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暮らしの菓音レポvol.10 福田小学校演奏会

何の因果か、今年度私はうちの近所の福田小学校で「学校協議会委員」なるものを仰せつかっている。
年に3回校長室に伺い、他の役員さんや校長先生、教頭先生と学校運営について話し合う。

学校協議会委員は、市の教育委員会から任命されたいわば第三者のボランティアご意見番。
元小学校の校長先生とか地元保育園の園長先生とか私塾をやってる方とかそうそうたる方々なのに、
何でしがないお菓子屋の私が?こういう役員って年輩の男性の方が多いんじゃないんですか?
そんな中で意見言うのなんてヤダヤダー緊張するー
「私、人前で意見を言ったり話をすることって苦手なので~」…いいオトナのくせにそれもどうか。
「私、地元出身の人間ではないですし~」…もう11年もこの町に住んでるけど。
「私、子供いないですし~」…実は子供ニガテなので~とまでは言わなかった。
「学校協議会委員は男性と女性半々ですし、新しい風を入れようという話になりまして」
むむむ。断る理由も見つからない。

2011年に初めてドルチェ倉庫でジャズピアニカライブを行った神戸のトミーピアニカソウルの皆さん。
2012年秋には、福田中学校体育館で全校生徒さん対象の演奏会が行われた。
そして2013年11月1日は、福田小学校芸術鑑賞会で全校生徒さん対象の演奏会。
福田中学校の教頭先生が2012年から福田小学校の教頭先生に赴任されたということもあり、
またドルチェ倉庫でピアニカライブを聴かれたご近所さんのお子さんの担任の先生が
福田小学校の音楽担当の先生で、芸術鑑賞会企画担当だった、という妙なるご縁もあり
とんとんとん、と、福田小学校での演奏会が実現に至った。人の縁の力なり。



我が町、磐田市立福田小学校は合併して広大となった磐田市内の小学校で最も生徒数が多いと知って驚いた。
えーーこの田舎町にそんなに子供がいるの??それでも年々減ってきてるんですけどね~とのこと。
小学校校舎も3つ位建物があり、いまだに学校案内地図を確認しないと入った玄関から出られない。



福田小学校演奏会は、午前中に123年の低学年の部、午後に456年の高学年の部と2回に分けて行われた。
保護者鑑賞は無かったが「学校協議会委員のモリヤですけど~~」と、ここぞとばかりに言いはって
体育館すみっこに侵入し、低学年の部を見学させて頂いた。

特筆すべきは、ここ福田小学校の生徒さんの元気の良さと素直さ。
今どきのコドモなのに全然ひねてない!勢い余る位の明るい元気がみなぎってる!
トミーさんの質問に対し全く臆することなくハーイハーイと上がるたくさんの手。
恥ずかしいとか答えが間違ってたらヤダとか、そんなネガティブな雰囲気のカケラもない。

そしてまた、トミーさんの子供に対する話し方、興味の引きつけ方が素晴らしい。
音の色や形の話、トミーさんの巧みな話術に対する子供達のリアクションが
あまりにもダイレクトでこれは後ろから眺めていてとてもおもしろかった。
前年の福田中学校での演奏会は、保護者も鑑賞可ということもあり
巨大な体育館で「大人しく静かに聴かなければならない」というシーンとした雰囲気で
相手は中学生だし、それはそれでいい音楽会だったのだけど、
ステージと近い小学生のこのリアルな反応とライブ感。子供ってこんなにおもしろいんだーと率直に思った。
  

やはり、小学生は現役でピアニカやってるという要素も大きいかもしれない。
小学生が使うピアニカでの「カエルのうた」三重奏から始まり
トミーさんオリジナルの木のピアニカと比較しながらのお話なども。
後日校長先生が
「トミーさんの子供達に対する説明の仕方が素晴らしかった、我々教師も見習わなければと思いました」
とおっしゃっていたけれど、これはホント、単なる音楽鑑賞会に留まらず
講演会でもあり吹き方や音の違いの聴き比べ、目で音を観る体験会でもあると思った。

もうひとつ、先生方の後日談。
村尾さんのドラムに対するノリというか躍動するリズムに対する子供達のリアクションの良さは、
この町のお祭りにあるのではと。
毎年10月には町のお祭りがあり、地元人ではない私には理解し難いほど
地元の人達はこのお祭りにエネルギーを注ぐ。
就職や進学で県外に出た人もお祭りの時期には必ず帰省するというほどで、
ある意味同窓会と化しているところもあり、正直他県人にはなじみ難いのだが、
このお祭りには決まったお囃子がある。引き回す屋台の中で奏でられる太鼓と笛のお囃子。
お祭りのずっと前から方々の公民館で練習が繰り返され、そのお囃子を聴くと他県人の私さえ気持ちが高ぶる。
この町で生まれ育った子供達は、祭りを愛する親達によって生まれた時からお囃子になじんでる子が多い。
そういう太鼓の音に対する境遇の違いって大きいよな~と、先生のお話を頷きながら伺った。

それにしても、低学年ってやっぱりちっちゃいな~
こんな小さいのによく1時間も体育座りで立ったり暴れたりしないでおとなしく聴いてるもんだな~
と感心しながら眺めていた。30分ほど過ぎる頃からお尻がむずむずしがちな子が出てきたけど
とりあえず最後までみんな乱れることなく、入退場までもばっちり。
ひとりひとり自分のマイ座布団を持参してたのはナイスアイディア。
冷たい体育館の床にそのまま座るだけでも酷なことだし。

今だから言える話。
トミーさんの演奏会の数カ月前に、某有名音楽家さんの音楽鑑賞会が同じこの体育館で開催されたそうだ。
私は実際聴きに行ってないのでまた聞きした話だけど。
とてもいい演奏をして下さったのだけど、やはりクラシックの名曲が多かった故か
途中飽きてしまった子が出てきて「おしっこ!」とトイレに駆け込んだりする子も続出し
か~な~り~場が乱れてしまったというウワサを現場にいた保護者さんから耳にした。
他に誇るべき福田小学校の「元気で素直な子供達」。
裏を返せば「我が意のままに行動する子供達」となるか?
トミーさんの演奏会の時もまたそんな大わらわな状況になったりして、、、
まぁトミーさんは全国各地での小学校演奏経験を豊富にお持ちだから大丈夫だと思うけど、、、
特に低学年の部の演奏会、大丈夫かな~~、、、
そんな事前の不安はどこへやらというほど、先生方も我々も誰もが賛辞を送った演奏会に終わった。

後日、先生方からお話伺った。
「いい音楽をきちんとした態度で聴くことが出来るようになった子供達の姿勢にも感動した」
前回の時の反省も活かして、今度はちゃんと聴けるようにいい音楽会になるようにと、
先生方もこと細やかに気を配られたそうだ。
経験して、反省して、そして良くなる。
こういうことの積み重ねが、小学校の現場そのものなのだろう。
1年ごとにぐぐっと育つ小学生。1年生と6年生は子供と大人ほど違う。
日々相対する先生のご苦労は計り知れないけれど、
傍から眺めている分には小学生もなかなか楽しいな~と素朴に思った。

福田小学校芸術鑑賞会で演奏されたトミーさんのWEBは→こちら。

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