定年ジジイの夕焼け人生

朝日ほどの力強さはなくてもいいが、人生の黄昏期をせめて夕焼けほどに輝いていたい。

裁量労働制と労働生産性

2018-02-28 11:55:24 | Weblog
この所連日、国会では、厚生労働省の用意した裁量労働者の労働時間のデータの真偽に対する議論が白熱化している。

どうも裁量労働制の適用範囲を拡大したい政府の意向を忖度した厚生労働省の役人が、手元のデータを捏ね繰り回して、裁量労働者の方が労働時間が短いという「事実」を作りあげたことが原因のようだが、今回は役人の上手の手が余りにも「雑」だったようだ。

そもそもなぜ政府は裁量労働制の適用範囲を拡大したいのか・・・・・・・
根本的問題は、日本の「労働生産性」の水準が先進国の中でも随分と低いポジションにあると言うことらしい。

ある国の労働生産性とは、その国の労働者一人当たりの生産性のことで、ザット言えば、「GDPを総労働時間」で割った値と言うことらしい。

日本人は勤勉で、夜遅くまで働き、時には休日まで会社に行き、世界一の働き者だと思っていたが、それがなぜ世界的には「生産性」が低いとされるのか?・・・・・・・・単純な疑問を持つ人が多いと思う。

しかし、現実問題として、昨年度のデータで見ただけでも、日本の労働生産性はOECD加盟国35カ国中の21位という位置であるし、最上位国のアイルランド、ルクセンブルクの1/2で、またアメリカの2/3にしかなっておらず、またそのポジションは過去から向上していない。

勿論その国の産業構造の差という最大の違いはあるにしろ、同じ産業を比較した場合でも、日本の値は低いという事実も見逃す訳にはいかない。

なぜ日本の労働生産性はこうまで低いのか。
安倍内閣が醜態をさらけ出した今でも裁量労働制の採用に固執する理由がここにあるようだ。なんとしても日本の労働生産性を改善し、先進国の中の位置をあげ、さらなる国際競争を有利にしたいという思惑からだろう。
まあ、日本経済の世界でのポジションを引き上げようとする努力は、評価すべきかもしれないが、その方法には問題がある。


なぜ日本の労働生産性は低いのだろうか。
いろいろ分析されて、その向上策も提起されているが、どうもその根本的要因に「日本的アプローチ」があるように思う。
「過剰なサービス」、「過剰な品質」に代表される日本の、というより日本人の「性格」からくる要因が大きいような気がする。

「クールジャパン」として外国人から賞賛されている「おもてなし」や、「日本品質」として日本製品の信頼性の高さの裏付けとなっている高品質は全て労働生産性を低下させる要因となる。
我々日本人が良かれと考え、長い期間を掛けて「向上」させてきた「サービスの質」や「製品の信頼性」などという努力そのものが「労働生産性」を押し下げるマイナス要因なのである。

単に裁量労働制の適用範囲を拡大して、物理的に労働時間を下げ、労働生産性をあげようとする試みは、単なる計算上のトリックに終わる可能性が高い。
労働生産性をどうしても高めたいと言うのであれば、我々日本人の特質から来ているサービスの質とか製品品質をどのようにするのかを根本的に議論していく必要があるだろう。

日本人の本質である「質の向上」に対する考え方の議論のような、日本人としてどうよ?という基本を考える必要がある。

世界における日本の労働性生産性をどうするべきかは、単なる計算上の問題ではなく、日本人として何が幸福かにまで考えを及ぼして、将来的共通認識のもと議論を勧めていく必要があると思うのだが・・・・・・・・








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春めく

2018-02-27 08:38:48 | Weblog
「春めく」とは、なんと響きのいい言葉であろう。

今朝は、雲一つない青空が広がり、昨日まで吹いていた「からっ風」もなく、寒さもそれほど感じられない、実に気持ちの良い朝を迎えた。



今年は例年になく寒さがこたえたから、今朝のような春の印があると年甲斐もなく心が弾む。

「春の足音」、「春一番」、「春の息吹」など春を迎える感じの良い言葉が浮かんでくる。

英語でも、
It shows signs of Spring.
It is getting more like Spring day by day.
Spring is just around the corner.
など、やはり春を心待ちする表現がある。

2月もあと2日間だけとなり、すぐに暦上も春になる。
地面が暖められ、虫が這い出てくるといわれる「啓蟄」までもあと1週間。

春よ来い!







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やせ我慢と男の美学

2018-02-13 18:11:40 | Weblog
先日「男の美学」の上手い英語訳がないかとあちこち探したが徒労に終わった。

考えてみれば当たり前のことではあるが、そもそも「男の美学」とはなんぞやとの問に日本語で持ってしても答えに窮してしまう。
女性になくて、男だけが持っていたり、男だけが同調出来る行動とか考え方を言うのだろうが、それは具体的にどのようなものであろうか。

「やせ我慢」が何となくそれに近い行動様式なのかもしれない。

それがその人の行動規範に反すると感じた場合、実際は喉から手が出るほど「欲しいもの」や「したいこと」をぐっと我慢して、どこ吹く風の様をする。
実際はものすごく苦痛だったり、苦しいことに遭遇しても、それを顔に出さず、ぐっと我慢して涼しい顔をしている。

そんな「究極のやせ我慢」を男の美学と称するような気もする。


何のためにそんな我慢をしなくていけないのか?

「あれがほしい」、「あれがしたい」、「苦しくて仕方がない」などと言うことを率直に表明すればいいのに、それをせずぐっと飲み込んで、さもそんな事象には興味ない素振りをする。
そこにそこはかとない快感を覚えるから「我慢」しているのかもしれない。その快感の裏には「他人からの賞賛」を期待している節も無くもないような気もするが。


日本人は何時の頃からそんな「美学」を持ち始めたのだろうか。

太古から日本にあった八百万の神々を敬う精神的背景に、仏教の教えが重ね合わさって、日本人独特の精神的土壌が生まれ、それが基礎になり平安から鎌倉に掛けて、すでに日本人の心には「男の美学」の基礎ができていた様な気がする。

平安から鎌倉にかけて武士という階層がが生まれ、室町末期から戦国時代にかけての過酷な下克上な環境を経て「武士道」という思想が完成していく。

「男の美学」はその過程で形成された社会的に一種の「格好良さ」を伴った「男の思想」であろう。

鎌倉期に書かれた兼好法師の徒然草は、ある意味「男の美学」の走りを書き留めた書であるかもしれない。

武士という身分から隠遁し、物質的欲求とは無縁である出家という立場に身を置き、世の中の出来事を客観的に観察し、ある時は斜めから切り取り、思うがままに書き留めたのが徒然草であろう。

俗世での物欲、出世欲を「やせ我慢し」、それから自分自身を切り離すという「出家」という立場に身を置き、今で言う「断捨離」を徹底的に実行した。



彼は究極の「男の美学」を追求したのだろう。













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プリンター付きインクカートリッジ

2018-02-12 11:21:25 | Weblog


キャノンの「プリンター付きインクカートリッジ」を購入した。
決して「インクカートリッジ付きプリンター」ではない。

もう5年ほど使っているプリンターが、何度インク・ノズル・クリーニングをしても色が全く変になってしまった。
多分カラーのどれか一色のノズルが詰まってしまって、通常のクリーニングではもう手に負えない状態になったのかもしれない。
それともインクタンクのどれかが詰まってしまったのか、いずれにしても従来の方法ではもう復旧できないと思われた。

まあ普段はカラー印刷はほとんどしないのだから、ブラック一色を発色させて使う手もあるだろうが、このプリンターは十分すぎるほど使用したから買い換える時期だろうと思い、AMAZONで物色した。

なんとなんと、下級機種とはいえ、キャノンの新品のプリンターが、しかもインク付きで激安で売られていた。
ip2700というプリンターがインク付きで2、800円と言う信じられない値段だった。

この機種用のブラックのインクカートリッジだけでも多分そのくらいの値段するのだから、全く信じられない程の安価だ。
3色カートリッジも付いての値段だというから、まったくもってどうなっているのか信じられない。


2,800円ならダメ元でもいいかと思い、早速購入のボタンを一昨日ポチンと押したら、もう今朝宅急便でやって来た。
箱から出し、機械をセットして、ドライバーを読み込み、テストするまでほんの30分。何のトラブルも無くきれいな画面が印刷できた。
これでよし!

インク付き2,800円のプリンターが何の問題もなく稼働している。
しかしどこかスッキリしない気分でいる。

安すぎる値段が、スッキリしない気分を醸成しているのだろう。
インク付きプリンターの価格が、インクだけの価格より安いというのは、どういう計算から出てくるのだろうか。


インクジェットプリンターメーカーが、インクを売ることから利益を得ていて、機械の販売の損益は度外視しているビジネスモデルを取っているとはよく聞くことである。

しかし、そういわれてもどこか納得がいかない。
やはり社会の仕組みのどこかが間違っているような気がするが・・・・・・




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マンション建設

2018-02-04 16:02:47 | Weblog

浜松市内にもこれまで随分マンションが建設されてきたが、いまだにその勢いは止まらず、小生の家の前でもこの度高層マンションの建設が始まった。



10年ほど前まで、遠州病院が建っていた空き地にいよいよマンションが立つようで、昨年来基礎工事が忙しい。
先日大きくてものすごい高いクレーンが持ち込まれ、いよいよ工事も本格化するようなので、ちょっと覗いてみた。

建設現場を囲っている塀に建設計画の概要と建設平面図が貼られていたので、興味本位でじっくり見てみた。

小生の部屋から見える敷地の右側に15階建てのマンションが2棟と住民用の高層車庫ができるそうだ。大きな敷地に見合った大規模なものだ。
小生の部屋が12階であるから、ここからの水平線より3階分高いマンションということになる。

写真中に映っている建設用に持ち込まれた巨大なクレーンとほぼ同じ高さになるのだろう。現在見えるすぐ後方の茶色のビルはそっくり視界から消えることになる。



写真中、後方に高層ビルが3棟あるが、真ん中のビルは浜松駅前の30階建てマンションだ。
そのビルに接するように現在30階建てのマンション建設が、目の前の工事と時を同じくして始まっている。完成すればこれも小生の部屋からは林立して見えるビルのひとつになる。

小生がこのマンションに移り住んだ当時は、視界には写真の中の一番高いアクトタワーのみが有っただけだ。

この20年で、視界にある景色だけでこうも変わるのだから、これから先の変化などはどうなることだろう。





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