como siempre 遊人庵的日常

見たもの聞いたもの、日常の道楽などなどについて、思いつくままつらつら書いていくblogです。

平清盛 第43話「忠と孝のはざまで」

2012-11-05 23:45:22 | 過去作倉庫11~14
 今週のサブタイトルって、予告できいた時点で「はあ???」と全く意味不明であり、すぐ忘れてしまいました。今週も、ラストシーンに至るまでサブタイのことは忘れてて、ってか「なっげーサブタイだな。しかもダサい」と思った程度で、意味までは考えなかったです。
 小姑みたいにうるさいかもしれませんが、大河ドラマのサブタイトルに助詞が3つも入るのは、例外を除いてNGです。全体にこのドラマはサブタイのつけ方がダサいと思います。凝りすぎともいえますが。
 で、今週はとくにひどかった。この忠と孝ってのが、重盛(窪田正孝)が、後白河法皇(松田翔太)への忠心と、父・清盛(松山ケンイチ)への孝行の間にハマっての気苦労のことだったんですが、そういう以前に、重盛がそこまで法皇に忠誠心を抱いているってのが、まず聞いてないですもんね
 てか、そうだったんですか?? わたし毎週見てますけど記憶にないなあ。重盛が涙と鼻水流してもだえるほど、法皇に、海より深い君恩をうけたなんて。それ、いつ??そのあたりの記憶がわたしにあれば、今週の重盛のワンマンショーはなかなかのもんだったでしょうけど、号泣しながら法皇様の御恩が、海より深く紅より赤く藍より青い大恩が、とか言う重盛を見ながら、ひたすら頭ん中?でいっぱいになってるばかりでした。。
 なんか自分の脳を疑って真剣に不安になるのは、このように、記憶にない事柄のことを大真面目に回想して、泣いたり、思い出に浸ったりしてる場面を見る時だったりします。またそういうことがけっこう多い…(ボソ)

 ほんでは今週もこちらから。

大河ドラマ 
「草萌える」 第13話 「愛とカボチャのはざまで」

 いやあもう待った甲斐がありました。ようやく真・大河ドラマ「草萌える」がふさわしい第一歩を踏み出しました。いままで10週以上にわたって、引きこもりの子が部屋からでてくるのを根競べみたいに待っていたので、このようにささやかな一歩でも、なんか大きな前進のように思えてつい感動してしまう私がいます。
 つってもホントにささやかで、前回の話から…そう……時間にしては1、2時間、長くても半日くらいしか経過しておりません。話も、まあ…冷静にみて何も動いておりません。
 前回、「ボクを明日に連れてって!」とまさこちゃん(杏)の足に縋って懇願したスケ様(岡田将生)は、今週はまさこちゃんと一緒に、時政おんじ(遠藤憲一)のところに、「娘さんをボクに下さい」と言いに行くという展開になります。
 すごいわ。引きこもりの子が就職とか社会復帰をすっとばし、いきなり求婚&向こうのお家にご挨拶。大きな一歩とかいうより、非常識ですそれ。当然ながら時政おんじは激怒します。許さない!!と言います。まえに峰竜太の娘としでかした不始末のことはどー考えてるのか、と突っ込みます。
 スケ様が開き直って言うのには、「八重ちゃんのときは、ボクは源氏の出自を捨てるつもりでした。でもマサ子さんのことは、源氏の棟梁の妻としてむかえたい。父ヨシトモのように、関東近辺の武士をまとめて頂に立ち、平家と並び立つ所存です。マサ子さんといっしょに!!!」
 っと、自分の毛並みをアピールしてお父様の名門意識をくすぐりつつ、根拠のない大風呂敷を広げてみせるスケ様。
 そりゃまあ…毛並みが良いのは知ってるけど、それでも10年近く引き籠って実績ゼロの若者だし、いきなり「いまからビッグになるから娘さんをくれ」とか言われてもね。困惑する時政おんじ。すると安達トークロー(塚本高史)が、おもむろに、おんじの家庭菜園のカボチャだか冬瓜だかをひっこぬき、「やせた土地でも時政さまの手にかかればこんなに立派な作物が育つではないですか。その手でスケ様を武家の棟梁に育ててみたいとか思いませんか」と、言葉巧みに勧誘します。
 ってか武家の棟梁をカボチャと一緒くたに論じるトークローもどうかと思います。家庭菜園つくりが上手いから、武家の棟梁も育てられるだろうって、どういう根拠ですかそれ。なのにおんじったら、説得されちゃうのよ。カボチャで。「こんなヒョロヒョロで育ちそこなったようなヘタレ苗は手がかかるだろーけどよ」とか言って。
 そしてみんなであははは…と笑って、「こーして私は北条政子を妻にした」とかのんきに言ってる場合なんですかね。たいへんだよ、このあと。畑のカボチャのよーなわけにはいかないのよ。わかってる、そこのとこ??

 そして遮那王(神木龍之介)。こっちはサクサク。人口に膾炙する通り、鞍馬山をおりて弁慶(青木崇高)をつれて旅立ち、烏帽子親なしで自分で元服して義経と改名します。そこにいたるキーパーソンの一人、金売り吉次は省略です。ってか金売り吉次の存在なしでどーやって「奥州にいきます」っつう流れになるのか、よくわからんが…。
 旅立つ前に義経は、母・常盤(武井咲)に会い、意に染まぬ生き方をする不孝を詫びるのですが、この場面の武井咲ちゃんがすごく綺麗で、立ち居振る舞いも品格が漂っていて、感心しました。「義経」の稲森いずみさんに迫るものがあったかもしれません。義経の神木君とは同じ年くらいだと思うのですけど、ちゃんと親子に見えたしね。
 ここからはふつーに面白い展開になるので、来週からキヨモリ周りの話は半分以下にし、源氏パートの量を増やして展開してもらえないだろうか。今でさえかなり押し気味なんですからね。京本政樹とかどうすんだろ。まさかあの一瞬の出オチだったとか??
 また来週!

平清盛 第43話の部

 今週の見どころ1 
 いやあ、今週最大の見物は、なんといっても成親ちゃん(吉沢悠)の非業の死でしょう。楽しみにしていただけのことはありました。いや、楽しみにした以上の残酷絵で、ちょっとトラウマになりそうなくらいです。
 親友・西光を殺され、じぶんもブタ箱に放り込まれた成親ちゃんは、ガックリと気落ちし、「あちらにつき、こちらにつき、自分は決して落ちぶれないのがわたくしの生き方だと思って…。なのにいつのまにか平家の風下に立ち、こんなことで終わるのは面白くないと思い、つい似合わぬことをしてしまいました」と自己批判。そんな義兄さんを重盛は、「ご安心ください、きっとお助けいたします」と手をにぎって励まします。
 そして父・清盛に熱い助命嘆願をするんですけど、二度までも裏切った成親ちゃんを「許さない。死刑」と断言するキヨモリ。…ってか、キヨモリにどういう権限があって院側近の貴族を自分の胸一つで殺したりできるのでしょう。ヤクザ? まあ、ヤー様とかコーザノストラの類とおもえば、宮廷貴族の皆さんが嫌悪しながらも怯えてアンタッチャブル状態でいる事情も、リアルに想像できますけど。
 そんで、重盛はキヨモリを死刑廃止論で論破します。亡き信西様が死刑を復活させたのは間違ってた、当の本人が死刑で死んだんだし、憎しみの連鎖で社会不安は増すばかりだ。いまこそ英断を発してこの悪循環を断ち切るべきとぞんずるドン!!
 っと、ポリティカリーコレクトなことをいわれたらキヨモリも、私怨で(結局はそれだからね)人をかんたんに処刑するわけにもいかず、成親ちゃんは罪一等を減じ備前に流罪ということになります。経子夫人(高橋愛)と一緒に、慰問の品をいろいろ揃えたりして減刑をよろこぶ重盛でしたが…いやいやこれが、処刑されたほうがはるかにマシだったんですね、成親ちゃんにとっては。
 配流地で、おぞましい汚い家畜小屋に監禁された成親は、そのまま食事を与えられず、1か月で餓死。末期の相は、もう餓鬼そのものでした。この想像を絶する惨劇を仕切ったキヨモリは、「助命しろっつうからしてやった。配流先でどーなっても知ったことではない」と。
 キヨモリの冷酷な態度と、成親の凄惨すぎる末路に、喜界ヶ島の俊寛とか他の人の惨状も代表させたんでしょうけど、せめて俊寛くらいの名前と、島流しのことだけでも織り込んであげたらよかったのにね。それはともかく、小物一代男・成親ちゃんもこれで退場です。吉沢悠さんお疲れ様でした。お若いのにほんとに上手な俳優さんで、しかも出すぎずじつに程がよく、毎回感心していました。次に大河ドラマにお出になるのが楽しみでなりません。なるべく早めに(再来年あたりでもよくてよ)カムバックプリーズ。

みどころ2
 中宮徳子(二階堂ふみ)が待望の懐妊&男児出産。「中宮様にご懐妊のきざし…」と言われた瞬間ダッシュで渡り廊下を走るキヨモリが、アホの子時代に退行したように若いとか。
「ご懐妊のきざし…」のつぎのシーンが「皇子様ご誕生」って…は、早っっ!!とか。
 乙前(松田聖子)がまだ生きてて、でも病床についていたから、さすがに老衰で死ぬのかと思ったら、次回の予告編にもふつうに元気で出ていて、こわいわこの人…。ここまで生きたら最後に壇ノ浦で平家一門の成仏を祈って手を合わせたりしそうでこわい。…とか。
 いろいろ細かいことはありますが、そのへんは、100パーセントどうでもよく、今週は、

みどころ3
…なんと申しましても成親さまのサヨナラ公演&重盛のプレ・サヨナラ公演ということでございまして、みどころは大小たくさんあるんですが、冒頭で申し上げましたように、ここに来るまで重盛の宮中での振る舞いとか、後白河法皇に寵愛されてとか、そういうのがほとんど出てこなかったのは残念だったと思います。あと、やっぱりこの人のことは、清盛んちのヘタレ長男の扱いばっかじゃなく、独立した一家の長として「小松の大臣」などと呼んであげて欲しかったと思います。
 この重盛に限らずですが、ひとをキッチリと年齢なりに成熟させることが、とてもとても下手な脚本の中にあって、重盛はなかなか良かった。といいますのは、この人に限っては登場最初から(子供の頃から)精神年齢がすでに大人であったという(他には盛国がそうなんですけどね)、そーゆー人が何人かいないと、いくらなんでも歴史ドラマの体を成しませんから。

 とにかく、お父ちゃんのやってる怪しげなアタラシキクニヅクリってやつに、ほんとについていけない重盛は、心労のあまり寝込んでしまいます。重盛が寝込んでいる間に、キヨモリは、皇太子の外祖父に成り上がったのを機に、とんでもねえ陰謀に手を染めるんですね。治天の君たる後白河法皇を、六波羅に監禁して政治能力を奪ってしまおうという。
 法皇を拉致してくるために、一家をあげて戦装束に身を固める平家一門。こうなるとほとんどヤクザの出入りと変わりませんが、そんなところに、寝込んでいた重盛が、戦装束も身に着けず、ふらあ~っと入ってくるわけです。そして、
「人間落ち目になると腕力にものを言わせるもんですね、こんな暴力的なことをおっぱじめては、平家の運も傾いたかと思われます」
 みたいなことをいい、父キヨモリに(どうでもいいが高崎のだるま市みたいな恰好だ)青筋を立てさせます。暴力にものを言わせて院御所を襲い、法皇を拉致して監禁するのだという父親に、重盛は、「そうですか。それじゃわたしはこれから手勢を率いて御所にむかい、法皇様をお守りし奉ります」
 このあたりの重盛の病的な目つきとか、その病的な目力で、棟梁の座にすわってる弟の宗盛(石黒英雄)を無言で威嚇してどかすところとか、異様な迫力ですんごい良くてね~、しかも、この痛々しい病人の言ってることのほうが、誰が見ても正常で常識的である、というところがさらに痛々しさを増していたりなんかして、ほんとにこのシーンの重盛は良かったわ…。ドラマ全編のなかでも白眉と思いました。
 なので、
「忠ならんと欲すれば孝ならず、孝ならんと欲すれば忠ならず 嗚呼…」
 とか言って重盛が、涙ばかりか涎と鼻水まで流して号泣するのが…「なんで??」と思ってしまうのが、ホント残念なんですよね。残念でしょうがない。だからさ、前からしつこく言ってんだよわたしは。

 大河ドラマの伏線ってのは、どーでもいい個人的な過去の傷とかトラウマとか、そんなことではなくて、ある人間関係が歴史の中で的に後々どう動くかということを俯瞰して張ってください。

 あと、こんなこと言いたくないけど、大河ドラマの男優の泣き演技ね、ここぞという場面で、こういう無防備なグダグダ泣きってのは、誰が流行らせたもんなのかね。妻夫木聡かなあ(ぷぷっ)。
 なんか十八番グダグダ泣きも、われもわれもと競うようにやられると、あーまた見ちゃったよこれ、とか思って、スッコーンと白けるんだよね。あれはもう福山雅治のあたりで、こういうのは勘弁してとか思っちゃってるからさ。もうこういう場面に素直に感動できる体じゃないのわたし
 いえ、個人的な願望ですけどね…。感動してるかたには申し訳ないですが、できれば、このかくし芸は重盛にだけはやらせないでほしかった…。

 来週は、餓死した成親さまソックリの死相で旅立つ重盛のサヨナラ公演です。皆様ハンカチを用意して見ましょう。
 それにしてもやっぱりサブタイがダサい…だいじょぶかな…。また来週っっ!


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