SOLITARYの・・・

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どこがと言われても

2017年09月05日 | Weblog
 そう大した出来事と言える話題でもない内容なのに、読み終えた後、
「面白かった〜」
って言ってしまう。

これこそ、さすが”直木賞作家”なのかも。




山本文緒 著 「アカペラ」


病気休養の6年間を挟んだ、3作の中編小説なんだけど、
休養明けの2作品がとても面白かった。

特に人生の落ちこぼれで中年男の、20年ぶりの帰郷の物語が面白い。
「ソリチュード」
何処が?感想文を書いて!って言われたら、実は困ってしまうほど何も無い内容なんだけど。

主人公は確かに男で、1人称の語りなのだけれど、
結局その他登場人物たちの物語。つまり彼を取り巻く女たちの物語。

取り巻くと言ってもハーレムではなく、母親を含め元カノの娘、雇い主の女社長などなど。

彼から迷惑を被っている(いた)女性たちの言葉には表されない、それぞれの思惑であり、
女同士には通じても、男には全く読めないテレパシーの様な物が行き来してる、
その微妙な流れがなんとも面白い。

元カノの、女性特有?な現実性と感情がせめぎ合って答えが出せないでいるところや
それを知ってる母親の感情。


男にとっては、実家に帰ってのんびり、のほほんとした時間なんだけど、
周りの女たちは嵐のように感情が行き来してるのに、全く気付かない、この男女の違いが絶妙!


結局のところの結論が保留になったのは正解だと思うけど、是非是非続きが読みたいと思う。



3話目の「ネロリ」
不思議な流れのアラフィフの姉と、病気持ちで働いた経験がないアラフォーの弟の慎ましい暮らしの2人の話。

病院で偶然知り合った19歳の若い女性が絡んで、恋愛感情もない不思議な関係の3人。
唯一の収入源の姉が実質リストラされ、同時に一回り近く年下の男からの求婚に動揺するが・・・。

慎ましやかな生活同様に静かに静かに物語が進んでゆくが、
最後思わぬ秘密が暴露される。
ちょっとしたミステリーのような驚きと共に話が終わるんだけど、これも是非続きが読みたくなる。


山本さんは、唯川さんとカブってしまう印象が自分にはある。
ふと作品名を言われても作者がどっちか解らなくなってしまうような。

2人共大好きな作家さん。復帰した山本さんのこれからの本が楽しみ。








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オリジナル 1

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