さだったり。


どれもが25P程でありながら、その世界にドップリと引き込まれてしまう。
完璧に1つの物語として完結してる。凄いと思う。



中でもお気に入りは「スローガール」。
完全に遊び人の男が主人公。
特定の相手を持たず、気が向いた時に一晩の遊び相手を探しに、夜の街へ。
そこで出会った、障害を持った?女性。
会話が非常にスローとなる。ゆっくりとしか会話ができない。
外見は綺麗でSexyは恰好なんだけど、スローな会話しか出来ず、子供のように純粋な思考の女性。

1度は単純に帰宅させるものの、翌週また出会ってしまう。
あまりの純粋さに突き放すことも出来ず、気持ちと真逆に、
ただただ純粋にその女性に寄り添ってしまう自分に驚きつつ、気持ちに従っていこうとする。

大人だから、経験を積んだからこその反応に、ほっこりしてしまう。



他にも「誰かのウエディング」。
結婚式場のスタッフの物語。
恋愛の集大成、ピークを祝う式典に関わりながらも、自分の恋愛には逆に全く縁遠くなってしまう、
スタッフの事情があるらしい。
そのスタッフにダメ元で声をかけた招待客の男の物語。

期待してなかった式場スタッフの女性から、電話をもらった主人公。
早速食事に出かけると、思いがけない反応。

女性式場スタッフの仕事が、他人の幸せの頂点を見続ける傍ら、自分には全く無縁な幸せのギャップに
仕事としてのやりがいと1人の女性としてのジレンマに悩む様子がよく解る。
その辛さを知り、安易な気持ちで声をかけた主人公の男は・・・・、ってとこで終わる。


10の物語、終ってしまっても、読者に何かを語りかけてくる。
終わった!次行こうとは思わせない。何かを考えさせられる。

読み終えて、どれだけ長く余韻を残すかが、その本の良し悪しになる気がするなぁ・・って、
改めて気付かされる1冊でした!


昼ドラみたいな

2017年01月09日 | Weblog
 同じ年代の女性作家さんが書いた恋愛小説なのに、どうしてこうも印象が違う?
ストーリー的なものでは無い。

一方はいかにも小説然としており、もう一方は昼ドラの様。
その違和感をずーっと感じたまま読了した。



碧野圭 著 「情事の終わり」


42歳、一般的な主婦であり編集の仕事をしている主人公、奈津子。
反抗期の一人娘と冷めきった関係の夫と義母と暮らしている。

編集部の仕事で、接待として出向いた先の有名作家に気に入られる。
同時にその場で、営業部長で年下の関口とも知り合う。

やがて、重役の娘との既婚者、関口との距離が接近し、また作家からのセクハラの危機に直面し・・・。

関口といるところを夫に見つかりDVに。
どんどん窮地に立たされてゆく奈津子。

そして打ち上げにて、作家によるセクハラ。
見かねて、作家を出版社の社員が殴り倒すという大事件を起こす関口。

未来を2人で始める事を約束し、最後の一時帰宅をした二人だったが、
関口の妻の自殺未遂が発生。


関口の妻と将来、夫や娘の将来を考えて、奈津子の採った行動は・・・。




すべてを1人背負って消えるに至った結末まで、スリリングでとても面白い。
42歳という年齢が、奈津子を理性と感情が大きく揺れ動かす。

また、出版会社の編集者と大物作家という上下関係から、
有無を言わせないセクハラを受け、危機が襲う。

16歳という微妙な年頃の娘の恋愛を見つけ、それに対し無関心な夫。

完全に孤立したように感じた時、42歳のれっきとした大人の女性とは言え、
想いを寄せてくれてる関口に傾くのは当然だろう。

多方から追い詰められた主人公を、7歳年下の既婚者とは言え自分に思いを寄せてくれる男に
救いを求めざる負えない設定が、昔の昼メロ(死語、今は昼ドラ)みたい。
中年女性が読むための少女漫画のよう。


だからと言って、昼ドラのように感じたのはこの設定のせいではない。

なんだろうと考えて出た結論は、
会話文の多さではないか?
メールと同じで、文章では言い回しが解らない。
これが漫画なら表情が。動画なら表情も発声も解る。

だから、会話文が続くとその感情が読めない。
その結果、文章が薄っぺらく感じてしまうんじゃないかな?

大好きな小池真理子さんの小説では、会話文がとっても少ない。
連続することは尚更少なく、1文ごとにその言葉に対する感情が多く表現されてる。
会話の他にもその今いる環境なども事細かく描写していて映像が浮かぶほど。
逆に言うと、動画化された場合、その想像とのギャップにがっかりしてしまう。

「情事の終わり」は奈津子の感情の変異が主な流れで進んでゆく。
そこの環境は問題ではなく、あくまでも感情だけがテーマになってる。
だから。昼ドラのように感じてしまったのかもしれない。


決して、小池真理子さんの本が文学的で優れていて、この碧野圭さんの本がライトノベル的で劣っているといってるわけではな。

それぞれが特色だという感じかな?

また特徴的だったのが、宮下奈都さんの解説。
解説というより、完全に彼女の感想文だと思った。
作家というプロの感想文。
こんな分に書けば
良いテ点数(評価)が貰えたのではなかろうかと思える、見本の様な。

そこにも、女性が書いた恋愛小説を、女性が読んで感想を書いたという、
男の自分には注目しなかった、気付かなかった重要な奈津子の感情が書かれている。


いやー、面白かった!タイトルだけ読んだら官能小説的なのを想像したけど、
情事の情は、恋愛感情の情だといえる。
秀悦なタイトルだよね。
奈津子をを初めて見て、大物作家が書き始めた恋愛小説のタイトルが「情事の終わり」だったのは遊ぶ心だったなかな?




この小説のメインテーマは、この1文に尽きると言い切れると思う。
姿を消した奈津子から関口への手紙から。

「・・・あなたに会って私は始めてどれほど自分が孤独であったを知りました・・・」







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オリジナル 1

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