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暮らしの菓音vol.7 サービススイーツ

※現在、お菓子のご注文たて込んでおります。
 暮らしの菓音vol.7のレポ続きは、思い出日記のように手が空いた時ぼちぼちアップします~ゴメンナサイ。


はるか大昔の若かりし頃、自転車で北海道ツーリングをしたことがある。
丸1カ月の旅。その時に自転車での峠越えを三回ほど経験した。
4時間かけて登り、頂上からの下りはペダルをこぐこともなくぶっ飛ばして30分。
夏の暑さと延々続く坂道、死ぬ思いで上った汗水だらだらの4時間、
それと180度真逆な下りは、車を追い抜くスピードで頬をかわす風を受けての爽快な30分。
これをしのぐ爽快さにはいまだ出会ったことが無い。

コトコト市から菓音7まで、10月28日から11月3日までは
自転車での峠越えの下り道のように、あっという間の爽快な時間だった。
ここまでくればあとは予定していたことを毎日粛々と時間通りにこなすだけ。
わき目をふってる無駄な時間は寸分も無い。
苦虫噛みつぶすようなしんどい思いを味わったのは頂上へ達する登り道のみ。
下り道はただひたすらに爽快、叫びたいほど気持ちいい、それだけだった。



最もしんどかったのは9月。
ネガティブ人間の常で「誰も来なかったらどうしよう~~~」と、
実際スタッフだけでも数人いるんだから誰一人としていないということはありえんだろう。
という現実から離れた疑惑にさいなまされていた時期、
今ふり返れば「ふふふ」と笑えるけれど、あの頃はマジで必死であった。

9月上旬は果物加工が重なって忙しかったこともあり、ネガティブモードに拍車をかけた。
8月末から9月上旬にかけては長野の山ほおずきの収穫がピーク。
私は長野県旧鬼無里村に果樹畑を借りているが、
その畑の地主さんが地元の方達と栽培グループを作って
昔から鬼無里に生えてた自生種の食用ほおずきの種採取・栽培育成に取り組んでおられる。
栽培始められた当初から、地元長野の食品メーカーさんに買い取って頂いていたが
今年は50kgの生ほおずきを、ジャムの原材料として杜屋でも買わせて頂くことにした。

生の食用ほおずきはまるで南国のトロピカルフルーツのような甘い香り。
一粒1gに満たないほどのその果実が10kg詰まった箱は
まさに香水のような、置いておくだけで芳醇な香りを放っていた。
うちの銅鍋で煮ることの出来る量をせっせこくり返ること18回。
1鍋煮るのに1時間、瓶詰め煮沸後始末にさらに1時間。

このほおずきジャムはそもそも長野善光寺前の老舗家具店「松葉屋」さんで
ギャッベ展示会期間中の景品としてご活用のお話を頂いていたのだが
予想よりもたくさん作ることが出来たので、これはいい機会だから
3日の菓音7のスイーツ用に活用出来ないかなと思い立った。



山ほおずきジャムを乗せたカップ入りレアチーズケーキ。
レモン汁ではなく季節の生かぼす果汁と皮で酸味と香りをプラスした。
テーブルのない座席で片手で食べられる上にぼろぼろ床にこぼしたりしないもの。
酒のつまみで言えば「フィンガーフード」のような、ワンハンドで食べることが出来るスイーツが理想であった。
カップスイーツにするなら片手でスプーン、
もう片手で器を持つと両手を使わないと食べられないだろう。と思ったが、
去年のライブ時に作ったブラックベリーのチーズケーキや黄金桃ジャムのロールケーキだって
カット個包装したんだから、袋口のテープひとつ剥がすのだって両手使わないとムリだろう。
だったら最初から両手使って食べる個容器に作るスイーツでもありでは。
と、例によって自分で自分に言い聞かせた。



卵黄と生クリームの配合の多いレアチーズ生地だったので
演奏終了後に「あのプリンお土産用に買えますか」というお客様もいらした。
卵黄と牛乳で作ったアングレーズソースをクリームチーズとヨーグルトに混ぜて
柔らかめに泡立てた生クリームを加える作り方だったので確かにチーズ風味のプリンと言えなくもなかった。
ちなみに生クリームは静岡県の誇る伊豆半島付け根、丹奈の純生クリーム使用。これはホントおいしい。
今回サービススイーツ用に使ったクリームチーズと生クリーム総量は合計3,200g。
予約していた生クリームの量だけは足りなくて、急きょ買い足して間に合った。
しかし単にレアチーズ生地にほおずきジャムをトッピングしただけではもう一味物足りない。
そして前日2日にふとひらめいた。
干しりんごのケーキに使うアーモンドクランブルを空焼きして
ほおずきジャムの上にトッピングすればいいかも?と。

ほんのひと口。お腹の足しになる程の量もない。
そんなささやかな甘味がライブ前の「心の潤滑油」になればいいなと。
11月1日、神戸を発った演奏者さん達が磐田に着いた夜は
やっとほおずきレアチーズケーキ作りに取りかかった頃であった。
お客様・スタッフさん・演奏者さん分としてその数90個越。
一度に全部作りきれず残りは次の日に。

コメント ( 2 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
おいしそう (hafsia)
2012-11-29 12:50:38
なんかものすごくおいしそうです。
こういう食べ方ありですね~

注文の件、ありがとうございました。
そして再度の注文、すみません。急いでませんのでよろしくお願いします。
 
 
 
hafsiaさま ()
2012-12-13 13:23:40
ものすごくお返事遅くなっちゃってスミマセン。
先日はたくさんありがとうございました!

ジャムは下処理済みの果物素材として
チーズケーキにトッピングしたり中に焼き込んだり
ロールケーキの中に入れたり
いろいろバリエーションも楽しめます。
マーマレードはお湯割りにしたり。
ご自分でもぜひお試しになってみて下さいね。
 
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