創価学会・公明党が日本を亡ぼす

  政教一体で憲法(20条・89条)違反だ!-打首獄門・所払い(=解散)せよ!

しんぶん赤旗の戦い③-6

2016-03-31 10:08:43 | Weblog

 (政教一体)公明党・創価学会 政権参加を問う③ しんぶん赤旗・特別取材班
               新日本出版社  750-  2000/4
    -------(P50)--以下、本文--

“選挙で有利”の打算で他宗に接近
 立正佼成会開祖の葬儀参列だけではありません。政権入り後の公明党、創価学会の動きは活発です。
 昨年(一九九九年)十月、公明党の衆参議員が突然、全日本仏教会(全日仏)や新日本宗教団体連合会(新宗連)、神社本庁などを訪問。「従来心ならずも疎遠になっておりました」と、“対話”を求める文書を提出しました。

◆政権党を背景に対話の強要では
 今年(二〇〇〇年)一月十四日には冬柴鉄三・公明党幹事長が、真宗大谷派から離脱し同派と対立関係にある大谷光紹「東京本願寺」住職の告別式に参列。神崎武法同党代表も弔電を送りました。
 立正佼成会、新宗連、全日仏、神社本庁はいずれも「従来心ならずも」どころか、創価学会の“邪宗撲滅”の対象にされてきた団体。今回の自自公連立には反対・異議を公式に表明しています。
 それだけに「真意をはかりかねる。当方からは何も話すことはないと申し上げると、文書を置いていった」と全日仏事務局。新宗連も同様、団体関係者の間には「政権党を背にした対話の強要ではないか」という声も出ました。
「学会員時代は邪宗撲滅の使命感に燃えていた」というのは、北海道で教学面の指導的立場にいた元学会員。宗派を問わず、手当たり次第に寺に乗り込み、住職らに“教義論争”をいどんだといいます。「こちらのぺースに引き込み、屈服するまで執拗に。いま思うと、ひどいことをしたものだ」と。
「うちの檀家でも『邪宗だからやめろ』とおじいさんの代からの仏壇を持ち去られるということがあった。折伏されてノイローゼになった住職も出た。まるであらしのように吹き荒れた」と話すのは、真宗大谷派乗願寺(東京・葛飾区)の鈴木徹衆住職。
 その鈴木住職のところにも、九八年あたりから創価学会の地元幹部が訪れるようになっています。鈴木氏は「選挙が近づくと、『まあ、いろいろあってきついことをやりましたけれど、よろしく』といいにくる。本当に姿勢を転換したのか。しょせん、政治的なジェスチヤーで、連立のなかでさらに基盤を広げようとしているだけではないのか」と疑問を呈します。

◆現役の学会員も方針の変化に疑問
 創価学会はいま、日蓮正宗などにたいする邪宗攻撃を展開する一方、地域での「友好拡大」運動をすすめています。地域の神社の祭礼参加も解禁しました。
 東京都内に住む現役学会員のHさんはいいます。
「昔、座談会でなにげなく『京都に観光にいって、古いお寺をみてきたよ』といったら、『そんな邪教のところにいって!』とえらい剣幕で怒られてねえ」。神社に初詣でにいった時も同様。それだけに突然の方針の変化に疑問をつのらせました。
 これにたいする地区本部役員の説明は「選挙で有利になるから」でした。地域の自治会の役員から、「あなたのとこ(学会)は選挙の時にはくるけど、普段は何もしない」とたびたびいわれ、「地域でつながっておかないと、選挙の時に困る」という説明。
「内部では邪教といいながら結局、選挙のためなのか」
「選挙のために」という理由が納得いかないとさん。Hさんの地域では半数の学会員が座談会の帰りに、同様の不満を口にするようになっています。
       --------------------
“選挙戦が復讐の場だ”
 昨年(一九九九年)夏の創価学会本部幹部会で指導した、池田大作名誉会長の録音テープがあります。しかりつけるような大音声です。

  ◆悪ばと攻撃の「自由座談会」
「邪悪に対し、もえたぎる敵がい心を」「『獅子王の心(ひるまず全力でたたかう心)』を持てない者は仏にならない! いくら信卯しても! 臆病者は(仏にならない)--これが仏法の心髄です。いいですか!」
 会場からいっせいに「ハイッ」という声-- 。
「自自公」が成立した九九年来、池田氏をはじめ創価学会幹部の声高な指導が、際立っています。
「聖教新聞」が九九年十月七日付から続けている長期連載「自由座談会」はその典型。
「創価学会創立七十周年記念」で、「歴史と展望を語る」(第一部)、「『新・宗教革命』を語る」(第二部)というものの、その内容の大半は、阿部日顕・日蓮正宗法主、山崎正友・元創価学会顧問弁護士、竹入義勝・元公明党委員長らへの悪罵倒攻撃です。
 例えばこんな調子です。
「あいつ(竹入氏)は昔から、ずるい男なんだ。学歴詐称で盗み取った薄汚い勲章に、未練たらしく、しがみついている。社会常識もない、恥も、外聞もない、ゲスのなかのゲス野郎なんだよ!」
「本当に悪い野郎だ!恩知らずの、犬畜生以下だ!」
「畜生根性にかけては、竹入以上の夜叉女房!」
「こんな下劣、虚栄、素姓不明の一家なんて見たことも聞いたこともない」
 こういった会話が、秋谷栄之助会長、和泉覚・最高指導会議議長、辻武寿・参議会会長や婦人部長、総合青年部長ら幹部で、延々と続けられているのです。
「『池田先生にそむくと、ここまでやる』という見せしめ」と語るのは、創価学会元本部職員。「『敵』とどうたたかうか、古い幹部も踏み絵をふまされる」とも。
 連載は竹人攻撃のあまり、公明党・創価学会の「一体」ぶりもさらけ出しています。
「池田先生のおかげで、貧乏で学問のない、一労働者であった竹入が、代議士になり、委員長になり……もう、最、最大に、学会に、そして池田先生に、一生、恩を返そうというのが普通の人間の心ではないか」「何と恥知らず!」
「池田先生のおかげ」でなった党委員長。その「恩を忘れる」と、こうなるのです。

◆内心うんざりの学会員も
  日顕法主や山崎元顧問弁護士にたいする攻撃は、何倍も激しい。
「日顕宗(日蓮正宗のこと)は悪らつな“供養泥棒”」「信徒の“生き血”をすする」「金の亡蛇」「魔物の住み家」「遊蕩法主」「畜生」「嫉妬魔」「色魔」……
 こんな言葉が連日掲載され、「内心うんざりしている」学会員もいます。
 創価学会元本部職員は指摘します。
「日蓮正宗から破門された影響は深刻で、自自公連立も不評だ。この危機を突破するため、いま『魔との戦い』を異常なほど強調している。そして、選挙に勝つことが『魔』、つまり、『日顕宗』や竹入氏らに勝ち、『正義』を示すことだ、と会員をかりたてる。政教分離も何もない。選挙戦が創価学会の“復讐”の場なんだ」
       ---------(55P)-------つづく--

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しんぶん赤旗の戦い③-5

2016-03-31 09:23:46 | Weblog

 (政教一体)公明党・創価学会 政権参加を問う③ しんぶん赤旗・特別取材班
               新日本出版社  750-  2000/4
    -------(P44)--以下、本文--

“邪宗撲滅”の系譜
批判僧侶には暴力、脅し、盗聴
 日蓮正宗(阿部日顕法主)にたいする創価学会のあまりに異常な攻撃--。それはもはや宗教上の争いをこえて社会問題となつています。
 いったい、その背景には何があるのでしょうか。
「この系譜をたどつていくと、創価学会がかかえる根本問題につきあたる」
 宗教学者の七里和乗さんはそう指摘します。

◆日蓮正宗の“看板”を利用
 日蓮正宗は、日蓮の六人の有力な弟子の一人、日興がおこした宗派、静岡県富士宮市の大石寺を総本山として七百年余の歴史を持っています。
 他方、創価学会は「日蓮正宗の教義にもとづき、弘教および儀式を行」う(創価学会規則)という日蓮正宗の信徒団体。通常、信徒団体が信仰する宗教法人と別の宗教法人をつくることはありません。
 が、創価学会は日蓮正宗の反対をおしきって、一九五二年八月に東京都から独自に宗教法人の認証をえました。
 七里氏はいいます。
「創価学会は日蓮正宗の看板のもとで大きくなり、池田大作氏(現名誉会長)の『絶対化』をすすめた。しかし、「池田教』では反発もある。 日蓮正宗の看板を思うように使いたい。そこで宗門に寺や建物を寄進して引きつける一方で、僧侶の批判には暴力や脅し、盗聴などの謀略手段を使つて圧力をかけてきた」
 教義上、法主だけが書き写すことができる「御本尊」を、創価学会が「模刻」していたこともわかりました。
 創価学会の暴力的な抑圧体質を示した例が、七七年に起きた一連の僧侶つるし上げ事件。批判的な僧侶を創価学会本部によびつけ、最高幹部が脅しつけたのです。僧侶たちはその実態を機関紙で明らかにしました。

◆“反省”したのもしばらくの間……
 --下着も替えて、死地におもむく決意で学会本部へ出頭した。二人(創価学会の青年部長、男子部長)が「詫び状」に目をとおす。わざと投げ返す。「おまえはなんだ! 学会にたいして感謝しているのか……そこに手をついて土下座して感謝しろ!」
 --二月十二日に約九時間、さんざんつるし上げられ、十二時近くなつて「詫び状を書け!」「書くまで帰さん!」といわれた。十四日には学会本部で五時間半もせめられた。
 秋谷副会長(現会長)が「二度とこんなことをしたらただじやおきませんよ」といった。
 当時、創価学会本部で活動していたAさんは、そんな光景に心が痛んだ、といいます。
「幹部が何時間もどなりつける。あまりひどいので、『あれで相手が心から非を認めると思いますか』と疑問をぶつけたこともある」
「教義をめぐる争いは、外部から介入すべき性格のものではない。しかし、その場合でも反社会的行為は許されない。信教の自由という点からも重大問題だ」と七里和乗氏は指摘します。
「第一次宗門戦争」とよばれたこの争い。ついに池田氏の創価学会会長と法華講総講頭の辞任(七九年四月)へと発展しました。
 しかし、池田氏が「一切の責任をとらせていただく」と反省みしたのもしばらくの間。この間、学会批判派僧侶の「正信会」と宗門との対立もありましたが、宗門内の学会批判はさらに広がり、争いが激化(第二次宗門戦争)。ついに日蓮正宗は創価学会に解散勧告のうえ、破鬥通告(九一年)したのです。
       ----------------
謀咯手法で他教団の内部攪乱
  一九七三年八月、東京,杉並区和田の立正佼成会本部周辺は騒然となりました。
 街宣車が大聖堂をとり囲み、「立正佼成会幹部を告発する」ビラを配る……。同年七月二十二日、新宿区の日本青年館に約七十人が集まって結成した「明日の佼成会を守る会」の宣伝行動でした。

◆「造反」ダループメンバーの告白
「守る会」代表は立正佼成会責任役員もつとめた元幹部の一入。「最近の立正佼成会のあり方は、中枢部に腐敗堕落がおこり、金もうけ主義に走り……信者を悲しませております」(大会宣言)とし、腐敗の一掃、世襲と専制の打破、政治家に利用されるな--など五つのスローガンを掲げました。
 大教団の内部造反。
 ところが数力月後、「守る会」は雲散霧消します。いったい『守る会」とは何だったのか--。
 当時、宗教専門紙編集長だった宗教評論家の清水雅人氏は、当初から不審を感じていたといいます。「佼成会の内部造反のはずが、発会式では元創価学会員グループのメンバーが中心的役割を果たしていた」から。
 このグループは創価学会退転者(脱会者)の組織。当時、学会批判の活動をしていました。
 そのメンバ-がなぜ--。
 後日、清水氏はそのメンバーから告白されます。「実は(個人的に)学会の謀略部隊とつながり、資金提供もうけていた」という内容だったといいます。
  清水氏はその後、創価学会側関係者(当時)からもその事実をたしかめています。同関係者も退転者グープメンバーの一部の「買収」「懐柔」をしたことや、当時、機関誌で立正佼成会批判キャンべーンを展開した「日本宗教放送協会」にも創価学会員が関与していたことを認めたといいます。--「守る会」とは結局、創価学会が仕組んだ内部攪乱工作の一つだったというのです。

◆“猛然とおそえ”池田会長が号令
 創価学会の“邪宗撲滅”攻撃の歴史は古い。
 戸田城聖第二代会長は、五二年、「東の佼成、西の天理を討て」と指示しました。
 六〇年、第三代会長となった池田大作氏は就任あいさつで、「敵は邪宗教です。……恩師戸田城聖先生の邪宗撲滅の大精神を精神として今ふたたび門下生一同は、邪宗撲滅に猛然とおそいかかっていきたい」(『会長講演集」第一卷)と号令しました。
  立正佼成会にたいする謀略的分裂工作も、その戦略のうえにありました。
  時代は移って九九年十月、杉並の立正佼成会大聖堂。故庭野日敬開祖の葬儀に創価学会の西口浩副会長ら三人、公明党の鶴岡洋副代表と河上覃雄衆院議員(党団体渉外委員長=創価学会本部で“情報収集”部門の元メンバー)が参列しました。
 創価学会としてはきわめて異例の行動です。しかも相手が“撲滅”しょうとまでした立正佼成会-- 。
 葬儀取材中の報道陣におどろきの声が上がり、佼成会広報担当者も「全然開いていない」と、記帳簿の確認に走ったほど。
 佼成会分裂工作の一部始終を取材してきた清水氏(前出)は、こういいます。
「謀略工作の総括も、清算もまったくないまま、このような行動をとること自体常識では考えられない。“学会の体質は変わっていない”という印象を強くする」
       ---------(49P)-------つづく--

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しんぶん赤旗の戦い③-4

2016-03-30 10:15:06 | Weblog

 (政教一体)公明党・創価学会 政権参加を問う③ しんぶん赤旗・特別取材班
               新日本出版社  750-  2000/4
    -------(P29)--以下、本文--

“曰顕宗”の根を断て!
“最後の決着の戦い”を大号令
 創価学会の牙城、関西--。今回取材班が入手した「2000年・関西の活動」と記した内部文書は、次のように訴えています。
「創価学会創立70周年、池田先生の第三代会長就任40周年の佳節を迎える。5・3『創価学会の日』を世界の青年部と共に、関西で祝賀し、『世界の関西』から、21世紀への『師弟共戦』の前進を開始したい」

◆“極悪の構図”を学習して……
 県長会議で徹底されたこの内部文書はさらに、「活動の基調」のなかでこう強調します。
「常勝関西の栄光の歴史は、『師弟共戦』の関西魂の歴史である。21世紀へ、『師弟共戦』の誓いも新たに、常勝の新たな活動を展開してまいりたい」
 ここにいう“師弟共戦”の意味を、創価学会元幹部が説明します。
「“師”とは師匠の池田大作名誉会長のことで、“弟”つまり弟子はもちろん学会員のこと。池田氏がもとめる広宣流布達成のために、師弟が上下一丸となってたたかいぬくことを指す。焦点は目前の総選挙の必勝だ」と。
 ところで--。内部文書を読み進んでいくと、〈法華講救済運動〉という項目に突きあたりました。
「いよいよ、極悪・日顕宗の根を断つ決着の時が来た。関西は、先生から頂いた『光の大軍』との指針のまま、極悪の構図を正義の光明で明かにし、善の陣列を構築してまいりたい。……徹底した法華講救済運動を展開してまいりたい」
 その運動方針として、--
 ▼5・3目指し、最後の決着の戦いを進める、
 ▼「自由座談会」や「創価新報」等を活用し、悪の構図を学習する、
 ▼法華講から救済された脱講者のフォ口ーをする
 --などの諸点を掲げています。
「日顕宗」の日顕とは、創価学会を破門した日蓮正宗の阿部日顕法主のことで、憎しみをこめた学会流の呼び名。また「法華講」とは、同宗の信徒団体(講)です。
 関西の学会・公明党の元幹部で現在は法華講に入っているKさんは、「私の体験からも、創価学会の排他性や凶暴性は目に余るものがある」と、こう話をつづけます。
「“法華講からぬけろ、脱講しろ”と元学会員はひどい攻撃をうけている。法華講員の信教の自由まで踏みつけにする行為だ、ということをわかってほしい。ちなみに『聖教新聞』の『自由座談会』を見てもらいたい。もうめちゃくちやだ」

◆「聖教新聞」でも連日の攻撃
 確かに「聖教新聞」のその連載には、新年からこんな見出しがおどっています。
「日顕は希代の首切り魔」「日顕の“二枚舌説法” 」「無能法主』「悩乱法主」「今や宗教界きっての独裁宗門」「大聖人の仏法とはまったく無縁の邪教」……
 一月七日(二〇〇〇年)には、東京・信濃町の創価文化会館で全国総県長会議が開かれ、秋谷栄之助会長が発言。「聖教新聞」(八日付)はその発言内容をこう報道しました。
「『法華講救済』に敢然と取り組んでいくことこそ、『悪を滅し、善を生じる』功徳無量の戦いであると力説。広布の前進を阻むガン細胞のような日顕を追いつめ、鉄槌を下していこうと訴えた」
 創価学会の激しい攻撃にさらされた日蓮正宗。静岡県富士宮市の総本山,大石寺はいま--。
       ----------------
憎悪のエネルギーを選挙戦へ
 富士山の西南のふもとに位置し、静岡県富士宮市の北西部に建つ日蓮正宗総本山・大石寺--。
 創価学会は日蓮正宗を“邪教”と位置づけ、内部文書で「極悪・日顕宗の根を断つ決着の時が来た」と大号令をかけています。
 大石寺関係者は、「怖い、緊迫感が漂っている」とこう打ち明けます。

法主の似顔絵踏みつけさせ
「細川連立内閣(一九九三年八月発足)で公明党が四閣僚を手中に収めたとき、ファシズムの危険を感じた。だが、このとき自民党は野党で、創価学会・公明党の政教一体を厳しく批判していた。それが今回は自民党と学会・公明党が手を組んだ。これで事態はいっそう深刻になり、危険性が鮮明になってきた」
 話は、さらに--。
「学会・公明党が権力に加わり、自自公連立政権の影響力のもとで権力を利用し、一般の信者までが一方的に被害に卷き込まれていくことを恐れる」
 日蓮正宗の信徒団体(講)だった創価学会にとって、総本山・大石寺は聖地でした。
「北は北海道、南は九州・沖縄と全国から学会員が大石寺に参拝し、本門戒壇の大御本尊様にお目通りする。このことが最上のよろこびだった」と古参学会員がいいます。
 しかし日連正宗は一九九一年十一月、創価学会の教義上の逸脱や誤りにとどまらず、言論出版妨害事件、選挙時の替え玉投票事件、日本共産党宮本宅電話盗聴事件はじめ数々の社会的政治的不正事件を理由に、創価学会を破門処分としたのです。
 日蓮正宗信徒団体のある幹部は証言します。
「それ以来、創価学会は教義で争うのではなく、“日顕宗は魔だ、つぶせ!” と、徹底した人格攻撃や、嫌がらせ攻撃をはじめた。一方で学会からの脱会者をくい止めようと、学会の会館の階段に法主の似顔絵をはりつけ、それを踏ませたこともあった。江戸時代の踏み絵そのものだった」

◆「脅迫、見張り、尾行、徒党を組んでの嫌がらせ訪問」
 首都圏の日蓮正宗寺院の僧侶が発行する月刊誌『妙教』も、「編集後記」(九九年十二月号)で次のように告発しています。
「創価学会は、法華講員に、脅迫、脅迫電話、見張り、尾行、徒党を組んでの嫌がらせ訪問と、犯罪として立件されないギリギリの、ありとあらゆる嫌がらせをしておきながら、選挙となれば、平気で法華講員宅へ票をたのみに行く異様な教団である」
  関西の元公明党中央役員は断言します。
「こうした宗門攻撃、法華講員や学会脱会者攻撃は、実は選挙戦と一体となっている。池田大作名誉会長はつねに仮想敵をつくり、憎悪のエネルギーを内部から引き出し、これを票取りなど政教一体の選挙活動に結びつける。“共産党は怖い、最後の敵は共産党だ”とあおるのも、同じ手法、手口だ」
 日蓮正宗の幹部僧侶は、こうつぶやきました。
「破門は正しい選沢だったと思う。もしその決断をしていなけれぱ、日蓮正宗はどうなっていたか……」
       --------------------
他宗信者を追跡調査し、工作、管理
 創価学会の憎悪と“邪宗撲滅”攻撃は、宗門(日蓮正宗・大石寺、阿部日顕法主)だけでなく日蓮正宗信者個人にまでおよんでいます。
 日蓮正宗の信徒団体・法華講に入つているAさん=大阪市在住=の体験--。
「昨年(九九年)十一月、学会の幹部四~五人が突然、わが家にやってきた。「法主は間違っている』『くそ坊主』とか、私にたいしても『死ね』という言葉まで投げつけるのだから、直接的な暴力はないものの、本当に恐怖を覚えた」

◆「脱講闘争」の手引書まで用意
 学会員のこうした訪問は、この月だけで四~五回に及びました。
 Aさんは八年前に創価学会を脱会しています。脱会直後にも、無言電話、庭へのゴミの投げ捨て、怪文書と、「家から出られなかった』ほどの状態になりました。
 その恐怖を忘れかけていた七年後に起きた突然の訪問。「ここまで執拗だったのか」とAさん
はふりかえります。
 Aさんだけの体験ではありません。創価学会は組織全体に「21世紀を前に、いよいよ、極悪・日顕宗の根を断つ決着の時が来た」(関西の県長会議資料)と檄を飛ばしています。
 創価学会による組織的な法華講員の脱講工作。そのための手引書まで用意されています。
 例えば、ある地方の学会組織が作った「脱講闘争体制マニュアル(案)」--。
 それによると、脱講工作のターゲットは創価学会脱会者と法華講員。まず名簿作りから「脱会者が死亡していても家族がいる場合は作成」し、他地区に転居しても「追跡調査」して「漏れを無くす」。--学会をやめても子々孫々まで監視しつづける、という仕組みです。

家族を含めた名簿づくリ
 この名簿を「地区教宣部長が保管し、コピーを県に提出」します。名簿にもとづき、対象者が所属する日蓮正宗寺院ごとに「(学会の)教宣部員が担当」につき、「人間関係で脱講闘争を進める」。そして、「再教育を一定期間経た後、『法華講・脱講者の入会』(「平成9年8月28日」付県長会資料)の手続きに沿って」創価学会に再入会させる……。
  脱講工作にあたる教宣部員は、対象者の現状を部長まで報告するシステムになっています。報告の内容は、法華講での活動状況(寺の行事や登山=大石寺への参詣=にどの程度参加しているかなど)から創価学会時代の役職まで詳細を極めています。
 他の宗教を信じている者の“家族を含めた”名簿を作り、転居先まで追跡してその信仰の状態を調査し、管理する--。そんな実態が浮かび上がってきます。
 創価学会は、これを「極悪の構図を正義の光明で明かにし、善の陣列を構築」(関西の県長会議資料)する「救済運動』と位置づけているのです。
 学会をやめて八年後にさきの体験をしたAさんはいいます。
「私はいまの信仰で十分救われている。いまさら“救済”してもらう必要はないんです。私の信仰の自由を妨害しないでほしい」と。
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宗教上の対立に“行政が介入せよ”
「宗教上の対立」が議会や行政に持ち込まれたら……。静岡県富士宮市議会での事態をリポ-トします。
 創価学会が憎悪し、“撲滅”の対象にしている日蓮正宗総本山・大石寺(阿部日頭法主)のおひざ元での出来事です。

◆質問に立つた公明党議員が
 一九九三年三月四日の市議会本会議。一般質問に立った公明党議員が、こう切り出しました。
「社会性が問われている大石寺関連の諸問題について」
 同議員が取り上げたのは、その二年前(九一年三月)に大石寺が創価学会に登山(本山参詣)停止を通知した問題です。
「創価学会員が大石寺に登山できなくなったということは、社会的、経済的効果の上で、いかに多大な影響を引き起こさせたか」「富士宮市の活性化にもそれなりの影を落とし、また税収面から見ても、財政上、少なからず影響を与えているものと想定される」
 観光、大石寺参道の売店、民宿……と参詣者数減少の影響をあげ、「行政においても無為に看過できない事態にあると判断せざるを得ません」と、市に対応を迫りました。
「登山」は日蓮正宗信者にとって“功徳をいただく”大切な信仰行為。登山し「大御本尊」を拝して題目を唱えます。その際、信者が納める「御開扉」料は、宗門・大石寺にとつて大切な財源。創価学会は大量の「登山」を組織し、宗門への影響力拡大の材料にしてきました。
 七〇年代後半、宗門と創価学会との関係にあつれきが生じた時、学会はさまざまな理由をつけて登山者数を削減。本山への“兵糧攻め”と評されました。その後、今度は逆に、宗門が学会の登山停止を通告し、学会を破門(九一年十一月)。学会側の宗門攻撃は、いっそうエスカレートします。
 公明党議員の質問は、その最中のことでした。
 この質問に市長は、「率直に言いまして、事が宗教上の問題でございますだけに、現況としては行政の立場から介入するすべがない」と、「宗教上の問題」にたいする行政の立場を明快に示しました。
 しかし、公明党議員は執拗でした。
「大石寺と創価学会の宗教上の対立、改善すべき方法がない、一日も早い解決を願っているという次元からの問題のとらえ方では、何らの行政上の対応手法は生まれてこない
……行政として何をするか、これが問題である」

境内の木の伐採まで言及
 同議員の追及はさらに、大石寺が境内の桜の木を伐採したことにまで及びます。「(宗門は)余りにも冷酷無慈悲だ」「社会性が問われたその最もいい例が今の桜の木の伐採でございましょう」。
  議会論戦をみてきた保守系議員は、当時をふりかえつてこういいました。
「境内でその所有者が木を切ったとしても、問題にならないことは常識。それをあえて質問したのは、まあ、お寺に不満があったんだろう。それにしても、裏に何か潜んでいるものがあったのかもしれないと思ったよ」
 公明党の最近のパンフ『決着ずみの「政教分離」論をなぜ蒸し返すのか』で、北側一雄衆院議員は「この三十年、国会の場に、また地方議会の場に宗教的原理など、持ち出したことはないではないか」とのべています。
 が、日蓮正宗にからむ公明党議員の質問はこれにとどまりません。
       --------------------
宗教行事にまで“条例規制”迫る
 静岡県富士宮市議会。公明党議員は一九九四年七月、今度は日蓮正宗大石寺側の「法華
講六万総登山」(同二十四日)を取り上げました。
 前年の質問では、学会員が登山停止されたため“くる人が少なくなった”ことを問題にし、今度は“くる人が多すぎる”ことを問題にしたのです。「市民の方々の生活に大きな御迷惑をおかけするような事態が発生する」かもしれないという主張でした。
 大石寺の総登山難くせっけてその理由はこうです。
「このような行事が行われた場合、観光客が交通渋滞に巻き込まれ、富士宮市の観光に悪印象を持ち帰るおそれがあります」「市民はどのような精神状態になるか……(昼間なら)異常な交通渋滞が予測されます。夜間であれば、当然のこととして正常な唾眠を妨げる」「食中毒の問題だとか、病気の
問題だとか、それから例えば現池で会合が炎天下でもし行われたとしますと、日射病の問題とか、いろいろな心配がされる」「市内の宿泊施設……ほとんどが満杯だそうです、予約で。そういうことになりますと、ますます混雑を起こす心配がある」
 さらに、「(許容人数を)超える内容については、届け出をしなくてはいけないというような条例を」と、。条例規制まで迫りました。
  この時の市長の答弁も明快でした。
「議場では余りなじみのない質問」だが、「音楽の催しであれ、あるいは観光、学会、研究会、さらに宗教上の集いであれ」「結構なこと」「集会、言論、結社の自由というようなものは、憲法上保障されている……市へ集会の届け出をする条例をつくるということは大変難しいことだと、常識の範囲では考える」
 昨年(九九年)十二月の決算特別委員会では、大石寺境内の正本堂跡地にたいする課税問題も取リあげました。
  正本堂は、創価学会が大石寺に寄進した巨大建築物。宗門(阿部日顕法主)は九八年、「正本堂建立以降、池田大作氏(創価学会名誉会長)に増上慢(慢心)が生まれた。放置できない」(大石寺内事部役員)ことや老朽化を理由に、解体を決定しました。

  ◆正本堂跡地への課税指導も要求
  全国約一千力所の創価学会「文化会館」は選挙の拠点となり、池田名誉会長の専用別邸とされる会館も少なくありません。しかもそれらは「宗教施設」として非課税扱い。ところが、こと大石寺の問題となると、公明党議員の質問はこうなります。
「正本堂の問題につきましては、実際はもう平成十年に壊してしまって使つていないわけで、あそこが一体の土地だから全部非課税なんていうのはちよっとおかしいんだというふうに思う」「非課税の申込書は来ていないんですか……市役所の上から見たって、正本堂がなくなつているのが分かるわけで実際行って指導すればいいんじゃないですか」
 境内地非課税は常識のことですが、公明党議員によるこの種の大石寺関連質問は四回にもおよんでいます。
 日蓮正宗関係者はいいます。
「“邪宗撲滅”という意味の言葉は私たちにもある。しかしそれはあくまでも信仰上、教義上の問題。それを物理的にやったり、議会に持ち出し、行政権力を使ってやろうという考えはまったくない。それは信仰の自由、政教分離原則の根幹にかかわるからだ。公明党の政権入りで、こんなことが国政の場にまで持ち込まれたら、どうなるのか」
       ---------(43P)-------つづく--

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しんぶん赤旗の戦い③-3

2016-03-29 08:26:54 | Weblog

 (政教一体)公明党・創価学会 政権参加を問う③ しんぶん赤旗・特別取材班
               新日本出版社  750-  2000/4
    -------(P24)--以下、本文--

寺院放火未遂事件
ガソリン手に、ライターで……
 次は、昨年(一九九九年)発生した寺院放火未遂事件のリポートです。
 一九九九年八月十七日午前九時五十分ごろ、神奈川県横須賀市日の出町、日蓮正宗法照寺(石井栄純住職)。一人の男が車で乗りつけ、玄関に入りました。

◆“何回でもやってやる”                                                     
 男はじゅうたん敷きのロビーにかけ上がり、やにわに、手にもったポリタンクから液体を四方にまき散らしました。発見者の住職夫人と石井昇事務長が現場へ急行。「異臭から、ガソリンとわかった」と、住職夫人はいいます。
「大変だ!」事務長が男に突進。逃げまわる男を山門付近でとり押さえました。男は抵抗をやめず、ライターに火をつけ、「火をつけるぞ」「住職を殺す!」。
寺の通報でかけつけた横須賀署員に逮捕されたあとも、男はしゃべりつづけました。寺側かとった録音テープによると--。
「おれ、栄純(住職)を殺すつもりできたんだからさ、何回でもやるよ。そこ(男のカバン)によ、三十センチのよ、刺し身包丁があるんだよ、こん中に(現場検証の警察官の『あった』の声)。栄純が出てきたら刺し殺してやろうと思っていたんだ」「おれは何回でもやるよ。出てきたら。十回でも二十回でもよ、懲役なんか何でもねえから。もう、今、刑務所へいくつもりでやってきたんだから」「やっぱりやんのはガソリンだよ。一気にいくからボーンと」……。
 警察の調べによると、まかれたガソリンは五リットル。放火を未遂段階で防げたのは、まったくの偶然でした。 住職夫人がいいます。
「当日の予約で、午前十時に法華講員(日蓮正宗信者)が葬儀の申し込みにくることになつており、私は玄関付近を映すモニターテレビを見ながら待機していました」

ひとつ間違えば大惨事にも
 そのモニターに男の姿がうつり、異常を知ることができたのでした。男をとり押さえた石井事務長がいいます。
「もしモニタ-の設備がなかったら、来客との約束の時間が午前十時でなかったら、犯行を事前に発見することはできなかった。また、犯人をとり押さえた私の体がガソリンでぬれていたら、大惨事につながったことはまちがいない」
 建造物放火未遂で逮捕、起訴されたのは横須賀市三春町に住む男(46)。十二月四日、第一回公判(横浜地裁)で証人尋問に立った被告の父親は、「息子(被告)も家族も創価学会員」と証言しました。
 被告は、創価学会が日蓮正宗から破門(九一年十一月)されるまでは法照寺に出入りしていたといいます。破門後は敵意をあらわにし、石井住職の車を尾行することもありました。寺のモニタ--も、そうした嫌がらせ対策として設置したものでした。
       --------------------
“刃物まで持っていたとは……”
 この創価学会員による放火未遂事件は、寺周辺の住民にも衝撃を与えました。
  ◆学会員であることを伏せて報道
 寺のすぐ近くに住む主婦は、「心を救済するお寺に火をつけようとするなんて、前代未聞。もしガソリンに引火していれば火の回りが早いから、寺だけでなく住宅街にまで惨事がおよんでいたでしょう。住職を殺すために刃物まで持っていたとは、もう絶句」と語ります。
 事件翌日、新聞各紙は「四六歳会社員の男放火未遂で現行犯逮捕」(「神奈川新聞」)、「寺に放火未遂容疑の男逮捕」(「朝日新聞」)、「寺院に放火しょうとした会社員男を逮捕捕」(「読売新聞」)と実名で報道しました。しかし犯人が創価学会員であることは伏せていました。
「法照寺側が住民に配った文書で犯人が創価学会員と知った。宗教が違うからといってなぜ異常手段で襲うのか。とても理解できない」と、さきの主婦はいいます。
 男はなぜ、放火し、刺し身包丁を持って住職を殺そうとまでしたのか。石井栄純住職によると、男は住職らにこんな言葉を浴びせていました。
「宗門(日蓮正宗や法照寺)はこんなに悪いと『聖教新聞』に書いてあるのに、だれも何もやらない。オレがやるしかない」「栄純(住職)は日顕(日蓮正宗法主)の一番弟子だ。だからあいつをやるんだ」
 事件当時、「聖教新聞」は連日、「日顕は一目で分かる偽法主」(八月十日付)、「日顕の魂は嫉妬で真っ黒け」(八月十一日付)、「法主の頭が腐った臭門」(八月十二日付)、「血脈詐称の日顕」(八月十三日付)、「本尊を否定のエセ法主。悪辣なる『宗教詐欺』」(八月十四日付)、「日顕、醜いぞ。ウソ八百の証言は、すべて陰謀」(八月十五日付)などと書いていました。
 法照寺は九八年三月、五十メ-トル先の現在地に新築移転しました。このときも猛烈な反対、妨害にあったといいます。

◆「暴力で解決」理解できない
「寺の新築は、日照権などを含め建築基準法を完全にクリアしている。一般住民の理解を深める努力もしたが、最後まで反対したのが創価学会。何が反対理由なのか、説明会でもいわない。ただ反対、反対のくり返しだった」と、石井住職はいいます。
 寺周辺は創価学会員の多い地域。法照寺は一般住民に迷惑を及ぼさないよう願い、山門前に看板を立てました。「悪質ないたずらは断じてやめてもらいたい」と。
 周辺住民からは、こんな声があがっています。
「寺の新築では、関係ない町内会まで反対運動に巻き込もうとした。寺が完成するとこんどは放火未遂。住民に迷惑をかけたのだから、創価学会から何らかの説明や謝罪があってもいいのではないか」
「宗教の争いを、暴力で解決しょうという行為は何としても理解できない」
       ---------(29P)-------つづく--

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しんぶん赤旗の戦い③-2

2016-03-28 09:18:17 | Weblog

 (政教一体)公明党・創価学会 政権参加を問う③ しんぶん赤旗・特別取材班
               新日本出版社  750-  2000/4

第五部 抑圧体質は改められたか
 池田大作会長(当時)は言論出版妨害事件の「おわび講演」(一九七〇年五月)で、創価学会と公明党の「分雜」、「かたくなな反共主義」の是正、「信教の自由を遵守し」「退会したい人」を「決して執拗にとめてはならない」などを公約し、「再出発」を誓いました。
  これらは民主主義や基本的人権を守る上で、避けてはならない課題。私たちは第四部で、そのうち「分離」公約について事実にもとづく検証をしました。第五部では、残る公約のその後を追います。まず、今年(二〇〇〇年)二月六日投票でおこなわれた大阪府知事選挙と京都市長選挙のリポートから--。
       --------------------
大阪・京都で何が起きたか
“政教分離なんていつてられへん”
“常勝開西”--創価学会がそう位置づける大阪と京都で熱い選挙戦が展開されました。
 公明党政権入りのもとでの大阪府知事選挙と京都市長選挙。創価学会・公明党がどんな役割を果たしているか、現地からの緊急リポートです。
「まさに創価学会主導」。太田房江知事候補(自・自・公・民)陣営の大阪財界人がそういいます。「(太田陣営で)一番力の入っているのは公明党だ」とは石垣一夫公明党衆院議員(二〇〇〇年一月二十四日、吹田市)。
 学会主導--。それは告示翌日(一月二十一日)の動きにも顕著でした。

◆学会婦人部にうかがって
 昼から大阪市内のホテルで開かれた「女性のつどい」。太田候補の演説は、「学会の婦人部にもうかがって、たくさん話をさせてもらいました」と、壇上の公明党幹部や会場の学会員を意識したものでした。
 この日の締めくくりは夜八時半、堺市の教育文化センタ-での公明党政談演説会。会場では「政教分離なんて、いってられへんで」というささやきも聞こえてきます。
 北側一雄公明党衆院議貝が、「共産府政なんかにしてはならん、大阪の経済も財政再建もだめになってしまう」と絶叫すると,われんばかりの拍手がおこりました。
 選挙序盤から一日に二度も創価学会中心の集会で支援を訴える……。太田陣営の主力がどこにあるのかを印象づけました。
  各地の創価学会の「会館」も出入りが激しくなつています。告示前日(一月十九日)、松原市文化会館では午後、女性学会員が集結。夜になると誘導棒を手にした会館職員が門前に立ち、車、バイク、徒歩で学会員がつめかけました。
「この時期の集まりは、選挙の意思統一と『Fどり』(支持拡大)の集計報告」と、選対経験のある元学会幹部。別の現役学会役員によると、府下の有力学会員宅などには「企画室」と呼ぶ選対拠点も設置したといいます。
 ノック前知事のわいせつ辞任を受けた大阪府知事選。「自民党本部は、創価・公明が乗りやすいことを最優先して候補者選びに動いた」--『自民党府連がかつぐ平岡竜人陣営幹部がいいます。

◆「公明新聞」で親密さアビール
 太田氏自身も、告示直前(一月一七日)の「公明新聞」大型インタビューに出て「浜四津敏子代表代行から…….、福祉の在り方を学習させてもらいました」と、親密ぶりをアビールしています。
 太田候補応援は、府政刷新を願う府民や日本共産党への攻撃と一体になっています。
「日本共産党の街頭宣伝に、創価学会の『文化会館』から出てきたニ十人ほどの会員が激しいヤジを浴びせた」(大阪市西成区)などという動きが、各地に出ています。
 松原市の日本共産党市議.森田夏江さん(37)は、こう語ります。
「私たちの宣伝活動にたいして、最初のころは、『ノック知事のセクハラ事件は共産党の陰謀』というヤジがほとんどだった。選挙本番になると『共産府政になると公共事業がなくなって経済が衰退する』ともいいだしている」
 選挙対策中枢にかかわる創価学会幹部が、知人にこう語っています。
「大阪府知事選と京都市長選は特例的に重視して応援する選挙。その理由の一つは、自自公政権の枠組みでたたかう選挙として絶対に負けられないということ。二つは『共産府市政許すまじ』だ!!」
 千六百人を集めた吹田市の演説会で公明党の石垣議員はこう叫びました--。
「公明党と共産党のたたかいだ!」
      ---------------
一夜でまかれたビラの出所は……
「もうすぐ市長(桝本頼兼候補)がお見えになるので、ぜひ三色旗(創価学会旗)を元気いっぱい振つていただきたい!」

三色旗、うちわが打ち振られ……
 二〇〇〇年一月二十四日夜、京都市北区の演説会。大小の三色旗や三色のうちわが打ち振られ、まさに創価学会の内部集会の様相を見せました。
 演説会で公明党の森本晃司参院議員は、「今回は(公明党が)一番早く選挙をしている」、しかし「あなどれるたたかいではない」。
 前回市長選で公明党は、選挙本番後に創価学会関西長が直接乗り込んで桝本支持を表明。今回は違いました。九九年十二月、早々と「支援対策本部」を設置。桝本陣営関係者は「各地から(学会員が)驚くほどたくさんきてくれている」といいます。「学会さんが、がんばつてビラをまいてくれる」というのは自民党府連役員。
「共産党の公約ウソとスリカエだらけ」--桝本陣営の機関紙「健康京都」が市内全域にまかれました。保守系を含めた広範な市民・団体が推す井上吉郎陣営を「共産党」にすりかえ、ゴミ、交通など項目ごとに井上候補の政策に「反論」をこころみたもの。
 このビラがまかれたのは一月二十二日(二〇〇〇年)深夜から二十三日未明にかけて、しかも市内全域いっせいにでした。こんな芸当がなぜできたのか。深夜、地理不案内の様子で懐中電灯を手にして配布するグループの姿も目撃されています。
 ところがそれ以前から、ビラとまったく同じ内容の文書を使って票よみする人々がいま
した。
       ---------------
「内部討議資料」と書かれたB5判三枚つづりのもの。全戸配布したビラとは、形式は違うものの、文章の構成から句読点まで、うり二つです。
 ビラ配布前日、市民の一人にこの文書を渡し、「共産党はうそばっかりやから、桝本さんに」と依頼したのは知り合いの創価学会員。以前、この人を折伏(入信勧誘)したこともあります。

◆「学会が丸ごと関西にきた」
 公明党の元国会議員は、「今どき、こんな反共攻撃一辺倒では逆に反感を買うのではないか」といいます。
「創価学会が丸ごと関西にきたんとちがうか」--そんな話題が市民に広がるほど。「自民党は業界団体や行政ルートを押さえにかかつている。学会,公明がこんなに表面に出るのは珍しい」とは地元関西マスコミ関係者。
 京都は宗教都市。大阪にも多くの寺社教会があります。それだけに、政権入り後の創価学会・公明党の動きには、関心が大きい。世界遺産都市の文化や自然を守ろうという声は、宗教界にも広がっています。
 本山修験宗の宮城泰年宗務総長はこう語ります。
「創価学会は勢力拡大に政治を利用してきた。それだけに市長選での動きには、由々しき事態だという声が宗教界に広がっている。これは大阪でも同じだろう。信教の自由、政教分離原則をはじめ、民主主義を守るうえで避けて通れない問題だ」
 さきの演説会で森本議員は「政治の流れを逆戻りさせてはならない」といいました。
「政治の流れ」とは--。公明党.創価学会だのみの“自自公”の流れか、“府市民が主人公”の流れか。

       --------------------
“学会の三色旗が正面に出た”
「三色旗を振つて何が悪い!」
 二月二日(二〇〇〇年)、京都市下京区で開かれた演説会で、山名靖英公明党府本部代表は、こういい放ちました。
 市長選告示翌日の一月二十四日、桝本頼兼候補の演説会(北区)は超満員。四~五人に一入が三色旗や三色のうちわを持ち、ウォーと声を上げて打ち振りました。
 同二十六日の公明党内部集会(伏見区)では、三色旗のほか「共産党打倒」などのノボリが林立。公明党でなく創価学会の組織名入りでした。
 最終日の演説会には、井上吉郎候補をもじった赤鬼「鬼血」郎まで登場。これを退治した 「桝本侍」が扇子を広げると、これも三色に塗り分けられていました。

政権をバックに 力を社会に誇示
 青黄赤の三色旗は創価学会の旗。まさに選挙戦で「学会が正面に出てきた」を象徴する場面でした。
「政権党のおごりだ」と、この動きを批判するのは公明党元国会議員。「私のころは政教分離の手前、演説会では『公明新聞」の旗しか使わなかった。政権をバックにした創価学会の力を社会に誇示したのだろう」といいます。
 大阪--。公明党が受け持った地域の「ターミナル・ビラ実施計画表」。日付ごとに駅頭ごとのビラ配りの動員人数を記入しています。
「〇月〇日錦城5、本陣5、創価5」……。
 この名前でも明らかなように、ここでも創価学会の組織が正面に出ています。
「とにかく、創価学会は攻勢的だった」と大阪の自民党幹部。「今回は、自民党に近い業界団体にも『自民党の親せきです』と、堂々と乗り込んできた」といいます。
 鰺坂(大阪》、井上(京都)陣営や日本共産党の街頭宣伝にたいする妨害も続発しました。

ば声、体当たり ビラ配布を妨害
 大阪市西成区で、パンフレット宣伝中に五、六人の創価学会員に取り囲まれた大山隆さん(仮名)は、その体験を語ります。
「近所の顔見知りで、ふだんはあいさつをかわす仲の人たち。それが「ウソをつくな』『アホちがうか』とすごい形相で怒鳴りちらす。なにかにとりつかれたみたいで、殴られるかと思った」
 東淀川区では二月五日、「善良な一市民」を名乗る二十人近い集団が、日本共産党の正当なビラ配布を妨害しました。「こんなビラまきやがって!」と、ば声をあびせながら体当たりし、ビラを奪って足で踏みつける……。彼らが乗ってきた車の持ち主は同区内在住で、公明党や創価学会の活動に参加する男性であることがわかりました。
 京都市伏見区の団地でパンフレット宣伝中、話が政教分離問題に入ると突然、高層階から怒声が聞こえ、ビールびん二本が落ちてきました。
「今回の選挙に二つの特徴があった」--選挙後、自民党幹部がこう語りました。一つは「三色旗が初めて正面に出た」こと。もう一つは「学会員が一人で票取りや宣伝に歩いた」こと。「以前は二人連れだったが、政権入りで(譬察に気がねすることなく)安心して歩けたのだろう」と。
       --------------------
謀略的作戦を主導したのは……
 京都市長選開票結果の出た二月六日(二〇〇〇年)夜の桝本頼兼市長の選挙事務所。山名靖英公明党府本部代表の誇らしげな顔がありました。
「公明党さんのおかげです」と、腰をかがめんばかりに握手を求める自民党幹部らにこたえた山名氏、マスコミ記者の質問に「確かに前回より力が入りましたね」。
 創価学会・公明党の動きは「表」の部分だけでなく、有権者には見えない「裏」の部分でも顕著だったようです。

反共ビラ作成をリードしたのも
 関西の創価学会幹部が「自自公路線を守り、共産党の躍進を許さないたたかい」という二つの選挙。なりふりかまわぬ謀略的な作戦が水面下で繰り広げられました。
「反対だけが実績」「一党独裁がビジョン」--市長選では、日本共産党を中傷する反共ビラが連続して大量配布されました。それも桝本陣営の機関紙としてです。
 この、日本共産党を誹謗、中傷するビラ作成と配布の過程は、複数の桝本陣営関係者によると、こうです。
  従来の桝本陣営の宣伝物は、自民党議員秘書らが中心になつて作成していたといいます。しかし、一連の反共ビラについては、各党代表者による会議で完成間近のゲラが公明党サイドから提示され、他党は事後承認するかたちになった、といいます。
 反共ビラは,日本共産党京都府委員会が党員向けに発行した「府党二ュース」を転載し、趣旨をゆがめて攻撃するところまでエスカレートしました。桝本陣営開係者は、「これには他党から『やりすぎではないか』との声が上がった」と語ります。
 これらのビラの配布も「学会ががんばってくれる」(自民党関係者)と、公明党・創価学会に頼りきったのが実際でした。
 大阪府知事選は、自民党が党本部と府連に分裂してたたかいました。それだけに太田房江候補を推した公明党の存在感が際立ちました。
 候補者擁立の過程からしてそうです。月刊『文芸春秋』三月号の政界コラムは、「常勝関西」を仕切る創価学会の西口良三副会長が、民主党と一緒になって太田房江氏を引っ張りだし、西口氏と昵懇の野中広務自民党幹事長代理を通じて自民党本部の了解を得た、と指摘しています。
 実際、一月二十一日の界市での演説会では「侯補者人選は(九九年)十二月二十一日から」(北側一雄公明党衆院議員)などと、擁立経過を詳細に説明し、同党主導ぶりを示しました。
 それだけに大阪、京都とも候補者は、「公明党が大好きです」(桝本市長)、「(公明党の)みなさまのおかげです」(太田知事)と平身低頭でした。
 なぜこのような事態になったのか、ある自民党幹部は、こう語ります。

天の声々として現地に伝えられ
 「自民党には、大阪や京都で自力で勝てる力がなくなってきた。そこで野中さんらは、創価学会に頼った。その自民党執行部の意向が“天の声”として現地に伝えられている。
 だから公明党のやり方が議会制民主主義の常識からみてどうかなと思っても、文句はいえなかつた」

霊感商法の団体まで引き入れ
 大阪府知事選最終盤の二月三日(二〇〇〇年)深夜から、「共産政治になったらえらいこつちゃ」と、日本共産党を誹謗、中傷するだけのビラがいっせいに配られました。住所も電話番号もない出所不明のビラです。

  ◆深夜から早朝府下全域で
 市街地から府県境の農村地域まで府下全域。推定二百万枚にも及びました。しかも大半は三日深夜から四日早朝までの時間です。
 ビラはタブロイド判大のカラー刷り六ぺージ、中面はのり付けまでしてあります。印刷業界関係者によると、安く見積もっても一部十五円以上はかかるといいます。
 配布の仕方も、日本共産党の事務所や党員宅に、数十枚も放り込んだり、玄関にテープでビラを張りつけるという、敵意がにじむものでした。
 短時間で大量配布できる動員力。少なくとも、数千万円を投入できる資金力巨大な組織力を持ち、しかも反共
意識で固まつた団体がやつたことは間違いありません。
 自民党本部に同調せず、平岡竜人候補を擁立した自民党府連幹部はこう語ります。「自自公路線に反旗をひるがえしたわれわれが日本共産党を批判しても、まったくメリットがない。だいたい、そんな大掛かりなことができる団体は一つしかないやろ」。
 日本共産党の不破哲三委員長は二月五日、大阪市内での演説で、ビラの中に統一協会(国際勝共連合)の使う「フロント組織」という用語や勝共連合機関紙号外とうり二つの図表が使われていると指摘。自自公勢力が霊感商法の反社会的団体まで引き入れた謀略であることを解明しました。
 鰺坂陣営は、不破委員長の演説内容を紹介する「大阪民主新報」緊急号外を配り、反撃にでました。すると各所でさらに奇怪なことが--。

連絡とリあい十人、二十人と
 正当なビラ配布活動にたいする暴力的な妨害。携帯電話で連絡をとりあい、十人、二十人とかけつけてくるという組織的妨害です。
「こらあ、なにやっとんねん」「こんなビラまきやがつて」ば声だけでなく、蹴飛ばしたり、体当たりで号外を奪い、踏みつける……。威圧的な行為が続発しました。
 大阪市東淀川区で妨害をうけた民主商工会の会員は証言します。
「六人に取り囲まれ蹴飛ばされたのですが、そのうちの一人の若い女性の持っていた紙袋に、例の謀略ビラが束で入っていた」
 妨害集団のなかに、日ごろ公明党の支持拡大や創価学会の勧誘で活動する人物が加わっていたことも、氏名、住所ともに確認されています。
 号外配布が開始されると、「大阪民主新報」編集部には、組織的と思われる嫌がらせ電話やファクスが集中しました。さらに投票日の昼前から特徴的な変化が起こりました。
「創価学会はやっていない」「平岡陣営の仕業だ」などという“弁明”で、それが口裏をあわせたように始まりました。
 同時に、「大阪民主新報」号外への激励や謀略ビラにたいする批判も寄せられました。
 豊中市のクリスチャンの女性(42)は「選挙妨害だ。気分が悪い。住所も電話も出していない。私たちの権利を侵害している。民主主義が壊れていく」と語りました。
 京都でも同じ。公明党・創価学会批判のビラを読んで知り合いの日本共産党員に電話をかけてきた京都市左京区の現役学会員は、暗い声でこう語りました。
「このビラに書いてあるとおりや。政権についてからの創価学会は怖い。もうついていけへん」
       ---------(23P)-------つづく--

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