【COLIN】 2011/03/05公開 イギリス PG12 97分
監督:マーク・プライス
出演:アラステア・カートン、デイジー・エイトケンス、リアンヌ・ペイメン、ケイト・オルダマン
世紀末、余命ゼロの恋人たち…。
スタッフ・キャストはボランティで製作費6000円で撮った自主製作作品の英国産ゾンビ・ホラー。
世界中がゾンビ化した異常事態!!
壊滅的になったロンドンで、ゾンビとなってしまったコリンが、かすかに残る記憶とともに街中をさまよう...というおはなし。
本当にゾンビがさまようだけの話だった...
冒頭のコリンがゾンビ化する前のゾンビとの格闘は面白かったんですが、中途ゾンビ化(まだ記憶が残ってるらしいから)してからは街中をさまよい歩くだけ。出会うゾンビたちは、おなじみスタイルでひたすらぎこちない動きでガウガウ言ってるだけ。それが大勢になるとあの動きには笑っちゃう。それに全くストーリーがなし、あまりゾンビ映画は好んで観るほうではないのでイマイチかと思われた...。
しかし、主人公がゾンビでそちら側からの視点で描かれているので、人間に痛めつけられているのを見ていたら何だかかわいそうで切なくなってしまいましたよ~。普通はゾンビと言えば人間の敵?だったりするけれど、こちらは逆に人間がひどいやつに思えてきてしまうという不思議な感覚...。
主人公をゾンビ化した青年ってところが斬新ですな。てっきりゾンビって死んで動きだすと神経も記憶もないもんだと思ってたけれど、この主人公コリンはまだ記憶はかすかに残ってるし、驚いてほんの一瞬だけどビクッとする(これはツッコミ?)し、冬は息も白い(これもツッコミ?)。ということは、徐々にゾンビ化するのかな。というかコリンはあまりゾンビっぽくなかったけどね、予算の都合?それとも新種のゾンビ??
何が原因で世界中がゾンビ化したのがわからないまま進んでいくんですが、後半でチョロっと原因らしきものが出てくるけれどハッキリわかりませんでした。でも超低予算でここまで撮れるのはすごいのかも。
★★★.3
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というのが一番の驚きでした。
大金出してほいほい作っては世に出しているC級ゾンビ映画に比べたら遥かにレベルは高いですよ。
飛び抜けて目を見張る場面は無いのに、妙に切なくさせるストーリーに泣かせられました。
ブードゥー系が主流だった頃は「自我を奪われ隷属させられる」事に対する恐怖と「死という人生最後の尊厳を冒涜される」事に対する嫌悪感を覚える存在でした。
ジョージAロメロ以降のゾンビは「嘗て同じ人間だったモノに無惨に食い殺される生理的恐怖」と「自らが恐怖の対象と同化する、所謂自我の喪失に対する感覚的恐怖」を前面に押し出し、優れた作品は其処に「社会秩序と常識・良識の崩壊」を紡ぎ出しました。
そして今に至るまでロメロの掌の上から出る事が適わぬままだった訳ですが。
本作の場合稀に有った「ゾンビ化以後」というアイデアをシンプルに描いて成功したと言えると思います。
問題があるとすれば本作はマーク・プライスにとって越える事が困難な壁だと言うところでしょうか。
少なくとも、本作に匹敵する作品を今後も撮り続けて欲しいものです。
ちゃんと映画になってたし。
ゾンビ映画でこんなに切なくなるとは思いもしませんでした~
今までのゾンビ映画とは違いましたね。
なかな斬新なアイデアでしたね。
監督もこれを越えるような作品を撮っていただきたいですね。