「暮らしの菓音」レポ・２

「これだけのお菓子とジャム一人で作って、準備大変だったでしょう～」とことあるごとに言われた。
が、一週間前は「あとはお菓子作るだけ～」という感じでとても気がラクだった。
やるべきことはやった。ここまで来たらあとはお菓子を作るだけ。
直前にどれだけ自分自身パニックに陥るだろうか…と思っていたが、
残った時間の限りを知ると出来ることの限度も見える。「もっと。もっと。」と思ってもあきらめがつく。

気分的には７月の方がずっと大変だった。
やると決めたらやらねばならない。でも何をどうすればいいのかつかめない。
自分が何を分かってないかが分からない。
何をしたくて、それを実現するには何をすべきなのかが分からない。
何か５年前に菓子工房をつくると決めた時と似てるな～。
「あ～～あ～」が口癖になっていた７月。
あ～あ～、こんな時気軽に相談できる友達が全然いないんだよな～
ほんと孤独でネクラでひきこもりでやっぱり駄目な人間かも～
梅雨はからりと明けたというのに、私はどんよりどよ～んとよどんでいた。

そんな時に私の話を聞いて下さったのが、掛川市で雑貨店を営むアンジュールさん。
袋井市の古刹、法多山で年２回行われているコトコト市を共同主催されている方。
今や一大イベントと化したコトコト市。
運営のことや人手のこと、普通はなかなか聞くに聞けない必要経費のこと。
こちらの聞きたいこと、ぐだぐだとした質問に率直にご返答下さった。
ああそうか。私が何で不安に苛まされていたか。
手伝いを申し出てくれる友達がいないというわけではないのだ。
「分かっている人＝経験のある人」に「私が分かっていないこと」を教えてほしかったのだ。



「手伝うから何でも言ってね。何なら前日の搬入準備にも行けるから」
と、アンジュールさんがお申し出下さった時点で、当日スタッフとしてのお手伝いをお願いしている人は４人いた。
そうそう。私は手伝いを申し出てくれたありがたい方々に、誰に何をどうやってもらうようにお願いすればいいかが分かっていなかった。
その点はこちらも「初めて」ということとなると仕方ないところがあるが
何せアンジュールさんは７回もコトコト市を「主催する側」に立ってこられた。
こちらが指示をしなくても、ご自分でやるべきことが分かる方。
そんな方にご協力頂けるなんて願ってもないこと。
でもコトコト市実行委員長のアンジュールさんに手伝ってもらうなんてあまりにおこがましい！？
と思ったりしたけれど、意固地な考えは葬ってお言葉に甘えさせて頂くことにした。
それにしてもこういう立場に立ってみると、就職の面接とかで「経験者」を欲する気持ちがよく分かる。
指示を出さなくても自分の判断で的確に動いてくれる人。
そんな人はどんな社会へ行ってもきっと引く手あまただ。指示を出す方に余裕が無ければなおさら。



今さらだが、アンジュールさんは食器がメインの雑貨屋さん。
「お菓子を盛りつけるお皿とかカゴとか、必要なものあったら貸すよ～」
のお言葉に甘え乗じて、お菓子とジャムのディスプレイをお願いした。
ディスプレイ、それは私の最も不得手とするところ。
お菓子屋や雑貨屋に限らず例えば本屋さんなんかでも、並べ方を変えただけで売れ行きが全く違うことがあるという。
車から降ろした箱詰めのジャムを次々と手際よく並べて下さった。




アンジュールさんが持ってきて下さった什器がＳジャムサイズにぴったり！かわいい～
「見せる」ことは「魅せる」ことだと、こういうディスプレイを目にするとつくづく思う。



今回販売したジャム・マーマレードは合計２６種類。
その中でも数が多いのとわずかなのといろいろ。
それをずらり整列させ、ストックの分も分かりやすいように縦横に並べて下さった。
完全におまかせ状態。
アンジュールさんには前日・そして当日も朝から大変お世話になり、感謝し尽くせないほどです。
本当にありがとうございました。

掛川市の雑貨店、アンジュールさんのサイトは → こちら。　ブログは → こちら。