SOLITARYの・・・

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あくまでも”日記”なので!

打率1割か?

2016年12月02日 | Weblog
 最初の1〜2冊が面白かったので、まとめ買いした10数冊。
しかし、そのどれもが凡打。
残り2冊となっていた。

どうせつまらないとと思って読んだのがこの本。
10冊目にして、ホームラン級の大当たり!



白石一文 著 「心に龍をちりばめて」

2歳にして施設から養女に貰われてきた、主人公、小柳美帆。
1度捨てられた恋人と、違和感を感じつつも縒りを戻したフリーライター、35歳。

選挙に出るにあたり、体裁を保つために結婚を急かす恋人とその家族。
育ての母親による愛猫への仕打ち。
育ての父親の死に際の言葉。
弟の命の恩人からの「「小柳のためなら、いつでも死ねる」。
そして孤児にになった原因の記憶の覚醒。

自身を取り巻く複雑な環境に1人で向き合って生きてきた主人公は、絶世の美女。
その気になれば、モデル、女優、アナウンサー、何でも成れたと言える程の。



何故か気が進まない結婚に悩んでいるうちに、父親の急病で故郷の九州に帰った美穂は、
弟の恩人で同級生だった、優司と数年ぶりに偶然出会った事から、流れが変わり始める。
背中に龍の彫り物を入れ、やくざになった優司とその後度々会うようになる。

少しずつ少しずつ確実に考え方が変化してゆき、婚約者を断ち切り、
生みの親、育ての親との関係、優司の生い立ちと自分との関係が徐々に解明されてゆく。



最初から他の作品とは一線をなすような、流れるような展開。
読み始めは、1番好きな小池真理子さんの本を読んでるような感じになった。
彼女の場合は、女性らしく?数倍も緻密な描写で、風景、背景、心理状態が描かれて入るのだけれど、
そこは男っぽく?ざっくりとした描写。
まるでヤマハとカワサキのバイクのような(笑)。

非常に美しく、尚且つ知的、冷静な思考で行動しつつも、
随所で女性的な思い切りの良い行動力が魅力的な主人公で、夢中になって読んでしまった。

男と女の人生の違いとは?
一緒に暮らしてても、大きく考え方が異なるってことを考えさせられる。
どう生きるべきか、どう死ぬべきかをも。


小池真理子さんの本を連想しながら読んでいったので、あまりに飛びすぎの急展開で終わるは悪い方向しか想像してなかった。
自信を持って良くない結末だろうと。
小池さんなら絶対的に悲劇の結末だろうから。

しかし想像に反して、ハッピーエンドに終わる。
そこはやはり男の弱さなのではないか?
最後の最後まで冷酷に不幸の積み重ねだけで終わらせる、強い意志はないんだよね。


10冊目にして白石さんの中では、人に勧めたいと言える1冊に出会った。打率1割だね。
いやー面白かった!映画になってたら見てみたいなぁ。



解説では、白石を読む切掛になった「一瞬の光」のアンサー本とあったが、
アンサー等よりは女性版という感じで、証明、解説本ではないかと。


男女関係なく、人を好きになるのは、頭ではなく心なのだという証明。




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オリジナル 1

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